インターネット便利さの代償に私達は、悪魔の道具を手に入れてしまったのかもしれない。目に見えないバーチャルな世界のやり取りが、リアルな世界に紛れ込んでくる。どこまでが虚構で、どこからか真実なのか、もはやわからなくなってしまった。
ミニシアターを中心とした新作封切作品を多く紹介してます。あとは、歌舞伎をメインにした演劇の魅力。東京近郊のお散歩やお金を懸けないお洒落をお届けします。
『ベテラン』韓国映画の底力見せてくれます、現代社会の闇が深々と
インターネット便利さの代償に私達は、悪魔の道具を手に入れてしまったのかもしれない。目に見えないバーチャルな世界のやり取りが、リアルな世界に紛れ込んでくる。どこまでが虚構で、どこからか真実なのか、もはやわからなくなってしまった。
三十年前の自分が、この映画を見ていたら、何をやっているのかついていけなかっただろうな。そのくらい、ネットとその周辺の技術の進歩は、凄まじい。なんとか映画の内容にも現代ツールにもついていこうとするのですが、ふっともういいやとも思ってしまうのです。
映画『天国の日々』なんとも皮肉なタイトルと贅沢な映像美のアンバランス
贅沢という言葉しか浮かばない、こだわりの映像美に仕上げた作品『天国の日々』。でもどうしても『風と共に去りぬ』を思い出し比べてしまう。あまり意味のないこととは思いつつも、両作品に共通するのは、製作にたいするこだわりだろうか。
『ジェリーの災難』独居老人にふりかかる悲劇これからも増えるだろう
日本での特殊詐欺の被害額は、2024年度で約450億円。とんでもない数字だ、とくにお年寄りの被害が深刻だと、この映画を見ているとしみじみと思ってしまう。いつの時代もなくならないであろう詐欺、自分だけは大丈夫だと思わず、一人だけで大きな決断をしないことだ。
『教皇選挙』義人はいないと聖書では説いてますが、まさに地でゆく。
人間は、所詮どこまで行っても人間にすぎない、そんな言葉が聞こえてきそうな作品です。それでも前へ進まなければならない、決まらない教皇に監督の出した答えは、一つの方向性を示したのでは。
『ケナは韓国が嫌いで』想像だけど、生きづらい国なんだろうなとふと
ある意味モラトリアム映画だろうか、若いうちは大いにあっていいと思います。ただ、日本社会は、新卒カードという言葉があるように、やり直したり遠回りすると就職には不利になるのも確か、このあたりが難しいなと思うんだけど、選択はあくまでも本人だからな
『おん鳥の泣く前に』最初このタイトルの意味することが、わからなかった
ふとしたことで、今まで目をつむっていた不条理に我慢ならなくなるときがある。その時不条理に立ち向かうか、目をつむるか、そんな経験人生にありませんか。そこまで大げさではないけど、それに近いことはあるはず、そんな時にどんな行動と取るだろうか。
『みんな笑え』芸人の悲しさ、それは人間そのもの人間らしい笑いと涙
映画『みんな笑え』人間の弱さが、とことん描かれている、そこがいい、。本来人間は弱いものだから、そこを虚勢はって生きる人間のいかに多いことか。「皆さん肩の力抜きなさいよ」そんなセリフが、聞こえてきそうなとても素敵な作品、明日が開けてくる気分にさせてくれる。
松竹歌舞伎座二月大歌舞伎『壇浦兜軍記~阿古屋』もはや坂東玉三郎でこの芝居を見ることはできないだろうな、そう思っていたので、観劇できたのは幸せだった。一人の役者を50年見続けられたこと。そして、その役者の至高の芸に触れられたことに感慨深い。
『リアル・ペイン~心の旅~』大人になりきれない大人の物語に付きあう
ポーランドってなんて美しい国なんだろう、『リアル・ペイン心の旅』では、そう思ってしまう。旅を通じた大人になる旅なんでしょうか、子供のままで大人になってしまった40男のお話です。けっしてイスラエル人の過去の悲惨な歴史との関係を探ることのないように。
危険の増した現代社会『市民捜査官ドッキ』この真似はできないよな
映画『市民捜査官ドッキ』電話での詐欺に引っかかった女性のその後の奮闘が、すごい。実話に基づくというところが、さらに興味をます。できれば関わりたくない事案だ。だけどいつ自分がそうなるとも限らないのが、現代社会ネット社会の恐怖だ、ため息が出る。
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』 トランプの実像
人には、持って生まれた性分というものがある、それが、その後どう変化してゆくのか、そのきっかけとは。トランプは、不動産屋の小倅に生まれた、アメリカ経済の復興とともに彼は、のし上がった。誰と出会い、なにをなしてアメリカ大統領まで上り詰めたのか。
ーネタバレを含みますー『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』青年期特有の自らの万能感を持った、ちょっと変わった高校生。社会は、そんな甘くないよと、したり顔で言いたくはない。だって、自分だって似たような所通ったよな、そんな懐...
『お坊さまと鉄砲』本当の幸福ってなに、欲を捨てられればあるいは
ーネタバレを含みますー文明の発達は、必ずしも人間の幸福に結びつくわけではない『お坊様と鉄砲』、いや不幸にすることのほうが多いのでは、そう考えさせられる映画です。でも、もう後戻りはできないですよね、後は破滅に向かって急ぎ足でゆくか、足るを知る...
