不思議な形をしていた。初めて見るそれは甘い香りがした。「それをやろう。」 上様は機嫌よさそうにそう言った。手のひらに乗せられたそれを、まじまじと見つめる。不思議な形をしていた。初めて見るものだった。 これはなんですか、と尋ねようとして、言
見上げた空はどんよりと曇っている。雨が降るのかもしれない。吐いた息が白くなるベランダで、教室の喧騒を背中にボタンを開けていた学ランの前を寄せた。ガラガラと窓が開く音。友人たちの騒ぐ声が一瞬大きくなり、すぐにまた硝子に隔たれる。「ミルクセーキ
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