小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
☆自作の純愛小説と詩、毎日更新☆愛が人の心を開き、夢を繋ぎ、人と人、命と命、あの世にまで橋を架けます
愛が連れてくる幸せと、いつか来る別れ。 でも、彼らには永遠の別れはなかった…。 三代に渡る愛の物語。 ブログタイトルと同名の小説の他に、『時の追いかけっこ』『ひのくに物語』『雪洗YOU禅物語』『忘れられた零地点』『あの人は広い傘をもっている』などがあります。 別ブログ「幽霊っているんでしょうか」http://kuri-ma.seesaa.net/もどうぞ
24 《ひのくに物語'22》 剥がされた仮面、そして、真実! 2 B面
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 完璧な反逆者の仮面をかぶり、 生涯それを取るつもりのなかったケイン。 実は英雄だと一気に明かされて、 どうしたらいいかわからない状態です。 そういえば、結婚式ですが…★ 「沢井君、ありがとう。他に何か言い残したことは?」と馨が言った。 「平和(ひらなぎ)社長の無実を証すためなら、いくらでも話したいのですが、あ、一つ。この元王妃の犯行の重要な証拠となる証人を見つけ出したのは、梵野(ぼんの)大臣の娘さんの蘭さんです。今日の新婦の」 これまでの流れがあまりに衝撃的過ぎて、戸惑っていた。蘭の名が出たこと..
23 《ひのくに物語'22》 剥がされた仮面、そして、真実! 1 B面
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 結婚式の当日。 それぞれにあてがわれた、別々の相手と 契りを交わそうとする ケインと蘭! 大展開の新節、スタートです★ 剥がされた仮面、そして、真実! 婚礼場所の教会には、思った以上に多くの人が集まった。質素にやるはずだったのだが…。私たちには大き過ぎる会場だと思っていたが、ほぼ満席だった。 前の方には、主税叔父夫妻、そして平和(ひらなぎ)の母と、皇太后になった叔母がいた。彼らは笑顔で口々に私に祝いの言葉を言ってきた。 少し後ろの方に、平和(ひらなぎ)産業の私の元部下たちの姿も..
22 《ひのくに物語'22》 あてがわれた仮面、そして、結婚?! 2 B面~仮面(マスク)の章
今日は、一挙3話お届けします☆ 架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── いよいよ、ケインの結婚話が! ケインと馨の会話の続きから。 結婚したらいいという馨の言葉に ケインは…?★ 「私が?」私はフッと笑った。「ふざけるんじゃないよ」 「真剣だよ。実はね、マジで結婚してもらいたいと思ってるんだ。それも早急に」馨は、話し始めた。「このことは、主税叔父から頼まれたんだ。蘭のことなんだけど、縁談があるらしいんだよね。どう思う?」 「どう思うって、蘭の縁談のことをか?叔父さんが決めた相手なんだろう。いいんじゃないか」と、私は言った。 「蘭は、兄貴の..
20 《ひのくに物語'22》 仮面の犯した罪、そして愛?! 3 B面~仮面(マスク)の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 蘭を遠ざけるつもりの ケインですが…。 今日は二人の絡みです★ 翌日、蘭は私の元にやって来た。「父が、あなたとは絶対会うなって怒ったの。あんなに怖い父を初めて見たわ」 前日そう言うように叔父と打ち合わせてあったのだ。そうすれば、蘭は逆に必ず私の元に来ると思ったからだ。思った通りだった。私は心積もり通りに話を始めた。 「昨日、叔父さんがここに来たんですよ。君が、パリに行かないのは私のせいだと言ってね。叔父さんを怒らせたのは私ですよ、きっと。なんとか、君と私とは何でもないとわかってもらおうとすればする..
19 《ひのくに物語'22》 仮面の犯した罪、そして愛?! 2 B面~仮面(マスク)の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── ケインの、罪を償おうとする生活に、 入り込んできたもの、 それは、簡単には 排除できないようです。 それを人は愛と呼ぶのかもしれません。 印象的なシーンあり★ 罪人の立場というのは、辛いものだ。 何が辛いかというと、丁重に扱われているため、暇があり過ぎることだった。 その分、考える時間があまりにたくさんある単調な日々だったから。否が応でも、自分の罪の日々のことを振り返りらざるを得ず、それは辛いことだった。時間がある分、私はその痛みにさらされ続けた。 自分の罪による呵責を忘れるためには、..