『アウトサイダー』コッポラの青春、あなたも同じですか違いますか。
フランシス・フォード・コッポラ『アウトサイダー』、アメリカの青春映画の定番的作品が、再編集版で上映されている。今も昔も多分変わらぬ青春の風景だと思いたいんだけど。今の人にはどう映るのかな。私の青春時代も映画の様にカッコイイわけではなかったですが。
韓国映画『地獄でも大丈夫』どこでもいじめの構図は、かわらない。
『地獄でも大丈夫』イジメの問題は、万国共通。人間が、集団で生きていく以上なくならない。そんな人間の悲しい習性を描きながらも、絶望的にならない。この映画は、二人のイジメられっ子少女の成長期、ふたりの明るさだけがこの映画の成功ではないだろうか。
映画『対外秘』汚職にまみれた政治の世界、どこにも正義がないのか
どうして政治の世界は、こんなにもの悪が大手を振って歩いてる、そんな感想が漏れてきます。いや、これは韓国のはなしだから、そうでしょうか、日本だってにたりよったり。利権の絡むところにはどうしたって危うい人間がたむろする。明日の日本と照らし合わせてみよう。
映画『クルージング』ゲイの世界を生々しく描いた、当時は斬新だった
1980年製作、公開当時は話題にはなったけど、興行的にはイマイチ。それもうなずける、今見ても、かなり過激な描写。男、男、男、そりゃアレルギー起こす人出るでしょう。それはさておき、内容は、十分鑑賞に耐えうる、人間の性の曖昧さと悲しさ、万国共通。
『THE NOVICE ノーヴィス』完璧を求める病に侵される
映画『NOVICE ノーヴィス』両極端という言い方あるけど、まさに人生を右か左かどちらかで、生きていこうとする映画。右もあるし左もあるし、上だって下だって、360度OKだということがわからない悲劇。心の自由を獲得する人生に意義があるのですが。
韓国映画『破墓』2024年韓国興行成績第一位だそうですが、どうかな
韓国映画『破墓パミョ』エンターテインメント作品なんだろうけど、どうも今ひとつ怨念のありどころがハッキリしない。年間興行成績第一位との触れ込みなんですが、それぞれの国民性の受け取り方で違ってくるのでは、『パラサイト』のような説得力を感じない。
『grace』タイトルから何が読み取れるだろう、ロシア南部の人生
映画『grace』酒でも飲む以外にはなんの楽しみもない国、とても失礼な言い方をするとそんな感想を持ってしまう。世界の超大国の一端をかつては担っていたその国は、実はこんなもんだった、これもまた失礼な言葉ですね。でも映画をみた正直な感想なんです。
『シビル・ウォー』説明の足りない映画、でもヒットしたんでしょ。
『シビル・ウォー』アメリカ分断の映画、本当に起こるとは思えないけど、かの国の亀裂は相当に深いんだろうなとは想像できる。二大政党による国家の舵取り、理想的なように思えて日本も目指したけど、果たしてどうかな。少数意見を組み上げることができない。
『Cloud』せどりなんてせこい生き方やめろ、私の考える映画評
映画『Cloud』非正規あるいは、正社員の世界とは違う階層で生きる人々の物語。格差社会の生み出したものなのだろうか、超氷河期世代からの弊害が生んだ労働者とその後の雇用形態のいびつさが浮かび上がる。この映画は、今の時代の異形な部分を感じさせる
映画『ヒットマン』いいのか悪いのか、倫理観のはっきりしない映画
『ヒットマン』前半は悪くないのですが、全体をコメディータッチで描くの、ストーリーからいって無理がありそう。主人公たちが、おおよそ掴みどころのない性格ならわかるのですが、どこか善人タッチで描かれると、後半の展開はいささか理解し難いと思ってしまう。
『密輸 1970』背景にある闇を真正面に見ると楽しめない娯楽作品
『密輸 1970』韓国映画で日本に紹介されるのは、ほとんどエンターテイメント昨品ばかりになってしまいました。韓国得意な分野ですしそこそこ集客がありますから。でも、もっと違った作品、韓国映画の多様な面も見てみたいのですが、なかなか紹介されません。
映画『サユリ』若者の幼稚化か私の老化か世代のギャプが同仕様もなく
映画『サユリ』館内は、八割の入、封切り最初の日に渋谷での鑑賞。当然若い人が八割、場違いとは言わないけど、なんとなく居心地が悪い。原作はコミックのようで、セリフにどこか軽さがつきまとう。しかし、下の隠語の連打はいただけない、小学生レベルだ。
『チルドレン・オブ・ザ・コーン』とうもろこしを受け入れよってどう
映画『チルドレン・オブ・ザ・コーン』子供の頃抱いていた、恐怖や残酷さ、そんなものが現実となったらどうなるか。スティーブン・キングの創作の原点は、そこにあるような気がしてならない。そしてキリスト教の教えと文化、まだ色濃く残っていたアメリカ社会。
映画『新宿鸚哥』あらゆる人を飲み込む街新宿、そこにはドラマがあり
映画『新宿鸚哥』かつて第二次世界大戦前まで「魔都」と呼ばれた街があった、それは「上海」。新宿はそんな「魔都」のもつ妖しい魅力を持った街、その街に生息する人々を題材に切り取った作品『新宿鸚哥』。さあどんな人間ドラマが繰り広げられるのだろう。
『ソイレント・グリーン』封切りから50年、懐かしさと切なさと。
映画『ソイレント・グリーン』50年前のアメリカ映画で、50年後の未来を想像して作られた作品。なにが当たっていて、なにがはずれているか、確かめながら見るのも面白い。でもそこにあるのは、夢とか希望とか持てない時代となおかつ生きてゆこうとする人間
『またヴィンセントは襲われる』不条理劇風ホラー、ワンちゃんが活躍
映画『またヴィンセントは襲われる』目と目が合っただけで襲われる。なかなかアイデアマンの作者だなと作りに関心させられるんですが、嘘かホントか、でも結構ラストまで引っ張られてしまう。思わず上手いと感心させてしまうラスト、芸達者なワンちゃんもいい。
映画『フォロウィング』時間軸のズレが見るものを困惑させる、迷作。
名前はよく聞くんだけど、旬の監督らしい「クリストファー・ノーラン」、その長編デビュー作『フォロウィング』とりあえず観ておこうなんて挑戦したんですが、『メメント』の監督だったとは後の祭り、IQ低空飛行の私には無理。熱狂的ファンにおまかせします。」
『エドガルド・モルターナ』ある少年の数奇な運命というには酷な話
映画『エルガガード・モルターナ』ある少年の数奇な運命と言うには、あまりにも信じがたい。だけどこれが、歴史の真実なのだと。宗教というのは、ときとして暴力的になるという見本のような作品。人間とは、本当に罪深いものである、だから信仰が必要。
現代中国を生きる若者、ワン・ビンの描く『青春』に集約される息使い
ドキュメンタリー『青春』。巨大マーケットを支える中国経済、そんな只中で歯車となって稼ぎまくる若者たち。ワン・ビンの捉えた彼らの日常とは、時代に社会に飲み込まれながらもしたたかに生きる若者たち。かつての日本もそうだった、そして彼らの行きつく先は
『オッペンハイマー』日本人として「原爆の父」と言われた彼を許せますか。
映画『オッペンハイマー』、「原爆の父」と呼ばれた彼の半生を描いた作品。原爆投下後の彼の贖罪など聞きたくもない。広島長崎で、投下の年だけで20万人以上がなくなっている、たった一度の爆弾投下で。その事実だけでいい、そのことの結論と判断は自分でする。
韓国映画『ビニールハウス』介護の現場は何処も同じ、解決策なんて?
