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風塵社的業務日誌 https://blog.goo.ne.jp/wind-dust/

出版現場の最前線から、企画、編集、営業と業務に関わることをなんでもレポートします。

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2006/05/16

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  • 関が原へ(05)

    酔っ払って例のごとくドタバタがあったものの、その夜は兄の家に泊めてもらう。酔っ払った小生が高いびきで寝入ったあともゴタゴタが続いたらしいが、それはよく知らない。翌朝、兄の三女(高校生)と近所を散歩。これまで知らなかったが、その子は自然に関心があるようだ。くもの巣をジーッと眺めてから「きれい」とポツリ。小さなカタツムリを手にとっては興味深げに眺めている。兄の一家では珍しいタイプだ。ほかの子らは、朝から晩まで意識のあるうちはギャーギャーうるさいが、三女だけはおとなしくしている。ところが、おじさんが道ばたでタバコを吸いだし、吸殻を側溝に投げ捨てると、「そういうこと、しちゃいけないんだよ」と厳重に注意してくる。兄に似たのか真面目すぎる。本来なら「わたしにも1本ちょうだい」とお願いすべきところだろう。朝食後、次女の運転す...関が原へ(05)

  • 関が原へ(04)

    名古屋の精神病院に母を見舞い、兄の家族とともに話をしているうちに、母が小生のことを認識し始めたようだ。それはそれで面白くもない。そうこうするうちに停電が終わり電灯はついたものの、まだエアコンが効いていないのか病室内はいまだ暑苦しく、さらに尿漏れの匂いなのか異臭がかすかにただよっている。その場にいつまでもいることがきつくなってきた。義姉のいうに、その病院が経営している特養が近くにあるから、そこに小生も付き合ってほしいとのことであった。そこで母に別れのあいさつを述べることになる。「これが今生の別れだから、バーサン、あまり長生きしないでね」。すると、「おまえ、そんなこと言わないで、今度は奥さんと一緒に来てよ」げな。あれ?ついさっきまで完全にボケモードだったのに、正しい状況認識を示しているではないか。しかし、小生は親不...関が原へ(04)

  • 関が原へ(03)

    兄の家に荷物を置いてから、そこの次女の運転する車に一家で乗り込み、母の入っている精神病院へ向かう。そういえば、これまで精神病院というところには行ったことがないのかもしれない。さてさて、どんなところだろうかと興味津々だ。「悲の器」に出てくる、主人公の学生時代の親友が精神病者に擬態しているようなところだったら面白いなあなんて考えてしまう。そういえば、その、検挙されたけれどおのれのウンコを食って精神病のふりをして釈放されたという人が、実際に戦前にいたということをつい最近知った。その人の名前が出てこないのではあるが、朝鮮独立闘争の闘士で日本の敗戦後は北朝鮮で粛清されちゃうんだっけな(ごめんなさい。記憶がはっきりしていないので、どなたかご教示を)。もしかして、それはかなり有名な話なのかもしれないけれど、小生はまったく知ら...関が原へ(03)

  • 関が原へ(02)

    地上に出るとカフェ・ド・クリエが目に留まったので、そこで態勢を立て直すことにしようと向かいだした。すると、駅を出たところに立派なカメラをかまえた30代くらいの男が前方に向けてシャッターをパシャパシャ切っている。なにを撮影しているのかなとそちらに視線を移動したら、いかにもその筋の人たちという方々5、6人が小雨のなかを駅に向かって急いで歩いている。すると、カメラを持っていた男はと思い当たり、よせばいいのに後ろを振り向いてしまった。やはり、その男のとなりに立っている男性は「愛知県警」の腕章を巻いている。マル暴とは判明したものの、しかし彼ら、暴力団風のいでたちではなく、その頼りなさげな趣はどこかのカメラ小僧のようだ。おいおい、大丈夫か愛知県警という気がしてしまったというのが正直なところだ。小生はヤクザ屋さんのことにさほ...関が原へ(02)

  • 関が原へ(01)

    名古屋にいる小生の母の認知症がかなりひどくなったことは、前にも記したことがあるかもしれない。その件を兄と電話で話していると、徘徊に始まり、暴言、暴力、妄想、認知低下など、ありとあらゆる認知症の症状を呈しているそうだ。それで、「おまえ、一度こっちに来い」とは言われていたものの、名古屋は暑いからいやだなあなどと思い始めてしまうと、重い腰がさらに重くなってしまう。そうこうするうちに、母を精神病院に入院させることにし、一時に比べればおとなしくなったそうだ。ただし入院費がかさむので、そろそろ特養に移したいから、「おまえ、早く来い」と兄から再び督促の電話がある。面倒やなあと思いつつも、介護で兄とその家族も大変なことだろうからと、久しぶりに名古屋まで行ってみることにした。「それじゃあ、次の週末に行くから」と電話で兄と話してい...関が原へ(01)

  • 台風の夜に(続)

