chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
思い出が奇跡なら https://blog.goo.ne.jp/yaminiima

闇の小説家、月麻呂の毎日連載の長編「恋愛・ミステリー小説」

新聞記者の桜井智也(さくらいともや)はある朝、突然の辞令をうける。それは、四国の小さな村への単身赴任であった。そして、智也は彼女の麻衣子と離れ離れの日々を送り、遠距離恋愛の強いられてしまう。一方、赴任先では不思議な事にたくさん見舞われる。

月麻呂
フォロー
住所
大田区
出身
大田区
ブログ村参加

2009/02/11

arrow_drop_down
  • 思い出が奇跡なら (144)怪しい待ち合わせの2人

    店を出た賢吾は柳沼を掴んだ腕を力づくで突き放した。柳沼「イテテ…。この野郎!」柳沼は今にも賢吾に殴りかかりそうな雰囲気だった。賢吾もその雰囲気を察し、売られたケンカを買う体制だった。するとその時、柳沼の携帯が鳴った。柳沼「ん?」柳沼は携帯を取り出して、少し我にかえったような表情で電話に出た。柳沼「もしもし…、あ、そうか~。今、ショットバーの前だ。…近くにいるのか?OK!」電話の内容はもちろん賢吾にはわからなかった。誰かと待ち合わせをしているように賢吾には聞こえた。すると、電話をしている柳沼の背後から、待ち合わせの相手らしき人が来た。黒のカバンを持ち、灰色のスーツを着た普通のサラリーマンのように見えたが賢吾には何か怪しい雰囲気を感じた。そしてその男性は到着するや否や「お疲れさまです。」軽く挨拶をして柳沼を見た後、...思い出が奇跡なら(144)怪しい待ち合わせの2人

  • 思い出が奇跡なら (143)突然の休みに…

    藤田と話が終わった賢吾は、少し肩の荷が降りた感じだった。もちろん、事件は何も終わってなく、その事件の真相もわからず、これから何が起こるか予想もつかなかった。すると、そこに勝が来た。勝「話長かったですね。村の取材ってそんなに大変なんですか?」賢吾「大変と言えば、大変?ハハハ…よくわからないけど、大変かな?じゃあ、今から休むから」勝「え、休み?」そう言い残して賢吾は会社を出た。会社を出た賢吾はすがすがしい気持ちだった。賢吾「やっぱり、休みもいいな~。」どこか自由を手に入れた気分だった。その時、風下村で悪戦苦闘している智也の事は頭に全くなかった。賢吾はとりあえず、一旦家に戻り、スーツ姿から一転、私服に着替えた。休むどころかストレス発散のために遊ぶ気満々だった。平日というだけあって、町行く自分と同じくらいの年齢の人はほ...思い出が奇跡なら(143)突然の休みに…

  • 思い出が奇跡なら (142)取材報告・検証・予想

    賢吾は、経営者のみに渡される人員組織図を探るように隅々まで見渡した。すると、人員組織図を熱心に見ている賢吾を見て藤田は藤田「中山!もうすぐ先日の立てこもり事件以上のネタが村で起こるかもしれん。」真剣な表情になって言った。賢吾も藤田同様に真剣な表情になった。藤田「江夏さんがおまえによろしく言うのは何かの合図だ間違いない。」そう言いながら、智也の原稿のデータが入ったUSBメモリをパソコンに差し込んだ。そして、原稿をチェックし始めた。賢吾は、その場に立って藤田を見ていた。藤田「ん?」突然、藤田は険しい表情になった。賢吾「もしかして、その花畑の写真ですか?」藤田「ああ。そうだ。」賢吾「桜井さんが江夏さんと二人で季刊岳に入って撮って来た物です。」藤田「やっぱりそういう事か~。あの山を切り開いて道路を作りたくないのは村の自...思い出が奇跡なら(142)取材報告・検証・予想

  • 思い出が奇跡なら (141)本当の人員組織図の意味

    その頃、松山の会社に戻った賢吾は藤田に原稿のデータを渡す前に、入口の所で勝に偶然会った。勝「お疲れさまです。」賢吾「お疲れ~!」勝「昨日は大変でしたよ!片山知事に逮捕状が出まして!」賢吾「あれ?そうなの?早いなあ~。風下村にいると何も情報が入らないから1日過ごしただけで時間が遅れるような気分だな!」勝「ハハハ!そうですね。意味不明の村ですからね。世間から見捨てられているような村ですからね!」勝は笑い飛ばすように言った。賢吾「ところで、逮捕理由は?」すると、勝は今日の新聞を取って賢吾に渡した。勝「はい!今日の朝刊です。一面は別ネタですが、地方ネタに一番大きなスペースを取っての記事です。」それは、勝るはメインとなって書いた記事だった。賢吾はしばらくその記事を読んだ。賢吾「恐喝未遂?」勝「そうみたいです。各市町村に補...思い出が奇跡なら(141)本当の人員組織図の意味

  • 思い出が奇跡なら (140)再び3階の宿泊部屋

    老婆は少し固まっているように智也には見えた。その様子をじっと見ていた。老婆「やはり!」智也「え?」それは、賢吾が部屋を見た時と同じ反応だった。智也は、老婆も賢吾と同じように勘付いているように見えた。そして、智也は老婆に智也「お婆さん…。あ、あの~やはりというのは…?」智也は、興味深く聞いた。老婆は、少し黙ったままだった。すると老婆「あれを見ろ!」老婆は、テーブルの上にあった、注射器や白い粉を指差した。智也は知っていたが、老婆の言われた事に、意見する事なく部屋の中を見た。智也はわかってはいたが、言葉が出なかった。老婆「森の中で見たケシの花畑と何か関係があるようじゃな!思った通りやったわい!」智也には老婆が賢吾と同じ考えで部屋の中を見たように感じた。しかし、智也には遥が今居ない事とケシの花畑とはすべてが関係あるとは...思い出が奇跡なら(140)再び3階の宿泊部屋

