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  • 野球小僧

    世界一野球小僧の春の雷信頼が信頼を呼ぶ侍の桜花爛漫国中を埋め・・・・・・・・・・・投げる。打つ。捕る。走る。一つひとつは単純な動きだ。その連なりに白いボールが加わったとたんに、手に汗握るドラマに変わる。野球が持つそんな魅力を心から味わう2週間だった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は日本代表の優勝で幕を閉じた。MVPに輝いたのはやっぱり大谷翔平選手だった。打席からブルペン、そして抑えのマウンドへ早変わり。米国との決勝の最終回、160キロ超の剛速球で相手を手玉に取った。漫画のようだ、と脱帽するしかない。世界一を決める試合なのに、どこまでも楽しそうだったのがこの人らしい。「侍」という武張った呼び方はどうも似合わない。<ボールが一撃されたなら/飛び出していくよ少年は/さだめられた次の杭へ/そして歓び...野球小僧

  • つぼみ

    蕾すら見えぬ間に消えものの芽やオランダのチューリップ農家のおじさんのすぐ抜くという病気の花は・・・・・・・・・・・軟らかくなった雪の間から大きな遊具やベンチが顔をのぞかせる。旭川市内の誰もいない公園を歩くと、雪解けのしずくが落ちる音だけが耳に残った。2年前の3月23日、この場所で中学2年の広瀬爽彩(さあや)さんが変わり果てた姿で見つかった。行方不明になって1カ月余り、夜の冷え込みがまだ厳しい時季だった。体が凍え、意識が薄れる中で何を思ったのだろう。中学に入った直後から、いじめの標的となった。人間としての尊厳を奪う行為を強いられ、逃げ場もなく追い詰められていく。何度も助けを求めたけれど、学校も教育委員会もいじめと自死を止められなかった。昨年亡くなった精神科医の中井久夫さんも凄絶(せいぜつ)ないじめの被害者だ...つぼみ

  • ボクサー

    鷹化して鳩となりけり人の目は群鳩のふくみ声街路に溢れダメージ受けたボクサーのごと・・・・・・・・・・・中学を卒業した後にボクシングを始め、国体にも出場した。プロになると、日本フェザー級6位に到達する。袴田巌さんは派手さこそないものの、粘り強く戦うボクサーだった。だが引退後も闘いが終わらないとは夢にも思わなかったろう。1966年に静岡県で起きた一家殺害事件で死刑が確定する。警察の過酷な取り調べによって犯行の自白に至ったが、公判でも獄中でも一貫して身の潔白を訴えてきた。捜査はずさんだった。唯一の物証とされる衣類がみそタンクで「発見」されたのは逮捕から1年後。犯人の所持品のはずのズボンも袴田さんにはサイズが小さすぎた。再審の開始を認めた東京高裁は捜査関係者が証拠を捏造(ねつぞう)した可能性に触れた。事実だとした...ボクサー

  • 内戦

    オホーツクのトロットロなるの春の波安らぎは包み込むよな柔らかきミルクのようなオホーツクの海・・・・・・・・・・・半世紀ほど前の米国で、人種差別を批判する歌が人気を博した。かつての奴隷制度を指弾し、「南部人よ、あの借りをいつ返すのか」と追及した。ニール・ヤングによる「サザン・マン」である。これに黙っていなかった南部のロックバンドがレーナード・スキナードだ。「空が真っ青な故郷」「南部人はおまえなんか必要としない」と返答したのが代表曲「スイート・ホーム・アラバマ」である。基になるメロディーを発案したギタリスト、ゲーリー・ロッシントンの訃報に、この音楽界の「南北戦争」を思い起こした。19世紀半ばの米史上最大の戦争は、文化・芸術の分野でも論争を呼ぶ。激しい内戦が残したトラウマの深さが伝わってくる。非人道的な奴隷制度...内戦

  • 縄跳び

    子ら跳ねるたびに木の芽も膨らみてぴょんぴょんと跳びたき心地するなれど脚なきバッタのような吾なり・・・・・・・・・・・大なわとびを跳びながら踊るなんて、考えたこともない。なのに、目の前のTシャツ姿の若者は、韓国の人気アイドルグループの曲に乗り、軽やかにやってのけた。それも、ロープ2本が交互に回る輪の中でのことだ。大喝采。札幌ドームで2月に開催された市民参加型スポーツイベント「ほっかいどう大運動会」(北海道新聞社などの実行委主催)。2本のロープを使うなわとび「ダブルダッチ」を、初めて見た。スポーツとしての普及活動が始まったのは、米ニューヨークの警官が1973年、少年少女の非行防止を狙いにルールを作ったことがきっかけという。なわとび競技団体である日本ジャンプロープ連合北海道支部の公認インストラクター、近江聖子さ...縄跳び

  • 自転車

    ものの芽の匂いと共に風を切る自転車のロード駆け抜けちびっ子の車輪小回り目の回るごと・・・・・・・・・・・長距離を歩くロングトレイルや耕運機による日本縦断、犬連れヒッチハイク。斉藤政喜さんは約30年前から、さまざまな形で旅を続け「シェルパ斉藤」のペンネームで紀行文を発表している。宗谷管内の礼文島や沖縄県の波照間(はてるま)島などを自転車で巡った見聞録は「シェルパ斉藤の島旅はいつも自転車で」(二玄社)にまとめた。島では「車に邪魔されることなく、悠々と美しい海岸沿いの道を漕ぎ出せる」と記す。雪解けが平年より早い札幌市内では、ペダルをさっそうと回す姿を目にするようになった。安全に走るには備えが欠かせない。道路交通法の改正で、来月から自転車に乗る際、全年齢でヘルメット着用が努力義務となる。警察庁のまとめでは自転車死...自転車

  • 多様性

    未来へといろいろ魅力の株分けや背の高い植物もありその逆の植物もある庭魅力的・・・・・・・・・・・地球温暖化は本当に起きているのか。その問いが物議をかもしたマイケル・クライトンの小説「恐怖の存在」は、流動的な観念を妄信し、異論を封じることの危険性に警鐘を鳴らした。その例として取り上げたのが、19世紀半ばに英国で起こった優生思想である。ダーウィンのいとこゴルトンは進化論を人間社会に適用。遺伝的に優秀な子孫を残せば国家や民族は発展するとし、不妊手術で障害者や病者の子孫を断つことを提唱した。忘れてならないのは世界中の科学者や政治家が賛同し、不妊手術や産児制限を奨励したこと。日本でも人権擁護派までが遺伝的優劣を肯定し、人種改良論すら唱えた。旧優生保護法下の不妊手術を巡る裁判で札幌高裁が国に賠償を命じる判決を言い渡し...多様性

  • しがらみ

    しがらみに纏わる雪も解けゆきて山川に風のかけたる柵は流れもあへぬ紅葉なりけり(春道列樹(はるみちのつらき)百人一首より)山あいを流れる川に風がかけたしがらみは、流れきれずに(そこ留まっている)紅葉であったよ。・・・・・・・・・・・政府が保有に向けて突き進む敵基地攻撃能力(反撃能力)を巡る岸田文雄首相の国会答弁に、もやもやが募る。首相は3年前の自民党総裁選で保有に慎重姿勢を示していたのに、その半年後に突如、積極姿勢に転じた経緯がある。短期間に考えを変えた理由をただされ、首相は「国民を守るために考えた結果」と答えた。果たして、そうか。当時の報道を見ると、次期総裁選をにらみ、保有を主張していた安倍晋三元首相をはじめとする保守派の支持を取り付ける狙いがあったとの見方が大勢だった。首相はハト派の自分とタカ派の安倍氏...しがらみ

  • 言葉の巨木

    しとしともぱらぱらもある春の雨美しき言葉の先の平和問ふ嘘で固めし首相は倒れた・・・・・・・・・・・米国ハワイには「雨の木」(レイン・ツリー)という巨木がある。一体どんな木か。当地の女性は語る。「夜なかに驟雨(しゅうう)があると、翌日は昼すぎまでその茂りの全体から滴(しずく)をしたたらせて、雨を降らせるようだから」。大江健三郎さんの「『雨の木』を聴く女たち」の一節だ。濃い緑の茂みや光り輝く雨粒までがまぶたに浮かぶ。深い土の匂いや湿った風すら感じられるようだ。説明文とは、その本質に触れる時、ほとんど詩に近い言葉の味わいを獲得するものだという。「雨の木は、この数行の説明で鮮烈なイメージとなって読み手の脳裏に枝葉を広げる」。文学者野崎歓さんは自著「無垢の歌大江健三郎と子供たちの物語」にそう記した。高校の国語教育は...言葉の巨木

  • 捏造

    種袋エフワンだけが詰め込まれ優劣の法則にのり作られた一代限りの嘘の種あり・・・・・・・・・・・袴田事件第2次再審請求審で、静岡地裁が再審の開始と袴田巌死刑囚の即時釈放を命じた日のこと。東京拘置所を出る袴田さんの姿を報じるテレビ画面を前に涙をこぼす人がいた。一審で主任裁判官を務めた熊本典道さんである。思わず出たガッツポーズはまるで元ボクサーの袴田さんのファイティングポーズのようだったという。「良かった」「ゴメン」「もっと早く」。言葉はおえつで続かなかった。無理もない。無罪心証を持ちながら、他の裁判官を説得できず、死刑判決を書いた事件だ。良心の呵責(かしゃく)に耐え切れずに退官するが、酒に溺れ、死に場所を求めてさまよった(「袴田事件を裁いた男」朝日文庫)。1968年の一審判決は奇異な内容だった。捜査側が作った...捏造

  • ホワイトアウト

    目の前も後ろも白の彼岸荒れすっぽりと雪の礫に包まれり四方八方なんにも見えず・・・・・・・・・・・15年前のことだ。札幌で用事を済ませ、当時住んでいた三笠へ帰宅する時だった。車を運転する夫が「車が少ないから」と考え、交通量の多い国道ではなく、新篠津村(石狩管内)の道を通って帰ることになった。冬の青空が続き、気分も晴れやか。見渡す限りの農地で、風を遮るものは何もなかった。しばらく走ると、地吹雪がいきなり襲いかかってきた。車道が分かりづらくなった。一瞬にして青空がかき曇り、雪が激しさを増す。車道が消えた。夫は、ハザードランプとヘッドライトをつけ、路肩に停車した。雪が視界に満ちる。方向、高低、地形の起伏が分からない。白い闇の、不思議な世界に身を置くことになってしまった。いずれやむだろうとは分かっていても、「ここか...ホワイトアウト

  • AI

    AIに未来を託す春なかば真実は何処にあると問うてみる心の奥底隠れて見えず・・・・・・・・・・・「ローマの休日」が米国で公開されてから今年で70年になる。モノクロ映画ながら、王女と記者のひとときの恋を追った数々のシーンは今も色あせない。名所となった撮影場所は多く「真実の口」はその一つだろう。うそや偽りの心を持つ人が手を入れるとかみ切られる―。言い伝えは世界中に広まった。同じ口でも、何でも答えてくれる口があったら…。そんな願いをかなえるかのような対話型の人工知能(AI)が注目されている。米新興企業オープンAIの「チャットGPT」が昨年無料公開されたのを機に開発競争が激しい。大量のデータを学習するだけでなく、自ら考え、入力した質問にまるで人のように答える。小説や詩を作り、要望に応じた提案もする。ビジネス活用に期...AI

