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弁護士奥村徹の見解 https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/

児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人

弁護士奥村徹(大阪弁護士会)
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2022/02/05

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  • アスリート盗撮の構成要件がまとまっていない

    法制審議会でも話題になっていますが、「広島県のケースのように迷惑防止条例を適用して対処しようにも、性被害に詳しい上谷さくら弁護士(東京)は「選手の全身を撮影している場合は単なるファンと同じで、罪に問えない」と話す。23年の刑法改正で性的姿態撮影罪が新設されたが、ユニホーム姿は「性的な意図の線引きが難しい」と対象外になった。」というよりは、アスリート盗撮の犯罪化を求める側が構成要件をまとめられなかった感じですよね。胸部・股間を強調して撮影・トリミングする行為の犯罪化 法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 第5回会議 議事録 ○長谷川幹事 もう一点は、撮影の対象です。スポーツ選手のユニフォームなど…

  • 提供目的製造行為を、姿態をとらせて製造罪で起訴していいのか~4項製造罪と7項製造罪との関係

    提供目的製造行為を、姿態をとらせて製造罪で起訴していいのか~4項製造罪と7項製造罪との関係 島戸さんらの解説では、各項の製造罪の守備範囲は重ならないとされていたのですが、提供目的で姿態をとらせて製造したとか、ひそかに姿態をとらせて製造したような事案が出てきたので、最近はそうるさいこというなよ、優先順位はないよという高裁判例が続いています。 訴追裁量論でごまかしているような気がします。 島戸純「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」警察学論集57-08(2004.8.10) p97 ウ構成要件 第2項に規定するもののほか、児童に第2条第3…

  • 非接触型わいせつ行為の文献

    非接触型わいせつ行為の文献 薄井論文に引用されているとこ 薄井真由子「強制わいせつ罪における「性的意図」」植村立郎「刑事事実認定重要判決50選_上_《第3版》」 3「わいせつな行為」該当性の判断について (1)本判決の分析 本判決は,あくまで性的意図の要否について判断したものであって,性的意図を強制わいせつ罪の成立要件でないとしたことに関連して,行為者の主観的事情が「わいせつな行為」該当性の判断要素の一つとなることがあり得るとしたにすぎない。したがって,本判決は,刑法176条の「わいせつな行為」の定義を直接判示するものではない。もっとも,その判示内容からすると,「わいせつな行為」該当性について…

  • 「プールでの水遊び、泥遊び、体に絵の具を塗って遊ぶボディーペイント、乾布摩擦、内科検診など。その多くは下半身や胸などを露出した半裸の状態で、全裸の園児が掲載されているケース」は児童ポルノか

    「プールでの水遊び、泥遊び、体に絵の具を塗って遊ぶボディーペイント、乾布摩擦、内科検診など。その多くは下半身や胸などを露出した半裸の状態で、全裸の園児が掲載されているケース」は児童ポルノ罪か 3号ポルノの「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件の問題です。 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第2条 3この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の…

  • 「ひそかに、同所側溝内に動画撮影状態にしたスマートフォンを設置し、同スマートフォンで同側溝上を通行中の氏名不詳者12名が身に着けている下着の性的な部位を覆っている部分を撮影した」という性的姿態撮影罪は包括一罪(神戸地裁r6.1.26)

    「ひそかに、同所側溝内に動画撮影状態にしたスマートフォンを設置し、同スマートフォンで同側溝上を通行中の氏名不詳者12名が身に着けている下着の性的な部位を覆っている部分を撮影した」という性的姿態撮影罪は包括一罪(神戸地裁r6.1.26) 性的姿態撮影罪の保護法益は不同意わいせつ罪と接近した個人的法益だと説明されていますが、足下からの下着盗撮はわいせつ行為ではないので個人的法益が薄まって12人でも包括一罪になりますかね。 法務省逐条説明 第2章前説 【説明】 第2条から第6条までの各罪は、人の意思に反して性的な姿態を撮影したり、これにより生成された性的な姿態の記録を提供するといった行為がなされれば…

  • 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案(日本版DBS)

    www.cfa.go.jp 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律 目次 第一章 総則(第一条―第三条) 第二章 学校設置者等が講ずべき措置等(第四条―第十八条) 第三章 民間教育保育等事業者の認定等及び認定事業者等が講ずべき措置等(第十九条―第三十二条)第四章 犯罪事実確認書の交付等(第三十三条―第三十九条) 第五章 雑則(第四十条―第四十二条) 第六章 罰則(第四十三条―第四十八条)附則 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、児童対象性暴力等が児童等の権利を著しく侵害し、児童等の心身に生涯にわたって回復し難い重大な影響を与えるもので…

  • 送信型わいせつ行為の裁判例と、わいせつ行為とされた範囲

    「送信させ」までをわいせつ行為とするものが増えてきました。 高裁レベルでは、「撮影させ」までなら強制わいせつ罪になって、「送信させ」はわいせつ行為には含まれないとされていて、地裁でこの高裁判例を紹介すると、「送信させ」が引っ込んだりします。東京高裁平成28年2月19日 そして,③については,画像データを送信させる行為をもって,わいせつな行為とすることはできない。 以上のとおり,原判決が認定した事実は,強制わいせつ罪の成立要件を欠くものである上,わいせつな行為に当たらず強要行為に該当するとみるほかない行為をも含む事実で構成されており,強制わいせつ罪に包摂されて別途強要罪が成立しないというような関…

