「煮ても焼いても食えない奴(やつ)」という表現がある。あまりに強情で 自分の考えを変えることも他人の言うことも聞かない。扱う方法がなく、どうすることもできない…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
秋が深まってきた。ヴェルレーヌの詩『秋の歌(Chanson d'automne)』が思い浮かんでくる季節でもある。古語の味わいを含んだ上田敏の訳では、「秋の日…
戦国時代から江戸時代初期にかけて大名家に御伽衆(おとぎしゅう)と呼ばれる職種の人物たちがいた。これは、もともと主君の側に立ち政治や軍事の相談役となったり、諸国…
アインシュタインの"God Letter" と呼ばれる死去する1年前に書いた直筆の手紙がオークションにかけられ、何と289万2500ドルの金額で落札されたのは…
最近、日本でハロウィン(Halloween) がかなり定着してきた。毎年10月31日の晩に行われるものだが、10月の声を聞くやいなや、日本でも、街の中にオレン…
神戸という街は、かつて港湾で賑わったせいか、いくつかのギリシャ料理店があった。そんなお店で最後に出るのは、ギリシャコーヒー。これはペーパードリップを使うのでは…
江戸時代の富くじは、今と比較して考えると かなりの高額だったようだ。落語に、そんな富くじをネタにしたものがある。一発逆転の人生ともなる大きなものは、千両が当た…
20世紀を代表する小説家として名高いジェイムズ・ジョイスの初期作品『若き芸術家の肖像』の中で「文筆家は、常に新しいことを表現する責任がある」と書いている。文筆…
夜空の昴(すばる)が眼に鮮やかな季節になってきた。この星が瞬(またた)いているのを見上げると、いかにも冬の訪れの近いことを感じる。これは、6~7個ほどの星の集…
数々の映画監督から愛され、恋を語る映画には、さりげなく出演したり、時には、主役の座を奪いかねないほどの演出をしてみせる、『ペリエ・ジュエ("Perrier-J…
「万葉集」や「古今集」に収められている歌を一首?と言われても、その道に精通した人でなければ、一首さえも諳(そら)んじることはできない。だけども、小倉百人一首の…
アメリカで人気だったテレビドラマ『LOST』の準主役であるケイト役のカナダ人の女優エバンジェリン・リリー。知的美人との誉れ高い。その彼女も、現在2児の母。テレ…
『徒然草』を見ていると、時々、奇妙な段にぶち当たる。たとえば、百四十九段は、非常に短い。その文を記すと、「鹿茸(ろくじょう)を 鼻にあてて嗅ぐべからず。小さき…
俳句の戯(ざ)れ表現に「根岸の里の侘び住まい」というのがある。これは発句に季語になる言葉を入れて表現しさえすれば、どんな言葉を入れても名俳句のように聞こえると…
カリスマと呼ばれる人間は、何よりも言葉の魔術師のようなところがある。言葉の効用を知っていると表現した方がいいのかもしれない。松下幸之助は、そういった面でのカリ…
鮨屋や鰻料理店に入るとメニューの横に「並・上・特上」などの表現がある。もちろん、等級を表す言葉で「普通、いいもの、特にいいもの」を表している。「上・中・下」な…
仏教詩人と言われた坂村真民さんの詩に『本気』というのがある。その詩を紹介すると、『本気』本気になると世界が変わってくる自分が変わってくる変わってこなかったらま…
2002年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画に『コラテラル・ダメージ("Collateral Damage")』という映画があった。この映…
便利な社会も行き過ぎか?と思えるサービスがある。その一つが冷蔵庫カメラ。遠隔で冷蔵庫の中を見ることができるというサービスだが、冷蔵庫の中身ぐらい、朧げでも覚え…
地球温暖化のせいか季節を表す花の開花時期が変わってきたようだ。それを如実に表しているのは、一般的に彼岸花を呼ばれる花。これは秋の彼岸時期に、誰も種を蒔いたわけ…
シェイクスピア『ハムレット』は、デンマークの属国であった頃をモデルに書かれている。実際、西暦1000年初頭には、デンマークのカニュート王が、ノルウェーやイギリ…
10月と言えば金融の世界では、恐怖の月とも言える。かつてのウォール街大暴落で知られる「暗黒の木曜日(Black Thursday)」は、1929年10月24日…
古代ギリシャ時代に書かれたアイソーポスの話は『イソップ童話』呼ばれる。これは英語的発音。日本の桃山時代には伝わっていて『伊曽保(イソホ)物語』などと呼ばれてい…
