chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
妄想劇場 https://campbell3.com/

趣味の、自己満ブログです。 不公平と矛盾する世の中は、 小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく。 人生は、振り返ることは出来ても、後戻りは出来ない…

流れ雲のブログ:信じれば真実、疑えば妄想

流れ雲のブログ
フォロー
住所
未設定
出身
神戸市
ブログ村参加

2021/09/06

arrow_drop_down
  • 貧者の一灯・番外編

    「人生の終わりをどこでどのように迎えるのか」。一人暮らしや夫婦だけの高齢者世帯が増えており、関心も高いが、医療や介護などの知識が不十分で、不安を抱く人も少なくない。高齢化が進む京都府伊根町では、地域の医師らが住民研修会を開き、人の死や看取みとりの時期について語り合い、高齢者本人の終末期の意思決定を支えている。「住み慣れた家で」京都府北部の丹後半島にある伊根町は、人口約2200人で、65歳以上の高齢化率は44%。この町の公民館で9月に開かれた「伊根で生きて、伊根で逝く」と題した研修会には高齢者を中心に28人が集まった。まず講演したのは、石野秀岳ひでたか医師(42)。町内の診療所長で、顔見知りが多く、和やかな雰囲気で語りかけた。「高齢者が死ぬのは、三つパターンがあるといわれる。一つはがんで、比較的早く死に至る...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

    日本に蔓延る違法薬物。なかでも覚醒剤は高額で取引され、その利益の一部はヤクザのもとへと流れ込んでいる。日本で覚醒剤が流通し始めたのはいつからなのか。どのような経緯で覚醒剤取引が始まっていったのか……。日本に麻薬を広めた男”と語る男、和久井氏に話を聞いた。ワタナベゲンの正体1935年。韓国で生まれた渡辺は、終戦で引き揚げた後、慶応高校卒業、慶応大学法学部へと進学した。クラスメイトだった昭和の大俳優・石原裕次郎が中退すると、後を追うように、彼も中退。日本経済新聞社記者になり、図らずしてフィリピン政府高官・バルバ(マルコス大統領の義理の弟)と知り合った。大新聞の肩書きにフィリピン政府のパイプ。傍からみたらエリート街道そのものだったろう。だが精鋭もギャンブルにのめり込むまでの話だった。パチンコや麻雀に飽き足らず、...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆楚王逃亡「では、早速ではございますが……このたびここにいる奮揚と呉軍撃退のための作戦を練りましたので、御認可を得たいと思います。よろしいでしょうか」「どんな作戦ですか。私には詳しくはわかりませんが、いたずらに対立を深めるようなものでしたら、拒否したいと思います。ですが、もしそれがここに住む人々の生活を守るためだとしたら、認めたいと思います」すでに嬴喜は包胥の唱える「道」に感化されているようであった。奮揚は、そのことをわきまえながら説明を始めた。「呉軍は我が楚の国境付近に断続的に出没し、我々はその度に軍を出動させなければならない事態となっております。いつどこに現れるかもしれない呉軍に備えるには国境線に沿って兵を並べるしかありませんが、それではこの郢の守りが薄くなってしまいます。もし国境の防衛...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・妄想物語

