先週のことである。高速バスで東京に行った。地下鉄に乗って、六本木ヒルズ森タワーを目指した。52階の森アーツセンターギャラリーに入った。10人の芸術家によるMUCA展を観た。その中にバンクシーの作品が数多く展示されていた。それが目的だった。進みゆくと、奥の方に、あのシュレッダーにかけられた「ガール・ウイズアウト・バルーン」があった。そこだけは警備員が立っていた。正面からじっくり観た。左右の側面からも見た。そ...
エビネが咲いています。風知草の横です。楓の下です。表情のあるかわいい小花です。それが立ち上がる花茎に連なります。なぜかどれもがいつもより少なめです。連休最終日ですね。行楽、お勤め、畑仕事、スポーツ、趣味、制作、あるいは恋人の元へなどなど。皆さん、どう過ごされたのでしょうか。私は……。 もうすこし花に合う愛らしい名はつけられなかったかと海老根を見ている (居山聞涛)...
空の青に映える濃いピンクの花。反り上がる艶のある蕊。膨らむつぼみ。石楠花が家の入り口で咲いたのは三月下旬だった。そして玄関横の西洋石楠花は遅れて今。去年は賑やかに咲いたが、今年はその三分の一ほどと少ない。西側にある里山の方からカッコーの声が何度も届いた。今年初めて聞いた。「カッコー カッコー カッコー」と、ひとつずつの声のあとに少しの間があって。癒やしでもあり、諭されるようでもあり。 法師の如...
通常の菊は秋の花だが、ミヤコワスレはこの時期に咲く。色は青紫。葉は濃い緑。こうして初夏の頃に見る菊もいい。ところでなぜ「都忘れ」との名が付くのだろう。その由来も知りたいところ。たとえば「ヒトリシズカ」のように。 人には「忘れ」たいことも「忘れ」なければならないこともある空は黄砂曇り (上武旋転子)...
いろいろな種類の花が咲き出す。一つの株にたくさんの濃黄色の小花をつけているのはケイランサス。少し香りがする。その横では彫刻を囲むようにポピーも咲き出した。いい季節だ。 花に声を掛けられつつ日除けガードの付いた帽子を被って働いている (居山聞涛)...
屋根に登って木々の剪定をしていた。カリン、ハナノキ、スモモ、ビワ、キバナヤマボウシ。伸びて屋根にかかるようになっていた枝を。降りて下に落ちた剪定枝を片付ける。終わった。暑かった。庭を一回りする。と、部屋から外に出して置いた月下美人の広い葉の上にアマガエルが座っている。この時期になると、よく見られ光景だ。体を月下美人の葉色に同化させて。心を無にした表情で。最近夜になるとその頃がよく聞こえると思っては...
緑の葉が広がる中に紫色の花は紫蘭。周りの草花に押されたのか、今年いつもより少ない。込みすぎてちょっとかわいそう。唇弁には魅力的な数本の縦襞が走る。名前の知らない細い虫が来て遊んでいる。連日暑い日が続く。さて、今日は7時から自治会総出で神社の掃除だ。...
庭の一角に蔓日々草が広がっている場所があります。完全に野生化しています。増えすぎないように気をつけてはいます。花は可憐な青紫です。数年前に我が家を訪ねて来られた方に望まれて、一株をお分けしたことがあります。それもその新たな土地で元気に咲いているでしょうか。...
薄紫の石斛が咲いている。あるのは李のちょうど二つに分かれた又のところ。何年も前からそこに根付いて毎年。この花にとってはそこは住み心地いいらしい。 今年も石斛が李の又で咲いたそこは住み心地いいらしいそれぞれの居場所 (奈美あや)...
そこは山茱萸の木の下。白い小さな花が一つに丸くまとまり咲くコデマリ。その様が毬のようだということなのだろう。一つひとつは1㎝にも満たない丸みのある5弁花。そんな花を乗せた枝が風に上下する。家人が長旅からようやく帰ってきた。これで食事の心配をする必要もなくなった。やはり長く連れ添ったその味がいい。...
アンネのバラが雨に濡れている。そう、あの少女、アンネ・フランクの名の。それは色移りのバラ。蕾はやや赤く、開いて黄色、そして咲き進めばピンクにと。思春期の少女の心を思わせるように。傘を差し、白黒写真の顔を思い浮かべて見ている。 夢見る少女の平和を希求する少女のバラが雨に濡れている五月 (上武旋転子)...