映画『ビニールハウス』自宅における老老介護の現実が迫ってくる。みんな目をそむけがちな問題なんだけど、高齢化社会を迎えてそうも言ってられない。「半地下家族はまだまし」のキャッチコピーは、どこか的外れだ。介護の問題は、一人で抱え込まないこと。
『DOGMAN ドッグマン』いわれのない不幸、でも私は神のもとに
映画『DOGMAN ドッグマン』まさに映画でないと作れないストーリーなんですが、なぜか現実味と説得感がある。人生の不幸に見舞われたとき、どうにも行き場のない絶望感、どうします。そんな問に答えを出してくれるラストが素晴らしい。
映画『落下の解剖学』事故か殺人か自殺か、う〜んどっちでもいいかななんて無責任な声が聞こえてきそうな映画。まあ世の中で最も多い殺人の例が、夫婦間という統計もありますので。ただ、鑑賞中も感情移入できないのは、私的世界に終止するからでしょうか。
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』悲しくもおかしい人間らしい生き方
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』豊かな国日本に出稼ぎに来る女性たち。知っているようで、知らない彼女たちの本音。そんな?の部分を探求する一人の大学生。ほぼ実話だそうですが、国も違えば習慣も違う、いろんな苦難を乗り越えて若い二人の進む道はいかに。
韓国映画『梟』時代劇として可もなく不可もなし。まあ時間に余裕があれば
『梟』主人公は、盲目の鍼師、だけど暗闇ではかすかに見える、このあたりが謎解きの付箋なんですが、物語がありきたりで、お茶の間時代劇の域をでない。わざわざ時代を遡ってセットにもお金をかけて、そこに人間の性が映されないと、無駄な出費に担ってしまう
映画『罪と悪』あんまり悪人出てこないんですけど、どうなのこの題名
映画『罪と悪』題名に映画の内容が負けているな、人間の原罪にでも迫るのかなんて期待したのですが、出てくるのは悪ぶっても善人ばかり。ラストの処理もいただけない。限られた時間と予算の中で、とりあえず作品にしてみました的なもどかしさしか残らない。
『ほかげ』戦争とは、ただグロテスクで残酷で醜いもの、それ以外ない
映画『ほかげ』地味な作品なんだけど、その作品創りには敬意を評したい。先の大戦からまもなく百年近くが経とうとしている。喉元すぎれば暑さを忘れ、そんな言葉が頭をよぎる。大戦の経験者の証言もめっきり減ってしまった。また過ちを繰り返すのだろうか。
『ジャンプ・ダーリン』ドラッグクイーンこの分かりづらい設定の意味
映画『ジャンプ・ダーリン』ドラマ的高揚感もないままに、ラストに突入してゆく。この映画は一体何を言いたいのだろう、そう考えてしまう。つまりこの映画は、私小説なのだ、だた自分に起きたことを時系列に並べただけ。そう考えると納得もできるのだが。 結
『コンクリート・ユートピア』『パラサイト』の呪縛から抜け出せない韓国映画
『コンクリートユートピア』あいも変わらず、コテコテの人間のエゴイズムがテーマ。そろそろ韓国映画のこのパターンも食傷気味。『パラサイト』で頂点を極めたのですから、そろそろ違った方向の作品を見たいもの、ただ韓国映画界にその柔軟さがあるかどうか。
『PERFECT DAYS』成熟した社会での一つの生き方のヒント
『PERFECT DAYS』成熟した社会のおとぎ話でしょうか。ヴィム・ベンダースの一つの提案、年寄りはこの映画を見ると自分の今後はこれでいいやと思うのですが、若い人には物足りないでしょうね。消費は美徳という時代を経験して到達した生活ですから。
『トーク・トゥ・ミー』降霊やっていいか悪いか、やらないほうが無難
映画『トーク・トゥ・ミー』よくできている。作り話と切り捨ててしまえば、それまでですが、そうとも言えないんですね人間にとって、降霊、口寄せ、霊媒という、死者にお伺いを立てる行為は、大昔からあったこと。さあ、どんな結末が待っているか、ご覧あれ。
『ファースト・カウ』ケリー・ライカートが描く西部、繊細な感性が光る
映画『ファースト・カウ』、アメリカインディーズ映画シーンでは、欠くことのできない女性監督、ケリー・ライカート。繊細でこまやかで、いままでのアメリカ映画では感じることのない人間の息遣いが伝わってくる。彼女の描き出すアメリカに興味が尽きない。
アキ・カリウスマキの描く恋愛『枯れ葉』ピュアに生きる中年の恋
映画『枯れ葉』夢を追いかけるには、歳をとりすぎた、そんなことより日々の生活に追われて手一杯。そんな、どこにでもいそうな男と女。ただ、共通点は、独身で孤独なことか。互いに惹かれ合うのもそんな孤独感を共有するからか。互いに惹かれ合いながらすれ違
『バッド・デイ・ドライブ』 映画は、工夫とアイデアで面白くなる
映画『バッド・デイ・ドライブ』程よい上映時間と肩の凝らない内容、娯楽作品のお手本のような作品。かと言って内容がないわけではない、小道具と使った展開は、納得させられるし、至るところに、アイデアと工夫がされていて、映画はこうでなくてはという見本。
映画『首』題名からして、ピンとこなかったけれど、観客の反応ももう一つ
北野武監督の考える戦国時代劇『首』、時代をリードしてきた北野監督も御年76歳、まだまだやる気があるのはわかりますが、そろそろ円熟期に入った作品が見たかったのですが。まだまだ時代の先端でいたいようですね。この人らしいと言えばそれまでですが。
映画『モナリザアンドザブラッドムーン』シリーズ化もありの傑作かも
『モナリザアンドザブラッドムーン』期待しなかった映画が、意外とツボにはまってた時って、なんか得した気分になりますよね。精神病院から脱走した少女が、弱者の味方となって大暴れ、まるでありえないんだけどなんだか共感してしまう、そんな不思議な映画。
映画『理想郷』夢に見た田舎暮らしの愚かしさの教科書のような作品