    ※適量は健康に影響しないが、適量を少しでも超えると寿命が縮む。※設定されている「適度な飲酒量の目安」は本当の適量よりも多く設定されている。※お金儲けのために「健康によい」としておく方が都合がいい。酒は百薬の長といわれ、適量であれば健康に良く、飲み過ぎれば健康に悪いとされてきた。飲酒量と死亡率をグラフ化すると、適量であれば全く飲まない人よりも死亡率が下がり、一定量を超えると死亡率が上がる。Jカーブ効果といわれるものがその根拠とされている。しかし、Jカーブ効果があるのは特定の疾患だけで、実際はほとんどJカーブ効果がないことは分かっていた。最新の研究でも、「適度な飲酒量」で善玉コレステロールが増え、血管が詰まるのを防ぐ効果はあるが、「適度な飲酒量」であっても循環器系疾患のリスクが上がることを考えると、健康に良い...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    ※病院で刻む夫婦の時間前回訪問してからわずか1カ月半の間に、小林勝也さん(87)=仮名=の体は急激に弱っていった。6月末の蒸し暑い日。神戸市内の勝也さんの自宅を訪れた私たちは、和室で妻の美恵子さん(82)=仮名=と向き合っている。勝也さんが寝ていた介護ベッドはもうない。勝也さんが近くの病院に入院したのは、10日ほど前だという。立ち上がれず、ベッドから車いすに移ることもできなくなった。「少し前から『足が痛い』『腰が痛い』って言っててね」と、美恵子さんが詳しく話してくれる。主治医には民間病院のホスピスを勧められたが、歩いて行ける自宅近くの病院に入院が決まる。美恵子さんは医師に「なるべく自然に、管を入れずにしてあげてほしい」と伝えた。「私ね、家でみるつもりやったんよ。でも眠れなくて薬もらったり、点滴をしてもらっ...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    むかしむかし、武田家の家臣に、桜井重久(さくらいしげひさ)という武将がいました。重久はとても強い武将でしたが、武田家がほろびると富県村(とみがたむら)の貝沼(かいぬま)に住みつき、名前も貝沼重久(かいぬましげひさ)と改めて暮らしていました。ある日の事、重久は犬を連れてまこもが池に狩りに行くと、池の中ほどにオシドリが二羽、仲良く浮かんでいたのです。「これは、良いえものだ」重久はさっそく弓矢を放ち、一羽のオシドリの首を射ぬきました。「それっ、えものを取ってこい」重久が犬に言うと間もなく犬がオシドリをくわえてきましたが、どうしたわけかそのオシドリには首がなかったのです。さて、それから数日後の夕方、重久が家でくつろいでいると、どこからか女の人の悲しい歌声が聞こえてきました。♪桜井の、名もうらめしき、貝沼の♪まこも...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・番外編

    「自宅でゆっくり」「入院して長生きを」人生の最後の時期をどこで過ごし、どんな医療や介護を受けるかを決める際、本人よりも重視されがちなのが家族の意向だ。本人と異なる希望を持っていたり、家族間で意見が分かれたりすることも多い。葛藤を抱えつつ、決断した家族の思い。「妻は、口にはしなかったけど、病室ではつらそうで……。その姿に、私も切なくなりました」。千葉県松戸市の塚本悠策さん(81)は、2年前に亡くなった妻の公江さん(当時77歳)が、子どもたちの勧めで入院した時のことを振り返った。公江さんは、2013年秋に末期の脳腫瘍と分かり、余命6か月と宣告された。夫婦で「つらい延命治療は受けたくない」と話し合っていたため、残された時間を一緒に自宅で過ごしたいと考えた。だが、3人の子どもたちは「治療するのが当然。あきらめるな...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

    ある日、夫が亡くなった。息子と3人での生活が始まってから、息子の幸せだけを願い「いつ死んでもいい」と思っていた尚子。そんな思いから救ってくれたのは息子たちの愛だった。愛する家族へ伝えたい想いを等身大に綴った手紙。二人の息子、そして天国の夫へ。※パパへママより五年目の春です。やっと少し書けるかなと思えてきた恨み言から始めようか、それとも楽しかったことからにしようか、どっちにしても苦しくなりそうで……手が止まる。パパとのことを文字に起こす、出会った時からのことを考える、思い出そうとする頭の中で色んなことがグルグルと回り始める。一つに絞り込もうとすると、風の中で舞う花びらをつかもうとして、つかめない自分が見えてくる。まだできないのかな、…パパ、今どこにいますか、この家にいますか、私の近くにいるのかな。時々、私の...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆罪人を将とす彼らが目指す次の目標は、六りくであった。なぜそう定めたかは、間諜の活躍による。孫武は楚の国内の各所に間諜を送り込み、民衆に紛れさせた。その報告により、もっとも防備態勢の手薄なところから攻撃することにしたのである。彼れを知りて己を知れば、百戦してあやうからず、彼れを知らずして己を知れば一勝一敗する。彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必ずあやうし。(知彼知己、百戰不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼、不知己、每戰必敗。)……敵を知り、自分をわきまえて戦えば百戦しても危ういことはないが、自分をわきまえていても、敵を知らなければ勝敗は半々である。敵も自分も知らなければ、戦うたびに必ず敗れる。これは、孫子十三編の「謀攻」にある一文である。孫武は、自軍と同様、あるいはそれ以上に敵を知るこ...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・妄想物語

