今日はイングランド地方選挙の日だった。基本的には4年ごとに行われる地方選、2025年はなんとリフォーム党が躍進した。 リフォーム党はナイジェルファラージが率いるポピュリストな比較的新しい政党で、キーワードは反グローバリズム、アンチヨーロッパ、陰謀論、あたりだろうか。NHSを弱体化したい(アメリカ式の医療保険をイギリスに持ち込みたい)のを隠さないところも有名だ。去年の下院総選挙では、Brexi…
日本の地方国立医学部を卒業後にイギリスの医師免許を取得し、イギリスで研修医をしています。イギリス臨床留学の話を記録しています。
やっと長時間労働とスタッフ不足による過剰業務でつらかった前の科が終了した。終わってみると、最初の週に一緒に働いたコンサルタントとレジストラが理不尽だっただけで、私は(少なくとも私目線では)他のコンサルタント・レジストラとは基本的にうまくやれていたし、好感を持てるような上司が多かったように思う。でも一緒に働いたF1の一人はとあるレジストラに露骨に嫌われていて嫌がらせを受けていた。集中治療をやり…
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今日はイングランド地方選挙の日だった。基本的には4年ごとに行われる地方選、2025年はなんとリフォーム党が躍進した。 リフォーム党はナイジェルファラージが率いるポピュリストな比較的新しい政党で、キーワードは反グローバリズム、アンチヨーロッパ、陰謀論、あたりだろうか。NHSを弱体化したい(アメリカ式の医療保険をイギリスに持ち込みたい)のを隠さないところも有名だ。去年の下院総選挙では、Brexi…
やっと長時間労働とスタッフ不足による過剰業務でつらかった前の科が終了した。終わってみると、最初の週に一緒に働いたコンサルタントとレジストラが理不尽だっただけで、私は(少なくとも私目線では)他のコンサルタント・レジストラとは基本的にうまくやれていたし、好感を持てるような上司が多かったように思う。でも一緒に働いたF1の一人はとあるレジストラに露骨に嫌われていて嫌がらせを受けていた。集中治療をやり…
ブライトン&ホーヴはとてもいい街だ。 やっぱり海があると生活が楽しくなる。別に何をするというわけでもないが、散歩をしたり、通りかかったり、眺めたり、写真を撮ったり、春から秋にかけてはピクニックをしたり、身近に海があるとそれだけで楽しい。 人がおおらかでロンドンほど忙しそうでない(院外)。これはロンドンに10年住んでからブライトンに越してきた友達のパートナーも言っていた。彼は引っ越し前…
書き溜めていた下書き。12月から新しい科に移籍した。IMTでは基本的に4ヶ月に一度、転科する。日本の初期研修医が毎月転科するのよりはマシだが、それでも仕事に慣れたと思った頃に新しい科に移動するのは大変だ。 以前に会ったオックスフォードのIMTが、「仕事が忙しくてバーンアウト寸前だ。休養の時間がなく常にストレスに晒されているので、ホリデーのたびに感染症にかかって寝ている。試験に続く試験で、試験…
初期研修で同期だった友人がUKMLA (PLAB2) に合格したので合格体験記を書いてくれました。最新かつ大作です!高得点の合格おめでとう👏👏👏そして寄稿ありがとう! はじめにPLAB2とは、試験の構造・試験範囲■Medical/Ethical/Social/Counselling cases■Clinical stations (実際に体を動かすタイプのStations)採点基準心構え■情…
去年私がIMTに応募した前後でも何度かこの話題に触れた。トレーニングプログラム採用の難易度が今年は過去最悪と言われた去年よりさらに上がっており、イギリスの医学部出身の医師でも業績がないとトレーニングプログラムに乗れないどころか仕事もない可能性がある、と懸念されている。 Eligibility for IMT 改めてIMTの応募要項を確認しておくと、 foundation competence…
イングランドでは10年ぶりに積極的安楽死の法制化に関する議論が活発化している(法案が成立すれば、イングランド・ウェールズ・北アイルランドで施行されるのだが、私がイングランドに住んでいるので以下イングランドのみ記載する)。 直近の投票は2015年で、その時は法改正反対派が賛成派を3倍ほど上回り法改正に至らなかった。その前の投票はここからさらに20年遡るらしい。 前回の議論活性化の裏には、自らが…
病院に随分と慣れてきた。道に迷うことが減ったし、普通のドップラーはICEからオーダーするのに上肢だけはレファラルからオーダーすることなど院内謎ルールもわかってきた。 そういえばこの頃は同僚に紅茶を淹れることがない。前勤務先では同じチームで1年働いたため、私はチーム全員の紅茶の好みを把握していた。「ミルクを少し、ダイジェスティブビスケットの色になるまで」「かなり濃いめで」「できるだけ薄く、ティ…
ついにイングランドの医師の完全なる賃金回復(Full pay restoration)を求めるストライキが終結した。 時々ブログに書いていたように、イングランドのジュニアドクター(コンサルタント・SASを除くすべての医師を指す用語なので、日本のそれとは意味合いが違う;ストを通じて市民がジュニアドクターを学生かのように勘違いしていることが判明したので、今後BMAは「ジュニアドクター」の代わりに…
寄稿:PLABについて AUさんを書いてくださった先生のイギリスでの仕事が決まったので、お願いして経過の記事を書いていただきました。私の散らかったブログ記事までまとめていただいて、とてもありがたいです。日本の専門医を活かしたシニアポジションでの就活ですので、専門性を活かした移住を考えてる方にはとても参考になると思います。 【仕事を得るまでのスケジュール】 2024年2月 PLAB2受験 20…
