映画『オッペンハイマー』、「原爆の父」と呼ばれた彼の半生を描いた作品。原爆投下後の彼の贖罪など聞きたくもない。広島長崎で、投下の年だけで20万人以上がなくなっている、たった一度の爆弾投下で。その事実だけでいい、そのことの結論と判断は自分でする。
ミニシアターを中心とした新作封切作品を多く紹介してます。あとは、歌舞伎をメインにした演劇の魅力。東京近郊のお散歩やお金を懸けないお洒落をお届けします。
『聖地には蜘蛛が巣を張る』なんとも直訳的題名、中身はピカイチです
中東イスラム圏の複雑な女性蔑視『聖地には蜘蛛が巣を張る』、鬼才アリ・アッバシは、娼婦連続殺人事件を題材にイスラム圏の女性の地位、社会の問題をあぶり出した。病める心と大義とその境界の危うさを思うとき、何が正しいのか。社会の抱える病巣は深い。
『KNOCK終末の訪問者』こうも聖書解釈がいい加減な作品は問題外
見てる者をある程度納得させないと、ただ独りよがりになってしまう。作者が、聖書をどう理解しようが勝手ではあるけれど、どこをどう解釈したらこのような作品になるのか。あるいは、作者の狙いはあくまでも聖書を素材として新たな物語を構築しようとしたのか。
『青春弑恋(せいしゅんしれん)』台湾映画の新星透明感としなやかさ
印象派の絵画のような映像、ショパンの「ノクターン」なかなか憎い演出。アジア的であり日本的でもある繊細な描写が印象的だ。西洋文化とは明らかに一線を画すそんな世界を見事に映し出してくれた。登場人物ひとりひとりに寄り添えるそんな時間を共有できる。
『トリとロキタ』アフリカ難民を待ち受ける現実辛、ここまで来たのに。
『ある子供』『少年と自転車』のダンテンヌ兄弟の最新作『トリとロキタ』ヨーロッパにおけるアフリカ難民の過酷な現実を少年と少女の絆を中心に描いてます。カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を取ったそうですが、話の展開には少々無理がある気がしてならな
『雑魚どもよ、大志を抱け!』子供時代と重なり合わせられるかが鍵。
少年を描くときアメリカではこんな息子がいたらと思わせるそんな役作りをするそうで。そういう意味ではこの作品は合格点なんですが、でもそれは、作られた子供像で。過去の名作と言われる作品は、弱い立場の子供のもつ切なさが描かれているかが鍵なのですが。
『マッシブ・タレント』ニコラス・ケイジ主演と言われてもピンとこない
ニコラス・ケイジの実生活とも重なる『マッシブ・タレント』、ケイジのファンなら楽しめるかな。大スターということなんですが、自分は名前ぐらい知ってますよって程度だったんで。作品を見ても、それほど彼の演技やお話の内容にものめり込めず、佳作でしょうか。
おくゆきを感じない時代劇『クモとサルの家族』そこが狙いなのか
わかりやすさとスピードそして手短に、映画『サルとクモの家族』はそんな現代を意識した作品なのだろうか、まあ形だけの時代劇に比べたら挑戦的ではあるんだけど。昭和の映画黄金期を過ごしたものには、映画のさまがわりを感じざる負えない、映画の多様性と考えよう。
『オットーという男』年老いて孤独になったあなたどう生きてゆきます
誰でも人生の終焉は訪れる、そこで老年を迎えた人にかならず訪れる「孤独」という問題。普段は、考えないよね、いや考えたくないからわざと意識下に仕込めているだけ。でも向き合わざる負えなくなった時どうしたら、そんなことを考えておくのも必要なんです。
『エブエブ』なぜこの映画がアカデミー賞を受賞したのかわからない。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』この長ったらしい題名と同じくらい、映画の中身も叫びたくなるほど退屈だった。なぜ、この作品がアカデミー賞なのかも理解できないし、多分私の頭が、現代の思考についていけなくなったのだろう。
映画『オマージュ』韓国の女性の地位が見えてくるこの困難さは日本も
映画『オマージュ』韓国映画には珍しい落ち着いた作品。女性監督による先輩女性監督の足跡をたどる工程を丹念に描いている。そこは、女性の細やかさが出ていて、作品に独自の柔らかさをもたらしている。声高に叫ぶわけではないのだがそこがまたいい味を出している。
映画『エンパイア・オブ・ライト』期待はさせるのですが、果たして
イギリス映画には庶民を描いた秀作が多い。その系譜を期待して『エンパイア・オブ・ライト』を見たのですが、力が入った作品であることはわかるのですが、もう一つ深堀してほしかった。なんとなく上滑りをして終わってしまっているように思えてならないのですが。
映画『二十歳の息子』ゲイの男性が二十歳の男の子を養子にする。
映画『二十歳の息子』イスラム世界では、美少年を養育して面倒を見るという習慣がある。特に有名なのが、アフガニスタン。そう簡単に言えば少年愛なのである。そんな図式ならこの映画も理解できるのだけど、製作者の意図はそうではないらしい、不自然さを抱いてしまう。
映画『Sin Clock』言い得て妙な題名 罪の時計 原罪ですね
一発逆転を狙う、どんな手を使っても 映画『Sin Clock』はそんなはかない夢を見させてくれる。そういい子でいる必要なんてどこにもない、ただ社会からはみ出さないために装っているだけ。そんな我々小市民の欲望を満たしてくれる作品。