    これは、私が大学4年生の時の話です。当時化学系の学部に所属していた私は、卒業論文発表まで3ヶ月を切っており、研究室へ寝泊まりしながら実験を行う日々を送っていました。その日は私以外の学生はおらず、研究室には1人だけ。夜の11時を過ぎる頃には、もはや建物に私だけという状況になりました。ふと時計を見ると、12時半ごろ。ひたすら実験室で化学反応の実験をしては、フラスコに試薬を添加していました。研究室の間取りなのですが、パソコンなどで事務作業を行う部屋と、ドラマで見るような実験室が壁を挟み隣同士になっています。壁にはドアが1つあるだけです。各部屋には外の廊下へと繋がるドアが付いていますが、これが古いせいなのか開け閉めすると「ギィー」と大きな音がするため、どちらの部屋に居ても誰かが開けたなと分かります。突然「ギィー」...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    ※生ききった姿に「後悔ない」私たちが清水千恵子さん(70)の病室を訪れた6月18日の夜。千恵子さんは家族や親族に見守られ、病院の緩和ケア病棟で静かに息を引き取った。…千恵子さんは2005年に乳がんの診断を受け、抗がん剤を何度も変えながら闘病を続けた。昨年1月に余命半年とされた後も自宅で暮らし、亡くなる3週間ほど前まで自由に外出していた。「がんの宣告から14年も生きている人は少ないと思う。医学生のために体を役立ててほしい」。生前、長女香織さん(40)に献体の希望を伝えていた。遺体は病理解剖に付され、がんの最後の状態やそれまでの治療の効果が調べられた。得られた情報は、同じ病と闘う患者により良い治療を提供するため、役立てられるという。千恵子さんが亡くなって1カ月になる頃、私たちは神戸市東灘区の自宅を訪れ、夫の将...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    おばあさんは字を知らないので、せっかくの手紙が読めません。「こまったの。誰か、手紙を読んでくれるお人はいないだろうか?」すると向こうから一人の侍(さむらい)がやって来たので、おばあさんは侍にたのみました。「もしもし、お侍さま。実は息子から手紙をもらったのですが、わたしは字がわかりません。どうか、この手紙を読んでください」すると侍は手紙を受け取り、手紙をじっと見つめると、突然ポロポロと涙をこぼしました。おばあさんは、びっくりです。「お侍さま!何か、悪い知らせでも書いてあるのですか?どんな事でもおどろきません。手紙に書いてある事を、教えてください」「・・・・・・」侍は涙を流すばかりで、何も言いません。(ああ、これはきっと、とても悪い知らせにちがいない)そう思うとおばあさんは悲しくなって、涙をポロポロとこぼしま...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    「今夜、奥さんと会うかも…」「実は今日の夜、地元のお祭りがあって、これから行くんですけど、彼の家族も来ているみたいだから、奥さんに会うかもしれないんです。この際、奥さんの顔を一度見に行こうと思うんですよ」待ち合わせの池袋駅に現れた斎藤理沙(仮名/独身・35歳)は、少し気後れしたような、それでいて、こちらの様子をうかがうような笑みを浮かべた。ショートカットのボブで栗色に染められた髪。服装は、ピンクのシャツに、デニムのスカート。いわゆる美人という部類ではないが、目鼻立ちがしっかりしていて、背が低めのムッチリ系タイプ。おっとりした話し方と、上目遣いの瞳が可愛らしい。職場の男性たちにも可愛がられているというのが一目でわかる。これから会うという理沙の不倫相手は、職場の上司で8歳年上の戸田豊(仮名/43歳)だ。理沙は...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    家族、医師らと思いを共有終末期の治療方針について、患者や家族が医師らとあらかじめ話し合う「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」が医療現場で広がっている。終末期医療では、患者の意思が分からず家族や医療現場が判断に悩むケースが目立つためで、本人が望む「最期」の実現に向け、話し合いを重視するのが特徴だ。意思決定のあり方を通して、質の高い死を考える。「調子が悪くなったら、どうしたいですか?入院しますか?」福井市にある「オレンジホームケアクリニック」の紅谷浩之医師は、昨秋から担当する伊藤雅子さん(94)の自宅を訪れ、診察の終わりに、いつものように問いかけた。「ずっとこの家にいたいです。もう病院は嫌ですよ」持病の悪化で救急搬送された経験がある雅子さんが、きっぱり答える。同居する嫁の由美さん(64)も「先生やスタ...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・妄想物語