秋ともなれば 結婚式のシーズン。 ゴールインするカップルに── おめでとうございます。 これが新しい出発ですね。。。★ 「 九月 孔雀の羽が広がる瞬間 」 苦労知らずと言われて くよくよ いつも 比べてばかりだったあの頃 孔雀の羽が広がる瞬間を 待ってる… くしゃみを我慢する辛さ 悔しい思い 繰り返す失敗ばかりの日々 暗闇のトンネルを抜ける時 今かも? 崩れたケーキのよう くしゃくしゃな笑顔 くす玉の下に立った 二人 鯨の親子に出会う幸運 来た..
18 《ひのくに物語'22》 取れない仮面、そして贖えない罪3・仮面の犯した悪事、そして愛?!1 B面~仮面(マスク)の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── この節の最終話。 国王となる馨と、 罪人となったケインの会話の 続きから★ 「お前たちは愛し合ってたじゃないか」 「そうだよ。でもわからなくなるんだ。菫の口から、私のことを愛していると聞いたことがなかったから。兄貴ならひょっとして聞いたことがあるかなと」 「愛していたよ。お前をかばって亡くなったんだろう?」 「うん。でもね、菫は絶対に言わなかった。…ねぇ、兄さんも婚約者を亡くした時、悲しかった?」 馨は私の胸で泣いた。私は思いつく限りの言葉と態度で彼を慰めた。 「どうして、私の所に来たんだ?..
17 《ひのくに物語'22》 取れない仮面、そして贖えない罪2 B面~仮面(マスク)の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 悪事はいつまでも続かない、 と言いますが、もうケインは 観念するときが やって来ました★ この道を行く限り、蘭との接点はあるはずはなかった。彼女が敵でないと言ったとして、私たちの関係は敵同士に変わりなかった。 そして馨(かおる)たちに対して、私は完全優位に立ち、ほぼ全てのものを手に入れ尽くしていた。 元皇太子、英晴の王座への擁立も、もうすぐで成立するという正にその時、全てが水泡に帰した。 元王の代理人による記者会見、これには、完全に不意を突かれた。全然予期もしない形で、私たちの砂上の楼閣は..
16 《ひのくに物語'22》 仮面、そして始まり3・取れない仮面、そして贖えない罪1 B面~仮面(マスク)の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 罪を重ね続け、 ケインは いったいいつ 止まることができるのでしょうか。 この節の最終話★ そして、父の遺言で馨に譲られていた平和(ひらなぎ)家の家督権を、合法的に私のものにしようと考えた。それは、簡単に進むはずだった。 しかし当初の菫を介した計画は、私の思惑通りにはいかなかった。 馨は亡くなった先王に似て、憎いほどに清廉潔白だった。後で調べてみると、留学先の大学でも、彼を悪く言う人はいなかった。明るく、友人たちからも、教授たちからも尊敬され慕われていた。女との浮名を流すことも、なかったらし..
15 《ひのくに物語'22》 仮面、そして始まり2 B面~仮面(マスク)の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── エイブルとケインの物語。 やはりそこには 愛憎が隠れているようです。 ケインの秘められた菫への思いは…★ そして、いつしか私は彼女をかけがえなく愛するようになっていた。いつも、彼女にとっては優しく頼れる男でありたかった。 時々錯覚した。菫の向ける笑顔が、私への愛に基づいていると。 そんな折、父親との会話の中で、私が力を入れている事業も含めて、会社をいずれ継がせるのは馨であることを知った。国では嗣業(しぎょう)として受け継ぐ地位がいくつも存在したが、それも馨に継がせようと父は考えていた。実の息子..
14 《ひのくに物語'22》 仮面、そして始まり1 B面~仮面(マスク)の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 後編(B面)のスタートです。 A面から一転、兄でありながら、 王子(王)である馨を裏切り、 命を狙い続け、反逆者となった ケインが語ります。 冒頭は回想シーンから★ 「 ひのくに物語 」 B面 〜仮面(マスク)の章〜 仮面、そして始まり その頃、私は愛国心に溢(あふ)れる子どもだった。 先の国王、日向誉(ひゅうがほまれ)が亡くなった知らせを受けた時のことを、忘れることができない。急病にて死亡したという発表を、私は信じなかった。 「王様を殺した者を、僕は..
