「三聚浄戒総頌」について

「三聚浄戒総頌」について

拙僧の手元に、『〈密宗必須〉三聚戒本』(東京書林山口屋佐七版、明治13年以降)という冊子があるのだが、内容は『梵網経』『瑜伽戒本』『根本説一切有部戒経』の3種の戒本を収録したもので、「密宗必須」とある通り、日本の真言宗で用いたもののようである。以前、【「摂律儀略頌」について】という記事を書いたが、その続きで、「三聚浄戒総頌」が収録されているので、見ておきたい。三聚浄戒総頌律儀は断徳にして法身を成ず。摂善は智徳にして報身を成ず。饒益は恩徳にして応身を得る。因りて三聚と名づけ、果は三徳なり。原典に随って訓読非常に、端的な内容の偈頌である。要するに、「三聚浄戒」と「三徳」だと説明しているのである。では、その「三徳」とは一体何なのか?それで、「三徳」について説明しているのは、世親『摂大乗論釈』であり、以下のように...「三聚浄戒総頌」について

2025/03/16 11:52