  • 砂の城

    彼岸西風忘れたくても頬なでる知ってると思うことこそ無関心砂の国なる日本の国哉・・・・・・・・・・・2008年に発表された小説「砂の城」(近代文芸社)は1896年(明治29年)の三陸大津波を取り上げた。博物館で大津波を記録した図録と出合う小学校教師を通して、その恐ろしさを伝える物語だ。宮城県気仙沼市のリアス・アーク美術館で現在館長を務める山内宏泰さんが本を書いたのは、図録の発見を機に開いた特別展が思わぬ不振に終わったからだった。1カ月余りの開催で入館は約1200人。地域の歴史と記録に対する無知と無関心は図録と出合う前の小説の主人公の姿と重なる。東日本大震災後、メディアは「砂の城」を予言の書ともてはやしたが、三陸沖でのマグニチュード7規模の地震発生は30年以内に90%の確率とされていた。気仙沼市の津波被害もほ...砂の城

  • 突然

    毎日が突然あけて木の芽張るいま今の積み重ねたる今日の日は良い日悪い日突然ありて・・・・・・・・・・・宮城県名取市の丹野祐子さんの元に手作りのひな人形が届いたのは2月のことだ。ビーズで作った手のひらサイズの三段飾り。作り手の思いがあふれる。送り主は中学時代の修学旅行で震災語り部の丹野さんの話を聞いた札幌市の女性。津波に遭った地域で生活を続けたいとの話を聞き、災害に強い建物造りを志して建築を学んだ。ビーズアクセサリー作家として活動する今も、夢は諦めないと同封の手紙にあった。東日本大震災で中学1年生だった長男の公太さんを亡くした丹野さん。生きた証しを残したいと遺族会を組織し、資料館「閖上(ゆりあげ)の記憶」の代表として活動する今日まで語り続けた。容易なことではなかったろう。語り部の活動は息子を助けられず、生き残...突然

  • 覚悟

    顔見せて生きる希望が湧くのなら頑張る友に笑顔届けむ年老いた母を残して逝けぬとふ病む友にガンバレとしか言えぬ・・・・・・・・・・・埼玉県在住のイラストレーター、鈴木邦弘さんが初めて帰還困難区域を訪れたのは2015年の3月だった。東京電力福島第1原発事故から4年。復興の陰で放置されたままの現実を誰かに伝えなければならないと覚悟を決めた。近所のさいたまスーパーアリーナには双葉町の住民が避難した。介護福祉士としてボランティア登録した。動物愛護センターで引き取った柴犬は避難者が泣く泣く手放したように思えた。福島の電力に頼った者として現地を見ておかねばならないと思った。2年前に出した絵本「いぬとふるさと」(旬報社)は延べ250キロ以上歩いた記録を基にした。ネオンまたたく都会の夜と星降る漆黒の闇の双葉町の対比。汚染土が...覚悟

  • 科学者

    真夜中の高い満月朧なる黄砂よりPM2.5襲い来る厄介者が隣国より来・・・・・・・・・・・多大な国費を投じる加速器建設を進めた物理学者ロバート・ウィルソンが、米国議会公聴会に出席した1969年のこと。国防に役立つのかと尋ねられると「この新しい知識がわが国の防衛に直接関係することはない。しかし、この国を守るに値する国にすることは間違いない」と答えた。原爆開発のマンハッタン計画に最年少の班長として参加しながら、途中で開発中止を呼び掛けた人だ。戦後も一貫して軍事利用のための研究を拒否。科学を人類共通の平和と発展に生かそうとした信念である。日本の次期主力ロケットH3の打ち上げが失敗した。延期や部品交換などのトラブルを克服して挑んだが、結果として実らず、関係者の無念は計り知れない。H3は、米国主導の月面着陸計画で宇宙...科学者

  • ピラミッド構図

    声聞かば中学生に氷解け目をつむり常の心を唱えれば水底の闇いつか消え去り・・・・・・・・・・・ヘイト暴力のピラミッドという図がある。偏見や先入観を放置すると、無意識に他者を傷つける行為や小さな嫌がらせが、ヘイトスピーチやヘイトクライムを生み、最終的にはジェノサイド(虐殺)に至る。差別のエスカレートだ(角南(すなみ)圭祐著「ヘイトスピーチと対抗報道」)。気をつけたいのは、差別的な政策や政治家の言動が偏見を醸成すること。ナチスのホロコーストの例を持ち出すまでもない。権力の暴走を防ぐ監視機能が欠かせない理由である。差別は「暴力」であり中立の立場はありえない。「自分は差別していないから」と放置し、反対、抗議の意思を示さないことは暴力を黙認することになる。角南氏の警告は傾聴に値しよう。放送法が定める政治的公平性の判断...ピラミッド構図

  • コミュニケーション

    啓蟄に虫偏の虫穴いずるヤスデなるムカデに似た虫蠢けリ何も言わぬがどうして此処に・・・・・・・・・・・人間には相性がある。電車の中で気の合う人がいると「狭いけど、どうぞ」と隣に座らせたくなる。合わないと言い争いになり、しまいに「おめぇの電車かこれは」となる。五代目古今亭志ん生の「三軒長屋」のマクラである。コロナ禍が落ち着いてきた昨今、電車内の風景も変わってきた。かつては密を避けて間隔を空けて座っていたが、このところは詰まっていることも目立つ。微妙な間隔がある場合、座ろうか迷ってしまう。「すみません」と言って座ればいいのだが、その一声が出ない。あと数駅だからと思い直し、立ったままでいる。自分が臆病に見えるが、他人と一定の距離感を保つことは、人の多い社会で快適に暮らす条件でもある。社会学には「儀礼的無関心」とい...コミュニケーション

  • 討論

    流氷のぷかりと浮いて海明ける知床の山笑う日も近づけリ流氷みせる海の青さや・・・・・・・・・・・幕末に勝海舟や福沢諭吉らが参加した遣米使節団の一行は米国議会を視察し「まるで魚河岸のやりとり」のようだと話したという。箱館奉行も務めた使節団副使の村垣範正が記録を残した。怒号と喧騒(けんそう)の議場をせりに例えたのは「議会の本質をよく見抜いた」と評したのが元鳥取県知事の片山善博さんだ。公開の場で価格を競うように政策を競う。最高価格を示した者が落札し、議会は最良の選択肢を提示した者の意見に従う(「日本を診る」岩波書店)。しかし現実の地方議会は密室で事前に質疑をすり合わせる答弁調整で筋書きができあがっている。そんなさまを片山さんは「八百長」「学芸会」と厳しく批判し「一番ひどいのは北海道議会だ」と名指ししたのが2007...討論

  • 里山

    北国の春まだ遠く待雪草里山の心の景色忘れずに目と耳澄ましマスク外そう・・・・・・・・・・・哲学者鷲田清一さんによると、世にはコロナ禍の以前から、まわりを「ないこと」にするというマスクがあった。視線を合わさず、スマホ画面に没頭し、耳栓をしたかのような人々。無関心である。マスクには互いに別であるべきものが入り交じらないようにする「感染予防」と、自分がむき出しにならぬよう異なる「他」との接触を遮る皮膜としての役割がある。その対象が、ウイルスか、人間かの違いに過ぎないということだろう。新型コロナウイルスの感染対策の柱であるマスク着用が13日から原則個人の判断に委ねられる。学校の卒業式も校歌を歌う場合などを除き、着用を求められない。先日道内で行われた公立高校の卒業式も、久しぶりに笑顔が記憶に刻まれる門出となった。た...里山

  • お雛さま

    ゆきげ道小さな青空映りをり雛の宴翁媼も笑顔みせ酢飯の香る集ひ楽しき・・・・・・・・・・・ひな祭りのひなを飾り忘れると、ひなは箱の中でしゅくしゅく泣くのだという。伊豆の民話「雛の夜ばやし」にある。手傷を負った鎌倉の仏師を助けた天城山の旧家のお話だ。救ってくれた老婦人のため、仏師は一対のひなを彫って贈った。ところが、ある年、その女性が風邪で寝込み、飾り忘れた夜のことだ。「こよいは節供であるのに」という嘆きとともに、笙(しょう)の響きや鼓の音が聞こえてきたという。児童文学作家松谷みよ子さんのエッセーにあった。戦争が激しくなってからは、どの家もひなは箱にしまわれていた。毎日が生死の境である。しゅくしゅくと泣く声も夜ばやしも、耳には届かなかったのであろうか。松谷さんにも楽しいひな祭りの記憶はあった。友達を招いたひな...お雛さま

  • 比べる

    雛祭り友の幸せ祈りをり比べてもせん無いことと知りつつも吾の幸せをつい祈りたる・・・・・・・・・・・小津安二郎の映画「晩春」に笠智衆演じる父親が原節子演じる27歳の娘に結婚をせかす場面がある。「お父さんはもう56だ。もう先は長くない」。男性の平均寿命が60歳に満たない1949年公開の作品。いつまでも親に頼れないという実感があったと山田昌弘中央大教授は言う。男性平均寿命が80歳を超え、独身者の大半が親と同居する現代では考えられないやりとりだろう。総務省によると、親と同居する壮年未婚者(35歳から44歳)は2016年で288万人いた。問題はその独立を妨げる要因だ。雇用の非正規化や失業者の増加で親に依存せざるを得ない人々が増えた。親の死亡を隠し、年金受給を続ける事件の背景でもあろう。政府の人口動態統計の速報値で2...比べる

  • 社日様そぼふる雨の中まいるみなおなじ聞こえなくても聞こえても心の闇を消し去り生きる・・・・・・・・・・・人の命に値段を付けることは果たして許されるのか。米中枢同時テロの被害者や遺族を救済する補償基金プログラムを題材にした映画「ワース命の値段」の問いかけである。主人公は基金の分配額を定める特別管理人を請け負った弁護士ファインバーグ氏。当初は機械的な算定基準に従い補償額を決めた敏腕弁護士がなぜ、徹底的に当事者の話に耳を傾けたのか。一人一人の人生とその悲嘆や苦悩に向き合った33カ月の実話だ。事故で亡くなった難聴の女児の遺族が損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁が将来得られたはずの「逸失利益」を全労働者の平均賃金の85%とする判決を出した。障害者の逸失利益が時にゼロ算定された時代を考えれば、前進との評価も可能だが、障...命

  • 知る権利

    暖気きてアスファルトの道ゆきげ川迷惑はお互い様と心得て祝杯あげるは助け合えてこそ・・・・・・・・・・・1971年6月28日のことだ。マンハッタン計画に参加した科学者ラビノビッチ氏が原爆投下前、その非倫理性や危険性を公表し、警告を発することを検討していたと公にした。「原子力兵器の最初の導入という重大な行為を広く国民に知らせていれば正義にかなった」。米ニューヨーク・タイムズ紙に載せた書簡の一文。告白した理由をその冒頭に記している。「ベトナム介入について国防総省が書いた歴史を、『機密文書』指定を無視して、暴露したこと」が自分を後押ししてくれたのだと(「国家機密と良心」岩波書店)。かの「ペンタゴン・ペーパーズ」のことだ。トンキン湾事件の自作自演などを知った国防総省の分析官エルズバーグ氏は、核兵器使用も懸念された戦...知る権利

  • ゴースト

    青空も流氷色に霞たりあおぞらもりゅうひょういろにかすみたりせせらぎの流れの音の安らぎを祈りをりたる枕の下の・・・・・・・・・・・血管→ゴースト化弥生3月の声を聞こうというのに厳しい寒さが続く。ちょっとした外出でも指先まで冷え切る。気候だけが原因ではないのかもしれない。毛細血管のゴースト化という現象があるという。加齢や生活習慣の影響で血管の細胞の隙間から血液成分がむだに漏れてしまい、十分な血液が流れなくなって空洞化し、やがて消失するのだそうだ。体中の血管の99%が毛細血管だというからこれは深刻である。ゴースト血管が増えると高血圧症や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病のほか、認知症、骨粗しょう症の原因にもなるというから気をつけたい。不規則な生活、偏食、運動不足などは禁物である。血管が張り巡らされた人体図を思い...ゴースト