『コンパートメントNO.6』に見て取れる、快適な旅とはの必要条件
映画『コンパートメントNO.6』カンヌ国際映画祭グランプリの宣伝文句が効いたか。新宿のミニシアターは、週末満席続出。しかし、惑わされないでください、駄作ではないですが、それほどの秀作ともおもえないのですが、見る人にもよりますが要注意。
沖縄旅行、ほろ苦い経験だけ残して去ってゆく、これも旅なんだろうな
旅の失敗それは、あるあるなことなんですが、いざ自分がとなると楽しい旅もブルーに。全国旅割を使っての沖縄旅行いいことばかりではありませんでした。それも含めて旅ということなんでしょうが、後悔ばかりが残ります。残念な旅でした、何年か後にはいい思い
全国旅割で『沖縄に』もちろんピーチを使っての旅です。コスパ優先
人気の沖縄移住、圧倒的に失敗のケースが多いのはなぜだろう。沖縄に限らず移住を安易に考えないほうがいい。全国旅割を使っての沖縄旅行から見えてくる現実は、あくまでも旅として楽しむぶんには楽しいところなんですが。皆さんはどうお考えになりますか。
『YUMIN MUSEUM』で失われた時を求められる、それは高度成長期から続いた日本の好景気に裏打ちされた幸福感の共有。しかし、もうその時代は終わった。これから私達は何処に向かおうとしてるのだろうか、その方向性は未だ見えてこない今を生きる。
『シャドウプレイ完全版』中国バブルに翻弄される欲、欲行きつく先は
拝金主義がなぜ悪い、『シャドウ・プレイ』でロー・イエは、そんな中国の本音をむき出しにして見せてくれた。さすが、政府の手前、悪が成敗される形にはなっているけど、誰もそんなことは信じない。欲望国家のむき出しの生き様を突きつけてくる、目が話せない。
韓国映画『非常宣言』に見る道連れ自殺と巻き込まれる危険と不条理
韓国映画『非情宣言』コロナ禍の現在、ウイルスを使ったテロ行為というなかなかいいところに目をつけた作品ですが、ちょっと上映時間が長すぎた。過ぎたるは及ばざるが如しとでもいいますか、映画製作は難しいなと感じさせます。緊張がラストまで持続せずが残念
日本映画『ファミリア』低予算、やっつけ仕事的作り方を随所に感じる
テレビドラマなら我慢しよう、それを映画スクリーンで料金を払ってみる悔しさ。映画『ファミリア』はそんな煮えきらない思いを引きずったままラストまで。これで、いいんだろうか日本映画、出演役者が可哀想そんな声が聞こえてくるのは、私だけだろうか。
『ドリーム・ホース』田舎の退屈さに活性剤を!馬主になるとどうなるの
人生に「ボンウィル/胸の高鳴り」を感じて生きて行けたら。映画『ドリーム・ホース』はそんな夢を見させてくれる。だけど、そこは何処か不安な要素もあるのは確か。競走馬の共同馬主、勝ちを目指す世界だから、そこをどうやってのりこえてるのかな。
『死を告げる女』精神科の領域で勝負する作品、無意識の持つ意味と危険
韓国ホラー『死を告げる女』人間の無意識下に押し込まれたドロドロが、意識下の行動を支配する。それが、いい方向なら問題ないのですが、それでは映画にならない。描き方は、少々古臭い感は否めませんが、無意識下の引き起こす問題の恐ろしさを垣間見る作品。
『atBaywalk-ベイウォーク-』困窮老人のサバイバル自己責任か
笑うなら笑え、俺たちは生きている。そんな叫び声が聞こえてきそうな『atBaywalk-ベイウオーク-』。フィリピンの裏路地の困窮邦人、結末は見たあなたが判断して。粂田剛監督の渾身の作品間違いなく一見の価値あり。大人しく生きるだけが人生ではない。
映画『離れ離れになっても』高校の同窓会って本当に楽しいですか。
幼いときの仲良しグループ、その後離れ離れになってそれぞれの人生を歩みその後は、相まみえることはない。これが自然で、お互いにとってもいいことなんですが。それでは、映画としてドラマにならない、そんな発想からでしょうか、人生のままならぬことを再確認。
『少年たちの時代革命』香港返還から13年、中国化の進む香港の苦悩
まさに自らのアイデンティティの確立とでも言ったらいいのか。『少年たちの時代革命』は、時代の大きなうねりの中で、自らの確立の戦いである。中国化の波に抗う少年たちの姿は、危なっかしいくもあり、厳しい現実との戦いを勝ち抜こうとしてもがいている。
『ケイコ目を澄ませて』目を澄ませて見ていられず、思わず寝落ち。
『ケイコ目を澄ませて』大ヒットの評判に満席の劇場に、意に反して気がつくと不覚にも寝落ち。澄ませての題名が皮肉にも聞こえてしまう。静かな映像と淡々としたドラマ、盛り上がりを感じることもなく、気がつけばエンディングロール、まさか終わりじゃないよね。
『アダミアニ 祈りの谷』東京ドキュメンタリー映画祭 グランプリ作品
東京ドキュメンタリー映画祭2022、昨年のグランプリ作品『なれのはて』が良かったので今年もと期待したのですが、『アダミアニ祈りの谷』は今日的国際テーマとでもいいますか、ちょっと肩透かしをくらったかんじでした。説明的部分がもっとほしいです。
映画『ホワイトノイズ』この作品が成功したところは、死というテーマ
『ホワイトノイズ』死というテーマを皮肉交じり切り取って見せた作品。なかなかやるなというのが、正直な感想。重たい課題をあえて日々の生活の中の疑問にしたところが、この作品の成功したところでしょうか。キリスト教国のアメリカ人でさえ悩んでいるんです