(A終)13 《ひのくに物語'22》 夜明け、そして契り3 A面~素描(デッサン)~の章
今日は、一挙 A面の最終話まで★ 架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── なぜ菫は 死んだことになっていたのでしょうか。 その謎は…★ 彼女を一度失って、再び得たことは、それ以上のものだった。何よりも換えがたいと気付いた後だったし、そして彼女は今や私の妻だ。 王となって私自身が嬉しいことはなかった。母たちや、国民が喜んでくれる、それが嬉しいだけだった。彼女が隣にいてくれるなら幸せだ。彼女が王妃なら、王となったことも、悪くない。 午後になって、私と菫の実母が連れ立ってやって来た。 「ここまで長くなる予定ではなかったのよ。菫さんにも..
いってしまった夏 いってから気がつく いらなくなってから 思い出した、忘れ物のように…★ 「 その秋をつかまえて 」 春は待ちわびて、ようやくやってくるもの 夏の間は 我を忘れて夢中になり 秋はいつの間にかやってくる そして 冬は時を止めたよう 幸せな時間はその中にいるときにはわからない 別れは気づかないうちに訪れている 願って願ってようやく叶えた夢 望みもしないのに、悲しみは忍び寄る 季節が巡るように この秋もゆき やがて春が訪れる まだまだ夏と思っていたのに 秋が来て ますますそれは深まってゆく..
12 《ひのくに物語'22》 夜明け、そして契り2 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── キス一つだけで終わった 初夜が明けました。 今日は、まさかの大発展。 “お見逃しなく”の一話です★ 夜が明けた。私たちは夜着のまま身支度を整え、祭壇に向かった。二人並んで祈りを捧げた。 「この後は食事だから、着替えて来よう」と、私は声を掛けながら、初めて妃の顔を見た。 そして、自分の目に入ったものが、信じられなかった。そこには菫がいたのだ。 私はまじまじと彼女を見つめていた。 「菫?!どうしてここに君がいるの?」 死んだ彼女の魂が現われたのかもしれないと思った。それとも、夢を見ているの..
10 《ひのくに物語'22》 夢、そして目覚め3 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── このシーンのために この物語を書いたとも言える kuri-ma渾身の回。 本日、必読の 感涙シーンです。 菫の死を馨は乗り越えられるのか?!★ * 私は無事即位して、国王となり、国政も主税叔父や側近に守られながら、こなしていた。菫を失った悲しみを埋めるために、何かに没頭しなければやりきれなかったから。 私の即位と同時に、母も皇太后となった。亡き父王の妃として初めて正式に認められたのだ。 菫が亡くなって、二年がたとうとしていた。 私は命日に先立って菫の墓前で、神に祈り、そして心の中..
11 《ひのくに物語'22》 夜明け、そして契り1 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 国王、馨の 今日は結婚式のシーンです。 伝統的な八尾伽奈国(ひのくに)の 婚礼の儀式。 馨は未来を 踏み出すことにしましたが…★ 夜明け、そして契り 婚礼の日まで、私は妃となる女性と会ったことはなかった。事前に会う日を作ると、うるさかった母には、はっきりと断った。決めたからには、すぐに事を進めたかった。 私はその女性の名前しか知らなかった。妃となる女性は、八尾伽奈(やおかな)八族の中の、王の家系である日向(ひゅうが)家と陽宮(ひのみや)家を除く家系から選ばれることになっていた..
9 《ひのくに物語'22》 夢、そして目覚め2 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── まさか・・・ 夢が現実のことに?! 馨と菫に悲劇が襲いました★ 「菫、死ぬな、死んではいけない」 彼女の体を揺すり、声を掛けたが、もうその目が再び開くことはなかった。 嘘だと思いたかったが、心の片隅で『やはり』という思いが起こった。 そう、夢の中で何度もこんな場面を体験していた。しかし、それが現実に起こると、こうまで生々しく、心が切り刻まれるような痛みが伴うものだとは。 私も重症を負っていた。その痛みも心の痛みに比較できなかった。 夢がとうとう現実になってしまった。絶対に彼女を守るとそ..
