もう少し、 ゆっくり成長してくれてもいいんだけどな。 これは、あるが11歳のお誕生日を迎えた喜びの言葉と共に綴ってあった、 あの頃の私の言葉です。 相変わらず目紛しく過ぎ行く日々だったけれど、 それでも、思えば随分、楽になったなと、 ふと、それまでの記憶を振り返った瞬間でした。 あの日の私は、 あるの成長に喜びながらも、ほんの少しだけ、 寂しいような、そんな複雑な気持ちを見つけたのでした。 あるは、あとどのくらい、 私たちと一緒に遊んでくれるのかなと。 もう少しゆっくりと、『今』を見ていたい。 あるが11歳のお誕生日を迎えた日は、 こっそりと、こんな感情を自分の中に見つけた日でもありました。