  • 見られる

    一日づつ筋トレサロンに春の来るひとひづつきんとれさろんにはるのくるどこからも見られてをりぬ人の世や目に入れども記憶留まらず・・・・・・・・・・・何かに見られている―。繁華街であたりに目を凝らすと、至る所からカメラが向けられている。そんな光景に当初は怖さを覚えたが、今や慣れっこになってしまった人も多いのではないか。推計では国内に500万台以上、世界では10億台前後のカメラが街頭に設置されているらしい。中国ではゼロコロナ政策に抗議した人たちを特定するため、監視映像を利用したという報道もある。国民の統制に使うのは御免だが、映像が刑事事件の容疑者逮捕につながるケースは多い。最近は救急や消防の活動で、街頭カメラの映像ではなく、市民がスマートフォンで撮影したリアルタイムの現場映像が活用されている。119番を通じた仕組...見られる

  • 戦争

    金子兜太許せぬ春の反戦歌対話などまどろこしくてと大喧嘩話し合いこそ地球人たる・・・・・・・・・・・歴史に「イフ」は禁物だが、生きていれば太平洋戦争は回避できたのではないかと惜しまれた人がいる。二・二六事件で暗殺された陸軍教育総監の渡辺錠太郎だ。皇道派の凶刃に倒れた永田鉄山と並び称される人物である。欧州留学から帰国後の新聞記者とのやりとりがある。「日本もいよいよ世界の軍事大国ですね」と水を向ける記者を手で制した渡辺は諭した。「軍事だけが独り走りをした大国は何よりも心配だ。戦争ばかりはやっちゃあイケナイ」(「渡辺錠太郎伝」小学館)。欧州で見聞きした第1次世界大戦の悲惨な現実が脳裏に刻まれていた。補給軽視や戦線拡大といったドイツの敗因を見抜いた名将である。日本軍の精神主義に警鐘を鳴らし、非戦を説いたのも徹底した...戦争

  • 穀倉地帯

    春遠し穀倉地帯はまだ真白胸張って俺らはなまら標準語と方言いいし青年のゐる・・・・・・・・・・・ほのかな日差しの中、萱草(かんぞう)の花のような笑い声が風に乗る。丘を上がってくるのは、衣服にくわを荒縄で縛り付け、おけを手にする2人の娘。詩人は思わず口にする。「曠原(こうげん)の淑女よあなたがたはウクライナの舞手のやうに見える」。宮沢賢治が、「曠原淑女」を作ったのは1924年(大正13年)のことだ。ウクライナの情景に接した経緯は不明だが、「ヨーロッパのパン籠」と呼ばれた大穀倉地帯である。故郷の農家の女性を異国の地の踊り子に例えたのも、そこに理想の農業の姿を見いだしたからなのだろう。「新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある」と信じた賢治である。幸せの大地と称賛したウクライナの景色が荒れ果て、人命も...穀倉地帯

  • 停戦

    停戦を臨む子等には春遅し雪道を転ばぬように七百歩眩しき道を一歩踏みつつ・・・・・・・・・・・停戦。その言葉は幼い兄弟にとって希望の言葉だった。戦火を逃れて、祖父と暮らす少年を描いた絵本「ぼくと弟はあるきつづける」(岩崎書店)のお話である。「停戦になったら、さいしょの船で、おまえたちをむかえにいく」。遠い故郷から届いた手紙に父はそう記した。「おにいちゃん、テーセンって、なに?」「テーセンまでなんて、まてないよ」。弟は嘆く。それでも両親に会いたいという願いを、その言葉に託すしかなかった。日本画家の小林豊さんは、訪れた中東・アジアでの体験を基に数多くの絵本を出している。「ぼくと弟はあるきつづける」は黒海地方を舞台にした3部作の完結編だ。祖父が他界し、旅する2人は多くの人と出会い、支えられる。多様な言葉を話す人々...停戦

  • はだしのゲン

    春めくも人間界はまだ寒く人が死に五十回忌も過ぎしときお参り止める人の悲しき・・・・・・・・・・・ヒップホップ・グループ、ライムスターの代表曲「B―BOYイズム」に「そのたくましさ見習えはだしのゲン」という詞がある。その曲を聴いて、被爆地の広島で懸命に生きた少年を思い浮かべた人は多いだろう。日本文化研究者コンドリーさんもその一人だ。曲に関する自著で、家が燃えるなかで親が死ぬのを見た後、感情的・身体的にもがきながら生きたとゲンの心境を詳述した。短い歌詞から分析が具体的に広がったのは漫画を読んだ経験があったからだろう。漫画などの作品を、見聞きした時の感情や環境と無縁に記憶することは難しい。「漫画そのものよりも、それを読んだ経験や漫画を取り巻く諸イデオロギーのほうへ読者は目を奪われる」とは文芸評論家陣野俊史さんの...はだしのゲン

  • 銀河鉄道

    新月の二月の星や冴えかえる星々の海に旅立つ漫画家の次行く先は平和の星なり・・・・・・・・・・・疎開先の愛媛県で終戦を迎えた漫画家松本零士さんにとって忘れられない夜がある。公職追放となり炭焼きで生計を立てていた元陸軍少佐の父親が、満天の星の下で話してくれた南方の星の海の美しさと敵機撃墜の悔恨である。飛行隊長だった父親は撃墜のたび逡巡(しゅんじゅん)した。「一瞬、そいつの家族のことが頭をよぎるんだ」。天空を埋める星々とそのまたたきを映す大海の幻想的な光景とは対照的な戦争の現実。松本さんの作家としての原点だ。松本さんは戦後、敗戦の苛酷さを目の当たりにした。わが物顔の進駐軍、戦争孤児、困窮する暮らし、相次ぐ自殺者。貧しくとも、民間パイロットの依頼を「二度と空は飛ばない」と断り続けた父親の姿から人としてのありようを...銀河鉄道

  • 地獄坂

    この世からあの世の喜び多喜二の忌人の世にあるまじきかな拷問の仕打ちを受けし今日は多喜二忌・・・・・・・・・・・息の上がる急傾斜が続く。地獄坂の名もうなずける。上り詰めた先に小樽高商(現・小樽商大)のキャンパスはあった。大正末期の3年間、1人の学生がここで学び、青春を送った。後のプロレタリア作家小林多喜二(1903~33年)。今も同じ敷地にある樽商大の付属図書館は、彼が書き込んだ本を大切に保管する。芥川龍之介や志賀直哉の作品の余白には「頭のいいトリック」「生活を善意に静観」と記した。万年筆だろうか、細字の丁寧な筆跡から文学青年の勉強ぶりが読み取れた。卒業後は拓銀に入行し、坂を下った先の銀行街「北のウォール街」で働く。恵まれた待遇のエリートとなったが、苦学した自身の境涯を忘れなかった。貧困や格差の拡大、労働者...地獄坂

  • 流されろ!

    やさしげな雨待ちをりて今日雨水雨水から啓蟄になり土匂う鈍行列車のよふに近づく・・・・・・・・・・・四海(この世界)が困窮しては天から与えられた幸いも永く断たれる。道徳の欠けた為政者が国家を治めれば災害が相次ぐ―。1837年(天保8年)2月19日、大坂で起きた大塩平八郎の乱に際し大塩が訴えた檄文(げきぶん)の冒頭だ。大坂町奉行所与力として役人の不正摘発に力を入れた大塩は、飢饉のさなかに賄賂が横行し民百姓が困窮する事態に憤った。乱はその日のうちに鎮圧されるが、各地に一揆が広がり幕藩体制は揺らぐ。時移り大阪が舞台の森友学園問題が発覚したのは6年前の2月。「私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員も辞める」と述べた元首相は不幸にも帰らぬ人となったが、生前のインタビューを載せた「安倍晋三回顧録」(中央公論新社)...流されろ!

  • 揺りかご

    トッカリの流氷のベッド揺られをりトッカリとはアイヌ語でアザラシのこと千億の星と共にと思う夜星のゆりかごに乗りたい私・・・・・・・・・・親の学歴や所得の差が子供の教育機会の不平等につながる「教育格差の再生産」に警鐘を鳴らしたのが、2019年3月でお茶の水女子大を定年退職した耳塚寛明教授だ。20年ほど前のことである。格差を認めれば不公平が固定化し、さらに助長しかねないとして、当時の教育学の関係者の間では異端視されたが、富める者はますます豊かに、乏しい者はますます貧しくなる格差社会の到来を見通した慧眼(けいがん)だった。フランスの経済学者ピケティは、受け継がれる資産の格差が拡大する状態を世襲資本主義と呼んだ。その一因が職業の世襲である。機会の不平等の格差が常態化し、社会を停滞させるからだ。昨年「このあたりで(長...揺りかご

  • 二段ベット

    予感から直感の風流氷来葡萄蔓飛び降りたるはセピア色物置の屋根モノクロームに・・・・・・・・・・・「2段ベッドに寝るとしたら、上と下のどちらがいいですか」。テレビ番組で視聴者へのアンケートを見ていて、息子3人が幼少だった頃を思い出した。4年間で3人を出産したので、みんなほぼ年子。一人一人の友だちは、3人の友だちでもある。わが家はいつも学童保育さながらの賑やかさだった。三男が3歳くらいの頃、2段ベッドを購入。当然1人はベッドに寝られないことになる。夫婦で考えた。「毎日交代しよう」。同じ部屋だが、ベッドの上と下、そして両親と寝るというローテーション。まだ3人とも親と一緒に寝たい年齢とあって、ベッドじゃない日はうれしそうだった。あるとき、三男が風邪で熱を出し、3日間続けて私たちと寝ることになった。「おまえいいなあ...二段ベット

  • わからない?

    いくたびも雪の深さを尋ねけり正岡子規・・・・・・・・・・・企業の繁栄はおよそ30年だと、名だたる企業の再建で辣腕(らつわん)を振るった実業家の親族から以前うかがったことがある。創業者の理念や手腕を学んだ2代目が業績を発展させるが、経験不足の3代目が経営を傾けてしまうのだとか。そんな経験則も、トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎さんには当てはまらなかった。自動織機の発明に生涯をささげた豊田佐吉の孫にして、父喜一郎が開発に乗り出した自動車メーカーを世界有数の企業に育て上げた手腕と実績はむしろ創業者のそれに近い。佐吉は官僚外交の前に国民外交がなければならないとの信念から日中親善に傾注した。1918年(大正7年)には単身上海に渡航し、現地で紡織工場を設立している。5歳の時に他界した祖父の記憶は少ないと語っていたが、も...わからない?

  • 薬とは?

    紙風船抱え富山の薬売り老人に薬多量に処方され過ぎたる薬及ばざるごと・・・・・・・・・・・神の怒りを買い、今まさに大蛇に絞め殺されようかという場景だ。にもかかわらず、その大理石像はなぜ断末魔の悲鳴を上げていないのか。芸術史に名高いギリシャ神話に題材を取るラオコーン像を巡る論争である。18世紀のドイツの美術史家ビンケルマンは古代ギリシャ期の作品とする論考を発表。ところが、思想家レッシングはギリシャ彫刻に特徴的な感情の表出がなく、ローマ帝政期のものだと異論を唱えるなど長年の論争の的となった彫像だ。美術史と異なる視点で一刀両断したのが、19世紀ドイツの哲学者ショーペンハウアーだった。絵画や彫刻は美を損なわずには悲鳴を表現できないから、悲鳴を上げていないのだという。芸術のためには神話の人物も声を上げるわけにはいかな...薬とは?