8 《ひのくに物語'22》 夢、そして目覚め1 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 今日から新しい節に入ります。 馨の実母など、 これまでの秘密が明かされます。 ストーリーも大転回、お見逃しなく★ 夢、そして目覚め 菫はあれから、二度と兄、ケインの元に戻ることはなかった。暖かい陽だまりの下で、菫のスケッチをして過ごしたあの春の日々を、時々夢のように思い出すことがある。 その後に迫った私の逃亡生活に入る前の、まだ危険にさらされることなく、私と菫と、それを見守る主税(ちから)叔父と恵美(えみ)叔母、そして善良で働き者の使用人たちとの、束の間の穏やかな日常生活。 ..
7 《ひのくに物語'22》 しあわせ、そして翳り5 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 表面上は、仲のよい 兄弟の会話です。 ケインの本音はどこに? また、馨はうまく 彼を出し抜くことができるか?!★ 「恋人を取られて、どんな顔をするかと思ったのに…」と、私は言った。 「なんとなく、わかっていたんですよ。菫があなたに気があることは。私は寂しさを紛らわすための相手にしか過ぎない、いつか、こうなるかもしれないとね。」 ケインが言うことには、私たちが愛し合っているなら仕方がない、自分は諦めようということだった。 「兄貴が許さなくても、なんとか菫と一緒になろうと思ってたのに、意外だな。物..
6 《ひのくに物語'2》 しあわせ、そして翳り4 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 菫(すみれ)が馨(かおり)を誘惑しに来る?! そして、それに対して、 彼も一計を講じるようですが… さて、どんな甘い夜となるでしょうか★ その晩、叔父たちは夫婦で出掛けて留守だった。実際は私の奥の部屋で様子を窺っていたのだが、菫は気付きもしなかった。 夜になって、菫が私の部屋にやって来た。緊張しているのが、手に取るようにわかった。こんな様子で私を誘惑しようというのか。 「どうしたの?眠れない?」 「恵美奥様がおられないので」叔母が直接彼女に出掛けると告げたのだから知っているはずなのに、菫はそん..
赤勝て、 白勝て! がんばっての声が あなたにも届きますように♪ 「 悔しいことがあっても 」 〜九月の応援歌〜 悔しいことがあっても 腐っていないで あなたらしさが押し込められるから 空気を変えてしまおう 燻ぶった思いを吹き飛ばして 苦しいことがあっても 唇噛んで我慢する 次に笑うために 暗い闇夜のトンネルも くぐり抜けられる 雲で覆われたどんより空も くっきり晴れる日が来る くよくよしないで 悩んでも何も解決しないから くたびれた顔している? ため息をうつさないでね 繰り返..
5 《ひのくに物語'22》 しあわせ、そして翳り3 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── ケインから逃れてきた菫は、 馨たちの許で その傷を癒します。 どのようなことが 彼女の身に起こっていたのでしょうか★ あの時、恵美叔母が共に来てくれて本当に良かったと思う。 叔母は私の養父、亡き平和(ひらなぎ)の父の妹であり、主税(ちから)叔父との間に子どもはいなかったからか、幼い頃から私と兄をかわいがってくれていた。 明るく聡明な恵美叔母は、根気強く、傷ついた菫に接していた。 ある午後、庭にいた私に、主税が近づいて来た。彼は、いつも私に黙って付き合ってくれた。辛さを持て余す私に。 ..
4 《ひのくに物語'22》 しあわせ、そして翳り2 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 馨は王子でありながら 何もかも、兄のケインに 奪われていきます。 最もかけがえのないものは 菫でしたが…★ 私は、その時からようやく自分のするべきことを悟った。かけがえのない大切なものを奪われた後で。 それまで、主税(ちから)から明かされたにも関わらず、自分の立場がよくわかっていなかった。 このように、私の大切に思うものは、私ゆえに犠牲になるのだった。こともあろうか、信じていた兄の裏切りというような形で。 何を信じるべきかは、持って生まれた霊感と、祈りと瞑想が与えてくれる啓示で、わかるよ..
3 《ひのくに物語'22》 しあわせ、そして翳り1 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── 新しい節です。 馨の生い立ち、 回想シーン。 彼がなぜ追われる身になったのか…。 そして、衝撃的な事実が明かされます★ しあわせ、そして翳り 物心付いた時、私は裕福な家庭の子供で、両親と兄、多くの使用人と家庭教師、全てに恵まれて伸び伸びと過ごしていた。あのままでいられれば、どんなに幸せだっただろうか。 実際私の父、平和 家統(ひらなぎ いえすみ)は国の最高の権力者だった。彼は国の大臣を務め、更に経済界のトップ、平和グループの統裁でもあった。私には叶わないものはなかった。 そ..