    私には小学校、中学校、高校と同じ学校へ通った友達がいます。彼女のお姉さんは2つ年上で、子供の時はよく遊んでもらっていたものです。そのお姉さんは中学校の頃には頭角を現し、頭が良くて運動も出来、そして美人。まさに才色兼備という感じで、誰もが羨む存在となっていました。友達家族にとっても自慢の姉で、一方の私はお姉さんと同じ学年なのにだらしのない兄の存在が恥ずかしいと思ってしまうほどでした。ところが、そのお姉さんが有名大学へ入学後、就職も決まって卒業目前の時でした。交通事故で亡くなってしまったのです。お姉さんのお葬式にはかなり大勢の参列者が来て全員涙にくれ、現実を受け止められていない。どこか異様な雰囲気すら漂っていた気がします。私は友達4人と順番にお焼香をあげましたが、悲しむ友達の顔もろくに見ることが出来ず、棺に納...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    ※「死ぬ準備、そろそろせな」4月中旬、神戸市灘区の焼き肉店に、清水千恵子さん(70)の家族やきょうだいが集まった。末期がんで闘病中の千恵子さんは、ホルモンや牛タンを口に運びながら、「死ぬ1時間前まで楽しく生きたい」と明るく言った。「楽しく生きる」と宣言しながらも、千恵子さんは兄や妹らにこう漏らしている。「激痛で、がんの痛みって感じになってきた」両隣にいた夫の将夫(まさお)さん(75)、長女香織さん(40)の口数も少ない。一緒に暮らす2人はどんな思いでいるのだろう。私たちは後日、千恵子さんを交えて、将夫さんと香織さんから話を聞いた。千恵子さんは昨年1月に余命半年を告げられた後、病院の緩和ケア病棟を予約していた。「このまま自宅で、とは思うよ。でも、末期になると深夜も未明も痛みで苦しむの。そうなると、娘も仕事が...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    実子の方は毎日きれいな着物を着て遊んでばかりいますが、でも継子の方はろくにご飯を食べさせてもらえず、ボロボロの汚い着物で毎日仕事ばかりさせられていました。ある冬の、寒い日の事です。継子は川で、ダイコンを洗っていました。川の水は冷たくて、手がジンジンとハリを突き刺すような痛さです。その時、川の横をお殿さまの一行が通りかかって、お殿さまが継子に声をかけました。「おお、娘。この寒いのに、よくがんばっておるのう。今日は、庄屋(しょうや)の家に村の者をよんで歌会(うたかい)をするが、お前も来てはどうじゃ?」「えっ?わたしが歌会に?」継子は、こまってしまいました。実子はともかく、継子は仕事がいそがしくて歌などよんだ事がないのです。「なに、そう難しいものではない。感じた事を、そのまま言葉にすればよいのじゃ」お殿さまにそ...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    出会い系で知り合った男に「心」を求めて浩平と破局した後、弘子はインターネットの出会い系にハマり、そこで次の不倫相手を見つけることとなる。牢獄のような家庭生活から一瞬でも逃れられたらとの思いで、弘子は自分の「心」を満たしてくれる相手を求めていた。その男性は不動産の営業マンで、月に1~3回は、千葉から100キロもの道のりを車で飛ばしてやってきた。弘子はそれがうれしかった。やり手の営業マンということもあって、気遣いができて会話も面白い。相手の車でラブホに入り、そのままサービスタイムで昼間を過ごす。3年間もそんな関係が続いた。しかし、いつも会うのはラブホという密室。当たり前だが相手にも子供がいて、W不倫ということもあり、安易に外を出歩くわけにはいかなかった。それでも弘子は、身体だけの関係だとは思いたくなかった。最...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    家族に委ねないで高齢者が病院に運び込まれた時、延命治療を行うべきか。本人の考えがわからず、家族が難しい判断を迫られることも多い。84歳の評論家、樋口恵子さんは、周囲に「延命治療は辞退します」と宣言した。(聞き手・)自身は延命治療を受けたくないと思っていても、親の最期が近い時に「やめてほしい」と言えるか。自信のない息子・娘が多いそうです。本人の意思がはっきりしていないと、身近な人が困ります。周囲に「冷たい人だ」と思われたくなくて、延命治療を頼んでしまう場合もある。ばあさん、じいさんは、今の時点の意思でいいから、しっかりと文章で書き、配偶者や子ども全員に伝えておく必要があるのではないでしょうか。私は名刺の余白に「回復不可能、意識不明の場合、苦痛除去を除いては延命治療は辞退いたします」と書き込み、日付を入れ、サ...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

