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2005/08/02

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  • 読書録27~皐月末に読み浸る

    「アルプス席の母」の筆力に惹かれてもう一冊と考えた。図書館にも近年の作品が揃っているが、検索してみたらミステリがあったので、この一冊を購入した。日本推理作家協会賞受賞作にふさわしく、読み込ませる内容・構成だった。最後の話者として設定された女性刑務官に同調していくような心持ちになった。本編読了後に、解説の辻村深月の文章にはっとさせられた。多くの読者が評した「暗い」あるいは「救いがない」という声に、異を唱えている。それは「生きる意味」を問うていたし、さらに言えば「書く意味」を自問し続ける作家の矜持を感じた。小説の読み方は自由だが、その自由とは結局自分の反映と思い知る。この書名の指す方向は何なのか。著者の本を結構読んできた者として、いくつか気づくことはある。それを具体的な語に置き換える作業を、時々してみるがいつ...読書録27~皐月末に読み浸る

  • 今年の小満の頃日記

    5月21日(水)昨日に続いて朝は雨。山菜採りは断念する。NHKBS日本風土記「母」を観る。この偉大さは永遠だ。明日の学校読み聞かせのPPTを完成させ、少し練習をする。大相撲はいよいよ終盤。大の里の勢いが止まらない。期待した若隆景はあと一歩だった。久しぶりに「羽後噺」に昔話紹介をアップする。正直こそ財産。5月22日(木)佐藤正午の新刊「熟柿」の感想をアップする。久しぶりに読み応えがあった一作だ。午後から町内某小学校へ読み聞かせ。今年赴任してきた職員は、あの震災時に卒業した子どもだった。よくぞ教員になってくれた。PCのキーボードが一コマ外れ、妙になる。補修しようと接着剤を使ったら固まってしまうドジ(泣)。5月23日(金)朝、延期していた山菜採り。2時間超で結構な量となった。帰宅後、少し休憩して再び田代へ。今度...今年の小満の頃日記

  • この季節、このブームにこの絵本

    今日27日で今月のこども園お話し会(読み聞かせ)は終了。期間に幅があったので、多少プログラムを変更したが、この一冊だけは手離せなかった。田んぼに水が張られ、苗が植えられるこの季節。あの生き物を取り上げたくなる。たくさん絵本が出ているが、年中児から小学三年生までどの教室でも聴き入ってくれた。何より書名がいい。小学生の前では「ともるってどんな意味だろうね」と軽く振ってから読み出すようにした。大きなウシガエルと小さなアマガエルが、互いの大きさの違いから声をかけられないでいたが、夕陽を眺め、そして池の中央にある島を一緒に目指すとい単純なストーリーだが、読んでいて実に味わい深い。画のやさしい雰囲気が醸し出す世界が、シンプルで無駄のない文章とマッチしている佳品だ。ウシガエルとアマガエルの台詞に、多少の変化を入れながら...この季節、このブームにこの絵本

  • 読書録26~「それ」を求める日

    「ひとの年齢というのは、ひとが心の中にもつ問題の数なのだ。」と記している。この一冊は、詩人の父から子へ20年間にわたって書き継がれた作品群という構成を持つ。だから二十歳くらいまでだったら、年齢と問題の数は同期しているのかもしれない。では、70歳近い読者(そう自分のことだが)にはどうなのか。一つずつ書き出し70挙げることはできるだろう。ただ、はたしてそれらは「問題」と言えるのか…他愛のないことを想いつつ、心の中に迫る二篇があった。それは窓に射す日の光りのなかにある。それはキンモクセイの木の影のなかにある。それは日々にありふれたもののなかにある。こう始まる「それは」という題の15行詩は、読み進むと「それとは、あのことか」という想念が浮かび、つい言語化したくなる。しかし最終行はこう結ばれる。それが何か、いえない...読書録26~「それ」を求める日

  • 読書録25~豊かな時間の宿る実

    寝床読書は朝の目覚めに左右されるが、この三日で二時間を超えたぐらいだったか。『熟柿』を読みきった。佐藤正午の小説としては珍しい。「読ませられた」という感覚がある。物語は2008年から2025年まで、ある一人の女性の視点によって描かれる。楽しい筋ではないが、彼女の心中に嵌っていた時間だった。それこそ小説の醍醐味であるし、他の作品に比しても没入感があった。『月の満ち欠け』と並べられると評価できる一冊だ。主人公がある登場人物の心を評した「見て見ないふりのできない」姿勢ということが、ある意味でこの話の底辺に流れているのではないか。一生の中で何度か遭遇するだろう場面は誰にもある。見過ごし方にはパターンがある。鈍感で気づかない場合、迷いつつもつい保身に走り看過する場合…いずれ想像力の欠如。他者と向き合う心の薄弱さ。誰...読書録25~豊かな時間の宿る実