のんびりと田舎暮し、子供をのびのび育てよう。そんなキャッチフレーズに、だまされてませんか。あこがれと現実は、当たり前ですが違います。戦後民主主義は、人間味な平等だと説きます、まずそこを疑ってみましょう、そうでないとこの映画のような悲劇が。
『キラーオブザフラワームーン』ディカプリオは、適役だったか。
これぞ映画の本道『キラーオブザフラワームーン』、マーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ、レオナルド・ディカプリオの真剣勝負。映画はこうでなくちゃって思うのは私だけでしょうか。でも、小手先のごまかしも奇をてらった演出もない、いいですよね。
奇想天外映画祭2023『子供たちをよろしく』、1980年代のアメリカシアトルという大都会なのに、これがアメリカの現実なんだなと、いまだって基本的には国のありかたはそんなに変わらない。そうアメリカに対する幻想を打ち砕いてくれる作品だと思う。
大森一樹という監督がいました。今あの時代をふりかえる国立アーカイブ
『ぴあフィルムフェスティバル2023』国立アーカイブのおなじみのイベント、映画好きにはバイブル的便利な情報誌だった「ぴあ」いまも電子版が、ホソボソと営業しているんですが、かつての70~80年代のサブカルチャーをリードしていた面影はなくなって
映画『ダンサーインPARIS』なんかできすぎたお話と思うのは私だけ
フランスは、自由の国なんて思ってしまうのですが、なんと言ってもフランス革命から始まる自由主義発祥の地とも。でもね、実際には、家柄を重んじるお国、いくらお金持ちでもだめ。そんな中でのバレエのプリマドンナのお話。額面通りには受け取れないのですが。
映画『スイート・マイホーム』家を建てるのは、お金持ちのすること。
映画『スイート・マイホーム』念願かなってマイホームを手に入れる。その人にとっては人生の一大イベントですね。しかし、そこには大きなリスクがあることをユメユメお忘れなく。いろんなリスクを一つの出来事にまとめた作品でしょうか、持ち家なんてやめまし
『福田村事件』都合のいいように変えられる、都合の悪い過去を消し去る
まさに、人間の愚かさが凝縮したかのような映画『福田村事件』。出来事は、関東大震災の大正期だけど、いまだってたいしてかわらない。人間の本質なんて今も昔も同じだ。だから、同じ過ちを繰り返さないためには、過去の出来事の正しい認識が必要となる。
早稲田大学劇研 新人試演会 枠の中から飛び出せない管理された若者
自由を叫びながら自由ではない、自由を希求するのは昔も今も若者の特権か。早稲田大学劇研新人試演会で、そう感じた。自由は、自分と向き合うことでしか手に入らない、孤独と自分探し、これはセットだ。ただ、管理された大学、空間でそれは叶わぬ夢でしかない。
人生は楽しいレゲエが教えるノーテンキの魅力、真似したくてもできない
人生は楽しむためにあるんだ、そう言いたげに聞こえるレゲエミューシック。映画『ルードボーイ』にはそんなメッセージが詰まってる。日本から遠く離れたアフリカの音楽でありながら、センレイされた形に変化してまたたく間に世界に広がったレゲエミュージック
映画『イノセンツ』子供が純真なんて幻想は、早く忘れたほうがいい。
北欧発サイコスリラー『イノセンツ』、子供が純真なんて、誰が言ったのだろう。そんな言葉が、聞こえてきそうな作品です。それは、ある意味真実です。あくまで、大人になる手前の存在なのだと。ただ、大人にならずに子供のままだと、それはそれで問題なんですが。
映画『覇王別記』間違いなく20世紀を代表する作品の一つ、私的には
映画『さらば我が愛/覇王別記』そのスケール、激動の中国近代史中で、京劇役者として必死に生きる主人公。そして、決してみのることのない愛。すべてが悲しいのだけど、ひたむきに生きる人間だけが到達できる境地をみせてくれる。人間のはかなさ、弱さを見せつけられる。
映画『クロース』だれでも、少年時代に似たような経験が、あるはず。でも。大人になるにつれて、そんな気持ちが、あったことさえ忘れてしまう。ただ、生きてゆくことだけに貪欲なだけでいいのだろうか。こんな少年時代のピュアな心のかけらでもあれば、人生は豊かに。
映画『アシスタント』エリート新入社員の見たものは、夢と現実の残酷
映画『アシスタント』アメリカのエリート社員の現実とは、高額の報酬にあわせて、そのストレスは、そうとうなもの。これは、しかたがない、本人がそれを望んだのだから。ただ、パワハラ、セクハラとなるとその判断は難しい。犯罪でない限りその境界は曖昧だから。
スピルバーグも、自らの人生を振り返る歳になったんだな。『フェイブルマンズ』それでも映画人の悲しさ、自らの素材さえドラマにしてしまう。事実はどうあれ、一人の大監督の自伝捉え、鑑賞するのも一考。映画の輝いていた時代を生きた最後の監督とともに。
物事には度を越したものが存在する。そんな思いを改めて感じさせる映画『テリファー終わらない惨劇』、怖いもの見たさもわかりますが、ほどほどに、一歩手前で、やめとくほうが余韻が残るもの。そんなコチラの気持ちを逆なでするようにラストまで、血しぶきのオンパレード。
『To Lesile トゥ・レスリー』落ちるところまで落ちたシングルマザー
なにかの統計であったように思うのですが、高額宝くじに当たった人の実に6割が6年後に自己破産している。映画『To Lesile トゥ・レスリー』は、運命のいたずらに翻弄されて落ちるとことまで落ちた人間の物語。アメリカのプアホワイトがここにも出てくる。
『カード・カウンター』ポール・シュレイダー マーティン・スコティッシュ
映画『カード・カウンターポール・シュレイダー マーティン・スコティッシュ コンビの登場となるとどうしても『タクシードライバー』を連想して期待を膨らませてしまう。しかし、時代は変わったと痛感してしまう、そうアナログの時代からデジダルの時代。
『七月大歌舞伎』猿之助一座の崩壊の始まり歌舞伎自体も消え去る運命