『MEN同じ顔の男たち』過ぎたるは及ばざるが如し誰もついていけない
『MEN同じ顔の男たち』その難解さは、見るものを圧倒する。なんて、ちょっと大げさですが、わかりにくい作品です。それはもうおそらく製作者でないと理解できないのでは、なんて思ってしまいます。ただ、私の理解力が足りないだけなのでしょうが、お願いわかりやすい作品作って。
アメリカンドキュメンタリーの金字塔「セールスマン」1960年作。
ミッドセンチュリーのアメリカに憧れた子供の頃。しかし、その実態は、そうでもなかったみたい。映画『セールスマン』から見えてくるのは、生活に四苦八苦する庶民の姿と、なおそこに高額な聖書を売り込もうとするセールスマンの姿、何処か滑稽だ。
「旅割」で箱根に、かつて日本は世界経済の牽引車だった時期もあった。高度成長期、バブル期を過ぎ、下り坂に入った日本経済。今はどうだと考えると、かつての預金、蓄積を使い果たしたのが、本音では。「旅割」にも十分な予算が取れない、もうその力が残ってないのである。
せわしない旅割使って「箱根強羅」にそれでものんびりしたい矛盾
どうせやるならもっとしっかりとやれと叫びたくなる旅割。それでも、低所得の小生はなんとかして制度使っての温泉旅行。ケチくさい政府に振り回されながらも楽しんできました。何故か、ゆとりとか本当の余暇とか頭の中を駆け巡ります。この国は本当に貧しい。
冬のソウルを詩人の眼差しで語る『夜明けの詩』決して万人受けしない
ーネタバレを含みますー忙しさにかまけて、人生をふりかえることなどする暇もない。映画『夜明けの詩』は、人生をかえりみることで、明日が見えてくる。そんな、4つの物語に耳を傾けてみる。元旦という、普段とは異次元の時間と空間が、この映画を見るタイミ
映画『宮松と山下』記憶をなくした男の心の彷徨、その行きつく先は。
映画『宮松と山下』お騒がせ男、香川照之主演。一連の騒動はさておき、純粋に作品を鑑賞しましょう。伝統的日本映画の流れをくむ映像処理、時間を見据えるカメラ。ひとつひとつにこだわりが感じられます。記憶をなくした男は、なくした自分を取り戻せるのか。
『覗き屋』他人のスマートフォンって何がはいってるんでしょうね
映画『覗き屋』あくまでもフィクションの韓国大統領の私生活ですが、よく作れたなと感心してしまいます。それとスマホという私達の生活に欠くことのできなくなったツールの二面性を上手く作品に活かしています。便利さと引き換えの危険性この命題との付き合いは避けられない。
絶叫!コンポヨンファ(공포영화 )フェスティバル2022その2
B級映画には、それなりの楽しみ方がある。作る側は、アイデアで勝負してきているのだから、多少の作りの雑さは目をつぶって下さいと言うことに。以上のお約束を守れるなら、『コ死:デスロワイヤル』はそれなりに楽しめます。韓国社会の歪みを垣間見る思い。
催眠療法、まだ一般的には馴染みのない治療法ですが、精神科の領域ではおなじみの治療法。そんな、催眠という手法を使って、人間の無意識の中になにか植え付けられたら、モチーフとしては面白いのですが、ちょっと話ができすぎているのでは、あくまでもフィクション。
ドキュメンタリー・ドリーム・ショー ―山形in東京 2022―
上司に女性がいる、そんな会社はまだまだ少数派の日本。本当に先進国なのだろうか、怪しいものだ。ドキュメンタリー『夜明けに向かって』は、イスラム教国パキスタンでの女性地位向上を勝ち取ろうとする運動を丹念に追ってゆく。日本では見られない運動だ。
『冬の旅』ホームレス少女、フランスで大ヒットでも日本ではうけない
人間誰しも楽をして生きていたいもの、そう考えるのはわたしだけでしょうか。確かに仕事をするから起きたくない朝もいやいや起きて出勤する、そのルーティンがあるからこそしゃきっとしていられるのも事実。ですが、よくよく自由というものを考えてもいいのでは
『響け!情熱のムリダンガム』荒川区のインド料理店配給、熱くなれるか
映画『響け!情熱のムリダンガム』、荒川区のカレー屋さんが配給元だと。その意気込みはかいますが、残念ながら受けるとは思えない。なんと言ってもカースト制度という身分制度が理解できないし、現代でも未だ残っている、その現実感が伝わってこないのが残念
国立アーカイブ2022.10.4 – 12.25 上映企画 東宝の90年 モダンと革新の映画史(2)
国立アーカイブ『東宝の90年』から1939、1940年制作の作品を鑑賞、かつての日本の貧しさと現代の繁栄、そんなことが浮かんでは消え。そして、これからどうなるんだろう。答えは、見えてくるんですが、繁栄の時代を知っている者には、悲しいですね。
インド映画『人生は二度とない』お金持ちの贅沢悩み満載の作品いかが
『人生は二度とない』邦題なんですが、いまさら言われなくたってわかってるよと言い返したくなります。このコロナの重苦しい時代を振り払いたいのはわかりますが、インドのお金持ちのボンボン達の贅沢な悩みに付き合っている時間はありません、ということで。
台湾NO.1ホラー『紅い服の少女』二部作を一気に観てみました。
『紅い服の少女』第一章神隠、第二章真実。怖いもの見たさなんですが、怖い度は五段階のレベル2.5、気持ち悪さレベル4、あくまでも私見ですが。お国が違えば、怖いと思う対象や現象も自ずと違ってくるもの。それはさておき、背筋が凍るような作品が観たい。