  • 読書録24~言葉を拾うその前に

    もし「今月の流行語大賞」という企画があれば「私は米を買ったことがない」になるかもしれない。確かにツッコミどころ満載の言葉だが、それを拾って深く考えてみる前に、マスコミや様々な情報がああだこうだと圧しつけてくる感が強く、それに慣れっこになっている自分に気づく。それは心身を鈍らせないか。著者はまえがきにこう書く。「言葉を大切にする人間は、暮しを軽蔑しない人間だ」…『暮らしの手帖』の連載がまとめなおされた一冊の核になる一節だ。では「大切にする」とは、どういうことか。具体的な行為として「見つける」「考える」「意味づける」「反映させる」ことが思いつく。ずいぶん時間がかかる。職を持たない自分のような者であれば、それも可能…いや、これは意識し続けなければ到底できない。「米を買ったことない」騒動の決着が、結局は個人の資質...読書録24~言葉を拾うその前に

  • 「いろ」をいろいろ思ってみた

    家人が病院の待合室で聴いた、高齢者同士の会話を懐かしがって教えてくれた。「オレな、まだぁ薬ミイロも増えでよぉ」…ミイロとは「三色」のこと。つまりは、また投薬が三種類も増えたという話だ。「イロ」かあ…この頃あまり使わなくなった。これも方言だろうか、いや違うはずだと電子辞書を開いてみた。広辞苑には「いろ【色】」の見出しがあり、⑥-①として「種類。品目」が載っている。明鏡国語辞典にはその項目はないが、語意としては明らかだ。そうか、まず「色々」「いろいろ」の意味が「種類が多いこと」と一般的に知られているわけだから…そう考えて、そもそもが「色」が始まりだとすると少し調べたくなった。「いろいろ」は名詞「色」の畳語形、最初はやはり「さまざまの色。各種の色」を表していた。今でいうなら「色とりどり」ということか。平安時代に...「いろ」をいろいろ思ってみた

  • なんで今さら『飛ぶ教室』

    教職経験者だから光村図書出版は馴染みがある。若い頃は所属していた研究会で多少関わったし、民間研修会の場でも勤めている方と何度か親しく話させていただいた記憶もある。雑誌『飛ぶ教室』は知ってはいたが、それほど興味は持てなかった。図書館に勤めて、絵本絡みで数冊手にしていた程度と言ってよい。それが何のはずみか(お気に入りの著者検索をして中古本注文する時に目に付いた)2冊ほどバックナンバーを買い求めてみた。ケストナーの小説名から題を冠した「児童文学」誌で、対象は小学校高学年以上とされているようだが、実際は、児童生徒よりそのジャンルの愛好者が購読するのではないかと思える。正直、児童文学への興味は高くない。それでも多彩な作家が童話からYAと称される作品まで並んでいて、つまみ食い的に読むのも一興である。「定点絵日記」とい...なんで今さら『飛ぶ教室』

  • 読書録23~なまはげ、あります

    4月初旬、まだ本屋大賞結果が発表される前、関連サイトを見ていたら、見覚えのある一冊が!!「発掘部門『超発掘本』」として、かつて読み入った『ないもの、あります』があるではないか。これは面白かったとブログ検索したら、2012年。最高級に褒めちぎっている。なんと題が「転職するなら、この商會へ」。今思えば、その数年後に始まる吉田篤弘マイブームの予兆か「ないもの」を「ある」として目をつけるのは言語センスが中核だろうが、「商品紹介」として仕立てている内容には、人生観・処世訓が色濃く散りばめられている。「こんな本を書きたいんだよう」と心が疼く。十数年前の書名に込めていたのだった。では少し倣ってみよう、と「もの」を考えてみるが簡単には思いつかない。「犬も歩けばあたる棒きれ」とか「豚の真珠」「猫の小判」はどうだろう…って全...読書録23~なまはげ、あります

