「暫到」考 其二
以前、【「暫到」考】という記事を書いたのだが、その際、「暫到」という用語について、どうも近現代で用いられた意味とずれている印象を得た。その後、近現代の用法の典拠となったと思われる文脈を見出したので、確認しておきたい。掛搭願ふ雲水、結夏は三月末、結冬は九月末に来錫す、先づ旦過寮に包を卸し、威儀を具し、知客寮の行者に通覆し、知客に拝し、次に住持に拝謁は、侍者に通じ、允を得て、知客引て、方丈に詣で拝す、茶話了て、旦過に休す、これは乍入の拝なり、次に掛搭を願ふは、再び知客に啓す、知客より知事等に通じ、生処来歴を詢問して、住持に白し、許を得て、安下の所に休息せしむ、この間を暫到と云、大掛搭の日定りて、久参僧を一人参頭とす、参頭、夏前の掛搭僧をみな領し、先づ知客寮に到て、門の右に列して、参頭白して云く、暫到相看と、知...「暫到」考其二
2023/09/07 07:35