  • 祈り

    立つ春に祈りの詩も届きたりあなたの召使になるからと言う幼子の願い叶わずもがな・・・・・・・・・・・トルコ人の青年とクルド人の青年の交流を描いた映画「遙かなるクルディスタン」に印象的な場面がある。ダム建設により水没した村の湖面に突き出たイスラム教礼拝所の塔ミナレットだ。西アジアの山岳地帯「クルディスタン」にまたがって暮らすクルド人は国を持たない世界最大の民族とされる。オスマン帝国の崩壊後も大国の思惑に翻弄(ほんろう)され、悲願の独立は今なお道半ばにある。トルコ国内では敵視され、イラク戦争やシリア内戦の影響を受け続ける人々である。湖面のミナレットは生命を維持する水が他者の犠牲の上に成り立っていることを示しているのだろう。その姿は虐げられるクルド人の境遇に重なる。トルコ南部のシリア国境付近で発生した地震の犠牲者...祈り

  • 一生

    雪道も一歩先行く吾の杖ゆきみちもいっぽさきゆくわれのつえ一生は山坂もあり谷もあるそれぞれ想うこれで良しとす・・・・・・・・・・・昨年の秋のこと。祖母の家に遊びに行くと、自分の生い立ちを話しておきたいから書き取ってほしいと突然頼まれた。おそらく、その年の1月に亡くなった祖父の通夜の準備をしたときに、自分の生い立ちを元気なうちに伝えておかねば、と思ったのだろう。初孫の私が聞き役となり、長女の母が書き取る。聞き漏らさないようにとスマホのボイスメモを起動し、生い立ちインタビューが急きょはじまった。98歳の祖母は、何のカンペを見ることもなく、自分の卒業した学校名、代用教員で働いたこと、祖父との結婚、子供4人の誕生日、車の免許を取ったことまで鮮明に、その年月日と共にすらすらと話し始めた。45歳の私が履歴書を書くとき、...一生

  • 寒冷地

    紀元節オホーツクの空晴れわたり国中の電力会社守り居て国民守らぬ首相の忖度・・・・・・・・・・・今国会では岸田文雄首相が掲げた「次元の異なる少子化対策」が焦点の一つになっている。だが異次元の課題はまだある。電気・ガス代の異常なまでの高騰ぶりだ。とりわけ北海道など寒冷地にある一戸建て住宅の負担が重い。エネルギー価格が上昇しオール電化住宅などでは暖房費がかさみ、交流サイト(SNS)には光熱費1カ月10万円超えの悲鳴が年初からあふれる。できる限りの節電に努めたのに、東日本大震災前と比べ3倍近くになった世帯もあるようだ。オール電化など熱源の選択を自己責任論で切って捨てる向きもあるが、冬の暖は命にも直結する。年金生活者にはなかなか許容できぬ額だろう。この問題が衆院予算委員会で取り上げられた。首相はあまりに素っ気なかっ...寒冷地

  • パイロット

    日本国初代天皇建国日にほんこくしょだいてんのうけんこくびこの国の八方見据え舞いあがれ嵐もあるが晴れの日もある・・・・・・・・・・・航空機のパイロットが最も神経を使う時間帯がある。離陸時と着陸時を合わせた「魔の11分間」。このわずかな時間に飛行機の事故が最も起こりやすい。第一に低空域を飛んでいる。鳥が機体に衝突するバードストライクといったトラブル発生の可能性が高い。さらに自動操縦から手動への切り替えによる人的ミスといった危険も。「慣れたベテランでも油断は禁物です。緊張します」。航空自衛隊の幹部に操縦かんを握る重圧を聞いたことがある。4月に任期が終了する日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁の後任に、元日銀審議委員の経済学者、植田和男氏が起用されることになった。言ってみれば、日本経済の航路を定める「パイロット」の交代...パイロット

  • 声かける

    二月の心温もる祖父忌日にんがつのこころぬくもるそふきじつ声かける大事な事と思わずに過ぎさりし日々悔やむが多し・・・・・・・・・・・世の中には変わった地名があるものだ。例えば山梨県には談合坂、山口県には談合峠という具合に。中近世は「だんこう」「だんこ」などと読み、話し合いや相談を意味した。坂や峠の名は村人が話し合った場に由来する。問題が複雑だったり利害が衝突したりする場合もある。すると何日もかけて全員の納得を得た。公平に取り決めして互いに助け合う民衆の知恵だった。社会学者加藤秀俊さんの著書「常識人の作法」に教わった。それが明治以降、次第に「だんごう」と濁って読むようになる。意味も暗い陰りを帯びていく。現在では入札などで競争者同士があらかじめ価格や落札者などを決めておくことを指す。いわば出来レースである。東京...声かける

  • 見る

    マスクの眼その顔の裏読み解けリその人のその雰囲気のあるやなしいずくに有りても秘密など見せ・・・・・・・・・・・きらびやかなネオンに照らされ、人々が行き交う。札幌・ススキノは北日本最大の盛り場だ。ここは細川たかしさんの軽快な大ヒット曲「北酒場」の舞台を思わせる。「歌詞のように、長い髪の女性が雑踏を歩いて似合う街。これ、ススキノだと」。本人の述懐である。さほど広くないエリアに3千近い店がひしめいている。ちょっとお人よしで、くどかれ上手で、涙もろい。歌さながらの男女の恋物語が今夜も紡がれるのかもしれない。この北の酒場通りで、かつて過ごした時期があったという。海を隔てること4千キロ弱、フィリピンの入管施設に収容されていた道産子たちだ。まじめな好青年、やんちゃな盛り上げ役、剣道が強い…。知人たちが語る人物像は報じら...見る

  • 政治家

    夜の星たった一つに冴えかえるよるのほしたったひとつにさえかえる勝手連とふ春風を背に受けて北の風土と共にあるやも・・・・・・・・・・・引退時の横路さん腰縄姿の人たちがぞろぞろと歩いていく。拘置所から検察庁へ移り取り調べを受けるためだ。小学校の登校時、少年はその光景をたびたび目にして不思議に思う。「どういう人たちなんだろう」。両親が教えてくれた。悪いことをした人も、そうでない人もいる。そして無実の人や弱い立場の人を救う仕事があるんだよ―。横路孝弘さんが弁護士を志す原点だった。やがて法律家となる夢をかなえた青年は衆院議員だった父の死に伴い、1969年に国政の場へ打って出る。巧みな弁舌と鋭い分析力によって国会論戦の花形となった。時代の一歩前を走る存在でもあった。81年の道知事選で初当選した原動力の一つは既成政党や...政治家

  • 好きを極める

    陽を浴びた福寿草待つ雪間かな薄氷思いも薄きあれやこれ陽にあたりなば消えゆく氷・・・・・・・・・・・福岡はその昔、音楽の街と呼ばれた。大陸への玄関口は世界の文化の輸入拠点だった。戦時中は本場の洋楽に触れることができると全国から人が集まった。戦後は井上陽水さんらが「ニューミュージック」旋風を起こし、海援隊が九州弁でヒット曲を生んだ。そして、後に「めんたいロック」と呼ばれた音楽シーンの中心にいたのが、先日亡くなった「シーナ&ロケッツ」の鮎川誠さんだ。久留米市出身の鮎川さんが初めて洋楽に触れたのは、レイ・チャールズの「ホワッドアイセイ」。レコード店に通って試聴しては書店で音楽誌を立ち読みし、ラジオであらゆる音楽を吸収した。1960年代に迎えた思春期はどっぷりと音楽につかった。誰にも文句を言わせまいと奨学金を得て九...好きを極める

  • イメージ

    ぬくぬくと産湯の赤子春兆すぬくぬくとうぶゆのあかごはるきざす厳冬の今だからこそ春を待つ心の春を心に焼きつけ・・・・・・・・・・・抵抗の起こる確率が高いことを根拠に、ある社会的階層の住民全体を殲滅(せんめつ)し、民族的、人種的統合を破壊する。ファシズムとは人間を集合ととらえる力学で、独立した個人=人間という概念を拒否する。第2次世界大戦の転換点となったスターリングラード攻防戦を描いた、旧ソ連の作家ワシーリー・グロスマンの大作「人生と運命」の一節である。著者の母もナチス・ドイツ占領下のユダヤ人虐殺で命を奪われた。ドイツの侵攻を食い止め、退却させた戦いは、ロシア人にとって栄光の記憶として残る。雨、雪、霧の悪天候を利用した意表をつく大規模攻撃で敵の軍を包囲し、降伏に追い込んで要衝を奪還した。「一歩も引くな」と指示...イメージ

  • 雪まつり

    汗と泥まみれて雪像雪化粧あせとどろまみれてせつぞうゆきげしょう空と海それにも増して輝ける春陽を浴びた流氷の白・・・・・・・・・・・澄んだ青空を背景に白銀の雪像が映える。つんと張り詰めた冷気はかえって心地よい。さっぽろ雪まつりがきょう始まる。本番直前の大通会場には人々の期待感が漂っていた。当然だろう。コロナ禍で本格開催は3年ぶりなのだから。大小を問わず雪像の仕上げが追い込み中だった。市民参加コーナーにある大谷翔平選手や「となりのトトロ」のネコバスも丁寧にお化粧してもらっていた。作業は手作りそのものだ。どこか素朴な光景は中高生が雪像を作った草創期のまつりを思わせる。全国各地を大混乱させた冬将軍も、ここでは大いに歓迎された。10トントラック1600台分もの新雪が運ばれ、さらに厳しいしばれが造形をぎゅっと引き締め...雪まつり

  • ぽかぽかの声届かずや春立つ日大声で笑えば心の鬼だっていつの間にやら福にへんしん・・・・・・・・・・・東京都小平市には「鬼の宿」という行事が残る旧家があるそうだ。節分の晩には豆をまかず、「鬼は外」と叫ぶこともしない。家の中に鬼を迎える場所を設け、赤飯やお神酒を供えて灯明をともしておくという(「季節のなかの神々」春秋社)。民俗学者の宮田登も「福は内、鬼は内」と唱える旧家の話を聞いたことがあると自著に書いていた。元は神と同じ「隠れているもの」を意味したオニである。尋常でない力が邪気を払うものと期待したのだろう。立春を前に厄を払う節分に欠かせない大豆の高騰が続く。コロナ禍による輸送の停滞、中国などでの大幅な需要の増加、ウクライナ情勢に円安と、その原因は複雑に絡み合う。豆乳製品の値上げも相次いだ。帝国データバンクが...鬼

  • ご意向

    流氷に乗り海豹のくる北の街りゅうひょうにのりあざらしのくるきたのまちぎぃーぎぃーと流氷の鳴く北の海海豹の子に聞かせる歌かも・・・・・・・・・・・「北朝鮮新型ミサイル試射」。11993年6月11日、本紙夕刊の1面トップ記事だ。「政府筋」の話として他紙も一斉に報じた。情報源は石原信雄官房副長官。後に本人が認めている。在任期間7年3カ月。官僚機構の頂点で7人の首相に仕えた石原氏は渋滞を避けるため電車通勤しており、毎朝、横浜市内の私鉄の駅で取材するのが首相官邸詰め番記者の日課だった。混雑する構内で「北朝鮮がミサイルを撃ったことを知っていますか」と突然切り出す。北朝鮮がミサイル開発に着手した初期段階。日本に影を落とし始めた危機を事実として国民に知らせることが必要だと考え、首相や官房長官には相談せず独断でリークした。...ご意向