アートガーデンではジャーマンアイリスも咲く。花はどれも大きくて豊かで。いく種類かの彩りで。ただだまって見ている。部屋の君子蘭が花を落とした。掛け軸を「鮎と川蝉」に替えた。 ラジオからは『ボヘミアン』の歌が流れてジャーマンアイリスを見ている真夏日 (上武旋転子)...
朝の陽が庭に入る。木々の枝や葉や花がそれを受ける。今、マユミにも淡い黄緑色の花。葉色に近いのであまり目立たない控え目な花である。そのたくさんの小さな花にも漏れた陽があたる。 葉と枝と花とが静かに調和する五月の真弓を見ている (居山聞涛)...
かわいい黄色の花がいっぱい。蝶形花のそれはエニシダ。咲くのはこうして五月。漢字で書く金雀枝や金雀児もその様子をうまく表している。誰が考えたのだろう。もともとは地中海沿岸原産のマメ科の植物で、エニシダはスペイン語のhiniestaを当てたものだという。今日は32℃まで上がるという。温泉に行こう。 あふれる黄蝶のごとえにしだのたのしきうれしまだ五月 (奈美あや)...
木にいっぱいの赤い実。今年もサクランボが生る。それをめがけて朝早くからヒヨドリもやってくる。彼らはどうやら色が分かるのか、赤い方から食べていく。今日少し収穫しよう。...
穂波さんから電話。「タケノコいる?」「あれ、この間持ってきてくれた時、これで今年は最後と言っていたんじゃない」「そうなのよ。また出ていたの」「好きだから、うれしいけど」「持ちに来てくれる?」「分かった、これからすぐに行く」ということで、また筍を4本いただいた。ちゃんと米糠も一袋添えて。カーポートの横では八重のクレマチスも咲く。...
昨日より今日も増え、花が日々次々に。やわらかふんわりのカリフォルニアポピーも。多くはオレンジ色。ところどころに白い色のも。蕊からは花粉が花びらの上にこぼれ落ちる。これは増える。まだ小さい株もたくさん。間引く。 花菱草の花言葉に「私の願いを叶えて」とあって今に何を願うと私 (居山聞涛)...
昨日、知人から電話があり、美術展の案内をいただいた。いつも100号ほどの大作を出品されている。月曜日の午前中が当番だというのでその時間に行くことを約束した。草払い機を使って土手の草を刈った。少し腰が痛くなった。アヤメのそばではシャガに加え、ダッチアイリスも咲き出す。いい色、いい立ち姿だ。...
今年もまた木に溢れ咲く白い花。通常ナンジャモンジャノキ正しくは一つ葉田子。五月になるといつものこの光景。朝6時の青い空。その木の上には白い月。 抱える憂き事に白く溢れる花を一人眺めナンジャモンジャと繰り返す朝 (居山聞涛)...
この頃読んでいたのは大手拓次詩集。昭和九年に46歳で世を去ったこの詩人には36行の構成による「薔薇の散策」という詩がある。たとえば次のように。1 地上のかげをふかめて、昏昏と眠る薔薇の脣。4 棘をかさね、棘をかさね、いよいよに にほいを育てる薔薇の花。 12 吐息をひらかせる ゆふぐれの喘ぎの薔薇の花。13 ひねもす悲嘆する 南の色の薔薇の花。16 掌(て)はみづにかくれ 微風(そよかぜ)のゆめみる 未生の薔薇...
玄関前に置いてある鉢植えのクレマチスも咲く。花は一重で色は薄紫。中には紫のグラデーションの蕊がたくさん立つ。それは数年前に義姉がくださったもの。以来毎年こうして咲いてくれる。庭を歩いていると箱根空木の中から1羽のヒヨドリが飛んでいった。気になって見ると巣があった。雌雄はわからないが近くの花梨の木にとまってしきりに声を出している。私への威嚇なのか、警戒している感じだ。離れてやった。...
川を見下ろせる庭の南の一角にフランスギクがある。そこでもう20年以上も前から。私が植えたものではない。種が飛んできたのか、鳥が運んでくれたのかよくわからない。丈は50㎝ほどで色も形もマーガレットに似る。黄色い管状花は太陽のようにも見える。所によっては野生化して問題が生じているケースもあるようだが、家ではそこだけなのでそのままにしている。家人に頼まれていつものように髪を切ってやった。今度は九州へ4泊5日の...