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驚天動地・zarathustrarerinのブログ https://zarathustrarerin.muragon.com/

本稿では,大野日本語タミル語説による記紀万葉集と古代史の解明を書く前に,大野説はどのようにして潰されたかを,潰した学者の論攷を引用して,如何に間違った判断がなされたかを書きます.この巨大な壁を打ち砕かないと,先に進めないためです.

tsuarat
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2022/12/26

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  • 補章

    幻冬舎。630頁。2200円(税込み) 9月1日刊。

  • くすぐったい話

    「くすぐったい」という日本語がある.これはタミル語kūccagkāṭṭ-u[くすぐる(to tickle),いい気分にさせる(titillate)]を形容詞化したものだが,この語は以下のように,タミル語内部での合成語である.日本語は順行同化で/a/が/u/となっている. ◆...

  • わたし・わたくしの成立

    日国辞によれば,「わたし」は「わたくし」の変化した語とする.大辞林によれば「わたくし」の意味は以下のようである. (1)自分自身に関すること.個人的なこと. (2)自分だけの利益や都合を考えること.自分勝手.私利私欲. (3)内密にすること.   広辞苑は...

  • 「言向(ことむ)け平和((やは)す」は平和的手段か

    「古事記」に「如此(かのごと)く荒ぶる神等を言向(ことむけ)平和(やは)して」とある.この歌は一般に「言葉で説得して従わせる」と解釈されている. むろん,そういう牧歌的な場面もあったであろう.だが,記紀・風土記をみてもわかるように,土蜘蛛(既述のようにバカの群れという意...

  • オタマジャクシはカエルの子だった話

    おたまじゃくしの「たまじゃくし」は以下のタミル語と対応する. ●タ tavaḷaikkuṭṭi おたまじゃくし(tadpole). 以下のような対応である(比較しやすいように適宜分節した). tava ḷai kkuṭṭi ↓ ↓ ...

  • 狐はなぜ神となったか・・・タミル語から見た稲荷 下

    ただ,これだけではイナリ(=キツネ)と稲荷が繋がる根拠としては不足がある. そこで,ではどういう過程を経てペアとなったのかを考えたい.ここに五穀の神,豊受(とようけ)毘売神が登場する.「豊(とよ)」はtēyam[富(wealth)]のe/a交替形tāyamからa/o交替した...

  • 狐はなぜ神となったか・・・タミル語から見た稲荷 上

    稲荷信仰は渡来人である秦氏がもたらした,あるいは稲荷とキツネとの関係は,穀類を食べる野ネズミを狐が食べてくれるので,狐を穀物の守り神と考え,そこから稲荷(五穀を司る)と結び付いたという説などがある. 五来(ごらい) 重(しげる)「稲荷信仰の研究」(山陽新聞社.985.p11...

  • 「そこはか」の流転

    ◆そこはか 日国辞はこの転義形を採って「そこはか」自体を「はっきりしないこと」の意と解き,「そこはかと」の項では「『そこ』は代名詞,『はか』は目当ての意」とする. 「この「はっきりと」と「はっきりしないこと」という解釈の大きな食い違いの原因は,「そこはかとなく」(完全でない...

  • 歪曲されたアラハバキと猿田彦考

    アラハバキ(阿良波々岐・荒脛巾)に関しては,その実態が明らかではないので,様々な説がある.ここではそれらを省略して,タミル語で解釈したい. ◆アラハバキ アラハバキに関しては,何故か記紀風土記には見当たらないが,菅江真澄の随筆「ふでのまにまに」の中に,青森の松森村にアラハバ...

  • 殯(もがり)と荒城(あらき)考

     古代,本葬前に仮葬として小屋を作り,一定の期間遺体を納めて,体から魂を遊離,つまり浄化させるという風習があったとされる. 天皇の場合は殯宮(もがりのみや)が設けられ,敏達天皇の殯は5年8カ月,天武天皇のときは2年2カ月,持統天皇のときも1年間に及んだがそれ以降は廃れた. ...

  • うしろめたい話

    「後(うしろ)」という日本語は,タミル語を用いた日本語内部での合成語である. ◆うしろ ●タ u 向こう側または後方としての位置の表現(expressing a position, as behind or beyond). ●タ ciṟai 場所(plac...