  • ミャンマー

    流氷の原野広ごり海明けぬ敬虔な仏教国の権力者手放せぬ想いに呑みこまれたる・・・・・・・・・・・ミャンマーには130を超える民族が存在する。自治権や権益を巡る対立は英国植民地時代の分割統治に起因する根深い問題だ。独立から70年以上も内乱が続く国は世界に例がない。国軍の存在感を高めた要因は、そんな治安の不安定さだった。初代首相のウ・ヌーは収拾に失敗。その下野のたびに選挙管理内閣を任された国軍のネ・ウィン将軍はついにクーデターを決行する。1962年のことである。国民の間には国軍の政治介入を歓迎する空気すらあった。「ミャンマー政変」(ちくま新書)の著者北川成史さんは「議会制民主主義のつまずきは、国家の安定には自分たちのコントロールが必要だというメンタリティを国軍に与えた」と分析する。力の信奉は特権意識を育み、民主...ミャンマー

  • 君が代

    日脚伸ぶ雪の白さの変わるごと君が代はなんと素敵な歌だろう一人一人を大事にせよとは・・・・・・・・・・・忌野清志郎さんのパンク風「君が代」が物議を醸した時、評価したのが先日亡くなった民族派団体一水会の元代表鈴木邦男さんであった。国の愛し方は一つではない。むしろ上から強制して一つの型にはめる方が危ういというわけだ.君が代のメロディーには五つの試案があった。中には賛美歌風のものもあった。君が代や日の丸がなくても国は愛せる。戦渦の血で汚されたうしろめたさを持っているくらいの方がちょうどいいと、音楽家坂本龍一さんとの対談で話していた。血気盛んなころには抗議行動で逮捕されたこともあったが、筋を通す憂国の志だった。だから、国土を破壊する原発に反対し、人権の観点から慰安婦問題を論じた。むやみに敵対心をあおり、やたらと武力...君が代

  • 春を待つ

    ぎぃーぎぃーと流氷が鳴り春を待つ遙か沖一直線の流氷をオホーツク人は待ち焦がれをり・・・・・・・・・・・先週、日本列島は10年に一度という寒波に包まれた。道内でも列車の運休や航空便の欠航が目立ち、事故も多発した。被害を受けた方々にはお見舞い申し上げたい。大寒は過ぎても、節分までは寒の内。用心は怠れない。「たましひの繭となるまで吹雪けリ」斎藤玄。魂が繭の中に籠ろうとするほどの吹雪とは。函館生まれの俳人の句からは、北国に生きるものこそが抱く厳かな冬の感覚が伝わってくる。「繭」は本来夏の季語で、ふわふわとした温かいイメージが付随する。繭からつくられる絹織物は保温性と吸湿性に優れており、肌にも優しい。カイコのように繭に包まれぬくぬくと冬を過ごしたい。ただし、カイコの繭が暖房のためと考えるのは人間の勝手な解釈らしい。...春を待つ

  • ひゅーひゅーと風の口笛春を待つずっしりと重たき冬の風ばかり北風追い出す春風吹いて・・・・・・・・・・・林芙美子が代表作「放浪記」の原型となる「歌日記」をつけたのは100年前の関東大震災のころだった。広島の女学校を卒業後、恋人を頼って上京したが、裏切られて婚約を解消され、職を転々とした。そんな時に被災し、露天でおこわや餅を売ってしのいだ。絶望の中でもしたたかに生き抜いた経験が名作を生んだ。芙美子はパリ、ロンドンの滞在や従軍を経て、37歳の時東京・下落合に終の棲家を立てた。こだわったのは東西南北に「風の吹き抜ける家」にすることだった。現存する京風民家は、風の通り道が考え抜かれ、庭から入る風は縁側、台所、客間、書斎、アトリエを自由に吹き抜ける。陽光に乗って優しく行き渡る様は、市井の隅々に目を向け、地道に生きる人...風

  • 人口

    地球号襲われてをり厳冬期ちきゅうごうおそわれてをりげんとうき高齢化進む地球の人口は100億人にはならないらしい・・・・・・・・・・・1872(明治5)年1月29日に、日本初の全国戸籍調査が実施されたことにちなんで記念日が設けられております。当時の人口は男性:1,679万6,158人女性:1,631万4,667人の合計3,311万825人だったそう。ちなみに、総務省統計局が発表している2022(令和4)年7月確定値のデータでは総人口数:1億2,512万5千人男性:6,083万2千人女性:6,029万3千人となっております。・単位未満は四捨五入・2020(令和2)年実施の国勢調査による人口また、日本初となる戸籍制度は645(大化元)年に行われた大化の改新の時だとされており、年貢を徴収するため田畑の大きさととも...人口

  • 歌人実朝忌

    実朝忌かの歌今もあたらしきさねともきかのうたいまもあたらしき仄暗き鎌倉の地で果てた人紅顔なるを歌にて残す・・・・・・・・・・・源実朝は、鎌倉幕府を開いた源頼朝の子どもで、将軍にして、天性の歌人と言われました。その生涯は1192~1219年の28年間と短いものでした(建保7年1月27日忌)が、若いころに和歌に熱中、夢に啓発されて詠んだ短歌を神社に奉納するなど、天才を感じさせるエピソードもあります。源実朝の歌の特徴は3つあげられます。万葉調→藤原定家に師事した折に万葉集を贈られ、それを元に研鑽を積んだため、作品の多くが万葉調であるところが源実朝の和歌の特徴の一つです。例:大海の磯もとどろによする波われて砕けて裂けて散るかも本歌取り→万葉集だけではなく、その後の古今集、新古今集にも多くを学んでおり、それらの本歌...歌人実朝忌

  • 自然

    森の木も吹雪にさらされ眠りたるもりのきもふぶきにさらされねむりたる呑みこまん命無きものこの森にあった証も朽ちてゆくのみ・・・・・・・・・・・呑みこまれた文明人の心動かす自然の力高3岡田結稀僕はよく教室や家、車の窓から、外に広がる自然をぼおーっと見ています。この木はいつから生えているんだろう。この鳥はどこから来たんだろう。ここは元々何があったんだろうなどと想像するのが、とても楽しいです。悩んでいる時やつらい時には、これをすると気持ちが楽になります。知り合いに、木に抱きつくと木の声が聞こえるという人がいました。そこで僕も抱きついてみました。声は聞こえませんでしたが、何か優しいものに包まれている感覚になり、自分も自然の一部になったように思いました。とても落ち着いて心地よかったです。自然には特別な力があって、こん...自然

  • 洞察力

    閃きもとんと浮かばず風邪心地ひらめきもとんとうかばずかぜごこち謎だらけのドクターズドリルひも解いて見えないものも見たいと思う・・・・・・・・・・・会話において、何か隠していることほど危険なものはないよ。名探偵ポアロは相棒のヘイスティングズにそう告げた。アガサ・クリスティの代表作の一つ「ABC殺人事件」の一幕だ。会話は考えることを防げるための発明である。だからこそ、「人が隠そうと思っている事を発見するための誤りのない方法でもあるというわけだ」とポアロは言う。耳に心地よい語りには何かを隠そうとする意志が働いている。美辞麗句には気をつけよということだ。それはミステリーに限った話ではない。岸田文雄首相が表明した「異次元の少子化対策」の評判が芳しくない。施政方針演説では「次元の異なる」と修正したが、既存の枠を出ない...洞察力

  • 寒波

    空と海寒波襲いしオホーツクそらとうみかんぱおそいしおほーつく争ひの奥に蠢く気配あり極地は既に変りいるらし・・・・・・・・・・・今日から明日にかけて日本全国大寒波に襲われると報道されていますが、これに関しては北海道はどうなのかな~。マイナス10度台で大寒波なんてありえない。以前、寒波が北半球を襲い、ニューヨークが雪と氷にすっぽり覆われたという映画を見たことがありました。先日ロシアでもマイナス60数度になったとかの報道がありました。私の子供の頃、家の中の壁が白く凍っていたことを思い出します。窓ガラスも凍っていました。現在は気密性もよくなり、隙間風の入ることも無いですが、でも電気が使えない暖房が使えないとなったらと思うと怖いです。災害が起こったことを想定して、極寒の地での避難所の在り方とかの避難所宿泊演習をした...寒波

  • マイナス金利

    その奥に何か匿う冬の滝大高翔そのおくになにかかくまうふゆのたき政治家を好き嫌いだと選ぶなど君の人生他人に任すな・・・・・・・・・・・戦時中、海軍幹部としてインド洋の島に勤務した近藤道生さんは、旧友が率いる飛行隊が同じ島を出発し、サイパンで米軍の最新兵器に撃墜されたのを少し後で聞き、悔い悲しんだ。思い知ったのは国力や技術力の差だ。旧大蔵省に復員した近藤さんは1963年、財政面で軍部の暴走を許したことを大蔵省の「原罪」と断じ、心に刻むよう新入職員に訓示した。同年入省の米澤潤一さんが著書「日本財政を斬る」で紹介している。米澤さんは、歳入を借金に頼らないよう規定した財政法4条の背景に、軍事公債が戦争を招いた反省があると語る。「公債がないところに戦争はない」の言を引き、この条文が「憲法9条の裏書保証」だと訴える。古...マイナス金利

  • メメント・モリ

    熱燗をふと飲みたしと想ふなりあつかんをふとのみたしとおもふなり大嫌いと思えど君は私の師右往左往の私の思考・・・・・・・・・・・写真家藤原新也さんの代表作「メメント・モリ」(1983年)は国内外で撮影した人間の濃厚な息遣いと大地の深遠な営みを伝える作品に、生と死を鋭く問う文を添えた。「本当の死が見えないと本当の生も生きられない」や、インドで死体に群がる犬の写真に付けた「人間は犬に食われるほど自由だ」の言葉は有名だ。メメント・モリとは、「死を想え」を意味するラテン語。ペストの流行で生が刹那的、享楽的になった中世末期のヨーロッパで盛んに使われたという。東京の世田谷美術館で半世紀にわたる藤原さんの活動を回顧する展覧会が開催されている。コロナ禍で人が消えた街、東北の被災地、香港の民主化運動など近年追いかけたテーマか...メメント・モリ

  • 脳トレ

    曾孫の手いろはがるたにすっとのびひまごのていろはがるたにすっとのび字の読めぬ曽孫とかるた文字が邪魔絵だけ見て取る曽孫が一番・・・・・・・・・・・脳力トレーニング(略称:脳トレ)とは、脳機能や、記憶力、創造性、学習能力など、各種の知的能力を向上させるためのトレーニング法である。脳の老化を抑えるとも言われている。略して脳トレともいわれる。主な脳力トレーニング方法としては、コンピューターゲームのジャンルである脳ゲーやトレーニング用の書籍等が挙げられる。・・・・・・・・・・・今朝の新聞で「ドクターズドリル」の新聞広告を見た。一日一問を解くだけで・見落としやミスが減り、いろんなことがパッと思い出せる・5つの脳活性スイッチで脳を機能別に鍛える・不安や怒りが消え心が軽やか・苦手分野がわかり、集中的に高められ認知症予防に...脳トレ

