前回述べたことに訂正点があった。なにせ昔のことなので記憶が曖昧なのだけれども、その当時の雑餉隈のアーケード街って活気があったような気もしてきたのだ。もしかしたら、西新とか香椎という他地区の商店街の印象と混同しているのかもしれないが、自転車がやたら停めてあり、野菜なんかを扱っている露店も出ていて、それまで体験したことのない雑踏と生活感があふれていたように思う(記憶ちがいだったらごめんなさい)。その雑餉に久しぶりに行ってみたら、シャッター街と化した光景が広がっていた。なんでも、第2雑餉隈駅を造るという計画が西鉄にはあるらしいのだけれども、そのわりには人通りもチラホラしかない。ずっと住宅街が続いているところだから住民数は多いし、増加傾向にあるとは思うが、どこの田舎かという廃れっぷりだ。西新はともかく、香椎の駅前もいま...福岡へ2019(10)
翌日の午後、西鉄大牟田線沿いにある井尻(いじり)という駅の近辺を妻とブラブラ歩いてみる。井尻に来たのなんて30年以上ぶりだろう。だいたい、行く用事もなかったし。その当時から、駅前にさほど大きくはない書店があった(と思う)。その書店がいまだに営業をしているのを見て、この先もぜひがんばってほしいと願ってしまう。そこから少し離れた(徒歩30分ほど?)筑紫通り沿いにあった書店には閉店の張り紙がされていて、ガッカリした気分に陥ったものであった。なにせ久しぶりの井尻である。そもそも、井尻なんて地名を挙げても、福岡市民にも知らない人がいるかもしれない。そのくらい地味な住宅街だ。もう忘れちゃっていたけど、狭い商店街が西に向けて延びていた。行く前に小生が「井尻あたり散歩してみようかな」と述べると、義弟が「それならムッチャンマンジ...福岡へ2019(09)
そこに高校生くらいの女の子とそのお母さんかなという親子連れがやって来た。「本日終了」の札を見て、「あらっ、もう終わっちゃっていたのね。また来ましょう」とお母さんが残念な様子でUターンしていく。小生も妻に「本日終わりました」とメールしておく。それから待つこと10数分。息せき切った妻がようやく現れた。缶ビールのあと寒風にさらされていたので、こちとらオシッコがもれそうだ。「悪いんだけどさ、もうお店閉まっちゃっているし、それよりトイレに行きたいんだよ。ちょっと櫛田神社のトイレを借りてくるから、ここで待っていてくれない」と言い残し、境内のトイレを借り、熱くほとばしるものをドバドバ噴出することになる。1年前にも記したかもしれないが、櫛田神社とは博多山笠というお祭りで、追山という各町対抗の山笠(山車のようなもの)を走らせるレ...福岡へ2019(08)
あるかたに教えていただいたところによると、現在、キャナルシティなる巨大ショッピングセンターとなっているところは、そもそもカネボウが経営していたプールのレジャーランドの跡地であったそうだ。それは知らなかった、と同時に、小生が福岡に暮らしていたころ、のちにキャナルとなる箇所がどんな状況であったのかの記憶がない。フェンスに囲まれた茫々たる空き地でも広がっていたのならば目立つから、かえってその印象が残っているはずだろうと思うのだけれども、それすらも思い出せない。そのうえ、キャナルシティなるものがオープンしたのは、小生が東京に出てからの話である。したがって、その再開発の工事風景など知る由もない。ウーン、しばし思い起こしてみるものの、キャナルオープン前の姿がまったく思い出せないのはどうしてなのだろう。キャナルのオープン当初...福岡へ2019(07)
そのままかろのうろんの方へと歩いていく。那珂川に沿い、中洲の対面に川端商店街というアーケード街がある。それが国体道路というのにぶつかる角に昔から有名なうどん屋さんがあり、その店名がかろのうろんである。「角のうどん屋」の意が現地語になまって「かろのうろん」となったと、小生は勝手に理解している(間違っていたらごめんなさい)。その店前で妻と落ち合う前に、ポケットに入れている文庫本を熟読玩味したいという気持ちもある。また、変わりつつある博多の街並みを見学したいという思いもある。そこで、すでにビールも飲んじゃっていることだし、いまさら集中を必要とする思考はできないだろうと判断した。ならば、ブラブラ街歩きだ。歩きながらいまさらのように気がついた。この街、小生にはまったく向いていないのかも、ということを。なぜなら、鳥料理には...福岡へ2019(06)
