気持ちよくだまされました「medium霊媒探偵城塚翡翠」相沢沙呼著講談社2019年小説も読まず本屋にも寄らない店頭で平積みになっている本を手に取るなどということはなくなって巷でどんな本が読まれているか随分と知らないまま過ごしてきた新しく始まるテレビドラマの予告を見てこの小説の存在を知った主演が清原果耶でなかったら関心も持たなかったかもしれない気になってググってみたら原作は「ミステリランキング5冠」とあるならば読んでからドラマを見ようと手っ取り早くKindle版をぽちっとして読み始めるおいおい、ほんとに5冠?などと疑いを持ちつつ読み進むそこで著者の罠にはまっているわけだが・・ネタバレになってはいけないので書けないが読み終えた時には5冠なんだねと納得する「invert城塚翡翠倒叙集」相沢沙呼著講談社2021年...ミステリランキング5冠なんだね
デューン・シリーズの思い出映画「ブレードランナー2049」の監督、ドゥニ・ヴィルヌーヴが「DUNE」を映画化した映画を見に行きたかったが世情も私情も映画館に出かける環境になくネット配信でようやく見ることができたそして映画館で観たかったと悔やまれるこれから先可能性がないわけではないが・・再映はあるだろうかジョージ・ルーカスが映画化を諦めあのデイヴィッド・リンチが果敢に取り組んだがその完成度に自ら失望したというほどその世界観を映像化するのが困難と言われた原作だがこの時代のSFXをフルに動員し映像は原作のイメージを損なうこと少なく37年前の映画を凌ぐものとなっていた大画面で見ることができたらその思いをもっと強くしただろうしかし、読者でない者にとってどうだったんだろうスケールや映像の質に感嘆する以上にハーバートの世界を...様々な物語の源泉がここにある
重いテーマもあるけれど楽しく読めました近藤史恵(著)「ビストロ・パ・マル」シリーズ「タルト・タタンの夢」近藤史恵(著)東京創元社(創元推理文庫)2014年発行「ヴァン・ショーをあなたに」近藤史恵(著)東京創元社(創元推理文庫)2015年発行「マカロンはマカロン」近藤史恵(著)東京創元社(創元推理文庫)2020年発行書評をちら読みしたら同じ動機で読み始めた人が結構いるようだテレビ東京で放映が始まったドラマ「シェフは名探偵」の原作でほぼビストロ・パ・マルの店内で進行するいわゆる「ワンシチュエーションドラマ」が西島秀俊、濱田岳、神尾佑、石井杏奈のキャストと堤幸彦のトリックシリーズに携わった木村ひさし総監督の演出の妙もありなかなか面白く原作も読んでみようと思った小説も基本的には「ビストロ・パ・マル」を舞台としたシェフと...こんな風にビストロに通えたらいいのに
「壁」を意識することは「内部」と「外部」の同質性に気づくこと「壁」安倍公房(著)新潮社新潮文庫1969年発行収録作品<序>石川淳S・カルマ氏の犯罪赤い繭洪水魔法のチョーク事業バベルの塔の狸<解説>佐々木基一先に紹介した「読書嫌いのための図書室案内」で「赤い繭」が登場する高校の教科書に載っているらしい「壁」は読んだはずだが・・なにせ40年以上前の話である文庫本があるはずだと探し始めたがみつからない何年か前に文庫本をまとまって処分した中にいれてしまったのだろうか1時間以上探して廊下に押し出した息子のマンガ本の棚の最下段でやっと発見する我が家にあったのは1972年9月第5刷で読んだのは当然それ以降ちょうど「読書嫌いのための図書室案内」の主人公と同じ年齢の頃だぱらぱらとめくり思い起こすなどできない話で読み直すはめになる...原点回帰
読書嫌いでも図書室は利用するが「読書嫌いのための図書室案内」青谷真未(著)早川書房(ハヤカワ文庫JA)2020年発行今どきの履歴書に「趣味」などは書かないのだろうか最も無難な趣味は「音楽鑑賞」、「映画鑑賞」と「読書」だと思うが逆にそれでは今どきアピールにならない「読書」と言う場合、科学や技術系の本ではなく「文学」もう少しくだいて「小説」を読むことを指しているように思う「趣味」として扱われるのだからこれは「嗜好」の問題で好き嫌いだから、強いて読めと勧めるものではないいつのまにか親しみ好きになっているものだと思う・・タイトルの「図書室案内」はそうした講釈を踏まえて「適切」だと思うこんなメリットがあるから「読書好き」になったらというものではないが図書室にはいろいろ利用法がある今頃のレポート作成はググってコピペになるの...ビブリオミステリーというジャンルがあるのか
