翌日、領主会談の最終日。 陽は西の空に頭を半分突っ込み始めており、窓際から冷気が忍び込んでくるのが感じられる。 「エリーさま、連日夜遅くまでお疲れです」 出戻…
魔法なし、架空生物なし、妙に現実風味の漂う異世界恋愛物語を、まったり更新中です。 ハッピーエンドと王道と下手なしゃれが大好きな管理人運営しておりますが、物語にうまく反映できているかは不明です。
幼い頃の病がもとで白髪になった王女エステリーゼは、政略結婚の駒として嫁いだ先で、一夜のうちに離縁を告げられた。 その一年半後、彼女に舞い込んだのは、国内最南端の島を治める伯爵に、書生として厄介にならないかという話だった…… 己の誇りと純情(!)をかけて、島を襲う大小の危機に立ち向かう王女と伯爵の物語「エリー・ブラントの誇りと純情」をまったり更新中です。
甘味処『マハシュトラ』はティータイムにはまだ早い時間にも関わらず、混み合っていた。 「いらっしゃい、ま、せ……!?」 私と伯爵が店のドアを開けると、店員の女の…
再度店を訪れた私と伯爵を見ると、ピエールさんは驚いた。当然だろう。 私が先程のかつらをもう一度つけさせて欲しいと頼むと、ピエールさんは希望通りにあの麗しいかつ…
ラキルル平原から市街地に抜けた時、時刻はまだ正午になっていなかった。 「予定より早く着いたな」「そうですか? 私は大体このくらいかと思っていましたが」「あなた…
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翌日、領主会談の最終日。 陽は西の空に頭を半分突っ込み始めており、窓際から冷気が忍び込んでくるのが感じられる。 「エリーさま、連日夜遅くまでお疲れです」 出戻…
伯爵が再び上屋敷に戻ってきたのは、やはり時計の針が天井を指した後のことだった。 読書のお供になる飲み物を貰おうと一階へ降りたところに、頬を紅潮させた主が姿を現…
興奮冷めやらぬ伯爵が事の次第を語り出したのは、それから十分後の夕食の席だった。いつものごとく、伯爵と私の会話を全て書き出すと長尺になるので、一部こちらでまとめ…
「ミナエさん」 アリスさんの決然とした声に息を飲んだ。心にかかっていた冷たい澱が洗い流されたような気持ちになった。 「お話くださってありがとうございます。 ミ…
翌日、領主会談二日目の昼下がり。アリスさんと私は王都の市街地を訪れていた。王都エルフラークの市街地は、デナリーさんが描写した通り喧噪と埃が舞う賑やかなところだ…
伯爵はスプーンに山盛りヨーグルトをすくうと、 「そうだな。 だが、奴らがドナーク島は我らのものだと主張し出すとしたら、 マキ人がミデルファラヤの血を引く民族だ…
それから夕刻まで、私とアリスさんは作業しながら様々なことを話した。アリスさんが話してくれた新聞社に入るまでの紆余曲折や、新聞社の人々と伯爵の面白エピソード、取…
アリスさんとの会話を書き連ねると余計に長くなるので、またこちらでまとめさせてもらった。できるだけ長尺にならないよう努めたつもりだが、重要な事柄も多く、そのよう…
アリスさんの話してくれたことは、以下のようなことだ。私との会話を挟むとあまりに長尺になるので、ある程度まとめさせてもらおう。 アリスさんがドナーク島の遺跡…
翌日、領主会談一日目の朝。 朝食後、カイラさんと上屋敷の執事、そして私に見送られ、伯爵はいよいよ領主会談の舞台である王宮へ登城していった。 伯爵を乗せた馬車が…
武器とは、これまた物騒なものが出土したものだ。 マキ人の『温厚で争いを好まない』というイメージとは、真逆のものが出てきたな。これは歴史を塗り替える発見だ。しか…
夕食後、伯爵と私は明日からの領主会談に備えて、最終の打ち合わせを行った。 三日間に渡る会議で取り上げられる議題について、諸侯がどのような主張をしてくるかを想定…
カシルダにネルドリの船が漂着した時、伯爵はすぐさま箝口令を敷いた。兵士たちはもちろんのこと、第一発見者の近所の住民から、騒ぎを聞きつけて集まってきた野次馬たち…
翌日の午前中、私たちを乗せた貨物船は無事王都に到着した。 わが国の王都エルフラーク。諸国からは『東洋の青玉』と例えられている。 但し『東洋の青玉』とご大層な称…
奇声は確かに人だかりから聞こえてきた。しかも、その人だかりの中心が発生源のように思われた。 私には奇声に聞こえたが、もしかすると意味のある言葉だったのかもしれ…
翌日の朝、伯爵と私はじい夫妻やマノン他お屋敷の使用人たち、早朝の鍛錬仲間、カシルダ軍の皆さん、ハックさん夫妻などなど、大勢の人に見送られてカシルダの港を後にし…
そうと決まると、私とじいは綿密な口裏合わせを行い始めた。 お館さまには私が舞踏会に出る意思があることを、決して当日まで知らせないこと。とはいうものの、私の衣装…
それからというもの、私は今まで以上に知識の吸収に努めた。 領主会談で議題に上がると思われる事象の知識から、国内と世界の情勢、果てはわが国の王族貴族の動向、王都…
甘味処『マハシュトラ』を出た時にも、陽の光はまだ暖かかった。 「夕飯までにはまだまだ時間がある。腹ごなしをしよう」 という伯爵のご提案で、遠回りをして屋敷に帰…
甘味処『マハシュトラ』はティータイムにはまだ早い時間にも関わらず、混み合っていた。 「いらっしゃい、ま、せ……!?」 私と伯爵が店のドアを開けると、店員の女の…
奇声は確かに人だかりから聞こえてきた。しかも、その人だかりの中心が発生源のように思われた。 私には奇声に聞こえたが、もしかすると意味のある言葉だったのかもしれ…
翌日の朝、伯爵と私はじい夫妻やマノン他お屋敷の使用人たち、早朝の鍛錬仲間、カシルダ軍の皆さん、ハックさん夫妻などなど、大勢の人に見送られてカシルダの港を後にし…
そうと決まると、私とじいは綿密な口裏合わせを行い始めた。 お館さまには私が舞踏会に出る意思があることを、決して当日まで知らせないこと。とはいうものの、私の衣装…
それからというもの、私は今まで以上に知識の吸収に努めた。 領主会談で議題に上がると思われる事象の知識から、国内と世界の情勢、果てはわが国の王族貴族の動向、王都…
甘味処『マハシュトラ』を出た時にも、陽の光はまだ暖かかった。 「夕飯までにはまだまだ時間がある。腹ごなしをしよう」 という伯爵のご提案で、遠回りをして屋敷に帰…
甘味処『マハシュトラ』はティータイムにはまだ早い時間にも関わらず、混み合っていた。 「いらっしゃい、ま、せ……!?」 私と伯爵が店のドアを開けると、店員の女の…
再度店を訪れた私と伯爵を見ると、ピエールさんは驚いた。当然だろう。 私が先程のかつらをもう一度つけさせて欲しいと頼むと、ピエールさんは希望通りにあの麗しいかつ…
ラキルル平原から市街地に抜けた時、時刻はまだ正午になっていなかった。 「予定より早く着いたな」「そうですか? 私は大体このくらいかと思っていましたが」「あなた…