12ヶ月のシネマリレー新宿武蔵野館企画上映『殺し屋たちの晩夏』
新宿武蔵野館12ヶ月のシネマリレーの名画上映。こういう企画、選者のセンスが問われるんですが。『殺し屋達の挽歌』日本未公開作品を鑑賞、う〜ん評価が難しいな、名画と言ってもありきたりのヒット作では満足しないミニシアターファン相手ですからね。
『七人楽隊』もうもどってこない自由な空気の香港、魅力的な街だった
過ぎ去った時間、もう戻れない時代。『七人楽隊』香港を代表する七人の監督による返還前の香港のオムニバアス作品。失った時を愛おしむ心で溢れている、かつての人間らしい生活をしていた頃を思い出すのも悪くない。
映画『夜明までバス停で』公開初日の舞台挨拶、製作者の熱き思いと裏腹につくづくこの国は終わってるなと思わざるおえなない悲しい現実。しかし、絶望ばかりはしていられない、日々の生活は否応なしに追いかけてくる。そんな絶望の縁に陥ってしまったら。
映画『声なき犯罪者』最大公約数的で、韓国NO.1ヒットもうなずける
『声なき犯罪者』エンターテインメント作品としては十分合格点ですが、韓国映画には更にその先を求めてしまう。贅沢かもしれませんが、日本映画界が逆立ちしても勝てないようなパワフルな作品の出現を心待ちにしております。
映画『ピッグ』オバマ元大統領が本年度のベスト3だと、ホンマですか
映画『ピッグ』老人と豚の物語、どう考えても大げさなお話に仕立てている様に思えてならないのですが、それでもオバマさんの高い評価、もう一度見直したほうがいいのかな。ただ問題は、眠気に負けずにラストまでたどりつけるかどうかなのですが。
『ドライビング・バニー』場当たり的な母親にあなたは共感できるか。
ニュージーランド映画『ドライビング・バニー』映画の主人公にどれだけ感情移入できるかで、その映画の評価は人それぞれ違ってくる。生活保護の片親家族の再生物語。主人公のつらい気持ちはわかるのですが、今ひとつ納得できない、でもそれが福祉の現場かも。
『渇きと偽り』オーストラリア発クライムサスペンスの満足度はいかに
デビュー作にして世界的ベストセラー、満を持した作品の登場と言ったところでしょうか。しかし、あまりにも美味しい要素が集まりすぎると得てして空回りしてしまうもの。スピード感、荒涼とした大地、荒廃した人の心、良い要素が詰まっているだけにちょっと残
映画『ラム』荘厳なアイスランドの自然と不条理な出来事、あえて世俗的解釈
映画『ラム』、実に不思議な映画である、アイスランド山麓の広大な土地と数少ない登場人物と白夜が、いままで経験したことのない空間を再現している。そして、そこでの不思議な出来事、まさかと思いつつもあってもおかしくないかなと思わせる作品。
映画『川っぺりムコリッタ』無印良品の世界観を映画にするとこうなるかな
映画『川っぺりムコリッタ』。自由だ自由だと自由を叫びながら、その実、ものに縛られ、家族に縛られ、これが私達の現実ではないだろうか。それでいて、縛られていることにも気づかない。おおよそそんな私達をあざ笑うような貧乏長屋の住人の物語。
『ヘルドッグス』ノンストップクライムエンターテインメントだそうです
映画『ヘルドッグス』日本の犯罪もここまで来たかと思わせるのですが、あくまでもクライムエンターテインメントと言うことでしょうか。楽しめればそれに越したことはないのですが、あまりにも現実とかけ離れていると満足できないのは、私だけでしょうか。
『靴紐のロンド』家族っていいもんだなは、幻想にしか過ぎない。
安倍首相を暗殺した山上容疑者の生育歴、家族関係が明らかになってくると暗闘とした気持ちになる。自らは変えることの出来ない、家族関係の中で、狂ってゆく人生もあれば。『靴紐のロンド』に見るように、いつまでも過去に引きずられて生きることの不自由さを感じる。
ブログ運営、ランニングコストでXサーバーからロリポップに乗り換えました
ブログの引っ越しって結構リスクがありそうですよね、そう思ってたんですが、ロリポップの簡単引っ越し機能を使う事で、上手く行きました。気軽に自分の書ける記事を書く、SEOや収益のことはあまり考えない。気軽なブログ運営をコスパの良いロリポップサーバーで。
映画『NOPE/ノープ』2時間10分のアトラクションを楽しむ。ジョーダン・ピールの作風って他では味わえないよな。まあ、こんな監督と作品があってもいいのかな、好き嫌いは見る方にお任せ。
老いたゲイのヘアドレッサー、映画『スワンソング』、人間の多様性
介護施設で暮らす、ヘアドレッサーのゲイ老人。そんな主人公は、一体どんな人生を歩んだんだろう。1990年代のゲイカルチャーとともに描いた作品。人間誰でもそれぞれドラマがあるんだと考える、懸命に生きた人生は、それだけで価値がある。
映画『ぜんぶ、ボクのせい』こじんまりとした日本映画、物足りない。
作品作りにこだわって、製作費が膨大になって行く。映画の持つジレンマなんだけど、日本映画には、もうそこまでの冒険が出来なくなっている。もともとハイリスクハイリターンの世界なんだけど、限られた枠の中で作られた作品は、結局その範囲内の出来にしかならない。
映画『セイント・フランシス』アメリカ版非正規30代女性の自分探し