  • シマエナガ

    大寒に雪の妖精和まるるだいかんのゆきのようせいなごまるるどうしたと言うが如きの其の仕草なんとかなるよ空も晴れてる・・・・・・・・・・・シマエナガは北海道に広く生息するスズメ目エナガ科エナガ属の亜種。体長の半分ほどある長い尾を入れても15センチに満たず、日本最小クラスの鳥だ。日本最小クラスが厳寒の北海道にいると言うのもおどろきですが、真っ白な羽毛は寒くなるほど羽の中に空気を入れてふくらむことから、一年で最も寒いとされる大寒の日が「シマエナガの日」として2019年に日本記念日協会に制定された。・・・・・・・・・・・正面から見ると真っ白な本当に小さくてかわいい小鳥です。雪の妖精とも呼ばれキュートな見た目が人気のシマエナガです。コットンのような見た目とつぶらな瞳のシマエナガを生で見てみたいという人も多いでしょう。...シマエナガ

  • 短歌

    木花咲く白き世界は白き花きばなさくしろきせかいはしろきはな凍れたつ枯れ木に咲ける木花かなほんわりと咲く日もありてしばれたつかれきにさけるきばなかなほんわりとさくひもありて・・・・・・・・・・・人々が集まって共通の題で歌を詠み、その歌を披講する会を「歌会」といいます。既に奈良時代に行われていたことは、「万葉集」によって知ることができます。天皇がお催しになる歌会を「歌御会うたごかい」といいます。宮中では年中行事としての歌会などのほかに、毎月の月次歌会つきなみのうたかいが催されるようにもなりました。これらの中で天皇が年の始めの歌会としてお催しになる歌御会を「歌御会始うたごかいはじめ」といいました。歌御会始の起源は、必ずしも明らかではありません。鎌倉時代中期、亀山天皇の文永4年(1267年)1月15日に宮中で歌御...短歌

  • 運転免許証返納

    竈猫免許返納悠悠とかまどねこめんきょへんのうゆうゆうと今日もまた高齢者の事故有りなむとテレビ放映横目で宥る・・・・・・・・・・・運転免許証の返納手続きについて、「やり方が知りたい!」と思う方もいますよね?警察庁の調べでは、75歳以上の死亡事故は2倍以上とされています。この記事では、運転免許証の返納手続きの方法を説明しています。運転免許証の返納手続きができる場所は、運転免許センターか警察署となります。地方によっては交番などでも返納を受け付けている地域もありますので、事前に近くの交番に問い合わせてみてください。持ち物は、運転免許証のみで大丈夫です。でも、返納手続きと一緒にやっておいたほうがよいことがあるんです。つづいて、2つのやるべきことを見ていきましょう。また、返納手続きと同時にやった方がよい2つのことも紹...運転免許証返納

  • 阪神淡路大震災

    オホーツクに凍える魚浜に上ぐおほーつくにこごえるさかなはまにあぐ寒烏どこからともなく現れてつかず離れずゴミ収集車・・・・・・・・・・・1995(平成7)年1月17日午前5時46分、兵庫県・淡路島北端を震源とする大地震阪神・淡路大震災が発生しました。震源:淡路島北部規模:マグニチュード7.2犠牲者:6,400人以上負傷者:4万3,100人以上の大地震は、震源となった兵庫県を中心に近畿圏の広域で未曾有の大被害を出すこととなりました…。大地震の影響から建物や道路などの瓦解、崩壊が各地で相次いだことで、その下敷きになってしまい亡くなった方も多く、また、水道管設備にも不順をきたし、火災の鎮火活動が行えなくなるなど、連鎖的被害が拡大してく悪循環も重なることになりました…。阪神・淡路大震災の影響で全壊、もしくは半壊した...阪神淡路大震災

  • 囲炉裏

    祖父のいる炉の火の燃ゆる土間の前そふのいるろのひのもゆるどまのまえSLの様に大きなストーブの昔話を聞き耳たてて・・・・・・・・・・・囲炉裏とはちょっと違うかも知れませんが、父方の祖父の家には広い土間があり、土間と家の間には仕切りが無くその間には大きな薪ストーブがありました。祖父はいつもそのステンレスの角型の大きなストーブの薪をくべる前に座って煙草をくゆらしていました。ストーブの周りはこの字型に、少し高くなっていてその周りには子供なら3-4人腰掛けるように並んでいました。まさに囲炉裏の周りに人が集まっている感じです。その時祖父からはご先祖様の事やいろんな昔話を聞いて育ちました。身体を動かしたいときは土間でパッチをしたり、ビール瓶の蓋をぶつけて遊んだりしていました。男の子が多かったのでそんな遊びが多かったので...囲炉裏

  • 小豆粥

    小豆粥すすりて今日の小正月あずきがゆすすりてきょうのこしょうがつストーブの蒸発皿がしゅんしゅんとまだ明けやらぬ北国の朝・・・・・・・・・・・日本においては、小正月の1月15日に邪気を払い一年の健康を願って小豆粥を食べる風習がある。この15日は望の日なので、望粥(もちがゆ)とも呼ぶ。また、雪深い東北地方や北陸地方では、1月7日の七草粥のかわりとして小豆粥を食べる地域もある。小豆が持つ赤色と稲作民族における呪術が結び付けられて、古くから祭祀の場において小豆が用いられてきた。日本の南北朝時代に書かれた『拾芥抄』には中国の伝説として、蚕の精が正月の半ばに糜(粥)を作って自分を祀れば100倍の蚕が得られるという託宣を残したことに由来するという話が載せられている。中国においては、古くは冬至の際に小豆粥が食せられた。後...小豆粥

  • どんど焼き

    厄除けを願いて空へどんど焼きやくよけをねがいてそらへどんどやき外国の気象の報に驚きぬ地球の気温何処も異常とつくにのきしょうのほうにおどろきぬちきゅうのきおんいずこもいじょう・・・・・・・・・・・正月に飾った門松や書き初めで書いたものを持ち寄って焼く行事で、古来より正月に出迎えた歳神様を炎とともに見送る風習が続いております。地域によっては門松等を燃やした火で餅や団子を焼いて食べると健康に良い焼け残った灰を持ち帰り、自宅の周囲にまくと病除けになる書き初めを燃やし、炎が高く上ると字が上手くなるなどなど、様々な言い伝えがあります。また、呼び方も地域によってはどんど焼きどんと祭さいの神才の神焼き歳の神と異なり、お焼きをする日も1月14日ではなく1月8日や1月10日だったりと割とまちまちになっております。(ダレトク雑...どんど焼き

  • ピース

    指二本ピースサインの寒きことゆびにほんぴーさいんのさむきこと人はみな神よりいで来還るのに戦争するは程遠きかな・・・・・・・・・・・1946(昭和21)年1月13日、高級たばこピースが発売されたことにちなんで、愛煙家たちが記念日に制定しております。発売当時は本数:1箱10本・価格:7円現在換算数万円とかなりの高級品だったにもかかわらず、東京・有楽町駅の販売店では販売開始から約1時間で1,000箱が即売り切れたほどの人気ぶりだったそう。また、購入は日曜・祝日に1人1箱だけに限られていたこともあり、煙草を吸うこと自体が一種のステータスにもなっていたとか。ちなみに、ピースのあまりの人気ぶりから当時パッケージに使用されていた紺色は、ピース紺として新たな色調に登録されております。(ダレトク雑学トリビアより)・・・・・...ピース

  • 人参

    熱いお茶ふうふうと云い事務始めあついおちゃふうふうといいじむはじめ十七美会百六年目事務始となみかいひゃくろくねんめじむはじめ・・・・・・・・・・・い(1)い(1)に(2)んじん】の語呂合わせと、2012(平成24)年1月12日に株式会社韓国人參公社ジャパンの設立記念パーティーが開かれたことにちなんで、同社が記念日に制定しております。にんじんが日本に伝承されたのは奈良時代の中期頃とされており、当時はとても貴重な輸入品とされておりました。江戸時代には健康マニアだった初代将軍・徳川家康が滋養強壮のため、にんじんの国産化を推奨したとの記録も残っており、にんじんを食べることによって得られる健康面での有用性は現在の科学的でも実証されております。ちなみに、徳川家康が推奨した際のにんじん国産化は失敗に終わります…。が、そ...人参

  • 免許証返納の日は雪なるかめんきゅしょうへんのうのひはゆきなるか北国で戦争したる長二人真白き雪を染めてなるまじ永禄11年1月11日、甲斐(現:山梨県)の武将・武田信玄たけだしんげんと交戦中だった越後(現:新潟県)の武将・上杉謙信うえすぎけんしんが(内陸地に位置していた)武田氏への塩の物流を(上杉氏を補佐すべく)今川氏や北条氏によって絶たれ、武田氏が困っていたことを知り、敵方にも関わらず武田方に越後の塩を送ったとの逸話があり、この話が敵に塩を送るという言葉の元になったことから記念日が制定されております。近年の研究では史実ではない可能性が高くなってきております…戦場では敵であったとしても、戦い以外のことが原因で勝敗が決まるのは望むところではないとの趣旨の解釈がなされておりますが、今日では争っている相手でも、争い...塩

  • 十日戎

    めでたき日母の生誕藪柑子めでたきひははのせいたんやぶこうじ世界中龍神様の宝船あちらこちらでに福を与えり七福神の一柱である戎えびす天(=えびす様)を祀る祭礼。十日戎は主に西日本地域が盛んで、商売繁盛を願って多くの人々が参拝し縁起物を飾った笹や熊手を授かるなど、祭り行事は各神社で例年1月10日から数日間行われております。特に大阪市にある今宮神社では、お賽銭に大金が飛び交うなど毎年100万人以上の参拝者が訪れており、全国の十日戎の中でも最も大きな賑わいとなっております。また、寺社などに参拝した際には戎様のご真言であるオン・インダラヤ・ソワカの御言葉を3回か5回、もしくは7回出来るなら声に出して、声が出せない場合は、落ち着いた心の中で唱えるとご利益が授けられると言われております。御真言は古代インドから効能がある言...十日戎

  • 一休さん

    アムールの便りを持って尾白鷲あむーるのたよりをもっておじろわしだいじょぶだ心配するな何とかなる一休さんに決められてホッとんちが利いたことで知られる一休さんから【いっ(1)きゅう(9)】の語呂合わせにちなんで1月9日に記念日が制定されております。一休さんは、名を一休宗純(いっきゅうそうじゅん)といい、室町時代中期に実在した臨済宗の僧でした。また、屏風の虎退治・このはし渡るべからずなどの逸話が紙芝居や絵本の題材としてよく取り上げられております。が、一休宗純に関するとんち話は、江戸時代の創作がほとんどとする説が有力とされており、実際の一休宗純に関しては修行を経て悟りを開くも、お寺からの認可証を捨ててしまう僧でありながら、70歳を過ぎて20代の女性と同棲するなどの記録が残っており、破天荒で自由奔放ながら、聡明な人...一休さん

  • 松明け

    松明けの頃に遊びし竹スキーまつあけのころにあそびしたけすきー何やかや知らない事の多かりし風習もある正月飾り松が明けました~お正月の話題になると必ずと言っていいほど出てくる「松の内」という言葉。周りが言うから耳にはしたことあるし、お正月の何かを表してるのは分かるから…と、はっきりした意味も分からず使っていませんか?まぁ~松の内を知らなくても、お正月はやってくるのですが…(笑)ただ、「松の内」ということは、期間を表していることなので、期間を間違えて恥ずかしい思いをしなくても良いように、この機会に正しいことを覚えておきましょう!「覚えておいて、損はない!」松の内の始まりは「元旦」です!松の内の終わりは、一般的には「1月7日」とされ、地域によっては「1月15日」になっています!※なぜ、地域によって違うのか?昔は、...松明け