福岡へ行く直前に宿を取ろうとしたら、予約にけっこう手間取ってしまった。そのときは知らなかったのだが、嵐の福岡ドーム公演とバッティングしていたのだ。どおりで、嵐の文字の入ったバッグを肩にかけた女の子を街中でチラホラ見かけることになったわけだ。そして、ググっていたら、福岡パルコのなかにBOOKANDBEDTOKYOが入っているのを見つけた。その本店が池袋にあることは知っているけど、池袋徒歩圏に住んでいる小生が、そこにわざわざ宿泊するわけがない。入ったことはないが、毎日のようにその前を通り過ぎているし。しかし、福岡店ならばせっかくなので宿泊してみようかと思ったものの、その日は満杯でやんの。がっかり。しかしねえ、そういう宿に『反日革命宣言』が置かれているわけもないだろうし、小生の嗜好が一般的でもないので、どうせ持参して...福岡へ2019(05)
こうして妻に靴を買っていただき、その場で履き替えてから、ようやく博多駅を離れることになった。そこで久しぶりに乗りました、JR九州の鹿児島本線。しかも、下りの電車である。上りの北九州市方面に向かうときは、この路線を利用したことがチョコチョコあった。しかし、下りに乗るのは数回しかなかったと思う。下りの電車の本数は、1時間に4、5本というところか。東京では考えられない数字になってしまうが、なんでもかんでも東京基準で見てしまうのはよろしくない。車窓からはパナソニックの巨大な工場かなにかが見える。最近できたのかな。その近くにアサヒビールの工場があるのは知っていたけれど、パナソニックは初めてだ。15:00近く、某所で妻と一度別れることにする。別れ際に「きょうの晩御飯はかろのうろんにでもする?またうどんだけど」とたずねると、...福岡へ2019(04)
荷物受取場で妻のキャリーバッグが出てくるのを待つ間、交替でトイレに。こういうとき荷物の心配をしなくてすむから、二人旅は楽である。それから地下鉄で博多駅に出る。博多駅で地下鉄からJRに向かうエスカレーターは、途中から階段になってしまう。それをなんとかしてくれという苦情は、ずいぶん前から殺到していたそうである。要は、博多駅にからむJR九州、JR西日本、そして地下鉄を運営している福岡市の三すくみとなってしまい、問題が先送りされていただけのことだ。その問題解決のために、ようやく三者が動き始めたらしい。猪瀬直樹が九段下駅の東京メトロと都営地下鉄の乗り換えの不便さを「バカの壁」と表現していたが、それに似たようなものは全国各地にあるのだろう。博多駅に着いてみれば、12:00をすでに回っている。なにはともあれ、まずは昼食だ。疲...福岡へ2019(03)
こうしてようやく飛行機に乗り込むことができたものの、空港職員って大変なんだなあとつくづく感じ入ってしまう。羽田空港の一日あたりの利用者数を知らないが、小生らのようなアホ夫婦はさておき、外国人観光客にはじまり、老齢者やら赤子などさまざまな人々に対応しなければならない。しかも、そこで支障がないよう全員を誘導していくのもお仕事の一部だ。そこでふと疑問に思うに、そうした場に若い女性の姿が目立つのはなにか理由があるのだろうか。まず単純に思いつくのは、かなりのハードワークであるから、体力のある若い人でないと務まらない職種なのか、ということだ。そこで、そういう方たちがどこに所属しているのかを知らない。もしかしたら派遣の労働者なのかもしれない。そこで下衆の勘繰りを進めれば、一番大変なパートを賃金の安い女性労働者に押し付け、使い...福岡へ2019(02)