映画『セイント・フランシス』自分探し、ひと昔前日本でも盛んに言われていたんですが、最近はあまり耳にしなくなった感じです。30代未婚の独身女性の不安と焦りを題材に、アメリカ社会という厳しい現実の中で主人公は、いかにして答えを勝ち取ったか。
『ボイリングポイント/沸点』間違いなく今年のベスト5に入る映画
映画『ボイリングポイント』給料はたくさんもらいたい、だけど過度なプレッシャーは嫌だ。誰でもそう思うんですが、世の中そうは上手くできていませんよね。でも、何処かで折り合いをつけないとね、だけどその決定権は本人にあるので慎重に選択しましょう。
『C.R.A.Z.Y』家族というものは、実は本当に煩わしいもの。
『C.R.A.Z.Y』ゲイの少年の成長期と簡単に言ってしまえばそれまでですが、いまよりさらに保守的だった1960年代のカナダケベックではいかばかりだったか。過去の話として終わるのではなく、家族と自分、自由と自立についてよく考えさせてくれる良作です。
『キングメーカー 大統領を作った男』政界とは生き馬の目を抜く所
政治の世界はわからない、『キングメーカー 大統領を作った男』。正義だけでは割り切れない、そんな現実を突き付けてくる。それでも、政権交代のある韓国はまだましなのだろうか。一党独裁ではないけど、浄化作用の働かない日本とどうしてもくらべたくなる。
国内唯一の地上戦沖縄。この事実と何があったかは、いつまでも忘れてはいけない。映画『島守の塔』は、当時の沖縄県知事から見た沖縄戦が主軸なんだけど、悲しいかなドラマが弱い。このあたりに限られた予算と企画の中でもがく日本映画の現状を見る思いがします。
笑いの少なくなった寄席「新宿末廣亭下席」を聞きながら考えたこと。
「寄席から笑いが消えた」というと大げさですが、コロナ以降なぜか、大笑いをする噺家に巡り合わない。感染を気使ってという事ならわからないもないが、何か違うとみんな古典のお話で、聴衆に聞かせようとする。私が望んでるのは、理屈などいらないおかしい話。
孤独なスーパースター『エルヴィス』栄光のの裏側の真実をかみしめる
心と体がまだまともに成熟していないのに、才能に恵まれた人は世に出て喝采を受けることがある。映画『エルヴィス』はそんな男の才能にふりまわされた一生を、はかなくも色鮮やかに再現している。確かに、一瞬であるかもしれないが、他を寄せ付けない輝きが。
映画『ナワリヌイ』プーチンに毒殺されそうになった男とロシアの憂鬱
義の為に生きるとはかくも過酷なものなのか、プーチンに毒殺されそうになってもなおも戦う、アレクセイ・ナワリヌイ。不条理の塊のようなロシアと言う国の行く末はどうなるんだろう。残念ながら、そう簡単には解決しそうもない、巨大な妄想国家に思えてならない。
公開3週目で週末満席 『モガディシュ』 勢いのある映画を見よう。
力のある作品に触れると何か得をしたような気になります、そんな作品が現在公開中の韓国映画『モガディシュ 脱出までの14日間』。いまでも南北に分かれた朝鮮半島では、一筋縄では行かない問題の数々なのですが、映画の世界では、見事に超越してくれました。
東宝の90年国立映画アーカイブ『日本の一番長い日』今一番見ておきたい
今年も8/15がやってくる、先の大戦の経験者が少なくなるにつれ風化することが悲しい。国立映画アーカイブ東宝30年モダンと革新(1)で『日本のいちばん長い日』の上映があった。映画を通してあの戦争とは何だったのか、おのおのが考えることは大事では
スクリーンから血しぶきが台湾ホラー『哭悲/THE SADNESS』
台湾発のホラー映画『哭非/THE SADNESS』、ここまでやるかと言うくらいの過激な映像です。作り物なんですが、それでもね・・・というのが、正直な感想。真夏の夜の悪夢、悪い夢を見たと軽く流せる方以外には、正直お勧めしずらい内容なのです。
真夏のホラー、この映画は拾いもの『Xエックス』タブーに挑む新鮮さ
アメリカの田舎、世間から取り残されている感がホラー映画を盛り上げる。アメリカンホラーの定番的設定だけど、見事にはまった。お馴染みの展開かと思わせたところに、老人の性と葛藤というタブーの領域に踏み込んで、物語を奥行きのある恐怖に導く、上手い。
過去のものになってしまうのか、『藤山寛美追善公演 松竹新喜劇』
かつて新橋演舞場を爆笑の渦に巻き込んだ藤山寛美と松竹新喜劇。時は移り人々は、爆笑しなくなった。笑いの質が大きく変わったのだろうか、趣味趣向の多様化とでもいいますか、それならいいのですが、どうも頭を使わない笑いの幼稚化が起こってるのではと。
『ブラック・フォン』原作者が、スティーブン・キングの息子とは知らなかった。
1970年代コロラド州デンバー北部のとある町での出来事。そんな設定が、失踪する少年の物語を不思議と膨らませてくれます。現代だったらSNSを物語の中に入れないとならないですが、そんな手間を必要としない時代。それが、少年の物語を語りやすくしています。
TOHOはいつまでゴジラを働かせるつもりなのだろう『シン・ゴジラ』
日本の高度成長期と共に誕生し、今日まで活躍し続ける大怪獣ゴジラ。そろそろ引退とのうわさも何のその、今回も新装ゴジラの登場であります。TOHOさんもこのキャラクターをいつまで引っ張るつもりなのでしょうか、日本のミッキーマウスとなったのでしょうか
えげつないほどの貧富の格差が生む物語『ニューオーダー』他人事?
