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  • 【第67話 悪い夢ならよかったのに】

    卒業式のあと、 他の先生たちと 飲みにでかけたクズ夫。 さすがに日付をまたぐことは なかったものの、 午前0時近くになって ようやく帰宅しました。 おそらく、玄関前に 散らばった花を見て 慌てたのてしょう。 おそるおそる、という感じで リビングに入ってきました。 私はまだ起きていて 一人でお酒を飲んでいました。 「ただいま… ごめん遅くなって…。」 「あれ?今日も家の中で寝るの? もう卒業式終わったんだし、 車に戻れば?」 「・・・。」 「それとも 私たちの今後について話し合う?」 「今後って?」 「離婚や、慰謝料、養育費、家の権利 などいろいろ。」 「えっ・・・。 許してくれたんじゃなかった…

  • 【第66話】卒業式

    公立中学校の卒業式の日。 クズ夫は無事にその朝を迎え、 何事もなかったように式を済ませ、 生徒たちとの別れを惜しんだようです。 午後になると、 「卒業式が無事に終わりました。 ありがとう。」 というLINEメッセージが 私に届きました。 続いて 「仕事が片付いたら帰りますが、その後 学年の先生たちと打ち上げに行きます。」 というメッセージも来ました。 出た出た。これだよ。 学校の先生は行事が終わるたびに やたらと飲みに行きたがる。 ゴリエとの関係もそういうところから 始まったのだ。 私も外食や飲み会は好きだけど、 結婚後はすぐに妊娠、出産が続き 子育て中は職場の集まりにも参加せず 飲み会なんて…

  • 【第65話】クズ夫を家に入れる

    その夜も、クズ夫は 帰宅すると、 自宅の駐車場に停めた 車の中で、 夜を過ごしていました。 キンキンに空気の冷えた、 寒い夜でした。 もうすぐ、中学校は 卒業式です。 当時クズ夫は 中学3年生を担任していました。 今、おそらく学校では 式の準備や練習があり、 教室では生徒たちが "卒業式まであと○日"という カウントダウンカレンダーを 飾って、 残りの時間を大切に過ごしている のだろうと思いました。 中学3年生にとって、 卒業式がどれほど大事かは 私にもわかります。 担任が体調不良やお休み というわけにはいきません。 私はクズ夫に LINEでメッセージを 送りました。 「一階のソファーで寝れば…

  • 一緒に頑張ろう

    「…美咲さん、働こう。」 教頭先生は、 きっぱりとした口調で、 私に言いました。 「辞めなくていい。 辞めちゃだめよ。 だから一緒に働こう。」 私は、ゆっくりと 目を上げ、 教頭先生を見ました。 「美咲さんが辞めることない。 こういうときは 仕事してたほうがいいのよ。 私も仕事があったから これまでやって来られたと思うし、 今、ずっと家にいたら もっとつらいわよ。 学校にいるときは 気持ちの切り替えも できているんでしょう?」 「はい…。そうですね。」 「ね。 これまで使命感を持って 働いてきたならなおさらよ。 一緒に働こう。 一緒に頑張ろう。」 「…。」 私は、かすかに うなずきました。 も…

  • 予想外の展開

    「本当に大変よね…。 わかるわ。 …私も同じだったから。」 「…え?」 教頭先生の口から出たのは、 意外すぎる言葉でした。 「実は私も同じなのよ。 私もダンナが中学校の教師だったの。 でも、結婚してすぐよ。 本当にすぐに、 ダンナの裏切りがわかって、 離婚したの。」 「えっ…! …そうだったん…ですか…。」 「ないしょよ。 ほとんど誰にも話したことないし。 みんな私が結婚してたことも 知らないと思う。 もうずいぶん昔の話だから。」 確かに、教頭先生は 管理職なのに若々しくて 年齢不詳、という感じ。 お子さんの話などは 聞いたことがありませんでした。 教頭先生はこう続けます。 「私の場合は、その…