市川猿之助の騒動で俄然注目を浴びる歌舞伎『七月大歌舞伎公演』に行ってきた。騒動の注目度もあったためだろう、満席で盛況であったけど、中身がそれに見合っているとは思えない、もちろん見たのは、昼の澤瀉屋一門の舞台だけだけど、暗雲たちこめる歌舞伎界。
映画『怪物』タイトルで惹きつけておいて内容は純文学パムドールでも
映画『怪物』カンヌでパムドゥールでもよかったよね、全部の参加作品見たわけではないけど、少年期の細やかな心の動きや切なさが痛いほど伝わってくる。だから題名も含めて直球勝負でも良かったよね、複雑な時代背景を盛り込んだあたりがしょうがないのかな。
映画『波紋』市川猿之助も抱えた絶望、実はその原因は介護にあるのでは
映画『波紋』絶望に落ちた主婦のとった道は、この映画を見ると市川猿之助さんと重ねてしまう。猿之助さんの絶望は何だったのか、親の介護の負担が大きかったのではないか、そんな思いが強い。主婦が新興宗教にすがりついたのも大いに納得する。彼女には救いだった
香港映画『縁路はるばる』まるで自由そのもの中国共産党が大喜びする
香港映画『縁路はるばる』は、香港映画の新しい流れとして好意的に日本では受け入れられているようですが、私には、中国政府のご機嫌取りに思えて仕方ない。確かに恋愛ラブコメディーの形を借りて香港の魅力を伝えているのだが、この地域は、もっと複雑なはず。
『ソフト/クワイエット』ワンショットで見せるスピード感とアメリカ
映画『ソフト/クワイエット』人の妬みほど恐ろしいものはない、それが、全国民の中でひとかたまりで存在する社会アメリカ。米国に限らずどこでも存在するのですが、こうもはっきりと目に見える形で存在する社会も珍しい。憧れだけで語れない米国の現実。
『私、オルガ・へプナロヴァー』狂気の沙汰は、「秋葉原通り魔事件」
『私、オルガ・へプナロヴァー』繰り返す連続無差別殺傷事件、その事件の代表例だろうか、そんな行為に至ってしまう主人公の心情を冷静な目で追ってゆく作品。肥大化した自己愛のなせる技の怖さを特とご覧あれ、悲しいけど歴史は繰り返すし、今後もなくならない
映画『帰れない山』社会とは何故か折り合えない、そんな方に送る作品
映画『帰れない山』自分が何がやりたいかわからない方、やがて何処かにたどり着くのでしょうがそんな主人公と少年時代の友人の二人のその後。自分探しの到着点はどうなったのか、頑固な友人の無骨な生き方と合わせて、人生の一部を垣間見る思いです。
古くて新しい「文楽」元禄時代にタイムスリップできます紛れもない芸術
江戸時代にタイムスリップする楽しみが歌舞伎にはあった、まるで目の前に江戸時代が広がった。お客を呼ぶがために超歌舞伎やアニメとのコラボで江戸時代のテイストは壊れてしまった。もう歌舞伎役者に期待はできない、残されたのは頑ななまでの伝統維持の文楽。
映画『オオカミ狩り』心臓の弱い方と食事前の方はやめたほうがいいかも
残酷シーンの得意な韓国バイオレンス『オオカミ刈り』、まさにこれでもかとおぞましシーンのてんこ盛り、終いにはなれてしまうという感覚の麻痺を覚える作品。ただ、残酷なだけだとつまんないだけど、そんなことはお構いなしに血しぶきを撒き散らしながらラストまで
おしゃれな街パリを舞台に『パリタクシー』最高の人生をあなたに
「川の流れのように」という歌がある、人生が川の様に流れてしまっては、何も残らないのではと。映画『パリタクシー』はまさに、人生は積み重なるものだとつくづく感じさせてくれる。そうその積み重なった人生を振り返るのは、最後の最後でいいのだ、そこまでは、ただ走り続けて。
『高速道路家族』う〜ん『万引き家族』の二番煎じか、いやそんなことは
『万引き家族』が高い評価を得るんだけど、ホントかなと思ってしまう。日本社会もう少しマシだよと。『高速道路家族』は二番煎じ感は否めないけど、出口のない韓国社会の閉塞感から来る不条理を描き出したところが優れている。
『レッド・ロケット』元ポルノスター男優の奮戦記アメリカの格差社会
日本にはかつて「食い詰め者」という言葉があった。映画『レッド・ロケット』の主人公もそういうことなんだろうけど、一発逆転を狙っている。アメリカ社会の下層からのメッセージなんだろうか。なにか悲しものを感じてしまうのは、私だけだろうか。
『聖地には蜘蛛が巣を張る』なんとも直訳的題名、中身はピカイチです
中東イスラム圏の複雑な女性蔑視『聖地には蜘蛛が巣を張る』、鬼才アリ・アッバシは、娼婦連続殺人事件を題材にイスラム圏の女性の地位、社会の問題をあぶり出した。病める心と大義とその境界の危うさを思うとき、何が正しいのか。社会の抱える病巣は深い。
『KNOCK終末の訪問者』こうも聖書解釈がいい加減な作品は問題外
見てる者をある程度納得させないと、ただ独りよがりになってしまう。作者が、聖書をどう理解しようが勝手ではあるけれど、どこをどう解釈したらこのような作品になるのか。あるいは、作者の狙いはあくまでも聖書を素材として新たな物語を構築しようとしたのか。
『青春弑恋(せいしゅんしれん)』台湾映画の新星透明感としなやかさ
印象派の絵画のような映像、ショパンの「ノクターン」なかなか憎い演出。アジア的であり日本的でもある繊細な描写が印象的だ。西洋文化とは明らかに一線を画すそんな世界を見事に映し出してくれた。登場人物ひとりひとりに寄り添えるそんな時間を共有できる。
『トリとロキタ』アフリカ難民を待ち受ける現実辛、ここまで来たのに。
『ある子供』『少年と自転車』のダンテンヌ兄弟の最新作『トリとロキタ』ヨーロッパにおけるアフリカ難民の過酷な現実を少年と少女の絆を中心に描いてます。カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を取ったそうですが、話の展開には少々無理がある気がしてならな
『雑魚どもよ、大志を抱け!』子供時代と重なり合わせられるかが鍵。
少年を描くときアメリカではこんな息子がいたらと思わせるそんな役作りをするそうで。そういう意味ではこの作品は合格点なんですが、でもそれは、作られた子供像で。過去の名作と言われる作品は、弱い立場の子供のもつ切なさが描かれているかが鍵なのですが。
