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  • 藤原歌劇団「ファウスト」(1月28日)

    藤原歌劇団29年振りのグノーの「ファウスト」である。あらためて聞いてみると、長いけれども実によく出来たオペラなのだが、我が新国立劇場の舞台にかかったことはないのが不思議である。前回1995年はジュゼッペ・サバティーニ、ルジェロ・ライモンディ、渡辺洋子という実に豪華な主役陣だったのをプログラムを引っ張り出して思い出した。今回聞いた裏キャストは藤原の若手を揃えた布陣。まあ若手を聞きたくて選んだのだが、これが”予想外”の聞き応え充分な好演であった。何より全ての歌手の歌がとても充実していたのが良かった。最後までリリカルな声で歌い通したファウスト澤崎一了、悪魔というより少し人間寄りの存在感をよく示したメフィスト伊藤貴之、朗々としたノーブルな歌声が印象的だったヴァランタン井出壮志朗、純粋なマルトを聴かせた北薗彩佳、こ...藤原歌劇団「ファウスト」(1月28日)

  • 東京シティ・フィル第76回ティアラこうとう定期(1月27日)

    常任指揮者高関健が振る今シーズン最後のティアラこうとう定期は大入満員の大盛況。その理由は二曲目にあるのだが、プレトークで高関は他の曲にも力を入れているので楽しんでくださいとのこと。そしてスターターは滅多に実演では聞くチャンスはないモーツアルトの交響曲第32番ト長調K.213。ホルンが4本もあり、更にトランペットがあるのにティンパニのない古典派としてはとても不思議な編成。だから聞きなれない音がするのが楽しい。高関にしては随分大らかな、威勢の良いモーツアルトであった。そして二曲目はマウリシオ・ラウル・カーゲルのディンパニとオーケストラのための協奏曲だ。話題性はともかくとして、とんでもない結末以外の部分も中々良くできた曲で面白い曲である。そして何よりシティ・フィル首席ティンパニ奏者目等貴士の華麗なバチ捌きは実に...東京シティ・フィル第76回ティアラこうとう定期(1月27日)

  • KCO名曲スペシャル:ニューイヤー・コンサート2024(1月26日)

    ニューイヤー・コンサートと言えば毎年元旦に開催されるウイーン・フィルのものがつとに有名であるが、昨今は初登場や珍しい曲ばかりで組まれる傾向があるように思える。それはそれで良いのだが、どうも私には音楽的に物足りなさを感じるようになって来た。そこへゆくとこの紀尾井ホール室内管弦楽団とその名誉指揮者でウイーン・フィルのコンマスも務めるライナー・ホーネックの演るニューイヤー・コンサートは曲目がとりわけ変化に富んでいて飽きることがない。まず一部はモーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」の序曲で始まり、ホーネックの弾き振りによるバイオリン協奏曲第5番イ長調K219が続いた。まあここまではある意味腕試し的な感じで、紀尾井のアンサンブル自体もちょっと荒いかなと感じられる所もあった。しかし協奏曲ではホーネックの軽やかさと機敏さ...KCO名曲スペシャル:ニューイヤー・コンサート2024(1月26日)

  • 京都市響第685回定期(1月20日)

    沖澤のどかを追いかけて本拠地京都にやって来た。京都のお洒落な街北山にある京都コンサートホールで開催された彼女が常任指揮者を務める京都市交響楽団の1月定期演奏会である。先日の東京シティ・フィルへの客演時と同様のフランス物を並べたプログラムだ。最初は滅多に生で演奏されることのないアルチュール・オネゲルの交響曲第5番「三つのレ」である。どの楽章も消えるように終わりはするが、作曲当時の不健康な健康状態の悲壮感よりむしろオネゲルの精緻な筆致をよく表した演奏だった。そして迷いのない棒による推進力からは秘めた力さえ感じさせられた。二曲目はハープ独奏に吉野直子を迎えてフランスの女流作曲家ジェルメーヌ・タイユフェールのハープと管弦楽のための小協奏曲。美しい佳作ではあるが、いかんせん演奏のせいか、はたまた聞いた場所のせいか、...京都市響第685回定期(1月20日)

  • 東京シティ・フィル第366定期(1月13日)

