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  • 『積極』 谷川史子

    亡くなった妻が悲しむからと、女生徒たちと目を合わせたり席を同じくすることのないおじいちゃん先生、鳥野教授と、そんな教授が大好きな大学生美幹ちゃんのお話。教授に好きなんだと“告白”した翌日、教授からもらった青林檎。それが教授から美幹ちゃんへの最大限の好意の返し方だったのですね。その青林檎が何を示しているのか美幹ちゃんに伝わらなくてもよかったのだろうな。どうせ自分は近くこの世からいなくなり、愛する妻の元へ逝くのだから。いや、違うか。近く妻に会うのに悲しませることはできない、だから、せめてくこれくらいなら妻も許してくれるのではと青林檎をあげたのかな。きっと美幹ちゃんならわかってくれると。君も好きだったこの青林檎の歌をわかってくれる子なら、きっと君も許してくれるだろう、と。ああ、せつなくて、あたたかくて、すがすがしい、...『積極』谷川史子

  • 映画『春との旅』

    またいい映画観ちゃいました。どうしていいかわかんなくなって、ぼろぼろ泣くことしかできなかった。がんこじじいが、たまにかわいくて、いこじになってるのが、かわいそうに思えたりして。そんでさー、そんでさー、まごの気持ちもわかるんだよね。じいちゃん嫌いとか好きとか、そんなんじゃないんだよね。そんで、一緒に旅してまたじいちゃんの嫌いなとこも増えたけど、それ以上に、知らないじいちゃんの顔をみて、一緒に生きていこうと、思えるようになるんだよね。すごく、くるしいけど、観て良かったと思います。映画『春との旅』

  • 映画『書道ガールズ!!』

    以外とおもしろかったよ、と人にすすめられまして、観てみました。そしたら、すごくおもしろかったです!!書道でパフォーマンスするのって、今流行っているので、だから、映画にする、っていうのが、なんか嫌で映画観る気はなかったのですが、観てよかったです。なんていい青春映画なんでしょう!!高校の部活、みんなで力を合わせてがんばる!!いいことですね。大人になっちゃうといろんなしがらみみたいなのがあって、純粋にそのことだけをがんばるのって難しくなってしまって。だったらがんばらない方が楽だし、わざわざそんな疲れることしなくていいじゃん、って日々終わらせてましたけど、もうちょっとがんばろうかなって、思えるいい映画でした。最後の書道パフォーマンスの場面は本当に圧巻で、手に汗握って観てました。みんなすごいね。埼玉のあの高校の書道部がす...映画『書道ガールズ!!』

  • 『野田ともうします。』 柘植文

    野田さんは地味だけど地味じゃない。パンチありすぎる。がー、野田さんすげー。なんでこんなに行動派なの!!こんなに地味なのにまさかのおしゃべりだし。このインパクトはド肝をぬかれました。でも、どこか他人とは思えないんだな、野田さん。舞台は都会になりきれない田舎、埼玉。東京と名の付く埼玉の三流大学のロシア文学科、テ影絵サークル、制服のださいファミレス。そこで、野田さんが所狭しと大活躍。すごい、さすが、気になる!!これからも野田さんの行動を追わずにはおれませんね。『野田ともうします。』柘植文

  • 『ミッキーマウスの憂鬱』 松岡圭祐

    すっきり爽快な青春小説!!おもしろかった!ディズニーランドが舞台!そこでキャストとしてアルバイトすることになった21歳の後藤くんを主人公に、夢の国をつくりあげる人間たちの友情やトラブル、足のひっぱりあいを描きます。でも、決してディズニーランドの裏側の暴露というのではなくて、そこで生きる人々の意識や誇り、そしてディズニーランドだけではなく世の中で働く全ての人々にもあてはまる「どうして働くのか」ということを描いています。にしても、主人公の後藤くんがディズニーランドのキャストとしてだめだめでした(笑)ミッキーを着ぐるみとかいっちゃだめだろ!!あーあ、言っちゃったー、みたいな。そりゃ表には出せないわな。そんなわけで、後藤くんはその着ぐるみを着せたり脱がしたりする美装部に配属されます。そこで、後藤くんは夢の国をつくってい...『ミッキーマウスの憂鬱』松岡圭祐