  • 名残りだけが懐かしい

    土曜朝、雨が降っている。今日の小学校運動会はやはり順延だな…と思っていた午前六時ちょうど、バーンババーンと花火の音が響く。えっ、えっと思わず声を上げたが、ああとすぐに気づく。「今日5月10日、火防地蔵さんのお祭りだな」と家人に知らせる。ほどなく娘から順延を知らせるメールが転送されてきた。2025.4.30小学校グラウンドに花散らしの雨が降った教職経験者として40年近くこの時期のこの行事、判断の悩ましさを経験しているので、先生方がどんな心境は容易に想像できる。自分もいろいろな思い出があったなあ。しかし、立場が変われば、運動会そのものを見る目は全く違っていて人間とは勝手なものだなあと、つくづく思い知る。何事も都合よく解釈する。2025.5.3土手並木の八重桜が見頃を迎えた先日観た映画『花まんま』にもそんな場面...名残りだけが懐かしい

  • 読書録22~上手もヘタも

    新聞の読書欄に、佐藤正午の新刊書評が載っていた。同齢であるこの作家は気になる存在。手にした小説のどれもが素晴らしいと感じたわけではないが、あの『月の満ち欠け』のように心を高ぶらせてくれないかなという期待がある。読みたい。さてこのエッセイ集は9年前の発刊、現在は別版編集されているようだ。独特の「冗長さ」についていけるかどうかは読者次第だと思う。しかし、その文体にある思考回路は、活字なのに「アナログ」に近い。つまり枝分かれしている細かい脈路に誘い込まれていくようなものだ。太い幹の存在を忘れてしまうほどに、脈路に味があったりするものだから、結局ナンナンダという場合もある。もちろん、ハッと思わされることも少なくない。「Ⅱ作家の口福」にある「ゴミ捨て場で、ゴミ袋をあさることを結婚に見立て」(る)発想や、「Ⅲ文芸的読...読書録22~上手もヘタも

  • 「物は試し」と笛が鳴る

    「物は試し」という慣用句をこの頃あまり聞かない。古びた言い方になったか。生活として一般的になっていて例えば「お試し」という語はかなり高頻出だ。これは「無料」が頭についてくる場合が多く、要は商業ベースの一環ということか。それを踏まえながらも「物は試し」にあるチャレンジ精神は大事にしたい。楽器を買うなんて何十年ぶりだろう。たぶん三十代の時に、何を思い立ったのかソプラノリコーダーを購入したことがある。たぶん縦笛指導に力を入れていた頃だ。受け持っていた子どもたちは上手だった。一緒に何かやろうとしたのかな。もうどこに仕舞ったのか皆目わからない。さて、今回手に入れたのも「フエ」だ。「エレフエ」という電子縦笛を知ったのは、FBで知り合いが退職祝として贈られた記事を見た時だ。あっ欲しい、使えるかもと思った。以前から、読み...「物は試し」と笛が鳴る

  • 五月、「あ---------------」で始まる

    5月のこども園読み聞かせは、連休明け初日からスタート。選書期間は十分あったが、「名作を一つ取り上げる」などいくつかの縛りをかけていることもあり、少々悩む。それでも、自分が気に入っているかが基準になることに違いなく、プログラムの最初に選んだのは、図書館の新刊コーナーで見かけたこの一冊だった。この作家の本は初めてではないかな。まずは表紙絵の表情に惹かれた。めくってみると、単純明快かつ愉快痛快なストーリー、一目で気に入った。「おじいちゃん」の一人としても語り手の素質は十分あるわけだし…。結局は、愛すべき孫の機嫌を損ねてしまう展開なのだが、そこには十分な心の通い合いも感じられる。読み方として、くしゃみの前段階「あ-------------------------------」がポイントだろうな。普段の生活ではない...五月、「あ---------------」で始まる

  • 読書録21~人気本を眺めて

    気になっていた作家だったが読んではいなかった。今回、本屋大賞ノミネート(結果2位)もあり、やけに書名が気に入った。おそらく「高校球児の母」だろう。そこにどんなドラマがあるのか…情報先は他にもあるが小説という形で語られる姿は、独特の背景を持ちながらも、やや普遍的な母親の矜持も読みとれた。当然「母」側からの視点だが、逆のつまり「息子」の視点が響く場面もある。アルプス席の大観衆に紛れ、遠くから叫ぶ母を、グラウンドから見つめていたと息子が語る最終盤が印象的だ。思いは光るといった形容が浮かぶ。最後に進んだ地方大学が「秋田」だと匂わせる、方言台詞には落語的なセンスも感じ取れた。これは雑誌の新刊案内で見かけたとき興味が湧いた。たまたま図書館の新刊コーナーに並んでいたので、借りて読んでみた(というより、眺めてみた)。「あ...読書録21~人気本を眺めて