    ドシャ降りのなか、タバコを吸いに外に出たところで前回の話は終わってしまった。建て前としては、もしも数日自宅避難態勢となったとき、最低限の物資だけは事前に確保しておこうということで外出したわけである。ところが、近くのスーパーなどは軒並みお休み。セブンイレブンだけが開いていたので、そこで水やらタマゴやらを購入し、家にもどることになる。もどってTVを点ければ、三重から静岡、箱根にかけては大雨ということだ。特に箱根湯本の早川なんていまにも決壊しそうな勢いで流れている。ヒャーッ、あれがいまからこっちに向かってくるのかと想像すると、東京もどうなることやらわからない。いずれにせよ、とっとと寝ようと考え、少し早いけれど夕食の準備を始めることにする。そこで、久しぶりに作ってみました豆腐ステーキ。豆腐よりもソースが肝要。まずはカツ...台風の夜に(続)

  • 台風の夜に

    最近の台風被害に遭われたかたがたには、お悔やみ申し上げます。不便な生活を強いられる人々も多いでしょうが、早期の復旧を期待しております。さて、台風15号が通り過ぎてしばらくしてから、房総にお住まいのSさんと久しぶりにお会いすることがあった。「台風の被害どうでした?」と小生がたずねると、「その前に香港に行っていたの」「ヘー、それじゃあ、デモにも参加して?」と聞くと、Sさんはニヤリと笑みを浮かべ、それ以上は答えない。その答えに代わり「それで帰ってきたら台風で停電でしょ」「やはりそうですか」「しかもやっと電気が通ったと思ったら、今度は断水なのよ」「エーッ」「やっと復旧したけど、本当に不便だったわ」。ウワッつらいなと思いつつも「それはそれは」としか、小生は口にできない。それからの19号である。15号に似た進路となりそうだ...台風の夜に

  • アナルコ保守主義(16)

    前回で終りにしようとしたのに尻切れトンボとなってしまった。本当にこれで中締めにしよう。前回では、要するに、人間は自分自身のことすら理解しきることができないし、その不十分な自画像で社会全般について構想してもどこかで破綻するだろうということを述べたかった。そして、その内省的な発想は保守主義に通じるものがあると思う。自分自身ですら信用できないのだから、他者の掲げるスローガンになどホイホイついていけるわけがない、というものだ。ここで考えてしまうのは、「汝自身を知れ」という古代アテネ以来の標語の意味だ。そもそも自分を知るにはどうすればいいのだろうかがわからない。座禅でも組んで瞑想していれば、そのうち自分を理解できるなんてわけがない。そもそもが、理解という語の内には社会的観点からの理解というものも含まれている。個々人が社会...アナルコ保守主義(16)

  • アナルコ保守主義(15)

    この項を記しているのにも段々と飽きてきたので、この回で一度中締めにすることにしよう。前回、サンディカリズムの目指すところは、結局、民主制国家の目指すところと本質的に変わらないのではないかと考え、それならばサンディカリズムはアナキズムではないと考えている旨を述べた。一方、健全な民主制国家に小生が反対しているわけでもないので、サンディカリズムもまたよしとも記したところである。レーニンは『国家と革命』の結論部分で、「洗濯女でもできる政治」というかなり差別的な表現で彼のユートピア像を描いていた。そのイメージも、サンディカリストの夢見たものと大きくは変わらないように21世紀的には見えてしまう。ただし、ある革命党の指導によって革命を遂行すべきか、労働組合のゼネストによって達成するのかという手段のちがいはある。そして、レーニ...アナルコ保守主義(15)

  • アナルコ保守主義(14)

    いつまでたっても、アナルコ・キャピタリズムから話が抜け出せない。つまらない迷路にはまってしまったようだ。そこで強引に、サンディカリズムに話を変えることにする。前にも述べたけれど、米民主党を規定する思想のうちの一つがサンディカリズムである。米共和党が、『ドラえもん』に出てくるジャイアンのようなものだとすれば、民主党はスネおのような性格なのだろうか。つまり、共和党は素朴な分、粗野で腕力任せの傾向があり、民主党はきれいごとを口にしながらも小ずるく立ち回る傾向があるように見える。アメリカ政権の分析はさておき、カンパニーの語源が「パンを共にする仲間」にあることも前に記した。一方、サンデイカとは労働組合を指す。ここからはたぶんに20世紀的なイメージになってしまうが、その労働組合を軸に労働者がある企業(特に大工場)を自主管理...アナルコ保守主義(14)

  • アナルコ保守主義(13)

    最近いろいろとゴタゴタしており、更新に間が空いてしまい、これまでなにを考えていたのかを忘れてしまった。アナルコ・キャピタリズムと米共和党の精神についてしつこく書いていたような気もする。ああ、思い出した。共和党の建党の精神に質素さが含まれていた旨を記した。ところが、アナルコ・キャピタリズムの段階に至れば、そんなものは関係ない。トリクルダウンこそがマネーを回す要件だとされてしまう。その変化の機制を考えていたところであり、そこでウェーバーを持ち出してみたものの、説明がどこか上滑りな感じがあり、ついついしつこくなっていたのであった。簡単に歴史的な流れを図式化すると、(1)質素倹約を重んじる段階、(2)利潤の追求を求める段階(神の恩寵に対する不安が醸し出すウェーバーの『プロ倫』の段階)、(3)利益を上げた人が蕩尽する段階...アナルコ保守主義(13)

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