某日、1年ぶりに妻と福岡へ向かうことになる。事前に羽田までどうやって行くのかという相談を妻としていると、「電車だと乗り換えが面倒だから、池袋発のリムジンバスの時間をあんた調べてきて!」なるご命令をちょうだいした。しょうがないから会社に向かう途中そのバス停に立ち寄ると、9:45発の飛行機に乗ろうとしたら、6:40か7:40池袋発のバスしかないようだ。帰宅してその旨を妻に報告すると、「じゃあ、余裕をもって6:40のバスで羽田に向かうから、あんたしっかり用意しておきなさいよ」との厳命がくだる。そして当日、目覚まし時計の音で5:00に起き出すものの、寒いし眠い。準備の悪い妻は、あたふたと荷造りを始めやがった。その姿を眺めつつ「ここを6:00に出れば間に合うだろ。あと30分寝るから」と小生は布団にUターン。爆酔していると...福岡へ2019(01)
竹笹に囲まれる道をしばらく登れば、急に見晴らしのよさを感じさせる場所に出くわすことが多くなる。左下には、別の山へと向かう竹笹ルートが伸びていて、まるで東山魁夷の絵のようだ。左上には大涌谷の煙が昇っている。その先の山の名前を知らないのだけれども、以前来たときに、ああ、あの山にも登ってみたいなあと感じたことを思い出した。そして右手に視線を移せば、ふもとの谷を挟んだところにかなり広そうな草地が広がっているように見える。そこが仙石原なのかなあとも考えるけれど、これは正確ではないかもしれない。その奥には芦ノ湖の湖面が光っている。そこの遊覧船も、台風のときは大変だったという報道がなされていた。さらに右手を見れば、ゴルフコースが見える。ゴルフのことはよく知らないけれど、おそらくは日本でも有名なコースなのだろう。途中、大きな岩...金時山へ(04)
2時間ほどの車中、読書にも疲れてきたころ外を見れば、窓外に大きな富士山が広がっている。8割くらいは白くなっているけれど、いつの間にそんなに雪が降ったのだろうか。外国人観光客たちは喜んで、スマホでパシャパシャ撮影開始。単独峰というのわかりやすくてよろしい。その昔、レーダー技術も現在ほどの水準ではなかった第二次大戦中、東京に焼夷弾を落としたB25の帰りの目印は富士山だったという。マリアナ沖から飛んできているのだから、かっこうの対象であったわけだ。それにしても、東京大空襲を指揮したルメイに、日本は戦後勲章を与えているのだから、なんとも不思議な国である。例によって話が脱線しつつあるので、軌道修正。バスは御殿場で東名を下りる。御殿場って初めて来たかもしれない。次は電車で行ってみようかなと思うものの、御殿場にはなにがあるの...金時山へ(03)
8:00過ぎ、バスタ新宿に到着。バスに乗るために来たのは初めてかもしれない。以前は、新宿西口のヨドバシカメラの裏にバスセンターがあったような記憶ではあるけれど、これは非常にあやふやなので、間違っていたらごめんなさい。その当時とは比べものにならないくらい、バスタはお客さんで込み合っている。しかも外国人観光客の姿が目立つ。彼らはどうやって目的地にたどりつく方法を理解しているのだろうか。スマホにそういうアプリが入っているのか。ガラケーユーザーの小生にはよくわからない。少し想像してみよう。英語圏ならまだしも、日本人が中国なりに行ってバスに乗ろうとする。そこで目的地に向かう車を選択しなければならないし、また、降りるバス停の名称も確認しなければならない。さらには、金額やら時間やらという問題もあるし、そもそもチケットの買い方...金時山へ(02)
いつの間にやら12月となる。こうなると、なにがなんでもこの年を乗り越えたいものだと願うのは無理からぬ話だろう。しかしなあ、金策には頭を抱えるしかないのが現状である。頭を抱えていても名案など出てくるわけがない。しかも、家と会社の往復ばかりの日々には嫌気がさしていることもあり、久しぶりに山に行きたいと鬱屈を晴らす場を求めたわけである。それに、小生のような根っからの山猿ちゃんにしてみれば、きらびやかな都会にいると、どうしても息がつまりそうな感覚に陥ってしまう。そこで妻に、近場の山に行きたい旨を告げると「具体的にどこに行きたいの?」とたずねられ「秩父」と答えると「いや」「じゃあ高尾山」「飽きた」「ウーン、箱根」「箱根ったってどこ?」「久しぶりに金時山」「金時山?台風で箱根の登山鉄道とか流されちゃったんでしょ。いま行ける...金時山へ(01)
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