『マッシブ・タレント』ニコラス・ケイジ主演と言われてもピンとこない
ニコラス・ケイジの実生活とも重なる『マッシブ・タレント』、ケイジのファンなら楽しめるかな。大スターということなんですが、自分は名前ぐらい知ってますよって程度だったんで。作品を見ても、それほど彼の演技やお話の内容にものめり込めず、佳作でしょうか。
おくゆきを感じない時代劇『クモとサルの家族』そこが狙いなのか
わかりやすさとスピードそして手短に、映画『サルとクモの家族』はそんな現代を意識した作品なのだろうか、まあ形だけの時代劇に比べたら挑戦的ではあるんだけど。昭和の映画黄金期を過ごしたものには、映画のさまがわりを感じざる負えない、映画の多様性と考えよう。
『オットーという男』年老いて孤独になったあなたどう生きてゆきます
誰でも人生の終焉は訪れる、そこで老年を迎えた人にかならず訪れる「孤独」という問題。普段は、考えないよね、いや考えたくないからわざと意識下に仕込めているだけ。でも向き合わざる負えなくなった時どうしたら、そんなことを考えておくのも必要なんです。
『エブエブ』なぜこの映画がアカデミー賞を受賞したのかわからない。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』この長ったらしい題名と同じくらい、映画の中身も叫びたくなるほど退屈だった。なぜ、この作品がアカデミー賞なのかも理解できないし、多分私の頭が、現代の思考についていけなくなったのだろう。
映画『オマージュ』韓国の女性の地位が見えてくるこの困難さは日本も
映画『オマージュ』韓国映画には珍しい落ち着いた作品。女性監督による先輩女性監督の足跡をたどる工程を丹念に描いている。そこは、女性の細やかさが出ていて、作品に独自の柔らかさをもたらしている。声高に叫ぶわけではないのだがそこがまたいい味を出している。
映画『エンパイア・オブ・ライト』期待はさせるのですが、果たして
イギリス映画には庶民を描いた秀作が多い。その系譜を期待して『エンパイア・オブ・ライト』を見たのですが、力が入った作品であることはわかるのですが、もう一つ深堀してほしかった。なんとなく上滑りをして終わってしまっているように思えてならないのですが。
映画『二十歳の息子』ゲイの男性が二十歳の男の子を養子にする。
映画『二十歳の息子』イスラム世界では、美少年を養育して面倒を見るという習慣がある。特に有名なのが、アフガニスタン。そう簡単に言えば少年愛なのである。そんな図式ならこの映画も理解できるのだけど、製作者の意図はそうではないらしい、不自然さを抱いてしまう。
映画『Sin Clock』言い得て妙な題名 罪の時計 原罪ですね
一発逆転を狙う、どんな手を使っても 映画『Sin Clock』はそんなはかない夢を見させてくれる。そういい子でいる必要なんてどこにもない、ただ社会からはみ出さないために装っているだけ。そんな我々小市民の欲望を満たしてくれる作品。
『コンパートメントNO.6』に見て取れる、快適な旅とはの必要条件
映画『コンパートメントNO.6』カンヌ国際映画祭グランプリの宣伝文句が効いたか。新宿のミニシアターは、週末満席続出。しかし、惑わされないでください、駄作ではないですが、それほどの秀作ともおもえないのですが、見る人にもよりますが要注意。
沖縄旅行、ほろ苦い経験だけ残して去ってゆく、これも旅なんだろうな
旅の失敗それは、あるあるなことなんですが、いざ自分がとなると楽しい旅もブルーに。全国旅割を使っての沖縄旅行いいことばかりではありませんでした。それも含めて旅ということなんでしょうが、後悔ばかりが残ります。残念な旅でした、何年か後にはいい思い
全国旅割で『沖縄に』もちろんピーチを使っての旅です。コスパ優先
人気の沖縄移住、圧倒的に失敗のケースが多いのはなぜだろう。沖縄に限らず移住を安易に考えないほうがいい。全国旅割を使っての沖縄旅行から見えてくる現実は、あくまでも旅として楽しむぶんには楽しいところなんですが。皆さんはどうお考えになりますか。
『YUMIN MUSEUM』で失われた時を求められる、それは高度成長期から続いた日本の好景気に裏打ちされた幸福感の共有。しかし、もうその時代は終わった。これから私達は何処に向かおうとしてるのだろうか、その方向性は未だ見えてこない今を生きる。
『シャドウプレイ完全版』中国バブルに翻弄される欲、欲行きつく先は
拝金主義がなぜ悪い、『シャドウ・プレイ』でロー・イエは、そんな中国の本音をむき出しにして見せてくれた。さすが、政府の手前、悪が成敗される形にはなっているけど、誰もそんなことは信じない。欲望国家のむき出しの生き様を突きつけてくる、目が話せない。
韓国映画『非常宣言』に見る道連れ自殺と巻き込まれる危険と不条理
韓国映画『非情宣言』コロナ禍の現在、ウイルスを使ったテロ行為というなかなかいいところに目をつけた作品ですが、ちょっと上映時間が長すぎた。過ぎたるは及ばざるが如しとでもいいますか、映画製作は難しいなと感じさせます。緊張がラストまで持続せずが残念
日本映画『ファミリア』低予算、やっつけ仕事的作り方を随所に感じる
テレビドラマなら我慢しよう、それを映画スクリーンで料金を払ってみる悔しさ。映画『ファミリア』はそんな煮えきらない思いを引きずったままラストまで。これで、いいんだろうか日本映画、出演役者が可哀想そんな声が聞こえてくるのは、私だけだろうか。
『ドリーム・ホース』田舎の退屈さに活性剤を!馬主になるとどうなるの
人生に「ボンウィル/胸の高鳴り」を感じて生きて行けたら。映画『ドリーム・ホース』はそんな夢を見させてくれる。だけど、そこは何処か不安な要素もあるのは確か。競走馬の共同馬主、勝ちを目指す世界だから、そこをどうやってのりこえてるのかな。
「ブログリーダー」を活用して、髪結新三さんをフォローしませんか?
