カテゴリー;Novel今の時代、多かれ少なかれ介護を経験している者はいるだろう。老々介護という問題もたびたびメディアに取り上げられているという。また行政からの助けを、よしとしない昔気質の老人もいると聞く。家という閉鎖空間で外からは見えない困難を見過ごしている場合もあったのだということに、今になって気づかされた。親はいて当たり前。一緒にいると煩わしいが、存在そのものを危ぶむことなどない。それなのに妹家族が実家に暮らすことに胡坐をかいて、何もせず何も聞かず、そして放置してきた。とある日。病院から電話があった、と妻からメッセがきた。詳しく聞こうと電話をするもつながらず、返信をした。―誰か、病院にかかったのか?そのメッセはいつまで待っても開封されず、仕事に行っている日だから無理もないかなと諦めた。結局、何もしない...『許さない…』(小題:医師)