『末法灯明記』で説く「像法」の様相

『末法灯明記』で説く「像法」の様相

伝教大師最澄が著したとして伝承されてきた『末法灯明記』は、実際の末法に入り、それが強く自覚された鎌倉時代になると、引用例も見られるようになる。例えば、親鸞聖人『顕浄土方便化身土文類六(いわゆる『教行信証』)』などである。ウチの宗派の祖師方にも、引用例はある。それで、今回は『末法灯明記』の中でも、「像法」の様相について見ていきたいと思うが、その前に「像法」とは何かというと、そもそも、釈尊が入滅してから、仏教は徐々に衰えると考えられていて、最初の千年(五百年とも)が「正法」、続く千年が「像法」、そしてその後は「末法」となる(一万年続くとも)。経論によって、この年数は区々なのだが、とりあえず「像法」の定義的な文脈は以下の通り。復た像法に於いて比丘・比丘尼、破戒し、悪法、邪行、非行、無慚、無愧にして、供養法を毀し...『末法灯明記』で説く「像法」の様相

2025/05/07 18:29