2 《ひのくに物語'22》 悪夢、そして思い出2 A面~素描(デッサン)~の章
架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」──今日は、今後も馨の心の拠り所となる 名シーンです★ 馨が時々見る悪夢…。 それはどんな意味があるのでしょうか★ * 顔を洗ってきた私に、昂は言った。「そろそろ見る頃かなぁと思ってました」 同居の彼とは、思えば長い付き合いになる。本当の身内というものがいないも同然の私にとって、友人であり、弟であり、彼にだけは私の弱い部分も見せられる。とはいえ、普段はそういう部分は隠しておきたかった。物に動じない強さを見せていたかった。 昂は言った。「いよいよですからね。いつもひと段落付いた後、必ずその夢、..
1 《ひのくに物語'22》 悪夢、そして思い出1 A面~素描(デッサン)~の章
今日からは、この作品を 一挙再公開!! ↓初めての方、久しぶりの方は、一昨日の記事をどうぞ 解説・ひのくにWORLD *「ひのくに物語」を読む前に*架空の王国を舞台にした 愛と夢の一大ロマン 「ひのくに物語」── さあ、スタートです★ 「 ひのくに物語 」 A面 〜素描(デッサン)〜の章 悪夢、そして思い出 私は、何度となくその夢を見る。身を切られるような悲しみに、その度に枕を涙で濡らす。 それは、かけがえのない女性(ひと)を失う夢だ。彼女の命がなくなる瞬間がなぜかわかる。 どうして私はこの人を救うことが出来なかった..
夏の名残… かすかに漂う秋の気配… 残暑の9月に送る愛の詩★ 「 なつかしい夏 あきらめない秋 」 九月 雲を追いかけて 夏の端をつかまえて 九月 くるぶし見せてた サンダルが懐かしい 九月 苦労したのに 最初から無理だったの? 九月 黒い日焼けあと まだ戻らないのが口惜しい 九月 クスクス笑いは 卒業したわけではないけど 九月 くやしいけれど 私 あの日に帰れない くじけない 少女でいられた夏のままに くよくよしない はしゃいで過ごしていたかったけど ..
[終]24 《時の追いかけっこ'22》 「時」に勝つ方法(2) ・「時」を越えた未来(さき) [THE PAST POST]
[THE PAST POST] ▼△時の追いかけっこ△▼ 曲と共に かつての痛みが よみがえります。 さて、「時」に勝つ方法とは?! 家に帰ってから、キム・インジュンがくれたCDを聴いてみた。 カスミ、カスミと繰り返す、あの歌。CDには韓国語の歌詞と共に、日本語訳も書かれていた。 「胸が、痛い 胸が、苦しい」 胸が…、胸が…と訳はなっていた。 「胸が痛い」とか、「胸がつまる」とかいう言い方は、日韓共通のものらしい。 英語のheartというのは、心でも心臓でもそういう。アジアの街で聞いた時、キムがたどたどしい英語で伝えてくれたシンプルな訳の方が、..