  • 瀬織津姫(せおりつひめ)の正体

    延喜式巻八の「六月晦(みそか)大祓」「六月の晦の大祓(おおはらえの)詞(ことば)」(所謂「中臣祓詞」)に概略,以下のような記述がある. 四方(よも)の国中(くぬち)と大倭日高見国(ひたかみのくに)を安国(やすくに)と定めて行く中で,天つ罪や国つ罪など色々(くさぐさ)の罪が生...

  • 木之花佐久夜姫に隠された裏の意味

    木之花佐久夜姫は日向に降臨した天照大御神の孫,天邇岐志国邇岐志(あめにきしくににきし)天津日高日子番能(あまつひこひこほの)邇々芸命(ににぎのみこと)と,笠沙(かささ)の岬で出逢い求婚される. 大山津見の娘は神阿多都比売(かむあたつひめ),またの名は木之花佐久夜毘売だが,彼...

  • 源氏物語と光源氏,命名の謎に迫る

    以下は間合いのコントのようなもので,気分転換として読み流していただければ幸いである. 「謎(なぞ)」をタミル語でnoṭ-iという.「謎々(riddle), 不可解なもの(enigma)」という意味で,日本語naz-oと対応する(o/a交替).巻き舌音である/ṭ/音は日本列島...

  • 第二十二代・清寧天皇の別名

    日本書紀は清寧天皇の別名を白髪武広国押稚日本根子天皇(しらか・たけ・ひろくに・おし・わか・やまと・すめらみこと),諱は単に白髪とする. この意味をタミル語で解くと以下のようになる.ここでは「白髮」を(正月用に目出度く)解いてみたい. 観楓諡号について書かれた書籍はあるが,和...

  • ヤマタイコクとはどこの国かと卑弥呼云い

    邪馬臺国(やまとのくに)と高天原 その一 💦「やまと」の意味 倭連合の中心をヤマトという. 本項では,初めからその意図があったわけではないが,タミル語で調べているうちに,倭連合は後に弥生人と呼ばれるようになった縄文系の日神崇拝部族であり,それ以外の多くの地域は概ね縄文系の...

  • 神功皇后はなぜ鮎(あゆ)釣りをしたのか

    日本書紀に「神功皇后は火前国(ひぜんのくに)で誓約(うけひ)を行い,西の財(たから)の国を 得られるならば魚はこの釣針を飲むだろう」と宣言して釣りをしたとある.すると鮎(あゆ)が 釣れた.「あゆ」に鮎という文字を当てたのは,「魚で占う」というこの故事によるもので あろうか....

  • 左佐良榎壮子(ささらえをとこ)

    月人壮子とも細愛男とも書く.日国辞は「月の異称」とし「「ささら」は小さい,「え」は愛すべきの意で,愛すべき若い男の意」とする. 万葉集983歌に大伴坂上郎女の「山葉(やまのはの) 左佐良榎壮子(ささらえをとこ) 天原(あまのはら) 門度光(とわたるひかり)見良久之好藻(みら...

  • 大野説否定論者の本音・・・何故の批判だったのか

    ここに,日本語学者,京都大学の木田章(あき)義(よし)名誉教授の講演内容の一部を載せた い. (タミル語説につき)強烈な非難をしていたある言語学者は,タミル語説について「似てい過ぎる」といったことが,側近の研究者の随筆で明らかにされています(小島幸枝「圏外の精神』,武蔵野書...

  • ナメクジとカタツムリ考

    ◆ナメクジ 蛇をタミル語でpāmpu[蛇(snake,serpent)]という(タミルでは主にコブラを意味する).これは日本語の「ハブ」と対応するが,日本列島内でa/e交替し,「ヘビ」となった.もっともそう簡単にa/e交替したで済ますことはできないのだが,結果的にそのような...

  • タミル語と日本語の絆(きずな)・-c-の脱落による日本語 単音節語の形成

    古代タミル語と日本語との絆(きずな)は必ずあると私は思う.このキズナをタミル語で kiṭṭiṉar[関係・繋がり(relation) 密接な結びつき(associates)]という.これは日本 語kidunaと綺麗に対応する. ki ṭṭi ṉar ↓ ↓ ↓...

  • 垂乳根(たらちね)の母

    万葉集4348歌に「多良知禰乃(たらちねの) 母を別れて まことわれ 旅の仮廬(かりほ)に安く寝むかも」などと歌われる「たらちね」であるが,通説は「垂れた乳の」「満ち足りた乳の」の意味とする. しかしながら,幾ら古代だからとはいえ,息子が自分の母を「垂れた乳の」「満ち足りた...

