敗軍之将さらにどうする?
道元禅師の言葉は、様々な出典があるが、これなどは珍しい方に入るのかもしれない。たとへばこれ、敗軍之将さらに武勇をかたる。『正法眼蔵』「王索仙陀婆」巻なお、原典は良く知られていて、以下の一文がそれに当たる。敗軍の将は以て勇を言う可からず。『史記』淮陰侯列伝これは、漢の韓信に敗れた趙の李左車が、韓信から燕と斉を破る方法を尋ねられた際、恥じ入って述べた言葉とされる。要するに、戦で負けた者は、戦争について教えられることが無いという意味になろう。しかし、道元禅師の言い方は、「さらに武勇をかたる」となっていて、元々の意味とは正反対になっている。その意味で、何故このように改めたかが気になるわけである。この一文は、香厳智閑禅師が「王索仙陀婆」について尋ねられた際の問答が元になっている(なお、【昨日の記事】をご参照願いたい...敗軍之将さらにどうする?
2024/07/22 06:48