  • 児童に対する性犯罪に並行して盗撮行為が行われた場合の児童ポルノ製造罪の罪名について、姿態をとらせて製造罪説に仙台高裁r6.1.23が加わり、高裁判例レベルでは3対3で拮抗しました。

    児童に対する性犯罪に並行して盗撮行為が行われた場合の児童ポルノ製造罪の罪名について、姿態をとらせて製造罪説に仙台高裁r6.1.23が加わり、3対3で拮抗しました。 仙台高裁の事例は、当初、ひそかに製造罪で起訴され、大阪高裁r5.1.24の影響で姿態をとらせて製造罪に訴因変更され1審判決になったものですが、控訴審でひそかに製造罪が正解じゃないのかという法令適用の誤りが主張されたようです。 (1)姿態をとらせて製造罪説 ①大阪高裁H28.10.26*1(姫路支部h28.5.20*2) ②大阪高裁r05.1.24*3(奈良地裁R04.7.14*4) ③仙台高裁r6.1.23(仙台地裁r5.7.20)…

  • 小学校教師であった被告人が、勤務先の小学校の女子児童に対して行った、強制わいせつ1件、窃盗1件並びに盗撮による児童ポルノ製造5件及び建造物侵入、迷惑防止条例違反1件の各犯行につき、懲役4年を求刑された事案において、被告人の責任は重いといわざるを得ないが、被告人が反省の弁を述べ、既に児童に関わる仕事からは離れていること、前科のないこと、被告人の罹患するADHDの本件各犯行への影響について否定まではできず、被告人が治療を受け続けると述べていることなどを考慮し、懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年間を言い渡した

    小学校教師であった被告人が、勤務先の小学校の女子児童に対して行った、強制わいせつ1件、窃盗1件並びに盗撮による児童ポルノ製造5件及び建造物侵入、迷惑防止条例違反1件の各犯行につき、懲役4年を求刑された事案において、被告人の責任は重いといわざるを得ないが、被告人が反省の弁を述べ、既に児童に関わる仕事からは離れていること、前科のないこと、被告人の罹患するADHDの本件各犯行への影響について否定まではできず、被告人が治療を受け続けると述べていることなどを考慮し、懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年間を言い渡した事例(横浜地裁r5.12.6) 提供 TKC 【文献番号】 25596585 【文献種別】…

  • 被害者を欺してテレビ会議ソフトを起動させて裸にさせた行為は準強制わいせつ罪(札幌高裁R06.3.5)

    送信させるはわいせつではないという東京高裁h28.2.19を超えました。 札幌高等裁判所令和6年3月5日 (2)当裁判所の判断 以上の原判決の判断は、何ら不合理な点はなく、当裁判所も是認することができる。 これに対し、所論は、多岐にわ、たるが、結局、 ①原判示第1における被告人の行為は、遠隔地から被害者に対し、その裸体を撮影させるものであるが、被害者に直接接触するものではなく、被告人が被害者と対面するものでもないから、性的侵襲性は低く、更に被害者をして自慰行為等をさせるなどしたものでもないから、「わいせつな行為」とはいえない、 ②原判示第2における被告人の行為は、アプリケーションソフトのビデオ…

  • 間接正犯構成による性的姿態撮影罪(青森地裁r5.11.17)

    間接正犯構成による性的姿態撮影罪(青森地裁r5.11.17) じゃあ、児童ポルノ製造も間接正犯構成になるよね。 【判例ID】 28313774 【裁判年月日等】 令和5年11月17日/青森地方裁判所/刑事部/判決/令和5年(わ)120号 【事件名】 性的姿態等撮影被告事件 【裁判結果】 有罪 【裁判官】 小澤光 【出典】 D1-Law.com判例体系 【重要度】 1■28313774 青森地方裁判所 令和5年(わ)第120号 令和05年11月17日 本籍 (省略) 住居 (住所略) 無職 Y 平成14年(以下略)生 上記の者に対する性的姿態等撮影被告事件について、当裁判所は、検察官藤原裕里子及…

  • アスリート盗撮罪についての法制審議会の議論

    法制審議会 刑事法(性犯罪関係)部会 第5回会議 議事録 ○長谷川幹事 もう一点は、撮影の対象です。スポーツ選手のユニフォームなどが問題となってくるのですが、衣服に覆われているということでこの犯罪の対象から一律除外されるということはないようにというか、それも検討に残しておきたいと思っています。下着が明確に入ったら、それはそれでいいのですが、ユニフォームなどについても、これは、例えばスポーツジャーナリストの写真はどうだとか、そういう区別の難しさはあるのですが、実際に撮影されたものが、見る者をしてやはり性的な羞恥心を覚えさせるような形で、着衣の上からでも撮影されているようなものについては、犯罪化の…

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