ディック幻の傑作「逆まわりの世界」“COUNTER-CLOCKWORLD”(ハヤカワ文庫SF)文庫–2020/7フィリップ・K・ディック(著)、小尾芙佐(訳)1967年作品これも「幻」の傑作だそうな同じ訳者による旧訳版(聖書じゃないですが)は1983年にハヤカワ文庫SFで出版されている解説は神林長平でこれは旧版のままのように思われる同じ訳者でどう違うのか最初の数ページでかなりの部分が割愛されていた前の訳の方が訳に一貫性がないようで「カー無線」、「ビドフォン」とわずかな紙数の中で混乱があるそういうものが直されている文字の級数が大きくなり1ページ当たりの字数が減ってページ数が増えるはずだが8ページ多いだけで冒頭あたりだけでなく簡略化されているように思う暇になったらいちいち調べても楽しいかもしれない1983年の文庫は...逆まわりの世界改訳版
幻の第一長編、待望の文庫化「市に虎声あらん!」“VOICESFROMTHESTREET”(ハヤカワ文庫SF)文庫–2020/6フィリップ・K・ディック(著)、阿部重夫(訳)1952年作品2013年発行に平凡社から発行された単行本の文庫化1952年、23歳で書いた長編処女作でこの後に続くディックのSF作品に散りばめられる数々の主題のエッセンス、作品を彩るギミックの原型が確かにこの作品に見て取れる平凡社版の紹介はこちら→〇早川書房としてはディック作品の完全文庫化を目論んでいるのだろう紙媒体が衰退する中でディックの本は一定数売れるという読みがある?初刷何冊刷ったんだろうそうい話に関心が移っていく7月には「逆わまりの世界」の改訳版が出ている月一では書店を覗かないと買い損ねてしまう老後の楽しみだね市に虎声あらん
「悪く言えば書き飛ばしの作品だ」「タイタンのゲーム・プレーヤー」“TheGamePlayersOfTitan”1963年作品大森望訳(ハヤカワ文庫SF)文庫–2020/31990年に出版された創元SF文庫の再文庫化ですと奥付の前に但し書きがある昨年8月に再文庫化された「フロリクス8から来た友人」同様に巻末にあった著作リストが省かれているそれとSF研究家牧眞司氏の解説がかなり短くなっている省略されたのはディックの書誌的な解説部分で“TheWorldJonesMade“、“TheManWhoJaped”はまだ未訳と書かれていたり邦訳本の紹介はサンリオ文庫が多数であるなど30年前(!!)の解説なので書き直すには骨が折れそうしかし、そういう事情を断って残しておいてほしかった日本での年ごとの出版数がグラフで示されていてこ...タイタンのゲーム・プレーヤー再刊さる
92年創元SF文庫版は650円税込ハヤカワ文庫SF版は1350円+税購入費用は倍以上になっているこれまであまり価格に目がいかなかったが文庫が1,000円を超えるようになったころ時代がかわったなあと思った覚えがあるフロリクス8から来た友人(ハヤカワ文庫SF)文庫–2019/8フィリップ・K・ディック(著)、大森望(訳)これは新訳版ではなく「1992年創元SF文庫版を再文庫化したものです」とあるが著作リストは省かれている2015年にだされた4版と同じということか2015年の時点で1,200円+税と初版からほぼ倍の価格になっていた年老いて時間ができたらみな読み返してみたいなと思っているけれどディックを読み切る知的体力が残っているか怪しい「こんな雑で乱暴でつまらない小説だったかったのか?!」ということにならないように脳...フロリクス8から来た友人ハヤカワ文庫から
元ちとせ「ワダツミの木」以上の部分はCDを聞きながらの聞き取りなので歌詞カード通りではありませんさて、この歌ほど物語を感じさせた歌は過去なかったように思うのです歌詞とヴォーカルの両方がそうさせるのだと思いますがどんな物語なのかだんだんと脚色されふくらんでいきましたがこんな話なのですわだつみの木の物語-島の国の王子と娘の物語-南の島の国に美しい娘がいたまだ若い王子がその娘に恋をした娘も王子に恋をしたがそれは添い遂げられぬ恋だった人目をしのび二人は浜辺を歩いた娘の頭には赤い花がいつもさしてあるはるか西に赤い花の咲く島があるというそこでなら二人の恋は実るだろうかいつしか二人の思いは遥か西の島に二人が結ばれるその地に思いを馳せた王子は娘に言った新月の夜舟を出そうと星の明かりだけをたよりに二人だけの小さな舟で漕ぎ出し遥か...ワダツミの木の物語
