「嘘だと言われても、真衣の母親がそう言っているのだから信じるしかないだろ」 純をとりなすように陽一が言う。 それでも純は信じることは出来なかった。 何でもないのに、真衣が「純、助けて」なんてメッセージを送ってくるわけがない。真衣の身に何かが起きたのだ。純に送られてきたこのメッセージは、真衣から自分だけに発信されたSOS信号なのだ。純はそう思った。真衣の母親が何と言おうと納得できなかった。自分の目で真衣の姿を見ないと、そして真衣自身の口から真衣の言葉を聞かないと、絶対に納得なんてできるわけがなかった。真衣に会いたかった。福井まで行って、真衣の言葉を聞きたかった。 陽一は真衣の件は片付いたと言うか…