ピンクの牡丹が咲いて。隣に赤いのも咲いて。それぞれは淡い香りを漂わせて。牡丹は開花から花びらを散らすまでおよそ二十日を経るとか。それで「二十日草」の名もあるよう。それにしても一つでもまとまりでも絵になる。 見た絵のように牡丹咲いていて朝陽の中で一人の時間は止まる (上武旋転子)...
きょう5月1日は「すずらんの日」。フランスでは昔から「スズランと愛を贈る日」なのだと。昨夕のラジオでパーソナリティーが教えてくれた素敵なイベント。フランス語でスズランはmuguet(ミュゲ )ということも知る。それも含めて覚えておこう。頃よく我が家でも鈴蘭が咲いている。 なにすることもなく老いの雑学また一つ愛のイベントの名を知る (居山聞涛)...
いっぱいの白い花。鈴のよう。かわいいかわいいかわいい。風吹けばブラブラブラ。音が聞こえてきそう。下から見たらちゃんと雌蕊ちゃんと雄蕊が。 草取りしていたらくらっとめまいがしためったにないことに「へえー」となぜか楽しく四月 (上武旋転子)...
川を挟んだ向こうから機械音がうなる。中山さんが自走式の機械を使って長い土手の斜面を刈っていた。「きょうはおやすみですかア~」「そう、こよみどおりイ~」私もそろそろ川に降りて草刈りをするか……。海老根が風知草の横にある。一つの花茎に十数輪が咲く。表情のあるかわいい小花だ。 もう少し愛らしい名前にしてやれば良かったのにと屈めて見ている海老根 (居山聞涛)...
八重山吹も満ちる。花びらが幾重にも重なる花。それをいくつも枝に乗せた枝は撓む。ゆったりと。ゆらゆらと。しなやかに。 過去を思わず未来を考えずただ今を静かに生きるそれがいい私 (上武旋転子)...
著莪が李の下で咲いている。ほんのり青みを帯びた白い花びら。縁は細かく切れ込む。その奥から淡いオレンジが前に。それを囲むように青紫。色も形も見事に調和して美しい。別名に胡蝶花の名とあるのもうなづけると納得して眺める。ほかのアヤメ科の花々もその時期を迎えつつある。アヤメ、イチハツ、ジャーマンアイリスの蕾も膨らんでいる。ハナショウブ、カキツバタは葉を伸ばしている。 「ときめいているか」とラジオに投げ...
夕方の天気予報でキャスターが伝えていた。「あすは一日晴れで26℃まで上がり夏日になります」「半袖でも大丈夫でしょう」松本地区では凍霜害による農作物の被害が1億ほど出たとのニュースを聞いたばかりだった。この時期の信州は気温の急激な変化が多く、なかなか対応がままならない。まだ少しは羽織るものを残しておくのがいい。白い4弁の花がナツメの下にある。そのやさしいふんわりの花は白山吹。山吹の名がついているが、そ...
「天気がいいので城山まで行ってくるね」と家人は運動靴を履いて出かけた。この地域を昔治めていた一族の館があった公園で、町一帯が望める高台にある。正面には塩見などの南アルプスが。300段ほどの階段があり、足腰が鍛えられる。「気持ちよかった」と1時間ほどして戻ってきた。そして絨毯の上で横になった。ほかの草花にまぎれてピンクの花がある。いくつかの小さな花の集まる形で。ヒマラヤユキノシタだ。バタバタバタと雉...
アートガーデンにもぼちぼちと花が咲き出す。キャットミントは薄い青紫。宿根草なのでいつもの同じ場所に。かわいい花が穂になって立つ。初秋までその様は続く。蜂がやってきた。そして次々に花を渡って蜜を吸う。「どうだ、おいしいかい?」 花があって蜂がやって来て「よかったらおあがり」「ありがとういただきます」と会話しているのかも (上武旋転子)...
キリシマツツジがある。花が少ない。もっとたくさん咲いてくれたらいいのにと思う。隣のお宅のは葉の緑が見えないほどに染まっている。その違いは何だ。肥料?剪定?それとも愛情?今日は久しぶりに20℃を超えるという。開花の足を止めていた花たちも歩を早めそうだ。...
花蘇枋は紅白あって、少し遅れて白花も咲く。丸味を持つ小さな蝶形花が枝にびっしり付く。このあとハート型の葉が展開する。マメ科の木で、花後にはエンドウなどと同様に莢を付けた実が生る。飯山の“菜の花畑”が例年より早く満開だとローカルニュースが伝えていた。行ってみたいとも思うが、ちょっと遠いか。 四月の風に新しい物語があるように感じてどこか遠くへ出かけたくなった (居山聞涛)...
