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米米米 こどもべやのうさぎ 米米米 https://blog.goo.ne.jp/usagiusagiusagiusagi/

ストーカーに苦しみながらも明るく前向きな女の子のお話です。一緒に考え悩み笑っていただければ幸いです。

褒めると気を好くして図に乗るタイプなので お叱りのレスはご遠慮願います。 社交辞令・お世辞・甘言は大好物です。 甘やかして太らせてからお召し上がり下さい。

いちたすには
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2009/04/15

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  • ■彼は誰れ時に魔と再逢004■

    「じゃあ解散だ。文句あんめえな?自由になれる分、不自由も再確認すっことになるが、其れでも全滅するよかは良かっぺさ」刃丈太蛮治(はたけだばんじ)の口利きで、村民は新天地へと散って行く。外界との接触は電波だけな隔絶された村落で生まれ育ち、現金に触ったことがない人間が、誘惑溢れる大都会に解き放たれた。読み書きが得意でない者は人足に。料理が出来る者は厨房に。其々が得意としたり興味があった職種に就いた。しかし労働に勤しんだ経験の無い田舎人がいきなり暮らしていける程に稼げる訳もなく、一般では耳にすることはない生活補助制度に庇護される。化け物に襲われ命を落とす危険は無くなったが、激変する価値観に悩まされる様に。都会は刺激的で、今まで画面や紙面でしか見た事がない物が溢れていた。全ては鼻先で匂いだけを嗅がせてくれるだけで、手に入...■彼は誰れ時に魔と再逢004■

  • ■彼は誰れ時に魔と再逢003■

    「だから俺は潮時じゃあ言うたんじゃ」既に酒が廻り赤ら顔で目の座った刃丈太蛮治(はたけだばんじ)が口火を切った。「止めれ。通夜の席でする話じゃあねえ」遠くの席から誰かが諫める。夫婦揃って虚血性心疾患で急死した寿樹の両親の通夜振舞いの席。「じゃあ何時(いつ)話すんじゃ?俺は何遍も進言して来たンぞ。誰(だあれ)も耳貸さんかったけンどよ」翌日に葬儀を控える喪主は、親族ではない隣家の主人。寿樹の親族は亡くなった両親だけだった。寿樹は此の葬儀で天涯孤独となったのだ。「もう限界だがね。最近で見込みがあんのは、百鬼(なきり)ン家(ち)と物集女(もずめ)ン処だけじゃろも。百鬼ン家は寿樹で最後じゃし、物集女ン処のちっこいのンで終(しま)いじゃし」受付に広げられた芳名帳に記帳された住所は全て村のものだ。坊主の読経は録音、使い回されて...■彼は誰れ時に魔と再逢003■

  • ■彼は誰れ時に魔と再逢002■

    蜘蛛は圧されながら顏を一花に向けた。六つの眼の焦点が一花に合わさる。「未だ其の歳に満たない御前如きが我を如何(どう)にか出来るとでも?笑止。疲れて力尽きた処で御前も喰ってやろう」未舗装の砂利道を横切り、一花は蜘蛛を藪の中へと押し出した。行く手を阻む笹竹を掃いながら、一花は蜘蛛を押し続けた。陽が暮れかけた山間(やまあい)の寒村。其の外れに位置する寿樹の家が、笹に隠れて見えなくなった。裸足の脚や手や顔に葉の縁の鋸歯が当たり、一花の肌は赤く筋を引き血が滴る。其れでも一花は押し続けた。押すを止めたら蜘蛛が反撃してくるから。「力が落ちて来たぞ。そろそろ限界か。どら、御前を戴く事としよう。其の者を喰らわば我は大きく伸びるであろう」蜘蛛が8本の脚を踏ん張る。小さな女の子の体力が尽きる。「独りで勝てると己惚れたか。刀があるから...■彼は誰れ時に魔と再逢002■

  • ■彼は誰れ時に魔と再逢001■

    「貴方は誰?此処で何をしているの?」幼い一花(いちか)は目を凝らした。誰とは問うたが、対象は見るからに人ではなかった。核家族化した都会からは考えられない部屋数と収納を誇る築百年の古民家。開口部は多いが奥まった部屋までは陽は届かない。玄関から南北に貫通する廊下の突き当りに位置する客間の暗がりで、其れは妖しく蠢いていた。絨毯を敷きソファを入れてはいたが、もともとは押入れと床の間のある畳の和室。軽自動車くらいある胴体は薄闇に紛れて尚、剛毛に覆われているのが見て取れる。見える側だけでも脚は4本。対称ならば計8本だ。「寿樹(よっちゃん)のパパとママから離れてちょうだい」通(かよ)っていれば年長さんの歳で、幼稚園なら一番お姉さんの一花は、小さな握り拳に力を込めて懇願した。一花の言うパパとママは、近所で幼馴染の百鬼寿樹(なき...■彼は誰れ時に魔と再逢001■

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