ある方が亡くなったとのメールが入る。その方をここではAさんとでもしておこう。正確には知らないのだが、享年は80代半ばだと思う。数ヶ月前にAさん自らのメールがあり、ガンが見つかったので手術のため入院します云々げな。80代での手術は体力的にどうなのかなあと心配しつつも、治療方法の選択は本人の意思である。小生がとやかく述べる筋合いでもないと判断し、懸念を伝えることはしなかった。それからひと月ほど経っても、Aさんから続報のメールが来ない。一度、Aさん宛のある通信に同封して仲間内の寄せ書きのようなものを送ったことはあったけれど、それに対しても無反応である。大丈夫なのかなあと心配し始め、ある人にご自宅に電話してもらうよう頼んでみた。すると、手術自体は無事に終わったのだけれども、その後脳梗塞に襲われてしまい、言葉が発せられな...Aさんのこと
初めて行くところなので知る由もなかったのだが、駅から豪徳寺に向かうとお寺の裏から正門に回りこむような感じになる。門の前にある掲示を読むと、そこは彦根藩井伊家の菩提寺であり、井伊直弼のお墓もあると書かれている。井伊家といえば徳川四天王の一つにして、譜代筆頭という家柄であったと思う。それゆえ、徳川の世においては、直弼に限らず、大老職を井伊家で何人か務めているはずだ。現世ならば、さしずめ岸―安倍家というところだろうか。そういえば以前、大河ドラマでも井伊家をテーマにしたものがあったように記憶している。まったく観ていないのでどういう内容なのかも知らないし、また彦根には行ったことがない(若いころ、車で通り過ぎたくらいのことはあったかもしれない)。新幹線の米原駅の隣りだろ、くらいの地理感である。確かその近くに安土城も建ってい...お寺めぐり(02)
ある作業をすぐにでも終わらせてしまわなければならないのだけれど、なぜかまったく手がつかない。秋の日は釣瓶落としとはいう古言どおり、ボケーッとしていたらすぐに夕方になってしまう。困ったな、それなら酒でも飲もうかと駄文を書くことにする。実は某日、ある人にある事件のことを数名でうかがう機会があった。そのテープ起こしをして文章をまとめないといけないのだけれども、その作業が進まないのだ。話の内容そのものは面白く、これをきっかけにその事件について一冊にまとめられないかと思うほどのものであった。いわゆるオーラル・ヒストリーという手法で、それに関わる人たちのなかから数名に聞き取りをしていけばいいのではないかと考えたわけである。しかし、目の前の作業が進まないのではどうしようもない。夢想がただの夢想に終わってしまう。一両日中には片...お寺めぐり(01)
某日、F社社長がフラッとやって来て映画『ジョーカー』の話になった。小生はまだ観てない旨を述べると、「あれは、絶対に腹巻ちゃん向けだよ」とのこと。「ネタバレになるからあんまり言わないけど、最後の方なんて喜ぶと思うよ。観ているとき隣りに座っていたのが若いカップルで、帰りのエレベーターでぼくの後ろに乗ったから彼らが話しているのが聞えてきて、女の方が『なに、この映画!結局精神異×者の妄想ってだけッ!』って怒っているんだ。ありゃ、必ず別れるな。それとね、デ・ニーロが出ているからというだけじゃなく、『タクシードライバー』へのオマージュシーンが多くて、『タクシードライバー』ファンにすればもうたまらない」そういえば知り合いのK氏が、ティム・バートンの『バットマン』以来のバットマン系の表現の変遷を、『ジョーカー』に合わせて述べて...映画『ジョーカー』(ネタバレあり)
故人の悪口を書いても無意味なことだとは重々承知しているものの、これだけは書き記しておこう。いまから20年以上前のことになるが、当時、北朝鮮(朝鮮)の核開発が国際的緊張を高めていた。そんなある日、先代が偉そうに曰く「核兵器なんざ怖くねえよ。机のしたにもぐっとりゃ、どうってことないんだ」げな。小学校の避難訓練かよと、小生は唖然としてしまった。さらには、原爆の悲惨さに想いも馳せられないのだから、小学生以下の認識レベルである。そんな人物でも出版業が曲がりなりにも成り立っていたのだから、ずいぶんとめでたい時代であったということである。いかん、ひとつ記してみたら、次から次に悪口が出てきそうだ。要はこの例が示すように、ろくな学識もないくせに偉そうな態度でまぬけなことを話し出し、バカにされるというものである。しかも、そこで相手...土浦へ(02)
某日、F社社長から先代が亡くなった旨の電話があった。「エッ!」という小生の返事が、妙にうれしげな調子を帯びていたように思わなくもないのだが、おそらくは気のせいだろう。ただし、小生が在籍した当時のF社は、本当に退屈な会社であった。それは先代の人間性に起因するところが大であったわけである。先代の能力なり、学識なりの低さはさておき、そうしたコンプレックスを抱いていた人間であったがゆえか、他者に対してすぐにジェラシーを起こすのだ。そして、お日さまの光も当たらないような世間の片隅で、「俺さまは偉いのにだれも尊敬してくれない」と、よだれをたらしながら焼酎をあおる日々である。しかも、そんな会社に酒を飲みにくるような連中もうだつのあがらないやつらばかりである。なんらかのテーマで現役感を出していた人はほんの数人であり、そういう場...土浦へ(01)
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