  • 教頭先生に相談

    会議室に着くと、 私は教頭先生と一緒に、 長机とパイプ椅子を 向かい合わせに並べました。 「こんな感じでいいかな。 じゃ、座って。」 そう言われて私は腰掛けました。 「…それで、今日はどうしたの? 何かあったの?」 教頭先生は 優しくたずねてくれました。 こういうとき、やっぱり 管理職に女性がいるというのは 心強いものだな、と思いました。 「あの…。実は…。」 私は、意を決して 話しはじめました。 「仕事とは全く関係のない話で 申し訳ないのですが…。 …実は、私の主人の 不倫が発覚しまして…。」 「えっ!!ご主人さんが!? ・・・そうだったの・・・。 ご主人さんって、たしか 中学校の先生だった…

  • もう仕事は続けられない

    うつらうつらして、朝になると、 ボーっとした頭で、 どうしてこんなにしんどいのだろう、 今日は何曜日だっけ、などと しばらく考えます。 ああ、そうだ、私はサレ妻なんだった、 そんなふうに、どんよりとした気持ちで 体を起こします。 その頃の私は毎日、寝たか寝ていないか わからないような状態でした。 夜中じゅう、いろいろな 想像が頭の中をかけめぐり、 悔しくて、腹が立って、 ずっと歯を食いしばって、 拳を握りしめて、 寝ながら戦っているようでした。 ふらふらと起きて 朝の準備をするのですが、 お湯を沸かしながらも、 洗濯物を干しながらも、 胸の中は怒りや悲しみ、 そして大きな憎しみが渦巻き、 常に…

  • 離婚か再構築か

    「本当にごめん・・・。 もう一度、 やり直させてください・・・。」 そう言って、クズ夫はまた土下座をしました。 安っぽい土下座。 そう思いました。 こんな姿を見たって、 私の壊れた心はもとには戻らない。 失った信頼は取り戻せるわけもない。 幸せな家族には、もうなれない。 私に残された選択肢は、 離婚か、あるいは “家族ごっこ”を演じて生きるかの どちらかでした。 「再構築」と言えば聞こえはいいけど、 これだけの裏切りをした夫と、 仲良しこよしなんてできるはずもない。 でも、たとえば離婚したとして、 この家はどうする? 子どもたちは引っ越しとか転校は したくないと言っているし、 不倫された側の私…

  • えげつない話

    私は、聞けば聞くほど 怒りで頭に血がのぼり はらわたが煮えくり返るようでしたが 聞かずにはいられませんでした。 こうなったらとことん 聞いてやる、聞き出してやると 根ほり葉ほり問い詰めました。 クズ夫は、私の質問に 答えにくそうにしながらも ぽつりぽつりと答え続けました。 黙り込むと私がさらにヒステリックに 大きな声を出すので、 答えないわけにもいかなかったのでしょう。 「ゴリエ、何に乗ってんの? 車の車種。」 「・・・✕✕✕社の◆◆◆◆。」 「色は?」 「・・・黒。」 車メーカーが気の毒なので、 車種はここには明記しませんが、 後部座席がフラットになるタイプの ミニバンでした。 車内で致すに…

  • 出るわ出るわ

    ひととおりクズ夫の言い訳を聞くと、 私は再度問いつめました。 「なんかお酒のせいみたいに言ってるけど、 たとえきっかけは飲み会だったとしても、 そのあとまた2人で会うかどうか、 関係を続けるのか、やめるのかは あとで冷静になった頭で 考えられるよね? 土日の真っ昼間に会ったり、 仕事帰りに会ったり、 朝からラブラブメッセージ 送ったりしてたじゃん。 勤務時間中まで! お酒、関係ないよね!? 5年も続けておいて、 お酒のせいとか何、言ってんの? いつでもやめられたよね? やめる気がなかっただけでしょう!」 「・・・もうやめなきゃとは 思ってた・・・。」 「はぁ?どこが? やめなきゃと思いながら …

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