  • 飛鳥の意味について

    本稿は大野説の応用の一例です.文中●タとあるのはタミル語を意味します. 古代人は「青垣巡れる狭い土地」をよき地として好んだことが,記紀万葉集には書かれている. 日本書紀(神武紀)にも「東によき地地(くにぐに)あり.青山四周(よもにめぐ)れり」(神武紀)とある. 古代人にとっ...

  • 大野反論に耳目をふさいだ言語学者

    この反論はしかし,山下博司博士には通用しなかったようである.山下氏はいう. (大野)氏の議論は少なくともタミル語に関する限り,数多の問題に満ち,時に学問的な公正さ・客観性を疑わせるような記述の方法がとられている.単語の本質的な語義を析出する代わりに,日本語の知識からする先入...

  • 大野博士の反論②

    ◆辞典 にはない 「意味」 の実際 「大野教授は厳密な意味の対応を問題にされているが,引用した辞典にはない 意味が用いられているケースが結構ある.そのいくつかをあげておく」とある.「ここにあげた例だけではなく,細かくみると,もっと多くなり,あくまでも筆者がざっと目をとおして...

  • 大野説排斥論者が下した判定の影響力

    大野説否定論者に対する論弁はここまでとしたい.この論弁は大野説排斥論者に向けて行なったものではなく,あくまでも本書読者に対して実情を知って頂くために行なったものである.世の中の言語比較は比較言語学以外にはない,と思い込んでおられる言語学者の主張では,日本語の本源を辿(たど)...

  • 大野博士の反論

    大野論攷において,大野氏は次のように述べる.ただし,下記論攷は大野氏が,比較言語学でいう同系論を採っておられたときのものである.その後,クレオール言語学の軌道に入り,新・大野説を唱えられるに至った.とはいえ,大野氏が当時系統論を採られていたにせよ,音韻,語彙対応は瞠目(どう...

  • 言語学界の長老・・・松本克己氏の大野説批判

    松本(まつもと)克己(かつみ)氏の大野説批判 言語学界の長老,元・日本言語学界の会長でもあられた松本(まつもと)克己(かつみ)氏は, 日本語タミル語起源説を"理論的”に批判している学者としても知られる碩学である.確かに,一見理論的である.同氏は日本語縄文語説を唱えておられる...

  • 回顧

    長田俊樹編「日本語起源論の歴史と展望」(三省堂.2020)において,同氏は以下のように述べる.なお,この書籍に於いて,大野氏が新・大野説に転じた後の2000年出版の大野「形成」より20年も経っているにも拘わらず,既述のようにその参考文献一覧には一切掲載されていない.というこ...

  • 長田俊樹博士から大野氏への提案

    既に述べたように,日本語の祖語はタミル語なのである.無論,ドラヴィダ語族にも系 統樹はあり,その根源はドラヴィダ祖語なのだが,それより先もある.それは遠隔系統関 係(distance genetic relationship)という学問範疇の問題である.ところが,大野氏にし...

  • 錯乱,工作,隠蔽,細工・・・放たれる異様な言葉の数々

    よそ者(国語学者)が言語学界に闖入(ちんにゅう)したわけであるから,是非もなく排斥する.この極めて日本独特の言語道断を,言語学者は断じて認めないであろう.だが,この後進性は隠しようがないように思える,などと書くのは言い過ぎであろうか.   しかし,authorityの意見に...

  • 大野氏を教え諭(さと)す人々

    言語比較は何も比較言語学のように祖語を定立する方法だけがあるのではない,という ことを大野氏は実証された. つまり,少なくとも日本語の究明に関しては常識を覆(くつがえ)したわけである.以下に紹介することは,大野氏自身も当初,系統論の立場で日本語タミル語由来説を説いておられた...

  • 日本語・ドラヴィダ共通祖語論の誤謬

    ドラヴィダ語と日本語との関係は既にR・コールドウェルが指摘しており(1856年),日本でも芝 蒸(すすむ)氏の研究がある(1970年).なお,芝氏はその後,やまと言葉をアルタイ諸語,ドラヴィダ語,南島諸語の混合言語とする立場を採るに至った(芝 烝「日本語の起源/系統と検証」...

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