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小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
時は流れ── 今日は物語の最終話を迎えます★ 小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼
小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
何が恋しいのか 春なのに 力がない人がここにいます★
最終章スタート。 今日は、老舗旅館のイケメン若旦那 藤野の、愛の物語を 一挙3話お届けします★ 小説…
今日は「初めての喧嘩」にようやく決着が?! 「夏の踊り 秋の舞」の〆ともなります。★ 小説 ▼…
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一挙3話続けてどうぞ★ 小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆき…
今日は一挙3話掲載します! 小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼ ゆ…
小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがたり…
爽やかな春を ただ謳歌することができない人もいます。 寂しがり屋の意地っ張りは特に…。 春真っ盛り。 そし…
新章の始まりは、 香苗との交際で、幸せいっぱいの圭一の様子。 そして、秋風が吹き始めますが…★
小説 ▼△ 雪洗YOU禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがた…
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新年度のスタート! 初々しい季節ですね。 フレッシュマンにも古参の人たちにも 同じように春はやってきます★…
香苗が高校生の時に見ていた夢。 それは予知夢だったのか…。 今日は章の〆です★ 小説 ▼△ 雪…
小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼ ゆきあらいゆうぜんものがたり…
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ クライマックスです。 プロポーズのYesが 新しいゼロ・ポイントを決定しました。 俊幸と奈津美の会話の続きから★ 「誰もお前を口説いたりしなくてよかった」 「うん」 「きっと俺が唾を付けたからだな。それが効いたんだ」 「私、期待してないつもりで、でも俊幸がきっと来てくれると思ってた。ありがとう」 そういう意味では、奈津美への噂があったから、彼女に男を寄せ付けなかったのだからと、今まで忌まわしく思っていた噂のことさえ、これでよかったのかもしれない、と俊幸は思った。 「絶対あきらめないことだよ」 俊幸の..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 美しい日の入りと共に クライマックスの節に突入です 第5節 リセット、再出発〜新しいゼロ・ポイント〜 奈津美は俊幸の甥っ子たちを通して、自分が流産したという話を知ったのだった。 「お姉ちゃん、流産って何?」と訊かれて、突拍子もない質問に戸惑いながら奈津美は子どもにわかるように話してあげた。 「なんでそんなこと訊くの?」 「パパとママが話してたから」 「お姉ちゃんの赤ちゃんも、産まれなかったの?」 「死んじゃったの、赤ちゃん?」 「…赤ちゃんが?」奈津美は呟くように言った。 「かわいそうだね、赤..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼今日はプロポーズ・シーンを 一気にお送りしましょう★ そう、もうプロポーズをしなければ! しかし奈津美の反応は??★ * 俊幸は意を決してプロポーズをするために、奈津美を公園に呼び出した。どこか気の利いた店でというよりは、この公園が二人にとってはふさわしい場所だと思ったから。 夕方になると、俊幸たちの子供の頃と違い、子どもたちは早々に家に帰っていく。帰宅時刻というのが決まっているらしい。 その時間というのは、実はとても美しい時間なのだ。 夕日を背に受けて俊幸は、口を開いた。単純な求婚の言葉だったとし..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 触れることのなかった 奈津美の暗部に 物語は触れることに…★ 「じゃあ二人は結婚するのよね」 「そうだろう」 俊幸の兄とその妻、つまり甥っ子たちの両親が話していた。 「お似合いだと思うけど」 「例の件が本当らしいから、どっちにしたってあいつが責任取るしかないのさ」 「ねえ、本当なの、流産って」 「本当ってことだ。四年以上つきあってたらしい。奈津美さんには言うなよ。記憶喪失なんだから」 「俊幸さんも治ってよかったわ」 「そうだな。障害が残ったら、所帯持つどころじゃなかったよ。若年性の脳梗塞とか脳血栓って、..