インターネット便利さの代償に私達は、悪魔の道具を手に入れてしまったのかもしれない。目に見えないバーチャルな世界のやり取りが、リアルな世界に紛れ込んでくる。どこまでが虚構で、どこからか真実なのか、もはやわからなくなってしまった。
三十年前の自分が、この映画を見ていたら、何をやっているのかついていけなかっただろうな。そのくらい、ネットとその周辺の技術の進歩は、凄まじい。なんとか映画の内容にも現代ツールにもついていこうとするのですが、ふっともういいやとも思ってしまうのです。
贅沢という言葉しか浮かばない、こだわりの映像美に仕上げた作品『天国の日々』。でもどうしても『風と共に去りぬ』を思い出し比べてしまう。あまり意味のないこととは思いつつも、両作品に共通するのは、製作にたいするこだわりだろうか。
日本での特殊詐欺の被害額は、2024年度で約450億円。とんでもない数字だ、とくにお年寄りの被害が深刻だと、この映画を見ているとしみじみと思ってしまう。いつの時代もなくならないであろう詐欺、自分だけは大丈夫だと思わず、一人だけで大きな決断をしないことだ。
人間は、所詮どこまで行っても人間にすぎない、そんな言葉が聞こえてきそうな作品です。それでも前へ進まなければならない、決まらない教皇に監督の出した答えは、一つの方向性を示したのでは。
ある意味モラトリアム映画だろうか、若いうちは大いにあっていいと思います。ただ、日本社会は、新卒カードという言葉があるように、やり直したり遠回りすると就職には不利になるのも確か、このあたりが難しいなと思うんだけど、選択はあくまでも本人だからな
ふとしたことで、今まで目をつむっていた不条理に我慢ならなくなるときがある。その時不条理に立ち向かうか、目をつむるか、そんな経験人生にありませんか。そこまで大げさではないけど、それに近いことはあるはず、そんな時にどんな行動と取るだろうか。
映画『みんな笑え』人間の弱さが、とことん描かれている、そこがいい、。本来人間は弱いものだから、そこを虚勢はって生きる人間のいかに多いことか。「皆さん肩の力抜きなさいよ」そんなセリフが、聞こえてきそうなとても素敵な作品、明日が開けてくる気分にさせてくれる。
松竹歌舞伎座二月大歌舞伎『壇浦兜軍記~阿古屋』もはや坂東玉三郎でこの芝居を見ることはできないだろうな、そう思っていたので、観劇できたのは幸せだった。一人の役者を50年見続けられたこと。そして、その役者の至高の芸に触れられたことに感慨深い。
ポーランドってなんて美しい国なんだろう、『リアル・ペイン心の旅』では、そう思ってしまう。旅を通じた大人になる旅なんでしょうか、子供のままで大人になってしまった40男のお話です。けっしてイスラエル人の過去の悲惨な歴史との関係を探ることのないように。
映画『市民捜査官ドッキ』電話での詐欺に引っかかった女性のその後の奮闘が、すごい。実話に基づくというところが、さらに興味をます。できれば関わりたくない事案だ。だけどいつ自分がそうなるとも限らないのが、現代社会ネット社会の恐怖だ、ため息が出る。
人には、持って生まれた性分というものがある、それが、その後どう変化してゆくのか、そのきっかけとは。トランプは、不動産屋の小倅に生まれた、アメリカ経済の復興とともに彼は、のし上がった。誰と出会い、なにをなしてアメリカ大統領まで上り詰めたのか。
ーネタバレを含みますー『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』青年期特有の自らの万能感を持った、ちょっと変わった高校生。社会は、そんな甘くないよと、したり顔で言いたくはない。だって、自分だって似たような所通ったよな、そんな懐...
ーネタバレを含みますー文明の発達は、必ずしも人間の幸福に結びつくわけではない『お坊様と鉄砲』、いや不幸にすることのほうが多いのでは、そう考えさせられる映画です。でも、もう後戻りはできないですよね、後は破滅に向かって急ぎ足でゆくか、足るを知る...