四月の楓は爽やかな青い葉です。そしてその今、たくさんの花を咲かせます。それは赤みのごく小さな花で目立ちません。あまりにも地味できっとそこで咲いていることさえほとんど気づかれないでしょう。春の木の花、たとえば人を惹きつける梅、桜、桃、あるいは花水木等々を思い浮かべればその差は歴然としています。楓の主役はやはり紅く染まる葉であり、輝く季節は秋なのでしょう。...
カリンも薄紅色の花を咲かせている。それは私には初心な乙女の顔のように見えもする。この2~3日は風があった。花もだいぶ散らされた。下に色が広がる。その小さな花は秋には拳よりも一回り大きな黄色い実になる。数年前までは砂糖漬けにしていたが、もうやめた。 モノもやることも少しずつ減らして身も心も軽くするまたもうすぐ誕生日 (上武旋転子)...
緑の葉がびっしりと長く敷かれる。そこはワイルドストロベリーのところ。今その中に白い花がいくつも顔を出す。それはもれなく実となり、5月から7月頃にかけて収穫できる。実は小指の頭ほどの小粒だがいい香りがしてとても甘い。ワイルドの名が付くように本来は野生種のイチゴ。繁殖力が強く、葉もハーブとして利用できる。私はグランドカバーを兼ねてヤマブキの下に植えてある。ほかの雑草が生えるのを抑えてくれている。 ...
花水木は2本ある。金木犀のそばには薄色のでこれが先に咲く。もう一つ濃い色のが利休梅の横にあり1週間ほど遅れる。枝の広がりや花数にも違いが見られ、濃い方のはコンパクトに収まる。それぞれに味があってどちらもいい。友人が図書館から齋藤孝の本を5冊借りてきて読んでいると連絡をくれた。そして「読後はとてもいいですね。心が潤います」と。 「花を本を愛を贈る日です」とラジオの人が語っていた“サン・ジョルディ”...
カラタチには太くて鋭い棘がある。何度か当たって痛い思いをしている。たとえば落ち葉を掃きながら後へ下がって背中を。花は白い。スプーン状の5弁で蕊から少し香りがする。花びらを落としたものはすでに小さな実の形になっている。食用にならないのが残念。少し肌寒かった。カーディガンを羽織った。風も強かった。玄関の外に出してあった孔雀仙人掌の鉢が倒れていた。3つ付いていた蕾は無事だった。内側に移動した。役場から「...
彼岸桜の下では三葉躑躅が咲いている。私には色辞典が二冊ある。【つつじいろ(躑躅色)】として載るその色見本は両方ともまさにこの色である。その一冊には次のように説明が記される。【つつじいろ(躑躅色)】赤躑躅の花の色から名付けられた色名で、紫みの赤い色を表わしている。すでに平安時代、そのいつの頃からかはわかはわからないが、躑躅という色も名前も知られていたことはまちがいない。たとえば「枕草子」の中で、清少...
ラズベリーはアートガーデンの北側に並ぶ。私の背よりも高い。今それに白い花。花びらが落ちると花托がふくらみ、そして実となる。家のは濃いオレンジ色。およそ6月前後が収穫の時期。消毒などしないのでその場で採って口に入れたりする。気の早い薔薇が咲き出した。この黄色いのはたしかゴールドバニーの名だったか。 木苺に白い花白い花たくさん生れよたくさん生れよ摘みたいよ (居山聞涛)...
昨日は29℃に。風も出て。キクザキヤマブキの花びらは細い。その枝がしなやかに揺れる。せっせと働かなきゃ。春だもの。もっともっと動かなきゃ。 しなやかにゆらゆらりと山吹の風に誘われて四月の29℃ (上武旋転子)...
一仕事を終えてお茶を飲んでいた。枝が屋根に当たりそうになっていた李の剪定などだ。それにしても暑かった。電話が鳴った。ディスプレイに義姉の名が表示される。「リーフレタスを収穫したから持ちに来ない?」と。「分かりました。すぐに伺います」車で5歩ほどの所に一人で住んでいる。玄関にレジ袋に入れて用意してあった。「葱も取ってあったので」ともう一袋。歌の選者でもある歌人が表の顔だが、野菜作りにも年季が入る。私...