「神無月」雑考(3)
今年の「神無月」は、『日本社会事彙』巻下(経済雑誌社・明治23年)から検討してみたい。同文献に、「ツキノトナヘ(月の称呼)」という項目があり、その中に「神無月」についても書かれている。昨日の記事の続きを書いておきたい。西土に陽月といふ、十月は坤の卦に当りて純陰の月也、陽なきを嫌ふ故に無陽の月なれども、却て陽月といへり(両朝時令日本歳事記)天下の諸神出雲の国に行給ひて、と国には神なきか故に神無月といふ(奥義抄)伊弉冊尊崩し給ふ月なれは、神無月と申なり(世諺問答)四方の木すゑちりすさむ頃なりとて、葉みな月と申人ありと(同上)みえたり、陽月のときは漢にもふるくいひ伝へし所なり、其中陽月を読て神無月カミナツキといひしは、カミノツキといひしことは也と(東雅)いひ、又神嘗月といふ説もあれといつれも信しかたし、『日本社...「神無月」雑考(3)
2023/10/08 11:21