    シティ・フィルは今回の指揮者沖澤のどかを2012年2月の時点で招聘していた。しかしコロナ禍の中で来日が不可能となり師の高関健が代演した経緯がある。だから今回はそのリヴェンジ公演とでもいえようか。しかし曲目はその時とはガラリと変わった。シューマンとラヴェルという対極のような組み合わせを解く鍵は第1曲目にあった。それはラヴェル編曲によるシューマンの「謝肉祭」である。ただし全22曲中出版されたのは4曲だけでそれ以外は紛失されたそう。だから今回は出版されている4曲だけが演奏された。聴く前から「前口上」のようなピアニスティック曲をラヴェルはどう料理するのだろうと興味津々で臨んだ。まあ違和感も多い敢闘賞と言ったところか。演奏の方もまあ腕試しという印象。続いてピアニスト黒木雪音が登場してシューマンのピアノ協奏曲イ短調。...東京シティ・フィル第366定期(1月13日)

  • 脇園彩&小堀勇介ニューイヤー・デュオリサイタル(1月9日)

    ここに登場するのは、今を時めくメゾ・ソプラノ脇園彩、そして日本を代表するロッシーニ・テナー小堀勇介。共にペーザロのロッシーニ・オペラ・アカデミーの出身だ。そして今回ピアノ伴奏を務める指揮者園田隆一もアカデミーの主だった”ロッシーニの神様”アルベルト・ゼッダに薫陶を受けたことがあるのだから、さしずめ毎夏イタリアのペーザロで開催されるロッシーニ・オペラ・アカデミーの同窓会のようなリサイタルだったと言ってよいだろう。だから彼らの奏でるベルカントが悪いわけがない。それにしてもロッシーニとドニゼッティの比較的地味なアリアとデュエットだけで構成されたこの様なコンサートをよく実現されたものだ。浜離宮朝日ホールに心から感謝したい。まず最初はロッシーニの歌劇「アルミーダ」からの”甘美な鎖よ”という小さな二重唱がスターターで...脇園彩&小堀勇介ニューイヤー・デュオリサイタル(1月9日)

  • NHKニューイヤーオペラコンサート(1月3日)

    この番組はもう何十年も前からか年初の楽しみとして毎年テレビで拝聴してきた。何年か前には試しにNHKホールに足を運んで生で体験したこともあったが、裏の仕切りが厄介で、やはり茶の間でお屠蘇気分で楽しむものだと実感した。昨今は一回ごとに趣向を凝らした舞台作りと演出で、ある意味楽しませてくれている。しかしとりわけ今年は「対の歌声、終わらない世界」と題されて、黒い衣装に身を包んだ磯野佑子アナウンサーが暗く変に勿体ぶった感じの語りで全体を進める不思議な展開だった。新年早々能登地方では地震が、羽田空港では飛行機のクラッシュがある波乱の幕開きへの配慮なのかどうかは不明だが、とても新たな年を寿ぐ雰囲気ではなかったし、その不気味というか、無用な厳しさが「オペラ」を視聴者から遠のかせるのではないかと心配になった。その昔は舞台に...NHKニューイヤーオペラコンサート(1月3日)

  • ベートーヴェン弦楽四重奏曲【8曲】演奏会(12月31日)

    今年で18回目を迎える大晦日昼1時から夜8時半までのマラソン演奏会である。隣の大ホールでは広上淳一指揮の交響曲全曲演奏が挙行されているのだから、この日は上野の東京文化会館はベートーヴェン・ファンで埋め尽くされるわけだ。演奏メンバーに一昨年から新たにクァルテット・インテグラが加わった。古典四重奏団は1986年、クァルテット・エクセルシオは1994年、インテグラが2015年の結成ということなので、日本を代表する重鎮、ベテラン、新進気鋭の常設アンサンブルがベートーヴェンの中期・後期の弦楽四重奏曲で技を競うのだから興味は尽きない。今年は作品59のラズモフスキーの3曲「エクセルシオ」が担当した。彗星の如く登場して話題になったこのアンサンブルもいつしかベテランの域に達し、しなやかさは何時もながらだが、ラズモの3番では...ベートーヴェン弦楽四重奏曲【8曲】演奏会(12月31日)

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