サラリーマンの目から見た東南アジアの実情を脚色を交えてユーモラスに描いた抱腹絶倒の旅行記
自称サラリーマン四文作家である私、字切俳人が偉大なる偏見と色眼鏡をもって天衣無縫に書き連ねる。
バスは都会の喧噪を外れ、田園風景が広がった。昨日のような田舎道が続く。舗装はされていない。 この時、私の体に異変が起こった。災難は予告もなく訪れた。体が異常に熱い。熱があるようだ。とめどもなく額から汗が出てくる。心臓の鼓動が急激に早くなった。顔が汗でびっしょりと濡れている。 車にでも酔ったんだろうか?激痛が腹部に走る。それと同時に手足がしびれてきた。 おかしい。異常だ。息をするのでさえ苦しい。心臓はどくどくと音を高め、その速度は速くなる。全身に電気が走る。手足がしびれ、全く動かない。刺すような激痛が周期的に腹部を襲う。 「気持ち悪い。今にも吐きそうだ」声を出そうとしたが、舌..
「おねーむさん、コケッコッコー!」 目の前にでかい顔がニヤリと歯をむき出して笑っている。 まただ、悪夢のような目覚めだ。もうこのパターンでは起きたくない。 「どうでもよいが、その顔を近づける起こし方はやめてくれないか。どうも心臓に悪い。私は特に縁起を担ぐ方ではないが、朝一で君のドアップを見ると、なぜか今日一日良いことが起こる予感がしないのだ。むしろ悪いことが続いている」 「えらいいわれかたやなー、アンさん。時計を見てみいや、集合時間は七時やで、あと五分しかあらへんで。ええんか?寝てても」 「い、いかん」慌てて着替えた私は、寝ぼけ眼でロビーへと降りていった。 私とH氏以外ロ..
バーの中は広く明るい。我々はビールの酔いに身を任せ、ゆったりとした雰囲気の中にいた。するとどこかで聞き覚えのあるメロディーが流れてきた。 「おお、スキヤキだ。この歌はいいね〜。俺も一度日本へいってみたいよ」マリオがスキヤキソング(上を向いて歩こう)を口ずさんでいる。 外国人は一般にこの歌と昴しか知らない人が多い。日本では滅多に聞かないこの歌も外国で聞くと、妙にそこはかとない郷愁を感じる。我々はしばらくその余韻に浸っていた。 どのくらいの時が経ったのだろう。我がツアー御一行様が一人、二人と帰って来た。先に帰ってきたのは重役連中だ。 「あーよかった、よかった、久々のアンマは気持ち..
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