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  • 東京シティフィル第371回定期(6月29日)

    ウイーン古典派プログラムの模範のような選曲の定期を振るのは古楽界を代表する指揮者(チェロ奏者)鈴木雅美だ。オケはティンパニとトランペットにピリオドスタイルの楽器が用いられ、フルートは木製。弦のビブラートは抑制されてスッキリした響で統一されていて、全体に嘗て流行ったような変に刺激的な炸裂は控えた落ち着いた響だ。こういう穏当なスタイルでウイーン古典派を聞くと、一時は反動的なブームのように広がった”古楽スタイル”も落ち着くところに落ち着いたなという気がする。最初のモーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲は、まあスターターとしての腕試しのような感じ。整った響が心地よく、独立して演奏されるために尻切れトンボ的なオペラ版のコーダに加筆が施されていた。続いて小山実稚恵を迎えてベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番ハ短調作...東京シティフィル第371回定期(6月29日)

  • 都響第1002回定期(6月28日)

    2010-2017年のシーズンに首席客演指揮者を務めたヤクブ・フルシャが振る7年ぶりの演奏会である。チェコ音楽特集でスメタナ、ヤナーチェク、ドヴォルザークという王道が並んだ。スメタナ生誕200年、ヤナーチェク生誕170年、ドヴォルザーク没後120年の記念イヤーにちなんだプログラムか。まずは日本では滅多に演奏されることがないスメタナの歌劇「リブシェ」序曲だ。その愛国的な内容ゆえに冒頭のファンファーレは国家式典でしばしば奏されることがある。コロナ前2019年5月の「プラハの春音楽祭」でフルシャ指揮バンベルク交響楽団の「我が祖国」を聴いた夢のような体験が脳裏に浮かんで思わず胸が熱くなった。なんとも深い思いが指揮ぶりから感じられ、それを都響が見事に音にしていた。続いてヤナーチェクの歌劇「利口な女狐の物語」大組曲だ...都響第1002回定期(6月28日)

  • アーリドラーテ歌劇団「シチリアの晩鐘」(6月22日)

    ヴェルディをひたすら愛する山島達夫氏により創設されたヴェルディ上演専門のアリドラーテ歌劇団によるヴェルディ作曲「シチリアの晩鐘」の”バレエ〈四季〉完全版を伴う東日本初演”である。全5幕の「グランドオペラ」で、当日の演奏時間は4時間半を超えた。配られたプログラムにはカラーイラスト付きの懇切丁寧な筋書きが添えられていて山島氏の「ヴィルディ愛」をひしひしと感じた。主要配役はエレナに石上朋美、モンフォルテに須藤慎吾、アッリーゴに村上敏明、プローチダにデニス・ビシュニャと、藤原歌劇団のベテラン勢で固められ、それに大規模な合唱とバレエが加わった。とにかく重鎮の須藤と村上が全体を牽引、とりわけ第三幕のモンフォルテが孤独を歌うアリア「腕には富を」とそれに続く二重唱は聞き物だった。石上も最初はビブラートの多様が気になったが...アーリドラーテ歌劇団「シチリアの晩鐘」(6月22日)

  • 紀尾井ホール室内管弦楽団第139回定期(6月21日)

    ウェーバー作曲の歌劇序曲と言えば、「魔弾の射手」だって「オベロン」だって、勿論今晩の一曲目の「オイリアンテ」だって、ドイツ臭に満ちていて、分厚く重厚でロマンティックでドイツ音楽好きには堪らないナンバーであると思うのがクラシック音楽界の”一般常識”ではないだろうか。しかしトレヴァー・ピノックの手にかかると、それがクリアーで風通しの良いメチャメチャ明るい音楽に変身するから不思議である。勿論キリリと仕上がるためには紀尾井の精緻なアンサンブルの力量が大きく貢献していよう。とにかく明快極まりないウェーバーで、ここまでやってくれれば文句の言いようがない。二曲目はラトヴィア生まれの新鋭クリスティーネ・バラナスを迎えてドヴォルジャークのバイオリン協奏曲イ短調作品53。ピノックもバラナスもとりわけボヘミヤ風を意識することな...紀尾井ホール室内管弦楽団第139回定期(6月21日)

  • 山響さくらんぼコンサート2024(6月20日)

    すっかりこの夏至の時期の初台恒例になった山形交響楽団の東京公演である。今年は常任指揮者阪哲朗の指揮だ。スターターは管楽器やティンパニも含めてピリオド様式によるモーツアルトの二曲。まずは歌劇「魔笛」序曲K.620、そしてミサ曲ハ長調「戴冠式ミサ曲K.317。スッキリ爽やかに、音を大切に紡いだ純正な演奏が実に快く心に響いた。ミサ曲には老田裕子、在原泉、鏡貴之、井上雅人ら四人のソリストと山響アマデウスコアが加わった。阪がプログラムに寄せた「エッセイ」に書いているように、一晩のコンサートの真ん中に「ミサ曲」を埋め込んだプログラムは現代では珍しい。後半はこれも極めて珍しいベルリン・フィルの首席指揮者として知られるあのアルトウール・ニキシュ作曲の「ファンタジー」。これは当時大ヒットしたV.E.ネッスラー作曲の歌劇「ゼ...山響さくらんぼコンサート2024(6月20日)

  • 東響オペラシティシリーズ第139回(6月1日)

    沼尻竜典指揮によるポーランドの音楽を並べたマチネーだ。メインは懐かしいヘンリク・ミコワイ・グレツキの交響曲第3番作品36「悲歌のシンフォニー」である。それにエリック・ルーを迎えてフレデリック・ショパンのピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21。前者は30数年前に英国のヒットチャートを飾って大ブレークし、その音盤が大売れしたという極めて珍しい「現代音楽」だ。何と1994年に日本初演を担ったのは、今回の指揮者沼尻と彼が当時常任指揮者を務めていた新星日響だったということだ。(私は当時このオケの定期会員だったが、その初演は特別演奏会だったので聞いた記憶はない)今回配布されていたチラシを観て、「悲歌」で終わるのは何とも気が重いので、ショパンを後に演奏してほしいなと思っていたのだが、残念ながら当日の順番はショパンが先だった。...東響オペラシティシリーズ第139回(6月1日)

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