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弁護士奥村徹の見解 https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/

児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人

弁護士奥村徹(大阪弁護士会)
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2022/02/05

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  • スカート内下着撮影を試みたが短パンをはいていた場合は、性的姿態撮影罪の未遂(2条3項)か

    スカート内撮影の場合は、下着が見えてなかったら「性的姿態等」がないので、未遂にもならないでしょう。 更衣室盗撮・トイレ盗撮であれば、カメラを仕掛ければ、そのうち下着姿になる可能性があるが、公共の場所で行きずりのスカート内盗撮の場合だと、その機会には下着にならない。 法務省の逐条説明では未遂の事例として「結果として撮影に至らなかった行為の中には、例えば、撮影する目的で撮影機器をスカートの下に差し向けてシャッターを押したが、露光不足で撮影に失敗した場合など、法益侵害の危険性を創出するものも含まれ得ることから」という例が挙げられていますが、シャッター押しても、露光十分でも、下着が写らないので、法益侵…

  • 被写体児童自身には自身に対する性的搾取の契機を欠くため、児童ポルノ関連犯罪の主体ではない~仲道祐樹「児童ポルノ法の判例と理論的課題:自画撮りの問題をめぐって」警察学論集76巻12号

    被写体児童自身には自身に対する性的搾取の契機を欠くため、児童ポルノ関連犯罪の主体ではない~仲道祐樹「児童ポルノ法の判例と理論的課題:自画撮りの問題をめぐって」警察学論集76巻12号 法文上は児童も主体に含まれるのですが、Instagramなどで、児童が自発的に撮影済み画像を売っている場合でも児童には製造罪・提供罪は成立しないそうです。自撮りによるい供給は止まりそうにありません。 仲道祐樹「児童ポルノ法の判例と理論的課題:自画撮りの問題をめぐって」警察学論集76巻12号 以上をまとめると次の通りである。まず、自画撮り送信による姿態をとらせ製造罪は、描写および製造の点について、間接正犯としての構造…

  • わいせつ電磁的記録記録媒体陳列被告事件及び被告人両名に対する性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律(以下「AV出演被害防止・救済法」という。)違反被告事件(東京地裁r5.9.14)

    職業選択の自由を主張されたようです。 東京地方裁判所令和4年刑(わ)第2969号、令和5年特(わ)第204号 令和5年9月14日刑事第16部判決 判 決法人の名称 合同会社a 代表者の氏名 b 職業 会社役員 b 昭和47年○○月○日生 被告人bに対するわいせつ電磁的記録記録媒体陳列被告事件及び被告人両名に対する性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律(以下「AV出演被害防止・救済法」という。)違反被告事件について、当裁判所は、検察官倉田詩野並びに被告人両名につき私…

  • 16歳未満の者に裸体画像の送信を求めて送信させてしまった場合の、送信要求罪と不同意わいせつ罪の罪数処理

    16歳未満の者に裸体の送信を求めた場合の、送信要求罪と不同意わいせつ罪の罪数処理 最近の高裁判例では、撮って送るように求めると、撮影させた時点で不同意わいせつ罪(176条3項)になり、わいせつ行為そのものになります。他方、送信させる行為はわいせつ行為ではないとされます。そのうち、送信させる行為もわいせつ行為になる傾向です。 法務省の解説では、送信要求行為は、不同意わいせつ罪の予備的行為で、不同意わいせつ罪とは観念的競合になったり、牽連犯にうなったり、併合罪になったりするそうです。 (十六歳未満の者に対する面会要求等) 第百八十二条 3 十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二…

  • アルバムコレクションの相談対応・取材について

    相談や取材申込みが相次いだので再掲しておきます。 https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2021/08/04/104519 単純所持罪では検挙事例がありますが、端緒はわかりません。 削除して刑事処分を逃れ、警察相談で捜索を勘弁してもらうくらいしかできません。相談事案はおおまかには ①知らないでダウンロードしたら、児童ポルノ的画像が混じっていた ②違法画像を期待してダウンロードしたら、児童ポルノだった ③アップロードした に分類されます。 日本語のサイトがあったようですが、管理者の国籍とか、どの国の警察が捜査しているのかという点については、知りません…

  • 少年による児童ポルノ製造行為による観護措置(小倉支部r5.10.16)