  • 七草の節句

    令和の世フリーズドライの七草にれいわのよふりーずどらいのななくさにオホーツクは凍れる日々のこの季節芹もなずなも芽は出ておらず季節の節目に伝統的な年中行事を行う五節句のうちのひとつ。五節句人日(じんじつ)別名:七草の節句時期:1月7日食べ物:七草粥など上巳(じょうし)別名:桃の節句、ひな祭り時期:3月3日食べ物:菱餅、白酒など端午(たんご)別名:菖蒲の節句時期:5月5日食べ物:関東・柏餅など:関西・ちまきなど七夕(しちせき)別名:七夕たなばた(の節句)時期:7月7日食べ物:素麺など重陽(ちょうよう)別名:菊の節句時期:9月9日食べ物:栗ご飯、秋茄子など各節句とも元々旧暦で行われていたものをそのまま引き継いでおります。1月7日の人日じんじつの日には、主に七種粥を食べる風習があることから七草の節句とも言われてお...七草の節句

  • 2023年大吉日

    知床の峰より射ぬる初日の出しれとこのみねよりいぬるはつひので初ブログ出だし良ければすべて良し今年もよろしく目出度き日なり知床峰からの初日の出(我が家から)暦を元にした占いや風水学などでは為すこと全てに恩恵を授かる極上の吉日とされる天赦日てんしゃび:年間5〜6日と、何か始めた行いが成果として実を結びやすく、金運にも良いとされる一粒万倍日いちりゅうまんばいび:月ごとに4〜6日がありますが、上記2つの重なる日がその年によって2〜4日だけあります。2023(令和5)年は1月6日(金)・3月21日(火)・8月4日(金)の3日間が天赦日と一粒万倍日が重なる最も縁起の良い大吉日となっております。<labelfor="label93458">天赦日と一粒万倍日補足</label>そのため、・何か新しいことにチャレンジする...2023年大吉日

  • 霧笛

    霧笛鳴るおもいでの海冬烏むてきなるおもいでのうみふゆがらす青春の映画の中に吾もありて音も景色も甦るなり1879(明治12)年12月20日、青森・津軽海峡の本州側東海岸にある尻屋崎灯台に、日本で初めて霧笛むてきが設置されました。霧笛は霧の中でも航海中の船の安全を守るためのもので、設置当時は20秒おきに4秒間鳴らされておりました。ちなみに、尻屋崎灯台は現在有形文化財として登録されおり、日本の重要な建造物のひとつに数えられております。・・・・・・・・・・・昨日は札幌の丘珠空港から女満別空港まで帰ってきました。離陸してから上昇するまで雲の中で、こんな中で飛行機の運行が出来るなんて凄いな~と思いました、が空の運行は技術の進歩により大丈夫なようですね。それに比べて陸の上は目で確認することなどが重要になるようで、海の上...霧笛

  • 初飛行

    室飼いの越冬の蜂冒険すむろがいのえっとうのはちぼうけんす朝ドラの舞ちゃんが飛ぶ空の上飛行機好きの夢叶えたり1903(明治36)年12月17日、アメリカ・ノースカロライナ州キティホークの海岸にて、自転車製造業を営んでいた兄:ウィルバー弟:オーヴィルのライト兄弟が人類初となる動力飛行機の初飛行に成功したことにちなんで記念日が制定されております。ライト兄弟が制作したフライヤー1号での最初の飛行テストは、まず弟のオーヴィル氏が約12秒間の飛行に成功。続けて行われた4回目には兄ウィルバー氏の操縦で、走行時間:59秒飛行距離:約260mの記録を樹立。それまで多くの企業や個人によってフライト飛行は試されていたものの、失敗が続いており人類の長年の夢とされてきた空を飛ぶ技術の発表は、以後続いていく航空開発の大きな一歩となり...初飛行

  • 渋沢栄一の孫

    年のくれあなた任せに過ぎゆけリとしのくれあなたまかせにすぎゆけり母連れて老々介護の母子旅孫の婚礼酒杯を交す1875(明治8)年12月16日に、東京・王子で王子製紙株式会社の前身にあたる抄紙しょうし会社の工場が営業を開始したことにちなんで記念日が制定されております。抄紙会社は、実業家だった渋沢栄一しぶさわえいいち氏が大蔵省紙幣寮から民間企業として独立させたものでした。同氏は他にも第一国立銀行東京証券取引所理化学研究所など、多種多様な企業の設立・経営に携わり日本資本主義の父と称される人物で、2024(令和6)年から刷新される壱万円札の肖像となっております。「奇跡の対話渋沢栄一の孫とアイヌの母神」鮫島純子、宇梶静江著(藤原書店1,980円)日本の近代化への多大な貢献で知られる実業家、渋沢栄一(1840~1931...渋沢栄一の孫

  • モノトーン

    空までも単調なるや冬の色そらまでもたんちょうなるやふゆのみち冬至早や1週間後に迫り来て冬に入る人冬明けを待つ「モノトーンコーデ」などのように使う「モノトーン」という言葉。「モノトーン」とは、どのような意味の言葉でしょうか?ちょっと「モノトーン」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。「モノトーン」には次の意味があります。・色の配色が、単一色の濃淡・明暗で構成されること。特に、黒、白、グレーなどの無彩色だけで構成されているさま。(出典:精選版日本国語大辞典)「モノトーン」は色に関して使用されているイメージですが、「単調である」という意味もあるので、「モノトーンな反応」というようにも使えます。具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。・アナウンサーがニュースを読...モノトーン

  • 忠臣蔵

    年の瀬や水の流れの如くあれとしのせやみずのながれのごとくあれ松の葉の青きを見るは晴れやかに来る年の道青々とあり元禄15年12月14日に、赤穂浪士47人が吉良邸に討ち入りをし、主君の仇討ちを果たしたことにちなんで制定された記念日。新暦1703年1月30日「忠臣蔵の日」は、討ち入りの日四十七士討ち入りの日とも呼ばれております。<labelfor="label90819">忠臣蔵・かんたんな経緯</label>性格にちょっと難あり?と見られていた吉良上野介義央きらこうずけのすけよしひさに、ある日江戸城内で小馬鹿にされた播磨赤穂藩主浅野内匠頭長矩あさのたくみのかみながのり。浅野内匠頭は、それまでもちょくちょく吉良からモラハラまがいのことをされていたことへの鬱憤等も相まり、江戸城松之廊下で吉良に切りかかってしまいま...忠臣蔵

  • 双子

    星々の光に包まれ降誕祭ほしぼしのひかりにつつまれこうたんさい姉妹ないものねだりの吾なれど羨み心とうに捨て去り1874(明治7)年12月13日、双子が産まれた場合、先に産まれた方を兄・姉とするという太政官指令が発表されました。それまでは、同性の双子の場合、後に産まれた子を兄または姉とする男女の双子の場合、出生順関係なく男の子を兄とするなどの風習があり、また、以前は体重が重い方が健康と見なされる傾向があったため出生順や性別関係なく、少しでも体重の重い子を兄または姉とするなど、地域やその土地の慣習によって基準はバラバラでした。が、同政令によって双子が産まれた際の基準が初めて全国的に統一されることとなりました。双子が産まれた場合の兄弟姉妹の取り決めが国から出された12月13日は双子の日として記念日のひとつに制定さ...双子

  • 山の神様

    山の神祭は父の温もりややまのかみまつりはちちのぬくもりや山に入り葡萄の蔓のふらここで父も一緒に遊んでくれし大山津見神古くから日本では12月12日は山の神様の誕生日とされていました。林業の中でも、伐木造材(木を伐って、丸太を作る仕事)にたずさわる者は12月12日にはけっして山に入りません。なんせ、山の神様が山の木の本数を数える日として、山に入ることが禁止されているのです。この日に禁を破って山に入ると木の下敷きになって死んでしまうと言われています。日本の神様は普段は守り神なんだけど、たまに厳しいんですわ。林業における山神は、オオヤマツミと言われています。私が林業に従事した頃(昭和50年代)、伐採した木の梢端部(しょうたんぶ)を切り取った鳥総(とぶさ)を切り株にさして手を合わせていた伐木手のおじさんがいましたし...山の神様

  • 国際山岳デー

    もし山の空気吸うなと言われたら暮らせぬ地球あるやも知れぬ開発は持続可能にと言われども海山既に元に戻らじ国連総会で12月11日に記念日制定された国際デーのひとつ。国際山の日とも呼ばれる同記念日は、森林伐採や山の荒廃による動物生態系の変化自然環境破壊山村地帯への影響などの諸問題が深刻化していることを受けて、国際社会が山岳地域の環境保全と持続可能な開発について考えるための呼びかけが実施されております。加えて山岳地域や山村一帯の持続的発展の重要性も提唱しており、例年12月11日を中心とした前後の週には山岳地域への関心を高めるためのイベントなどが世界各地で開催されております。(ダレトク雑学トリビアより)山岳地帯の課題を考える国際シンポジウム黒部市山岳地帯の自然環境の保全や人々の暮らしの持続的な発展を目指して国内外の...国際山岳デー

  • 地球に感謝を!

    アニメから教えられをり年流るあにめからおしえられをりとしながるる同じ様に地球も生きてをりしかな逃げるが勝ちの身を守る術「地球がおかしい」と思ってしまう瞬間が増えているのは確かだ。私たちは「地球」というダイナミックな規模で「恐れ」を抱き、不安で心がいっぱいになる。そんな思考に変化をもたらすヒントを、東京大学名誉教授でもある矢作直樹先生が教えてくれた。※本記事は、矢作直樹:著『「死」が怖くなくなる50の神思考』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。今、多くの人が「地球がおかしくなっている」と感じているのではないでしょうか?たとえば地球の温暖化を例に考えてみましょう。地球は何万年という単位で、温暖化と寒冷化を繰り返しています。今はCO2が増えたので、地球が温暖化しているといわれていますが、実は寒冷...地球に感謝を!

  • 地球に感謝

    雪うすく化粧のごとく積もりたるゆきうすくけしょうのごとくつもりたる住まわせてくださることに手を合わす星降る夜に地球に神謝12月9日は「地球感謝の日」★あらゆる命の源である地球に感謝し、その思いを人に伝える日として、12月が一年の最後の月であることと「ちきゅう(9)」の語呂合わせにちなんで、青木稚華(あおきちはる)さんが制定しました。今回は、この「地球感謝の日」にちなんで地球の不思議に関する雑学を簡単にご紹介しちゃいます。そもそも地球ってどうやってできたのか?地球は完全な球体じゃない?海はどうやってできたの?地球の不思議、一緒にお勉強してみませんか?地球が生まれるきっかけになったのは、50憶年も前。星の大爆発が起きたとされています。その星のガスや塵が大きな渦となって集まり始めたのが発端。渦の中心に物質が集ま...地球に感謝

  • ジョン・レノン

    平和とふ鳩を飛ばして開戦日へいわとふはとをとばしてかいせんびレノン忌と開戦日とが重なりて平和を願う人々のあり1980年12月8日の夜、ビートルズのメンバーだったジョン・レノンが自宅前で銃撃され殺害されました。犯人はテキサス州生まれの元警備員マーク・チャップマンでした。マーク・チャップマンはなぜジョン・レノンを殺害したのでしょうか?全世界が深い悲しみに包まれたこの事件はどのようにして起きたのでしょうか?この記事ではジョン・レノンの死因や当日の行動、犯人マーク・チャップマンの動機や人物像を解説します。ジョン・レノンの死因は拳銃で銃撃されたことによる「出血性ショック」でした。ジョンは病院に搬送された時にはもう手遅れの状態で、医師たちが蘇生処置を試みましたがそのまま息を引き取りました。「出血性ショック」とはもとも...ジョン・レノン