宮部みゆきの解説が載っていたということを知るいたずらの問題(ハヤカワ文庫SF)文庫–2018/8フィリップ・K・ディック(著)、大森望(訳)最後に1992年に創元SF文庫から出版されたものの再文庫化ですと書かれているこれまでのハヤカワSF文庫の勢いから新訳で出されたのかと思ったらそうではなく最近刊の帯に出版の予告もついていなかった宮部みゆきの「おまえは誰だ-サスペンス・ミステリーの側から見たP・K・ディックの世界」という題の解説が巻末にあるこれも1992年出版の際に書かれたもの訳者のあとがきとディックの著作リストが省かれている2010年にのブログを始めた時に100日以上は連続更新すると決め200日続けることができたその時にはほぼ紹介するすべての本を完全にではないが読み返した200日で200冊とは大変なことだった...ディック初期長編「いたずらの問題」
本屋に行かないとわからないことその3フロリクス8から来た友人(創元SF文庫)文庫–1992/1フィリップ・K・ディック(著)、大森望(訳)帯に名著復活とある早川書房の最近の新訳とは違いこれは再版であるそしてカバーが変わっているただカバーが変わっただけでなく初版にあった著作リストが省かれている25年の間に邦訳の出版元が大きく変わったし新刊、新訳の出版もあって作り直さなければならなかったろうそこまで創元社も力が入っていないらしいディックのブームは周期的にやってくるあるいは映画が封切られると本が並ぶそしてカバーが変わったりするそういうのは本屋に行ってみないとわからないことだすでに何種類か見逃しているかもしれないさてこの本は面白かったか?前に紹介した時にも本の内容に触れていないこちらも参照してください本のあちこちに折っ...名著復活!名著復活?
本屋に行かないとわからないことその2流れよわが涙、と警官は言った(ハヤカワ文庫SF)文庫–1989/2フィリップ・K・ディック(著)、友枝康子(訳)これは新訳とかでもなくただ出版社の販促企画でカバーの上にさらにカバーが巻かれたもの「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」では過去2回ちょっと趣旨は違うがブレードランナー映画公開に合わせてカバーが作られたブレードランナー公開の時はカバー・オン・カバーでなく違う本であるかのような扱いだった厳密にはカバーではなく帯なのだろうはずすとちゃんと今発行されている版のカバーがかかっている「流れよわが涙、と警官は言った」の文庫カバーはサンリオ版もいれれば4種類あるこちらも参照してください早川書房の「美しいタイトルのSF小説」という企画ですでに出版されている文庫に幅広帯(というのだそ...カバーというのか帯がでかいと言うのか
普通じゃない「普通小説」ディックの普通ってなんだ?ジャック・イジドアの告白(ハヤカワ文庫SF)文庫–2017/12フィリップ・K・ディック(著)、阿部重夫(訳)これもブレードランナー2049公開記念の4か月連続刊行のラストを飾る1冊32年前に晶文社から発行された「戦争が終り、世界の終りが始まった」飯田隆昭訳の新訳版こちらも参考にどうぞただ晶文社から出されていることからも分かるようにディックが文学者として認められたいがために頑張って書いたいわゆる「主流小説」でSF文庫で発刊されることに彼は納得するだろうか?ただ十分SF的でディック的混乱に満ちているそもそも「主流小説」って何?崇高で時代を超えて読み継がれる作品SF小説は娯楽的読み物で劣っている「フィネガンズ・ウェイク」は文学の金字塔だろうが意味不明文学なんてみんな...ジャック・イジドアの告白