    少年による児童ポルノ製造行為による観護措置(小倉支部r5.10.16) 裁判年月日 令和 5年10月16日 裁判所名 福岡家裁小倉支部 裁判区分 決定 事件番号 令5(少ロ)2号 文献番号 2023WLJPCA10166002 上記少年に対する児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反保護事件について、令和5年10月6日、福岡家庭裁判所小倉支部裁判官がした観護措置決定に対し、同月14日、付添人から適法な異議の申立てがあったので、当裁判所は、次のとおり決定する。 主文 本件異議の申立てを棄却する。 理由 1 本件異議申立ての内容は、観護措置決定に対する異議申…

  • 性的画像要求罪(182条3項)が適用された事例は、結局、撮影送信させているので、要求罪は撮影させた不同意わいせつ罪に吸収されるんじゃないか。

    青少年条例の児童ポルノ要求行為の場合と同様、要求行為が発覚するのは、撮影・送信してしまってからになるので、要求されただけで被害申告されることはないので、常に撮影させた不同意わいせつ罪を伴うことになります。 牽連犯というより、観念的競合か吸収関係だと思います。撮影送信させるのを強要罪とした高裁判例では、全部併合罪とされていました。 なお、撮影させる行為をわいせつ行為を評価するのは、奥村説です 強要被告事件 広島高裁岡山支部H22.12.15*1(岡山地裁H22.8.13) 東京高裁H27.12.22*2(新潟地裁高田支部H27.8.25) では独自の見解とされましたが、 大阪高裁r03.7.14…

  • 「16歳未満であることを知りながら去年8月ごろ、この少女にわいせつな行為をさせました。そしてその映像をSNSのメッセージ機能を利用して自分の携帯電話に送信させた」という不同意わいせつの被疑事実

    判例では、「送信させる」はわいせつ行為とされません。 裁判例では、自慰行為させるが伴う場合に送信行為がわいせつと評価されることが多いようです。 大阪高裁r03.7.14*1(京都地裁R3.2.3*2)判決速報 2 なお,前記(3)は,Aに対し,前記ダイレクトメッセージ機能を使用して,その陰部,乳房等を露出した姿態をとって撮影して被告人のスマートフォンに送信するよう要求し,Aにそのような姿態をとらせてそれを撮影させたという強制わいせつの事実(令和2年8月27日付け起訴状記載の公訴事実第1)と,同要求をし,Aにそのような姿態をとらせてそれを撮影させた上,その画像データ2点を被告人のスマートフォンに…

  • 「送信させ」をわいせつ行為とした上で準強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪を観念的競合としたもの(大津地裁r5.10.26 確定)

    「送信させ」をわいせつ行為とした上で準強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪を観念的競合としたもの(大津地裁r5.10.26 確定) 判示第1は、当初起訴状は、児童ポルノ製造罪のみで、訴因変更で、準強制わいせつ罪が追加されたものです。 公訴事実の同一性がないという高裁判例が山ほどあるので、控訴して訴因変更の違法を主張すべきでした。 さらには、「送信させた」はわいせつ行為ではないという高裁判例も幾つかあるので、そう主張すべきでした。 第1〔訴因変更後の令和5年6月5日付け起訴状記載の公訴事実関係〕 A(氏名は別紙記載のとおり。以下「A」という。当時13歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、…

  • 児童ポルノ製造の包括一罪で科刑上一罪になりそうな「強制わいせつ、強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件」松江地裁R5.6.28

    児童ポルノ製造の包括一罪で科刑上一罪になりそうな「強制わいせつ、強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件」松江地裁R5.6.28 今井判事は多数回の製造罪を併合罪にされますが、高裁判例では包括一罪です。 こういうのは、児童ポルノ製造の画像があるので、強制わいせつ罪・強制性交罪についても写っている通りの公訴事実にされることが多いのですが、最近は、強制わいせつ罪と製造罪、強制性交と製造罪を観念的競合にする高裁判例が出ているので、同一児童に対する数回の製造行為を包括一罪にする高裁判例と合わせれば、かすがい現象で、科刑上一罪になりますよね。未…

  • 対償供与約束能力 10~12歳との児童買春事件

    裁判例をみると、10歳で対償供与約束能力を認めるようですが 性行為の意味を理解しないと、性交等の対価というのも理解できないと思うので、刑法の性的承諾能力(13歳)とは別個に観念できるのでしょうか? どうせ、6歳児童に「飴ちゃんやるから体触らせて」というのは、不同意わいせつ罪しか立てないわけです。 この辺は、児童買春罪ではなくて、不同意性交罪(177条3項)のみを検討すればいいと思います。 地裁 H17.9.29 (罪となるべき事実) 被告人は、平成17年2月26日、東京都渋谷区〈以下省略〉所在のホテル「b」において、A(当時12歳)が18歳未満であることを知りながら、同児童に対し、現金1万円の…

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