  • クリスマスツリー

    聖夜なる言葉を聞きしクリスマスせいやなることばをききしくりすますクリスマス父の靴下ぶら下げて弟たちと夢みし夜や1886(明治19)年12月7日、神奈川・横浜の明治屋で日本初のクリスマスツリーが飾られたことにちなんで記念日が制定されております。総合輸入商として雑貨などの販売を行っていた明治屋が外国人船員のために、日本でもクリスマスツリーが楽しめるようにと飾ったものだそう。明治屋に飾られたクリスマスツリー自体は小さいものでしたが日本で新しい西洋文化に触れる機会を作ったことが大きな注目を浴び、連日多くの人が訪れたそう。以後、付近のデパート等の店先でもクリスマスツリーが飾られるようになり12月の中旬辺りからクリスマスツリーを飾る習慣が全国的に広まっていったとされております。ちなみに、一般家庭でもクリスマスツリーを...クリスマスツリー

  • 百科事典

    うろ覚え辞書引き安堵年の空うろおぼえじしょひきあんどとしのそらかしわでは柏手なのか拍手か漢字に直すも難しきかなかしわではかしわでなのかかしわでかかんじになおすもむずかしきかな1768(明和5)年12月6日、最古の英語辞典とされるブリタニカ百科事典の第1版が発行されました。ブリタニカ百科事典は、110人のノーベル賞受賞者5人のアメリカ合衆国大統領を含む、約4,000人以上にも及ぶ各分野の専門家の知を集めた事典で、表現的にも学術的にも高く評価された内容となっております。また、各時代の流れとともに掲載内容も増え、最先端の内容に更新されながら、今なお高い水準を維持しつつ編さんが続けられております。用語の違い辞典:言葉や単語の意味を説明事典:事象、事柄を説明日本には広辞苑・大辞泉がある。・・・・・・・・・・・私の若...百科事典

  • バミューダトライアングル

    荒海の吹雪なかなる航海やあらうみのふぶきなかなるこうかいや怖きこと右も左も上下さえ何も分からぬなすがままの世以前より、フロリダバミューダプエルトリコの3点を結んだ大西洋域では100を超える船や飛行機が行方不明になっている…と実まことしやかに言われており魔の三角海域または、バミューダトライアングルと呼ばれておりました。そんな中、1945(昭和20)年12月5日にバミューダトライアングルとされる海域内で訓練中だった米軍機が5機すべて突然消息を絶ってしまう事態が発生…。(フライト19事件)それまで同海域で遭難したと思われていた船や飛行機が主に個人や民間のものだったのに対し、軍機が行方不明になってしまったことは、バミューダトライアングルの信憑性を高める結果となり、この事件は瞬く間に世界へと広がりました。バミューダ...バミューダトライアングル

  • 予防注射

    バラの棘冬陽の中でやわらげりばらのとげふゆびのなかでやわらげり感染症流行る雪間の街なかに予防注射を待つ人数多1890(明治23)年12月4日、北里柴三郎きたざとしばさぶろう博士エミール・ベーリング博士の両氏が、破傷風とジフテリアの血清療法を発見したことを連名の論文で発表しました。血清療法菌体を少量ずつ動物に注射しながら血清中に抗体を生み出し、その抗体のある血清を患者に注射することで、体内に入った毒素を中和し無力化する治療法。近年ではインフルエンザ等の予防接種などに広く採用されております。ちなみに、北里柴三郎博士は日本の細菌学の父とも称されており、血清療法他にも当時不治の病とされていたペスト菌の治療法を発見するなど、日本近代医学の重要な礎を築いたひとりに数えられております。また、東大医科学研究所の前身にあた...予防注射

  • カレンダー

    愚痴までもさらっとこぼし師走入りぐちまでもさらっとこぼししわすいりスケジュール管理のつもりがいつの間に目標になる先々の日々明治5年11月9日、時の政府は「来る12月3日を明治6年1月1日とする」と宣言。この日から数えてわずか23日後に迫った突然の改暦に世間の混乱ぶりは想像以上のものでしたが、それ以後の日本は太陽暦を採用する諸外国との足並みを揃えることになり、文明国家の仲間入りを広く世界にアピールすることができました。あわせて、もうひとつの意義として、明治維新以後、逼迫していた政府財政の回復効果を狙ったという説もあります(閏月を含む2ヶ月分の人件費の削減)。さりとて、庶民の暮らしのなかでは改暦以降しばらくの間、大正、昭和に入るまで、まだまだ旧暦によるところが大でした。昭和22年の調査でも「新旧暦を併用して使...カレンダー

  • 原子力(原子炉)

    冬天の光の粒は平和へととうてんのひかりのつぶはへいわへと草木さえ脅威になるや侮らず自然に沿ひてお天道様も1942(昭和17)年12月2日、アメリカ・シカゴ大学に設置された実験用小型原子炉で、ウランの核分裂が持続的な連鎖反応に成功したことを受けて記念日が制定されております。原子炉は継続的に原子核反応を持続させるための装置のことで、中性子を放出しながら大きなエネルギーを発生させる核分裂反応は、発電所航空母艦潜水大型の軍用艦艇などに使用されている他、特に大都市などへの電力供給には大きな役目を担っております。また、原子炉は大きく分けて天然ウラン燃料炉濃縮ウラン燃料炉プルトニウム燃料炉トリウム系燃料炉の4タイプの原子炉が存在しており、日本では主にウラン型原子力発電所が稼働しております。しかし、核の危険性放射能災害の...原子力(原子炉)

  • いのちの日

    師走入りパーマかけたる媼ありしわすいりぱーまかけたるおうなあり老後でも老後楽しむ余裕あり今しか出来ぬ生き方もある厚生労働省が自殺予防活動の一環として12月1日に記念日を制定しております。精神的に追い込まれ、誰にも相談できずに1人で悩んでいる人たちのために、例年12月1日からの1週間は各地域ごとに無料の相談電話いのちの電話が設けられ、悩みや相談事に応じてくれております。誰にも言えない気持ち聞かせてください。日本いのちの電話連盟のホームページを参考にして下さい。※一人で悩まないで!・・・・・・・・・・・私は気持ちが落ち込んだ時など映画を見ます。今日は映画の日でもありますね。思い出の映画は「ドクトルジバゴ」大昔の映画です。ララのテーマ素敵でした!竹内まりあさんの「いのちの歌」の詩です。これはNHKの朝ドラの挿入...いのちの日

  • 隕石落下

    燃え尽きて火球と呼ばれし石塊は宇宙の記憶微塵も残さじもえつきてかきゅうとよばれしいしくれはうちゅうのきおくみじんものこさじらしい?1954(昭和29)年11月30日、アメリカ・アラバマ州に大きさ:18cm×13cm質量:約3.9kgの隕石の破片が落下しました。落下の際にアラバマ州タラディーガ郡シラコーガ近辺にあったホッジス家の屋根を突き抜けて地上に漂着。ホッジス家を貫いた隕石は、昼寝をしていたアン・エリザベス・ホッジス夫人をかすめ命に別状はなかったものの、左尻と左腕にひどい打撲を負ってしまいました…。隕石落下の出来事だけでなく隕石が直撃し、負傷者が出たことは当時世界中で話題となり、この隕石は夫人の名前を冠してホッジス隕石と名付けられました。また、落下してきた隕石が直撃、またはその余波で怪我を負ったり死亡し...隕石落下

  • 減塩の焼肉旨い冬温しげんえんのやきにくうまいふゆぬくし南北に長き日本の食圏や東日本は豚肉文化【いい(11)に(2)く(9)】の語呂合わせにちなんで、宮崎県のより良き宮崎牛づくり対策協議会が11月29日に記念日を制定しております。宮崎牛をアピールすることが記念日制定の目的とされており、同協議会では大相撲で優勝した力士に、宮崎牛1頭分を贈呈するなどの活動が行われております。<labelfor="label4822">関係者のオススメはA3らしい…</label>A5ランク等で言い表しているお肉のランクですが、関係者の間で使われる一種の業界用語的なもののため、専門家に言わせると「A5」だからすべてのお肉が美味しいという訳ではないそうです。ちなみに、意味としてはアルファベットは、牛一頭からどれだけ肉が取れたかを表...肉

  • 太平洋

    青き海見るたび思ふ知床の観光船の事故や悲しき地球儀の半分を占め太平洋日々新たなる海の恩恵地球の半分は太平洋のようです1520(永正17)年11月28日、ポルトガルの航海者フェルディナンド・マゼラン氏が、後にマゼラン海峡と命名される南米大陸南端の海峡を通過して太平洋へ出る航海に成功したことにちなんで記念日が制定されております。航海時には天候が良く波も風もさほどない穏やかな日が続いたため、マゼラン氏はこの海を平穏な海と表現したそう。そこから訳され「太平の海」の意味を持つ太平洋が名付けられたとされております。マゼラン氏はその後世界初となる船での世界一周を成し遂げ地球は丸いことを証明しました。「太」平洋と「大」西洋の違い<labelfor="label19408">太・平洋と大・西洋</label>「太平洋」は航...太平洋

  • カラ-ボックス

    三段の木箱の色に小春風さんんだんのきばこのいろにこはるかぜ昭和の世カラーボックス大流行令和の世には色は残らじ1967(昭和42)年に、深谷政男氏によって考案・命名された木製のカラーボックスが大ヒットしたことを受けて、インテリア用品等を扱う株式会社クロシオが同氏の誕生日となる11月27日に記念日を制定しております。同氏は、カラフルなプラスチック製品やおもちゃを見ていたある時、家具にもカラフルなものがあって良いのでは…!との発想から、大手紙メーカーの協力を得て色紙を薄いベニヤに貼って合板を作ったのがカラーボックスの始まりなのだそう。その後、幾度も改良が加えられ特殊加工で軽い木製三段ボックスのカラーボックスが製品として誕生しております。・・・・・・・・・・カラーボックス流行りましたね。どこの家でも一個くらいある...カラ-ボックス

  • 三島由紀夫事件

    短日の寺の鐘まで短かけりみじかびのてらのかねまでみじかけり短日に力を誇示す輩ども闇の中へと連れ込まれたり日本を代表する小説家劇作家随筆家評論家政治活動家皇国主義者にして、戦後の日本文学界を象徴する作家の一人であり、その作品はノーベル文学賞候補になるなど、海外でも広く認められた作家だった三島由紀夫みしまゆきお氏。そんな同氏が、1970(昭和45)年11月25日、憲法改正を訴えるため自ら主催する「楯の会」のメンバーと共に、東京・市ヶ谷にある陸上自衛隊東部方面総監部にて総監を人質にとり、自衛隊の決起を呼びかける一種のクーデターを起こしました。本館前に自衛官1,000人を集合させ、約10分間演説を行った直後、自ら割腹し命を絶つ結末に…。この事件は、日本社会に大きな衝撃をもたらしただけではなく、海外でも国際的な名声...三島由紀夫事件

  • ダーウィン

    猿は猿進化とならず冬に入るさるはさるしんかとならずふゆにいる生き延びるために型変え品を変え生物たちの策は進化し1859(安政6)年11月24日、イギリスの自然科学者で卓越した地質学者生物学者でもあったチャールズ・ダーウィン氏の著書『種の起源』が発行されました。原題『OntheOriginofSpecies』ダーウィン氏はこの著で全ての生物種が、共通の祖先から長い時間をかけて自然選択プロセスを経て進化してきたことを主張しており、生物は常に環境に適応するように変化し、種が環境に応じて分岐していくことで、多様な種が生じると説きました。一般的にダーウィンの進化論と呼ばれているこの説は当時考えられていた生物学の根本となる宗教的信念を否定することになったため、科学的なことだけでなく、宗教的・哲学的論争をも引き起こすこ...ダーウィン

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