  • 思い出が奇跡なら (139)足音

    しかし、偶然の一致が何を意味するのわからなかった。智也は、8月6日に何かが起こると思った。もちろん、その何かが何であるかわかるはずもなく、その記事を見た。もしかすると、その日に遥は村に現れるかもしれないと思った。智也「8月6日か~?」招待状を考え込むように見ていた。古新聞は部屋に散らばったままだった。気づけば部屋のあちこちに散乱していた。無我夢中で見ていたせいか、日付とページもバラバラになっていた。すると、その時部屋の前の廊下を歩く音がした。智也はまた、老婆が来たのかと思い襖の方を見た。襖は閉まっていてその向こうの廊下は見えない。智也はその足音をじっと聞いていたが、足音は部屋の前の廊下を通り過ぎて行った。そして、3階に続く階段を昇る音がした。その時、智也はもしかしてと思い部屋の襖を開けて廊下を出た。するとそこに...思い出が奇跡なら(139)足音

  • 思い出が奇跡なら (138)偶然の一致

    智也は部屋の中で何か5年前の選挙と関係がある事はないか調べた。そして、風下村の選挙の記事を見つけたが、それは秋野氏当選という、極普通の選挙結果のネタにすぎなかった。智也は、その後の事故と言われる秋野氏の死についてのネタを探したがみつからなかった。それから、時間だけが過ぎて行った。智也はひたすら事件の項目ばかり見ていて少し疲れて新聞を置いて休んだ。そして今、自分が本来、会社から言われている取材に手を出している事に気づいた。その時、さっき届いた夏祭りの招待状に目が行って、それを手に取った。智也「夏祭りか~!そう言えば、遥も花火大会とかに行きたいとか言ってたな~。どこにいるんだろうな~。」そう言いながら、寝っ転がって天井を見上げた。智也は心配をした。また、3階の部屋の事を思い出した。智也「いったいどうなっているんだ?...思い出が奇跡なら(138)偶然の一致

  • 思い出が奇跡なら (137)招待状

    賢吾「お婆さん…。」賢吾は言葉に詰まった。老婆「おまえの、上司じゃろ?藤田武というのは…。戻ったら、よろしく伝えてくれ。佳代子はもう、すっかり婆さんじゃがまだまだ現役じゃとな!」そう言い残して老婆は管理人室に入って行った。賢吾は何か不思議な感じだった。しばらく、その場で1人あ然としていた。さっきの老婆の言葉が頭から離れなかった。賢吾「何故、藤田さんの事を…。」小さく独り言をつぶやいて、民宿を出た。それから数時間後、智也は窓から差し込む太陽の光とともに目を覚ました。既に、昼前だった。智也「あ!」智也は寝過ぎたと思いあわてて起きた。そして、すぐに賢吾の姿を探した。智也「やべー、原稿は…ん?」智也はパソコンにさしてあったUSBメモリがなくなっている事に気付いた。そして、パソコンの近くに書き置きがあった。智也「原稿のデ...思い出が奇跡なら(137)招待状

  • 思い出が奇跡なら (136)思わぬ名前?

    それから2人は部屋に戻った。智也は必至で原稿を書いた。賢吾は風呂に入った後、智也の事を気にする事なく大いびきをかきながら眠りについた。智也は昔の夏休みの宿題の一夜漬けの気分だった。そして、日が替わって深夜までかかりなんとか仕上げた。智也は疲れ切ってパソコンの前でそのまま眠りに入った。そして夜が明けた。賢吾は、普通に目を覚ましたが智也はそのまま眠りについたままだった、前日の数々の不思議な事で智也は疲れ切っていた。賢吾は智也を起こさないようにそっとパソコンの画面を覗き自分なりに原稿を見直した。そして、原稿をデータとしてUSBメモリに入れて静かに部屋を出た。賢吾は階段を下りてそのまま、民宿を出ようとした。すると食堂から老婆が顔を出して老婆「おい、朝飯じゃ!」賢吾「あ、お婆さん!これから、急いで、会社に行かないといけな...思い出が奇跡なら(136)思わぬ名前?

  • 思い出が奇跡なら (135)小さな誓い

    すると賢吾は賢吾「この宿泊客と、桜井さんのデジカメに写ったケシの花畑は何か関係があると考えた方が良いかもしれませんね?」推測で言った。智也には目の前の光景があまりにリアルだった。自分の前の彼女が薬に手を出しているとは思いたくなかった。しかし、今の目に写っているテーブルの上の注射器と灰皿の中に入った白い粉は、賢吾の言っている事をよりリアルに感じさせた。智也は何も言えなかった。すると賢吾は賢吾「桜井さん、この事はお互いに内密にしておきましょう。」智也「内密に?」賢吾「はい!今知った情報は、何か今後重要になるかもしれません。お互い新聞記者として、公に警察などのような公的機関が発表した物以外の情報は取り扱いは慎重にしなければなりません。まして、今の時点でこの部屋の情報が漏れると事態は予期せぬ方向に行く可能性があります。...思い出が奇跡なら(135)小さな誓い

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、月麻呂さんをフォローしませんか?

ハンドル名
月麻呂さん
ブログタイトル
思い出が奇跡なら
フォロー
思い出が奇跡なら

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用