    2019年7月18日に起きた、京都アニメーション放火事件。死亡者36名、負傷者34名を出した戦後稀に見る凶悪な事件から、今日で丸3年が経つが、今なお公判すら始まっていない。京都アニメーションの火災のニューステレビをつけニュース番組にチャンネルを合わせると、小麦色の建物からもくもくと黒煙が立ちのぼる映像が流れていた。2019年7月18日午前10時半過ぎ。京都府京都市伏見区の住宅街に位置する『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』や『涼宮ハルヒの憂鬱』など数々の人気アニメ作品を世に送り出してきた、京都アニメーションの第1スタジオ。地上からの映像のあと、やがて中継は空撮に切り替わった。ブルーシートの隙間からストレッチャーで運ばれる人々。消防隊は必死に消火活動を続けているが、それを嘲笑わらうかの如く炎と煙は衰えを見せ...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・妄想物語

    私の実家の裏山には「耳塚」というものがあった。それが一体何物で、どうしてそこにあるのかなど由来は一切分からないのだけれど、年に1度は近くの神社から神主さんが来てお祓いをしていた。困ったことや無くし物をした時、耳塚へお願いすると誰かの口を借りて知らせてくれる、実際、近所の人がたまに立ち寄っているのを見た事がある。私も最近、車のダッシュボードに会社の鍵を置いていたはずが、紛失してしまった。気づいてすぐ戻ったものの、既に鍵は無し。車には鍵をかけず、ほんの1分たらずしか離れていないその瞬間に消えた。どこを探しても見つからず、しかもマスターキーだったため会社からはしこたま怒られ、やむなく盗難届を出した。鍵が見つからない場合は、会社のドアごと交換になってしまう。私はあっと思って、耳塚へお参りをしてみた。こんな時の耳塚...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    ※「帰りたい」と言える世に洲本市にあるホームホスピス「ぬくもりの家花・花」で、私たちは運営するNPO法人理事長の山本美奈子さん(62)の話を聞いている。すぐ隣で入居者の原とし子さん(83)と西岡里子さん(98)がプリンを食べている。山本さんは1980年代半ばまで、西宮市にある兵庫医科大学病院の第1外科に勤務していた。新人看護師の山本さんに、技術やプロ意識をたたき込んだのが先輩の黒田裕子さんだ。日本ホスピス・在宅ケア研究会に発足当初から携わり、5年前、73歳で亡くなった。「黒田さんはよく、『患者ではなく、一人の人として見る』って言ってましたね」慌ただしく病棟を駆け回っていた山本さんは、患者の傍らにちょこんと腰掛け、目線を合わせて話す黒田さんの姿をよく覚えている。山本さんの話は恩人のことから、在宅でのみとりへ...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    重氏(しげうじ)は大した権力者でしたが、ある日、人の心のみにくさを知って、妻も子も捨てて仏に仕える身となってしまったのです。重氏は名前を苅萱道心(かるかやのどうしん)と改め、高野山に登って修行にはげみました。そしていつしか、十三年の月日が流れていったのです。ある日の事、高野山に一人の男の子がやって来ました。名前を石童丸(いしどうまる)といい、道心が筑前に残してきた息子だったのです。石童丸は父親が高野山にいる事を知り、一目会いたいと長い旅を続けてきたのでした。身も心も疲れきった石童丸は、出会ったお坊さんにたずねました。