何が恋しいのか 春なのに 力がない人がここにいます★ 「 四月なのに五月病?! 」 〜思春期のぶり返し〜 幸せはどこから来るのか 忍び足でやってきて 知らないうちに去っていくのか 死んだ振りをしていたら 失敗もやり過ごせるのか 四月なのに五月病 支離滅裂なセレナーデ 春眠暁を覚えず 白昼夢 思考回路は五里霧中… 四月くらいは シャキッとしていないとね しれっとだらけていると 幸せが逃げていくよ 宿題は虫食いだらけの暗号のよう 質問は増えるばかりで 死ぬまでに答えがでる..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ すれ違った時間を 埋め合わせるように、 俊幸は奈津美との愛を 大切に育んでいましたが…。 思い掛けない出来事が!!★ 第4節 ターニング・地点(ポイント) 〜マイナスからの逆転〜 俊幸は倒れる間際、奈津美の名を何度も呼んだ。 「奈津美ごめん」 彼の目から涙がつっと流れた。 一緒に遊んでいた甥っ子たちが、祖父母に走って知らせに行き、俊幸はすぐに近くの病院に運ばれた。対応が早かったため、大事には至らなかった。 「叔父ちゃん、ナツミってずっと呼んでたよ」子供たちが祖父母に教えた。 「ナ..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ さて、いよいよ真子の息子、 中学生の雄一が、 実の父親と 初めて対面します!?★ 「じゃあ、やっぱり会いたがっているんですね」 俊幸が電話した相手は、精神科医の美春だった。 以前に美春が紹介した、奈津美の見合いの相手こそ、雄一の実の父親、早瀬雄造であったのだ。美春は雄造が結婚暦があり子どもがいることを知っていたが、よい相手と考え紹介したのだという。 俊幸は内心、真子と早瀬は、復縁できるのではないかと思っていて、それを取り持つつもりでいたが、美春はその意見には賛成できないようだった。 美春は言った。「..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 今日は真子と、 その息子にズームアップです。 俊幸と真子の会話の続きから★ 「やっぱ、待ってたんじゃないか、彼を?」 「そんなはずないでしょ」 「奈津美は、ずっと待っててくれたんだ、俺のこと。記憶を失くしても」 「奈津美は幸せになる資格があるわ」 「お前もだよ。幸せになるべきだ。そのためにも、けじめを付けた方がよくないか?よりをもどすとかじゃなく、親だろ、二人は?大学生で父親になったら、確かに大変だっただろうと思うよ。けど、お前もだけど、相手もちゃんと責任は取らせてあげた方がいいと、思う。雄一のためだと思って」 ..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 記憶が欠けたまま、 8年振りならぬ 12年振りの交際を続ける二人です★ 第3節 交差する記憶 (スクランブル・交差点) 俊幸と奈津美は、毎日夕方早い時間から会うのが日課のようになった。俊幸は、実家でパソコンに向かいながら、昼間と夜仕事をする。 甥っ子たちとの遊びの時間は気分転換に最適だった。そして奈津美と会う時間は、それ以上にかけがえのないものだった。 公園だけでなく、街にも出掛けるようになった。 「早瀬さん」と、奈津美が声を掛けると、その男性は笑顔で挨拶した。美春が紹介した見合い相..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 精神科医の美春先生VS辰巳俊幸、 でお送りします。 「女医の教えるほんとうに 気持ちのいい〇〇」に 目からうろこの俊幸です★ * 俊幸は、奈津美の母と陽菜子に会った土台で、精神科医美春と話し、奈津美の現在と八年前の状況をようやく理解することができた。自分を責めてばかりの俊幸を、この三人の女性たちが、三人三様に慰めてくれた。 中でも美春医師のカウンセリングは、実践的で即効的な力となった。専門家の話というのは、説得力のあるものだ。 「『こんな風に会うのはやめよう』か」美春が言った。「それって、会いたくないとか、..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 奈津美の親友、 陽菜子を通して 記憶を失う前の様子を知った俊幸。 彼は、新たに心に誓います★ 「…もっと早く来るべきだった」と彼は言った。 つまらないことで意地を張らなければ、八年も経つことはなかっただろう。 陽菜子が俊幸を慰めるように言った。「そうね。でも、あの頃はちょっと厳しかったかも。仕事も辞めざるを得なかったし。 お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの介護を、続けて奈津美がしたの。最期まで看取って。とっても献身的に。それで落ち着いたのよ。精神科には掛かってるけど、もう心配ないくらいに安定した。だから、今再会し..