粋で勇み肌の江戸っ子を称して『鯔背(いなせ)』という表現をする。「ちょいとあのお兄さん、イナセだね~」などと言う。鯔背の語源は「鯔背銀杏(いちょう)」という髪…
時々、ポンペイの発掘遺跡を展示する『ポンペイ展』なるものが開催される。以前に行った『ポンペイ展』には、焼きたてと思しきパンが展示されていた。あまりに急激に噴火…
ナポレオンの肖像画の幾つかに、片手を懐(ふところ)の中に入れているものがある。フランスではナポレオンのお決まりのポーズとして知られる。ナポレオンは、小柄で醜(…
ニューヨークでスーパーマンが着替えた公衆電話ボックスが撤去されるというニュース記事が出ていた。スーパーマンと言えば、我が子供の頃、お茶の間で人気の番組だった。…
懐石料理店『辻留』の料理長であった辻嘉一氏は、料理本だけではなく、料理にまつわるエッセイの本も数多く残している。そういったエッセイの中には、味覚について示唆に…
「虚実皮膜」という言葉がある。これは現実のものか虚(うつ)ろのものか、わからない状態を表す言葉。ホントのようであるがウソ。現実か虚偽か?薄皮一枚の差。その辺り…
古代中国、戦国時代に生きた荘子(そうし)は何とも奇妙な人物。ちょっと哲学的な香りのする思想家。その書『荘子(そうじ)』から彼の思想を窺い知ることができる。その…
最近、目を惹いたものに宇宙飛行士の募集があった。これは、宇宙航空研究開発機構(JAXA) が募集をかけているもの。13年ぶりのことだという。2,000人以上の…
ビルの避難用階段に螺旋(らせん)階段が時々使われている。踊り場がないため、大勢が避難するにも、淀むことがなく均質に避難することが出来る構造。「螺旋階段」で、す…
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「煮ても焼いても食えない奴(やつ)」という表現がある。あまりに強情で 自分の考えを変えることも他人の言うことも聞かない。扱う方法がなく、どうすることもできない…
映画『PERFECT DAYS』は、役所広司主演の2023年の映画。実際に2023年をモデルとして描いている。主人公は東京の公園のトイレ掃除を職業とする初老の…
古代中国の思想家の一人に老子がいる。彼の考え方に「無為自然」というのがある。これは、自然の摂理に従い無理な力を加えないという考え方。もう少しわかりやすく言えば…
「乙(オツ)」という表現がある。昔の落語家なども、よくこんな言葉を使った。趣きがあって、ちょっといい感じ、と思わせるものに使う言葉。用法としては「乙(オツ)で…
「実存主義哲学」なるものがある。実存主義というので有名なのは、フランスの思想家J・P・サルトルだが、その祖とされるのは19世紀のセーレン・キェルケゴール。今は…
当方は四字熟語に、つい惹かれるところがある。漢字クイズなどで難解な文字が入った四字熟語が出題されると妙に燃える。例えば「喧々囂々(けんけんごうごう) 」と「侃…
先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
時々話題になるものに学歴詐称がある。こと選挙になると、その時に提出した学歴に偽りがあると、当選しても無効となる。何人かの国会議員としての当選者が職を追われたの…
いよいよ梅雨明け。本格的な日差しが照りつけるようになった。日傘は必需品。百貨店での商戦では、男性用の日傘が人気のようだ。そして、目立つのはインバウンドの観光客…
時々、書棚に並ぶ夏目漱石の小説を開いて拾い読みをすることがある。読めば「やっぱり漱石らしい」と感じさせられる。その当時の小説家は、それぞれに個性的な文体を持っ…
「もうどうしようもない」という意味を表わすフランス語に"ニンジンが煮えてしまった(Les carottes sont cuites)" という表現がある。様々…
パリ・オリンピックも、いよいよ開幕間近となる。今回は、32競技329種目で熱戦が繰り広げられる。ロンドンでは、26競技302種目であったことから思えば、ブレイ…
松尾芭蕉の句に「這(は)い出(いで)よ かいやが下の ひきの声」とある。「かいや」は養蚕部屋。「ひき」とは蟇(ヒキガエル)のこと。これは、『奥の細道』の中で詠…
高村光太郎は彫刻家でもあるが、詩人としても知られる人物。彼の詩に「根付(ねつけ)の国」というのがある。「根付け」とは印籠(いんろう)などを帯と結ぶための紐(ひ…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…
梅雨の雨のことを五月雨(さみだれ)と呼ぶ。特に、静々と屋根を濡らすような雨のことをこう表現するようだ。今日も、五月雨の一日。こんな日は、ちょっと足を伸ばして海…