新しい病院での勤務が始まった。8月第二週目の水曜日が多くの医師にとっては新年度の初勤務日となっていて、私はその週の月曜日まで前勤務先で働いた後にバタバタと引っ越してきた。 IT inductionでは相変わらずそんなに実用的なことは教えてもらえなかったし、翌木曜日の勤務は1日ITのトラブルシューティングに費やすことになった。Supranumeraryのシフトで通常より2人多く配置されていたの…
ネパール出身の同期の身の上話がかなり衝撃的だったので、思わずブログに書かせてもらう許可をとった。 彼女は現在GPになるためのトレーニングコースにいる。GP traineeは3年のトレーニングの一部を病院で過ごさなくてはならないため、それで1年間、私の勤める科で週に2回だけ一緒に働いていた。 次のポジションと引っ越しの話をしていて、私が節約のために渋々シェアハウスに戻ることを告げると、彼女は「…
今の仕事を始めてから12ヶ月、NHSに勤務し始めてから24ヶ月が経つのだと思うととても感慨深い。 1年間腫瘍内科で働けてとても良かったと思う。ロンドンのZone1にある病院の救急科からもオファーをもらっていたので、バースに越してきた当初は、友達もいないのにこんなに遠くに引っ越すなんて間違いだったと後悔することもよくあったのだが、今はこの病院のこの仕事を選んで本当に良かったと思う。(ロンドンの…
最近仕事で新しくNHSにやってくるIMGの家探しの手伝いをしたり、自分の家を探していたりするので、知っておくといいことをここに書いておく。これからイギリスで家探しをする人は参考にしてほしい。 予算 お金の話の記事も参照してほしい。 給与は税金込みで算出されるので、病院から契約書をもらったら “£○○○ after tax UK ” で検索するといい。家賃は大体1/3く…
KKさんにご親切にPLAB2の記事のコメント欄に最新の情報をいただいたので、記事として改めてここに投稿しておきます。KKさんは連絡をくださった方の中で4人目の合格者です! ⚫︎ 2023年12月にPLAB2を3回目の挑戦でパスした者です。PLAB2の試験内容、および対策が日々アップデートされておりますので自身の経験を参考までに残させていただきます。 予備校:管理人さまと同様、Common S…
移民に厳しくなる英国 不法移民をルワンダに送るという国際法違反の驚きの政策を発表してから数ヶ月、ついに政府は合法移民の縮小にも乗り出した。 今月初めに、来年施行される移民法の概要が明らかになった。主な変更は以下の通り: Skilled Worker Visa (Tier2) 申請の最低賃金基準が£38700に上昇 外国人配偶者を英国へ連れてくるには英国在住側のパートナーが単独で£38700の…
540点足切りで544点とぎりぎりだったが、滑り込みでも合格は合格なので良かった。落ちたとばかり思っていたので、PASSの文字が信じられず何度も確認した。 緩和ケア科は100%の得点率、得意な分野は軒並み70%台なのに対して、苦手な科目の例えば眼科は驚きの0%の得点率だった。 MRCP Part2、PACESをこれから7年以内に受験しなくてはならないが、とりあえずひとつの山を乗り越えて一安心…
イギリスにいると、イギリスを最終目的地としてやってきた医師の他にも、イギリスを踏み台にして他の国に行きたい医師を多く見かける。これまで聞いた労働環境や専門医取得の道のりについて、思い出せるだけまとめて書いてみようと思う。イギリスの話以外は人から聞いた話が主なので、進路の一つとして考える人は自分で裏取りをすることを強くお勧めする。何か間違っていること・追加の話がある場合には記事にコメントをもら…
NHSで勤務開始してもう15ヶ月が経つ。私にとってイングランドの冬は今年で5回目で、流石に5回目ともなると、いくら新しい街に越してきたとはいえ特に目新しいこともなく、日に日に早くなる日没や果てしなく続く分厚い雲、一日中降り続く小雨と大雨に気持ちも塞ぎがちになる。 この3ヶ月の間に、車の初心者マークが盗まれたり(こんなものも盗まれるのか!とイングランドでは驚かされっぱなしだ。以前には自転車のサ…
10月にMRCP Part1という試験を受けた。これは英国で内科医になるための一つ目の試験で、初期研修1年目〜中期研修終了の間に受けなければならない試験だ。 中期研修(便宜的にこう呼ぶ)はIMT1-3のことで、将来専攻したい科目によって2年(IMT1,2)または3年(IMT1,2,3)、研修をしなくてはならない。 私は緩和ケア科を今のところは目指しているが、最近語学力や人間性の面で自信をなく…
KKさんにご親切にPLAB2の記事のコメント欄に最新の情報をいただいたので、記事として改めてここに投稿しておきます。KKさんは連絡をくださった方の中で4人目の合格者です! ⚫︎ 2023年12月にPLAB2を3回目の挑戦でパスした者です。PLAB2の試験内容、および対策が日々アップデートされておりますので自身の経験を参考までに残させていただきます。 予備校:管理人さまと同様、Common S…
移民に厳しくなる英国 不法移民をルワンダに送るという国際法違反の驚きの政策を発表してから数ヶ月、ついに政府は合法移民の縮小にも乗り出した。 今月初めに、来年施行される移民法の概要が明らかになった。主な変更は以下の通り: Skilled Worker Visa (Tier2) 申請の最低賃金基準が£38700に上昇 外国人配偶者を英国へ連れてくるには英国在住側のパートナーが単独で£38700の…