ひとにとって いちばん大切なのが「愛」 愛が命を、家族を、故郷を、そして時間を 優しく包み、限りのあるものを エンドレスに 完全なものに変えていきます★ 「 生まれた時から愛がすき 」 わたしたちが生まれた理由(わけ)、それは愛 わたしたちが生きる意味、それは愛 わたしたちが貴い理由(わけ)、それは生命(いのち) わたしたちが感じる意味、それは生命(いのち) お祖父ちゃんが走り回ったこの山々 お祖母ちゃんが見つめていたあの海原 お父さんが大切にしていたその夢 お母さんが歌ってくれた希望の詩(うた) 生まれた時から愛がすき 愛..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ ようやく奈津美との関係を 再出発させた俊幸。 高校の再現のような二人の恋。 彼女の失くした過去との接点を 彼は探り始めます★ * 俊幸は再び奈津美の母と対面した。 母はじっと彼を見つめると尋ねた。「俊幸君は、奈津美のことどう思ってくれているの?」 「大切に考えています」 「それは、このことを知る前のこと?それとも知ったから責任を感じてくれて言ってるの?」 「俺にとって、奈津美は昔も今も大切な存在です。この間久し振りに会って、それからは毎日会ってる。ずっと会わなかったのは行き違いがあったからで、今は、もう..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ さあ、再びここに帰って来ました。 ファーストキスのここに…★ 第2節 零地点(ゼロ・ポイント) 奈津美と俊幸は、二人で中学の方に歩いた。 母校の中学校は、十二年前と同じようにそこにあった。門は閉まっていたが、やはり鍵は掛かっていなくて、すんなり中に入ることができた。グランドではまだ部活動の練習に励む中学生の姿があった。 奈津美が言った。「私のクラスに真子っていたじゃない。あの娘(こ)、高校中退して子供産んだんだけど、その子が今年この中学に入ったんだって」 「俺たちはOBっていうより、親の世代..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 奈津美との奇妙な食い違い、 記憶喪失の原因とは? 「マイナス地点(ポイント)」の最終話です★ 奈津美は、精神科医の美春を訪ねていた。 「それで、幸せそうな表情(かお)をしているのね。じゃあ、お見合いの方はどうする?相手は乗り気だったのよ。でも本命が現れたなら…」 「俊幸、…彼は、まだどう思ってるかわからないし…」 「だって、毎日会ってるんでしょう?嫌なら会わないはずよ」 「そうですね」 「彼は独身でしょ?付き合っている人とかもちろんいないわよね?」 「いないそうです」 「じゃあ、お見合いは私からお断りして..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 今日は俊幸と再会した、 ちょっと謎の 奈津美に迫ってみます★ 奈津美は、生まれてからずっと、この町に住んでいる。駅の周辺こそ賑やかになってきたが、彼女の住む所はのどかな住宅地だった。 けっして彼女はこの町を嫌いではなかった。むしろ愛着をもっていたが、家族以外からは、まるで忘れられたような気がしていた。自分だけが変わらずに、皆がひとかどの仕事を持ったり、家庭を築いたりしている。取り残されたような感覚だった。 何年も介護した祖父母が亡くなってからも、奈津美は家事を任されながら、仕事はしていなかった。その立場もそう感..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ 彼の忘れられない女性との 濃厚な回想シーン。 そして、彼は 帰郷しますが…★ 彼の名前は辰巳俊幸(たつみ としゆき)といった。都会での生活をやめ、この日、大学時代からずっと住んできたアパートを引き払う予定だった。 すべてのものを送り出し、立会いの不動産屋を待ちながら、彼はまた奈津美のことを思い出していた。 勤め始めた最初の夏、お盆休みで帰省していた時、やはり俊幸は彼女と会った。その時の奈津美は学生の頃のようなかわいさと共に、女性らしい魅力が兼ね備わったようだった。その後何年も、彼はその時の彼女の姿を思い浮か..
小説 ▼△忘れられた零地点 〜ゼロ・ポイント〜△▼ある夕焼けの日、 その思い出が 二人の忘れられないゼロ・ポイントのはずでした… 甘酸っぱくも ほろ苦い青春の日々、 初恋ははかなく、 叶わないものといいますが・・・ 全30話を一挙再連載でお送りします★ 今日はヒロイン(?!)の登場です★ 「 忘れられた零地点(ゼロポイント) 」 プロローグ 彼女は今でも高校卒業前のその日を人生最良の日だと思っている。 夕陽が、オレンジ色に全てのものを変えて照らしていた。もう記憶が曖昧になってもいいほど時が経ったのに、落ちていく陽..
爽やかな春を ただ謳歌することができない人もいます。 寂しがり屋の意地っ張りは特に…。 春真っ盛り。 そして、季節はまた移っていきます。。。★ 「 すみれが愛される理由は 」 すみれが愛される理由は すっとした立ち姿の麗しく 好きだよと言われたら 俯きがちに ほほ染めて 素直に微笑むから タンポポがかわいい理由は 明るい陽射しの色をもらって 一心にあなたを見上げて 満面の笑顔のように 花を広げてくれるから。 すみれが愛される理由は… タンポポがかわいい理由は… 私がちっとも愛されない理由と ..
早春に 8日間でお送りする愛の物語── 「さき初めさくら」 小説 ▼△三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり△▼ 春はまだまだと 思っていたのに…。 あきらめない人には、 きっと やってくるのです。 最終回、お送りいたします★ 遭難した山をじっと見上げながら、峻の心には、いろんな思いが湧きあがってきていた。 「お前に会えてよかったよ」と、峻は初めてその気持ちをはっきり明かした。 「ほんとにそう思う?」と、茜はしっかりと彼を見つめていた。 その瞳を見つめ返すことは、今までどうしてもできなかった。視線を逸らすようにして、そっけない素振りをしながら、わからな..