「もし、この山に、筑前から来たお坊さまはおられませぬか?私の父で、名を加藤重氏と申します」するとそのお坊さんはとても驚いた様子で、石重丸をじっと見ると涙をこぼしながら言いました。「そなたの父と...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    小学校のPTA会長の飲み会からラブホへ「私、根っからの不倫体質なんだと思う」菊池弘子(仮名)は、うつむきながら、不意にそう呟いた。待ち合わせ場所のJR三鷹駅に現れた弘子は、可愛らしい黒縁眼鏡に三つ編みという、一見オタクっぽい感じの外見だった。小学生ほどの背格好ということもあってとても53歳には見えず、少年のような幼さが残る不思議な雰囲気を漂わせていた。だが、弘子はそんな容姿から想像できないような波乱万丈の不倫人生を30代から歩んできた。黒髪の間にチラホラと見える白髪だけが、弘子の年輪を感じさせる唯一のものといえた。子どもは3人いるが、今は全員独立して家を出ている。弘子が東京都の支援を受けて介護福祉士の資格を取ったのは3年前。離婚後の現在は、介護福祉士として障害者施設とデイサービスの夜勤で生計を立てていると...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    葬儀の前に遺体を整える「納棺師」で、著書が映画「おくりびと」の基になった青木新門さんは、遺体を通して日本人の変化を感じてきた。「死に姿」から教えられることも多いという。長い間、私たちは死を忌むべきものとして、日常生活から切り離して隠し、見えないところに遠ざけてきました。だから本当の意味で、死の実感に乏しい。頭の中で想像しているだけなので、極端に美化したり、恐れたりするのでしょう。私は、その傾向に疑問を感じています。30歳代半ばで納棺師になり、3000近い遺体と接してきました。たまたま求人のあった葬儀社に入社したところ、死体に白衣を着せ、髪や顔を整えて納棺する仕事を任せられたのです。最初は遺体を扱うことを、後ろめたく感じていました。本来なら見たくない、見ないはずの死を受け止める仕事なんて汚らわしいと。親族か...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

    Web3は、パブリック型のブロックチェーンを基盤としたインターネットの概念です。2022年のいま、世界のマーケットで既存のサービスにとってかわる「ゲームチェンジ」が起きています。私は長年VRとブロックチェーンの領域でビジネスを手がけてきましたが、この二つの領域がメタバース、Web3と名を変えて空前のブームとなっています。グローバル化、デジタル化という世界の変化に乗り遅れてきた日本企業、そして一個人がチャンスを掴める時代がいよいよやってきます。今後、世界で起きる大きな変化…それは「バーチャルファースト」への移行です。これまではリアルが“主”、バーチャルが“従”だったものが、これからはバーチャルが“主”、リアルが“従”に変わります。それがバーチャルファーストという次世代の社会です。いま理解しておきたいのがメタ...貧者の一灯・特別編

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、流れ雲のブログさんをフォローしませんか?

ハンドル名
流れ雲のブログさん
ブログタイトル
妄想劇場
フォロー
妄想劇場

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用