いらっしゃいませ知客和尚

いらっしゃいませ知客和尚

道元禅師の著作を丹念に見ていくと、現在では当たり前のように修行道場(本山僧堂・専門僧堂)にいると思われている役寮と通称される役僧が、実は、徐々に整備されていった。道元禅師の行跡は、そのまま日本に於ける正伝の道場の「建立作業」そのものだったのである。今日紹介したい「知客」は、「六頭首」という配役の1つで、寺院に来訪する客や施主、或いは遊行する僧侶などの接待を行う役である。例えば、道元禅師御自身、中国に留学していた頃、基本的な居場所として修行をしていた天童山から別の寺に行ったとき、「知客和尚」の接待を受けた様子を以下のように述べられた。予、雲遊のそのかみ、大宋国にいたる。嘉定十六年癸未秋のころ、はじめて阿育王山広利禅寺にいたる。西廊の壁間に、西天東地三十三祖の変相を画せるをみる。このとき領覧なし。のちに宝慶元...いらっしゃいませ知客和尚

2025/01/17 06:40