日本は、比較的平等な国です。レストランに行っても貧乏人と金持を分け隔てすることはなく、一見等しく扱ってくれます。それが海外に行くと、露骨に扱いが違ってくる。世界的にはその方が標準なようで、そんな格差社会が拡大するとその行き着く先に待つものは・・
あなたならどっち選ぶ「認知症」か「孤独」か映画『老人』を見て考える
国立映画アーカイブのEUフィルムデーズはなかなかいい企画です。普段触れることのない国々の作品に触れることが出来ます。今回は老いということをテーマとした二作品から、老いを生きるという事を考えてみたいと思います。決して楽しい話題とは言えませんが。
『ルッツ 海に生きる』時代の流れに逆らえない現実、仕方のないこと
地中海マルタ島の漁師ルッツと呼ばれる小舟を代々受け継いで、ほそぼそと漁に生きる男。彼は、家族をやしない生きてゆこうとする。しかし、時代のながれがいやがおおでも押し寄せる。トロール漁法を使った大型漁業。もう、ルッツの出る出番はないのである。男
それでもアメリカを目指すメキシコの若者、『息子の面影』あまりにも過酷
命の危険を冒して、アメリカを目指すメキシコの少年。日本に住んで生活を送ると、そんな考えなどさらさら浮かばない。それはそれで、幸せなんだろうけど。生きてゆくことが切実でなくて、お手軽に人生がおくれてしまうのは、なんか生が凝縮してない気がしてならない。
新宿の街の横町の寄席「無何有」、気軽に楽しむ落語の新時代到来
かつて寄席は悪所と呼ばれそこに出入りするのもひと目を盗んでなんて。東京に100件の寄席のあった頃は、土間に渡木だけを渡した座席しかないそんな所もあったとか。庶民の気軽な憩いの場であったことは間違いないようで、そんな空間が新宿に戻ってきました
EUフィルムデーズ 国立映画アーカイブ『サンレモ』老いをみつめて
誰にでも平等に訪れる老いと死。いつかその時が自分にも訪れる、そう考えさせられる映画『サンレモ』。だから、見ていて決して快いものではない。しかし、その時を忘れてないもののように、いつまでも力に任せた人生を送れるものではない、有り様を考えよう。
EUフィルムデーズ2022国立映画アーカイブ「映画でつながるヨーロッパ」
アイルランドの片田舎1990年代、ゲイとレズの高校生カップル。こう書くだけで、このカップルの学校生活での苦労が見えてきます。今よりまだ個人のセクシャリティーを尊重されなかった時代のお話です。では、現代ではもうそんなことはないと言い切れるでしょうか。
ロシアはなぜウクライナに侵攻したのか、その答えは『ドンバス』にある
まだまだ収まりのつきそうにないウクライナ問題。なぜ、ロシアはウクライナに侵攻したのだろうか。ウクライナの映画監督セルゲイ・ロズニツァの描く『ドンバス』を見ると、その答えが見えてくる。そしてそれと同時に深いため息が、戦争に大義などないことが。
1987年結成老舗アマチュア劇団「水族館劇場」2022年5月公演
結成33年の老舗劇団、それもアングラ野外劇にこだわった貴重な存在。芝居の楽しさをまるで大道芸の延長の様に演じる劇団。理屈も何にもいらない、ただ五感を使って芝居を感じよう、叩きつける様な作者の言葉の数々に酔いしれるままにその世界を浮遊しよう。
存続の危機にある「新宿末廣亭」で、勤め帰りにちょっと落語を楽しむ
日本の話芸の伝統を現在進行形で味わえる落語。日の暮れた一人寂しい夜も寄席にひとたび足を踏み入れれば、想像力を働かせた豊潤な世界と笑いが広がる。ああなんて贅沢な時間だろうか。勤め帰りの疲れた頭をほぐしてくれる空間「新宿末廣亭」いつまでも残って欲しい。
伝えたいことが空回り『生きててよかった』もう少しなんとかならないの
入場料を払って、期待してシートに座る、中々当たりの映画にあたることってないんですが、期待を裏切られると残念ですよね。封切り作品を見るときは賭けみたいなものなのですが、最近負けが多い気がするのですが、今回ももののみごとにハズレを引いてしまいました。
立川流夜席 上野広小路亭初見山 日本の話芸を手軽な料金で楽しむ
時間を贅沢にゆったりと過ごす。かつての日本には、そんな生活習慣があったはずですが。あまりにも世の中に振り回されすぎてませんか、人間には人間にあった時間の過ごし方があるはず、せわしない都会の生活でもちょっと見方を変えて、別の空間で過ごしませんか。
骨のある映画監督が、いなくなってしまった。そんな昨今の日本映画の実情が悲しくなるくらい、若松孝二の存在は大きい。反体制の視点から描くその作風には、世に流されないアウトーのような魅力があった。そんな映画監督若松孝二の実像に迫る作品。
ロシア(旧ソ連)とはどんな国だったのか 『親愛なる同士たちへ』
文化的分野だけを見ると、ヨーロッパでも屈指のレベルの国と見えてしまうロシア。果たしてそうだろうか、敵対するものを力でねじ伏せる伝統的政治手法、過去の事件からもこの国の実態が見えてしまう。荒涼とした極寒の大地に住む隣人をよく観察してみよう。
日本映画ここまでお粗末でしたっけ、映画『とんび』に感じる落日の思い
原作が、重松清のベストセラー小説の映画化。鳴り物入りでの公開なんでしょうが、よくあるパターンの消化不良の駄作で終わってます。描こうとしたことが、映像になって説得力をもたない、空回りで終わってしまっています。 、
『コーダ あいのうた』いい加減この日本語タイトルなんとかなりませんか
聾啞者の4人家族の中で、唯一健聴者の主人公の高校生の長女。一家は、漁師として生計をたてるも、主人公が、彼らの生活には欠くことのできない存在。しかし、彼女にだって自分の人生の選択がある、家族のためか、自分の夢か、揺れ動く少女の選択は?
「ブログリーダー」を活用して、髪結新三さんをフォローしませんか?