30年ぶりの新訳・復刊ディックは死なずシミュラクラ〔新訳版〕(ハヤカワ文庫SF)文庫-2017/11フィリップ・K・ディック(著)、土井宏明(訳)ブレードランナー2049公開記念?の4か月連続刊行第三冊目初訳刊行は31年前になる?!サンリオSF文庫から汀一弘訳で1986年に出版されたいい加減なコメントだけれど前に書いたものはこちらをそこに書いてある事だけれどサンリオ版の裏表紙サマリーに「P・K・ディック一流のガジェットやアイデアが複雑に入り組み、メインストーリーすら容易に見さだめにくいが、間違いなくディックSFの原点となる傑作である。」と書いてあったすごく書きなぐっていて稼がなければならない時代に実は本人さえ意味不明になっていた駄作かもしれないのに混乱と拡散の中から読者が意味を探るべく投げ出された迷宮としてあり...シミュラクラ
舞台は2046年!!銀河の壺直し〔新訳版〕(ハヤカワ文庫SF)文庫–2017/10フィリップ・K・ディック(著),大森望(翻訳)帯には「ブレードランナー2049」の広告とブレードランナー2049公開記念の4か月連続新訳版刊行の予告がある1983年に汀一弘訳がサンリオSF文庫から出版されているタイトルは「銀河の壺直し」他の長編はほとんどハヤカワSF文庫か創元SF文庫から再刊されているがこの作品は再刊されていない古本屋でサンリオ版を探せばあったかもしれないが手に入りにくいということで幻の長編という帯の惹句は分からなくもない「ユービック」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と同時期の作品で故に絶頂期に書かれたんだろう(帯に「アンドロ羊」とあったがこの略し方はありか?!)新訳まだ読み直していないので・・汀一弘訳への感...銀河の壺なおし新訳版
「フィリップ・K・ディックの世界」も再刊1991年にペヨトル工房から出版されたディックとのインタビューをまとめた本が河出書房新社から一部改訳して再刊された「フィリップ・K・ディックの世界」ポール・ウィリアムズ著1986年小川隆訳河出書房新社2017/8以前は「消える世界」という副題がついていてそれがないので改題ということにもなるらしい長編作品一覧に「ティモシー・アーチャーの転生」以降4冊が追加され日本で編集された短編集の一覧も追加されているあとがきも新版用に追加があり帯裏表紙側にはその抜粋がある帯の裏にディックを親しむものにとって納得のフレーズが刻まれているちなみに1991年に刊行されたペヨトル工房版の表紙はこちら「フィリップ・K・ディックの世界-消える現実」ポール・ウィリアムズ著1986年小川隆・大場正明訳ペ...いったい何がほんとうなのか-
去年を待ちながら[新訳版]去年を待ちながら〔新訳版〕(ハヤカワ文庫SF)文庫–2017/9フィリップ・K・ディック(著),山形浩生(翻訳)帯にあるように4か月連続だそうである9月「去年を待ちながら」10月「銀河の壺なおし」11月「シミュラクラ」12月「戦争が終わり、世界の終わりが始まった」と怒涛の如く・・?!「去年を待ちながら」は寺地五一訳で創元推理文庫から出ていた「銀河の壺なおし」と「シミュラクラ」は汀一弘訳のサンリオ文庫版以来「戦争が終り、世界の終りが始まった」は珍しくハードカバーでしかも晶文社から出版された「普通小説」この「普通小説」という言葉自体がディックらしいというわけでみな新訳版としてハヤカワ文庫SFから改めて刊行ということになる帯は公開されるブレードランナー2049の宣伝がメインでこの本のPRは三...またしても新訳版登場!
またしてもカバーが新しくなった・・カバーサイズの帯かな?映画「ブレードランナー2049」がもうすぐ公開されるらしいそれで文庫「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に新しいカバーがかけられ書店に平積みになっていたハリソン・フォードもリバイバルで忙しいスターウォーズではもう出なくて良い状況になったがカバーをはずせばまたカバーで「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」訳浅倉久志ハヤカワ文庫SF2017年5月15日75刷となっているちなみに前のブレードランナー仕様のカバーがこちらちゃんとカバーそのものが映画仕様になっていて帯もちゃんとある「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のカバーの変遷はこちらからブレードランナー2049公開迫る!!
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