  • 『高杉さん家のおべんとう』 柳原望

    就職浪人な若手研究者高杉温巳、31歳。ある日、久しく音信不通だった叔母が亡くなり、その娘12歳の久留里を引き取ることに。微妙の年齢の女の子と一つ屋根の下に暮らすことになった温巳と久留里。二人をつないだもの、それが毎日の「おべんとう」だった――久留里ちゃんがかわいい!!無口で必要最低限しかしゃべらないけど、大切なことはしっかりわかっていて、エライと思います。大人だなぁ。中学生なのに、自分でおべんとう作ってるし。好きでもないことやって友達を作ったり馴れ合ったりしないし。自分に正直に生きていると思う。でも、それは温巳がいるからできるんだよね、きっと。大好きだったママが死んじゃって、一人になちゃって。そこに、いとこだっていう温巳が現れて。突然の共同生活だったけど、温巳は確かにママのことを知っている唯一の人だってことがわ...『高杉さん家のおべんとう』柳原望

  • 『獣の奏者』Ⅰ、Ⅱ 上橋菜穂子

    少女エリンと、決して人に馴れぬ獣、王獣のリランとの絆のお話。エリンとリランの人知を超えた絆に感動します。ただ、エリンはリランのことが知りたくて、分かり合いたくて。こうしてがんばってきて、そこに国が絡んできて。そんなことはエリンにもリランにも関係ないことだったのに、無視できないものになって。エリンはリランとの間に、人と獣の決して越えることのできない壁をみつけて……でも、最後にエリンは、それとはまた違う絆をリランとの間に築いたことを知るのです。そこで、この物語は終了します。少女エリンから大人の女性エリンへ、その成長過程。そして、決して人には馴れぬと言われていた王獣と心をかよわせるまでが、すごい。エリンが闘蛇衆に生まれなかったら、母が霧の民でなかったら、ジョウンに拾われなかったら、あの時エリンがジョウンを助けに行かな...『獣の奏者』Ⅰ、Ⅱ上橋菜穂子

  • 映画『空気人形』を観ました。。。

    私は空気人形。空っぽな誰かの「代用品」私は、「心」を持ってしまいました。持ってはいけない「心」を持ってしまいました。なんて言うのかなぁ。「せつない」かなぁ。うーん、なんか違う気がするけれど、ほかにこのキモチに合う言葉をわたしは知らない。是枝監督のです。是枝監督の映画は「おもしろかった!」とか「たのしかった!」とか一言で言えないものばかりですね。これもやっぱりそうで、いろんな「空っぽ」な人が出てきて、どうにかして自分を満たそうとしている。その行動は、はたから見ればむなしいものだったり、なさけないものだったりする。でも、そうやってだましだまし生きてる。詩人の吉野弘さんの詩が印象的でした。高校の時の現国の教科書にこの方の「Iwasbone」という詩が載っていて衝撃的でした。かげろうはのどもとまで詰まった卵を産むためだ...映画『空気人形』を観ました。。。

  • 『アヒルと鴨のコインロッカー』 伊坂幸太郎 《ネタばれ注意》

    大学入学と共に一人暮らしを始めた椎名。引越したアパートで出会ったのは黒づくめで悪魔的な印象の青年、河崎。彼は初対面の椎名に「一緒に本屋を襲わないか」ともちかける。目的は広辞苑を盗んで同じアパートに住むブータン人にあげること。椎名は断ったつもりだったが、決行の夜、河崎と共にモデルガン片手に本屋にいた。本屋襲撃は無事(?)終了した。それからも椎名は河崎の不思議な行動を目にする。気になった椎名は、河崎を知るペットショップの店長麗子に話しを聞く。彼女が言うには椎名は、河崎たち三人の物語に飛び入り参加しているのだという。河崎、ブータン人の留学生ドルジ、その恋人で麗子のペットショップで働いていた琴美。椎名は徐々に、河崎の謎の行動と河崎本人の秘密に近づいてゆく――おおー!!すげー!!ハラハラドキドキで、大どんでん!!さすが、...『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎《ネタばれ注意》

  • 『f植物園の巣穴』 梨木香歩 《ネタばれ注意》

    朝日新聞出版f植物園の園丁をしている「私」の体験する不思議な生まれ変わりの物語。不思議だったー。近所の歯医者の家内が前世犬だったらしくて、たまに、犬に戻っちゃうらしい。ほかにも、雌鳥頭の大家さんとか、福助とか、儒者のじいさんとか、烏帽子をかぶった鯉に、その鯉を探す老女とか、いろいろ出てくる。主人公の「私」もおかしいって思うんだけど、どうのこうのその中で生活してるんだからこの人もすごいな。結局夢オチだったのだけど、ずっと救いがなくて苦しかったので、奥さんの千代(美代)がちゃんと生きててうれしかったです。“ねえや”の千代のこともあったので、ほんと救われた。夢だったとわかって、どおりで不思議な話だったと得心がいった。サナギの中身が液体だ、という記述があって、すごくショックだった。サナギの中身の液体に似た水の中を泳いで...『f植物園の巣穴』梨木香歩《ネタばれ注意》

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