映画『オッペンハイマー』、「原爆の父」と呼ばれた彼の半生を描いた作品。原爆投下後の彼の贖罪など聞きたくもない。広島長崎で、投下の年だけで20万人以上がなくなっている、たった一度の爆弾投下で。その事実だけでいい、そのことの結論と判断は自分でする。
映画『ビニールハウス』自宅における老老介護の現実が迫ってくる。みんな目をそむけがちな問題なんだけど、高齢化社会を迎えてそうも言ってられない。「半地下家族はまだまし」のキャッチコピーは、どこか的外れだ。介護の問題は、一人で抱え込まないこと。
映画『DOGMAN ドッグマン』まさに映画でないと作れないストーリーなんですが、なぜか現実味と説得感がある。人生の不幸に見舞われたとき、どうにも行き場のない絶望感、どうします。そんな問に答えを出してくれるラストが素晴らしい。
映画『落下の解剖学』事故か殺人か自殺か、う〜んどっちでもいいかななんて無責任な声が聞こえてきそうな映画。まあ世の中で最も多い殺人の例が、夫婦間という統計もありますので。ただ、鑑賞中も感情移入できないのは、私的世界に終止するからでしょうか。
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』豊かな国日本に出稼ぎに来る女性たち。知っているようで、知らない彼女たちの本音。そんな?の部分を探求する一人の大学生。ほぼ実話だそうですが、国も違えば習慣も違う、いろんな苦難を乗り越えて若い二人の進む道はいかに。
『梟』主人公は、盲目の鍼師、だけど暗闇ではかすかに見える、このあたりが謎解きの付箋なんですが、物語がありきたりで、お茶の間時代劇の域をでない。わざわざ時代を遡ってセットにもお金をかけて、そこに人間の性が映されないと、無駄な出費に担ってしまう
映画『罪と悪』題名に映画の内容が負けているな、人間の原罪にでも迫るのかなんて期待したのですが、出てくるのは悪ぶっても善人ばかり。ラストの処理もいただけない。限られた時間と予算の中で、とりあえず作品にしてみました的なもどかしさしか残らない。
映画『ほかげ』地味な作品なんだけど、その作品創りには敬意を評したい。先の大戦からまもなく百年近くが経とうとしている。喉元すぎれば暑さを忘れ、そんな言葉が頭をよぎる。大戦の経験者の証言もめっきり減ってしまった。また過ちを繰り返すのだろうか。
映画『ジャンプ・ダーリン』ドラマ的高揚感もないままに、ラストに突入してゆく。この映画は一体何を言いたいのだろう、そう考えてしまう。つまりこの映画は、私小説なのだ、だた自分に起きたことを時系列に並べただけ。そう考えると納得もできるのだが。 結
『コンクリートユートピア』あいも変わらず、コテコテの人間のエゴイズムがテーマ。そろそろ韓国映画のこのパターンも食傷気味。『パラサイト』で頂点を極めたのですから、そろそろ違った方向の作品を見たいもの、ただ韓国映画界にその柔軟さがあるかどうか。
『PERFECT DAYS』成熟した社会のおとぎ話でしょうか。ヴィム・ベンダースの一つの提案、年寄りはこの映画を見ると自分の今後はこれでいいやと思うのですが、若い人には物足りないでしょうね。消費は美徳という時代を経験して到達した生活ですから。
映画『トーク・トゥ・ミー』よくできている。作り話と切り捨ててしまえば、それまでですが、そうとも言えないんですね人間にとって、降霊、口寄せ、霊媒という、死者にお伺いを立てる行為は、大昔からあったこと。さあ、どんな結末が待っているか、ご覧あれ。
映画『ファースト・カウ』、アメリカインディーズ映画シーンでは、欠くことのできない女性監督、ケリー・ライカート。繊細でこまやかで、いままでのアメリカ映画では感じることのない人間の息遣いが伝わってくる。彼女の描き出すアメリカに興味が尽きない。
映画『枯れ葉』夢を追いかけるには、歳をとりすぎた、そんなことより日々の生活に追われて手一杯。そんな、どこにでもいそうな男と女。ただ、共通点は、独身で孤独なことか。互いに惹かれ合うのもそんな孤独感を共有するからか。互いに惹かれ合いながらすれ違
映画『バッド・デイ・ドライブ』程よい上映時間と肩の凝らない内容、娯楽作品のお手本のような作品。かと言って内容がないわけではない、小道具と使った展開は、納得させられるし、至るところに、アイデアと工夫がされていて、映画はこうでなくてはという見本。
北野武監督の考える戦国時代劇『首』、時代をリードしてきた北野監督も御年76歳、まだまだやる気があるのはわかりますが、そろそろ円熟期に入った作品が見たかったのですが。まだまだ時代の先端でいたいようですね。この人らしいと言えばそれまでですが。
『モナリザアンドザブラッドムーン』期待しなかった映画が、意外とツボにはまってた時って、なんか得した気分になりますよね。精神病院から脱走した少女が、弱者の味方となって大暴れ、まるでありえないんだけどなんだか共感してしまう、そんな不思議な映画。
のんびりと田舎暮し、子供をのびのび育てよう。そんなキャッチフレーズに、だまされてませんか。あこがれと現実は、当たり前ですが違います。戦後民主主義は、人間味な平等だと説きます、まずそこを疑ってみましょう、そうでないとこの映画のような悲劇が。
これぞ映画の本道『キラーオブザフラワームーン』、マーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ、レオナルド・ディカプリオの真剣勝負。映画はこうでなくちゃって思うのは私だけでしょうか。でも、小手先のごまかしも奇をてらった演出もない、いいですよね。
奇想天外映画祭2023『子供たちをよろしく』、1980年代のアメリカシアトルという大都会なのに、これがアメリカの現実なんだなと、いまだって基本的には国のありかたはそんなに変わらない。そうアメリカに対する幻想を打ち砕いてくれる作品だと思う。