フランシス・フォード・コッポラ『アウトサイダー』、アメリカの青春映画の定番的作品が、再編集版で上映されている。今も昔も多分変わらぬ青春の風景だと思いたいんだけど。今の人にはどう映るのかな。私の青春時代も映画の様にカッコイイわけではなかったですが。
『地獄でも大丈夫』イジメの問題は、万国共通。人間が、集団で生きていく以上なくならない。そんな人間の悲しい習性を描きながらも、絶望的にならない。この映画は、二人のイジメられっ子少女の成長期、ふたりの明るさだけがこの映画の成功ではないだろうか。
どうして政治の世界は、こんなにもの悪が大手を振って歩いてる、そんな感想が漏れてきます。いや、これは韓国のはなしだから、そうでしょうか、日本だってにたりよったり。利権の絡むところにはどうしたって危うい人間がたむろする。明日の日本と照らし合わせてみよう。
1980年製作、公開当時は話題にはなったけど、興行的にはイマイチ。それもうなずける、今見ても、かなり過激な描写。男、男、男、そりゃアレルギー起こす人出るでしょう。それはさておき、内容は、十分鑑賞に耐えうる、人間の性の曖昧さと悲しさ、万国共通。
映画『NOVICE ノーヴィス』両極端という言い方あるけど、まさに人生を右か左かどちらかで、生きていこうとする映画。右もあるし左もあるし、上だって下だって、360度OKだということがわからない悲劇。心の自由を獲得する人生に意義があるのですが。
韓国映画『破墓パミョ』エンターテインメント作品なんだろうけど、どうも今ひとつ怨念のありどころがハッキリしない。年間興行成績第一位との触れ込みなんですが、それぞれの国民性の受け取り方で違ってくるのでは、『パラサイト』のような説得力を感じない。
映画『またヴィンセントは襲われる』目と目が合っただけで襲われる。なかなかアイデアマンの作者だなと作りに関心させられるんですが、嘘かホントか、でも結構ラストまで引っ張られてしまう。思わず上手いと感心させてしまうラスト、芸達者なワンちゃんもいい。
名前はよく聞くんだけど、旬の監督らしい「クリストファー・ノーラン」、その長編デビュー作『フォロウィング』とりあえず観ておこうなんて挑戦したんですが、『メメント』の監督だったとは後の祭り、IQ低空飛行の私には無理。熱狂的ファンにおまかせします。」
映画『エルガガード・モルターナ』ある少年の数奇な運命と言うには、あまりにも信じがたい。だけどこれが、歴史の真実なのだと。宗教というのは、ときとして暴力的になるという見本のような作品。人間とは、本当に罪深いものである、だから信仰が必要。
ドキュメンタリー『青春』。巨大マーケットを支える中国経済、そんな只中で歯車となって稼ぎまくる若者たち。ワン・ビンの捉えた彼らの日常とは、時代に社会に飲み込まれながらもしたたかに生きる若者たち。かつての日本もそうだった、そして彼らの行きつく先は
映画『オッペンハイマー』、「原爆の父」と呼ばれた彼の半生を描いた作品。原爆投下後の彼の贖罪など聞きたくもない。広島長崎で、投下の年だけで20万人以上がなくなっている、たった一度の爆弾投下で。その事実だけでいい、そのことの結論と判断は自分でする。
映画『ビニールハウス』自宅における老老介護の現実が迫ってくる。みんな目をそむけがちな問題なんだけど、高齢化社会を迎えてそうも言ってられない。「半地下家族はまだまし」のキャッチコピーは、どこか的外れだ。介護の問題は、一人で抱え込まないこと。
映画『DOGMAN ドッグマン』まさに映画でないと作れないストーリーなんですが、なぜか現実味と説得感がある。人生の不幸に見舞われたとき、どうにも行き場のない絶望感、どうします。そんな問に答えを出してくれるラストが素晴らしい。
映画『落下の解剖学』事故か殺人か自殺か、う〜んどっちでもいいかななんて無責任な声が聞こえてきそうな映画。まあ世の中で最も多い殺人の例が、夫婦間という統計もありますので。ただ、鑑賞中も感情移入できないのは、私的世界に終止するからでしょうか。
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』豊かな国日本に出稼ぎに来る女性たち。知っているようで、知らない彼女たちの本音。そんな?の部分を探求する一人の大学生。ほぼ実話だそうですが、国も違えば習慣も違う、いろんな苦難を乗り越えて若い二人の進む道はいかに。
『梟』主人公は、盲目の鍼師、だけど暗闇ではかすかに見える、このあたりが謎解きの付箋なんですが、物語がありきたりで、お茶の間時代劇の域をでない。わざわざ時代を遡ってセットにもお金をかけて、そこに人間の性が映されないと、無駄な出費に担ってしまう
映画『罪と悪』題名に映画の内容が負けているな、人間の原罪にでも迫るのかなんて期待したのですが、出てくるのは悪ぶっても善人ばかり。ラストの処理もいただけない。限られた時間と予算の中で、とりあえず作品にしてみました的なもどかしさしか残らない。
映画『ほかげ』地味な作品なんだけど、その作品創りには敬意を評したい。先の大戦からまもなく百年近くが経とうとしている。喉元すぎれば暑さを忘れ、そんな言葉が頭をよぎる。大戦の経験者の証言もめっきり減ってしまった。また過ちを繰り返すのだろうか。
映画『ジャンプ・ダーリン』ドラマ的高揚感もないままに、ラストに突入してゆく。この映画は一体何を言いたいのだろう、そう考えてしまう。つまりこの映画は、私小説なのだ、だた自分に起きたことを時系列に並べただけ。そう考えると納得もできるのだが。 結
『コンクリートユートピア』あいも変わらず、コテコテの人間のエゴイズムがテーマ。そろそろ韓国映画のこのパターンも食傷気味。『パラサイト』で頂点を極めたのですから、そろそろ違った方向の作品を見たいもの、ただ韓国映画界にその柔軟さがあるかどうか。
『PERFECT DAYS』成熟した社会のおとぎ話でしょうか。ヴィム・ベンダースの一つの提案、年寄りはこの映画を見ると自分の今後はこれでいいやと思うのですが、若い人には物足りないでしょうね。消費は美徳という時代を経験して到達した生活ですから。
映画『トーク・トゥ・ミー』よくできている。作り話と切り捨ててしまえば、それまでですが、そうとも言えないんですね人間にとって、降霊、口寄せ、霊媒という、死者にお伺いを立てる行為は、大昔からあったこと。さあ、どんな結末が待っているか、ご覧あれ。
映画『ファースト・カウ』、アメリカインディーズ映画シーンでは、欠くことのできない女性監督、ケリー・ライカート。繊細でこまやかで、いままでのアメリカ映画では感じることのない人間の息遣いが伝わってくる。彼女の描き出すアメリカに興味が尽きない。
映画『枯れ葉』夢を追いかけるには、歳をとりすぎた、そんなことより日々の生活に追われて手一杯。そんな、どこにでもいそうな男と女。ただ、共通点は、独身で孤独なことか。互いに惹かれ合うのもそんな孤独感を共有するからか。互いに惹かれ合いながらすれ違
映画『バッド・デイ・ドライブ』程よい上映時間と肩の凝らない内容、娯楽作品のお手本のような作品。かと言って内容がないわけではない、小道具と使った展開は、納得させられるし、至るところに、アイデアと工夫がされていて、映画はこうでなくてはという見本。