  • これが、したいことです。

    この絵本に出会ってから、もう五年以上経った。いつかどこかで読みたいと考えていたが、小学校やこども園が中心だったので、なかなか手が伸びなかった。「やってみよう」と決め、先日ようやく実現した。対象者が大人であれば、許して?くれるだろうと思った。わずか十数人だったが読んだという充実感は残った。全部で23の問いが連なる。文字通り最初の質問は「今日、あなたは空を見上げましたか。」(書いてすぐに外に出て、しばし眺めてみた)。意識的でも何気なくでもそんな暮らしを自分はしているか。作者は続ける。「空は遠かったですか、近かったですか。」どんな答えを、作者は求めていたのか。または求めていないのか。続く二行はこうだ。「雲はどんなかたちをしていましたか。風はどんな匂いがしましたか。」ぼんやり見れば思い出せないかもしれない。普通に...これが、したいことです。

  • 「たまるか!」の小気味よさ

    今期のNHK朝ドラはなかなかよろしい。どうしても前期との比較になるが、時代の取り上げ方が王道と言えることも要因だろう。キャラクターは好みと言っていいが、主人公の特徴をよく生かしているのでメリハリが感じられる。当然ながら話題になっている土佐方言…この「たまるか!!」は小気味のいい言葉だ。やりとりの設定でニュアンスはわかる。「くだらな土佐弁辞典」というサイトには実にシンプルに【意】わあ!まあ!と載っている。つまり「驚き」「感嘆」を表している。これが「たまらない」と関わることは容易に想像できる。すると、「たまる」という語について確かめてみよう。漢字として「溜」「堪」が該当する。「溜まる」は「集まって多くなる」ことで「貯まる」につながる。一方の「堪る」は「保ち続ける・こらえる」という意味で、ここから「たまらない」...「たまるか!」の小気味よさ

  • 桜日記2025.5.2

    今日は三度目の春山散策。いつものポイントでは、ヤマザクラがあちらこちらに…。今が見ごろとなった。朝のうちは天気が良く、青空にさわやかな色が映える。しかし風がかなり強くなっているので、あっという間に散るかもしれない。小一時間ほどの散策(いくらかの収穫を得ました)を終えて、帰宅する。近所の野球場傍にある桜が見頃を迎えた。陸上競技場の横の並木桜がすっかり散る頃に、こちらが満開を迎える。おそらく、セイヨウミザクラという種類だろう。これから近所にたくさんの花びらを舞い散らした後に、サクランボと呼べる大きさにはならないが、小さな実をつける。青葉がきれいな季節が近づく。桜日記2025.5.2

  • 桜日記2025.5.1

    今月は初日から絵本を手にして語った。隣市での社会福祉関係施設で大好きな本を2冊。無事に終了し、帰宅するために運転していたら、ふと思い立った。こんなにいい天気だったら、あの桜はどうだろう…羽後町に入り、西の山を目指し車を走らせた。先々週末に通りかかったときに、目に留めたポイントだった。ここも通勤経路だったので存在は知っていた。それが道路改良によって角度が違って目に留まった。「墓地」に桜は付き物といってもよいが、これは結構見事ではないか。「あの人」たちも、酒盛りをして喜んでいるのかなあ…。そんな妄想が浮かぶ。ここまで来たら…と思って、かつて勤務した廃校跡へ。もう二十年以上が経ち、県内でも指折りと言われた美景は寂しくなる。それでも、ここへはしばらく通い続けるだろう。帰り道の枝垂れ桜の並木はまだだった。遠方の高台...桜日記2025.5.1

  • 余月が過ぎて手を伸ばす

    前月、前々月のややバタバタした印象と比べると、落ち着き充実した一か月間だった。もちろん世間は関税や米価や選挙で騒がしかったが、自分との距離が近くなかったせいもあり、そのせいで心が乱されることはなかった。ただ、いずれも関係のない問題ではなく、引き寄せて思考してみる習慣は忘れてはいけない。年度スタートの月であり、関わっている団体・組織で計画づくりをした。様々な事業などを維持していく難しさを、ひしひしと感じてからかなり時が経つ。それを先送りにしてきた責任は、私達世代以上の高齢者にあることを認識しつつ、せめて何を捨て何を残すか、明確に口にしていかなければという思いが強まる。今月も葬儀や法事など黒い服を着ることが多かった。「死は自分(本人)にはなく、他の人にしかない」…誰の言か失念したが、つくづくそう思う。身内を含...余月が過ぎて手を伸ばす

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