中東イスラム圏の複雑な女性蔑視『聖地には蜘蛛が巣を張る』、鬼才アリ・アッバシは、娼婦連続殺人事件を題材にイスラム圏の女性の地位、社会の問題をあぶり出した。病める心と大義とその境界の危うさを思うとき、何が正しいのか。社会の抱える病巣は深い。
見てる者をある程度納得させないと、ただ独りよがりになってしまう。作者が、聖書をどう理解しようが勝手ではあるけれど、どこをどう解釈したらこのような作品になるのか。あるいは、作者の狙いはあくまでも聖書を素材として新たな物語を構築しようとしたのか。
印象派の絵画のような映像、ショパンの「ノクターン」なかなか憎い演出。アジア的であり日本的でもある繊細な描写が印象的だ。西洋文化とは明らかに一線を画すそんな世界を見事に映し出してくれた。登場人物ひとりひとりに寄り添えるそんな時間を共有できる。
『ある子供』『少年と自転車』のダンテンヌ兄弟の最新作『トリとロキタ』ヨーロッパにおけるアフリカ難民の過酷な現実を少年と少女の絆を中心に描いてます。カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を取ったそうですが、話の展開には少々無理がある気がしてならな
少年を描くときアメリカではこんな息子がいたらと思わせるそんな役作りをするそうで。そういう意味ではこの作品は合格点なんですが、でもそれは、作られた子供像で。過去の名作と言われる作品は、弱い立場の子供のもつ切なさが描かれているかが鍵なのですが。
ニコラス・ケイジの実生活とも重なる『マッシブ・タレント』、ケイジのファンなら楽しめるかな。大スターということなんですが、自分は名前ぐらい知ってますよって程度だったんで。作品を見ても、それほど彼の演技やお話の内容にものめり込めず、佳作でしょうか。
わかりやすさとスピードそして手短に、映画『サルとクモの家族』はそんな現代を意識した作品なのだろうか、まあ形だけの時代劇に比べたら挑戦的ではあるんだけど。昭和の映画黄金期を過ごしたものには、映画のさまがわりを感じざる負えない、映画の多様性と考えよう。
誰でも人生の終焉は訪れる、そこで老年を迎えた人にかならず訪れる「孤独」という問題。普段は、考えないよね、いや考えたくないからわざと意識下に仕込めているだけ。でも向き合わざる負えなくなった時どうしたら、そんなことを考えておくのも必要なんです。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』この長ったらしい題名と同じくらい、映画の中身も叫びたくなるほど退屈だった。なぜ、この作品がアカデミー賞なのかも理解できないし、多分私の頭が、現代の思考についていけなくなったのだろう。
映画『オマージュ』韓国映画には珍しい落ち着いた作品。女性監督による先輩女性監督の足跡をたどる工程を丹念に描いている。そこは、女性の細やかさが出ていて、作品に独自の柔らかさをもたらしている。声高に叫ぶわけではないのだがそこがまたいい味を出している。
イギリス映画には庶民を描いた秀作が多い。その系譜を期待して『エンパイア・オブ・ライト』を見たのですが、力が入った作品であることはわかるのですが、もう一つ深堀してほしかった。なんとなく上滑りをして終わってしまっているように思えてならないのですが。
映画『二十歳の息子』イスラム世界では、美少年を養育して面倒を見るという習慣がある。特に有名なのが、アフガニスタン。そう簡単に言えば少年愛なのである。そんな図式ならこの映画も理解できるのだけど、製作者の意図はそうではないらしい、不自然さを抱いてしまう。
一発逆転を狙う、どんな手を使っても 映画『Sin Clock』はそんなはかない夢を見させてくれる。そういい子でいる必要なんてどこにもない、ただ社会からはみ出さないために装っているだけ。そんな我々小市民の欲望を満たしてくれる作品。
映画『コンパートメントNO.6』カンヌ国際映画祭グランプリの宣伝文句が効いたか。新宿のミニシアターは、週末満席続出。しかし、惑わされないでください、駄作ではないですが、それほどの秀作ともおもえないのですが、見る人にもよりますが要注意。
旅の失敗それは、あるあるなことなんですが、いざ自分がとなると楽しい旅もブルーに。全国旅割を使っての沖縄旅行いいことばかりではありませんでした。それも含めて旅ということなんでしょうが、後悔ばかりが残ります。残念な旅でした、何年か後にはいい思い
人気の沖縄移住、圧倒的に失敗のケースが多いのはなぜだろう。沖縄に限らず移住を安易に考えないほうがいい。全国旅割を使っての沖縄旅行から見えてくる現実は、あくまでも旅として楽しむぶんには楽しいところなんですが。皆さんはどうお考えになりますか。
『YUMIN MUSEUM』で失われた時を求められる、それは高度成長期から続いた日本の好景気に裏打ちされた幸福感の共有。しかし、もうその時代は終わった。これから私達は何処に向かおうとしてるのだろうか、その方向性は未だ見えてこない今を生きる。
拝金主義がなぜ悪い、『シャドウ・プレイ』でロー・イエは、そんな中国の本音をむき出しにして見せてくれた。さすが、政府の手前、悪が成敗される形にはなっているけど、誰もそんなことは信じない。欲望国家のむき出しの生き様を突きつけてくる、目が話せない。
韓国映画『非情宣言』コロナ禍の現在、ウイルスを使ったテロ行為というなかなかいいところに目をつけた作品ですが、ちょっと上映時間が長すぎた。過ぎたるは及ばざるが如しとでもいいますか、映画製作は難しいなと感じさせます。緊張がラストまで持続せずが残念
テレビドラマなら我慢しよう、それを映画スクリーンで料金を払ってみる悔しさ。映画『ファミリア』はそんな煮えきらない思いを引きずったままラストまで。これで、いいんだろうか日本映画、出演役者が可哀想そんな声が聞こえてくるのは、私だけだろうか。