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趣味の、自己満ブログです。 不公平と矛盾する世の中は、 小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく。 人生は、振り返ることは出来ても、後戻りは出来ない…

流れ雲のブログ:信じれば真実、疑えば妄想

流れ雲のブログ
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2021/09/06

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  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆算すくなきは勝たず※「楚は内政の混乱が続き、以前の荘王の時代のような勢いはないが、それでも江南地域一帯に与える影響力は健在だ。江南には我々呉や越などの国々があるが、楚を上回る国力を持った国はひとつとしてない。このため、いまの我々には直接楚を攻撃しても打ち破る力はないとみた」伍子胥は孫武を相手に、あえて順序立てて説明を始めた。何しろ相手は鬱屈しているとはいえ、学者なのである。論拠が成立していないと反論されるに違いなかった。「うむ。私もそう思う。続けてくれ」幸い孫武は同意を示してくれた。伍子胥は話を続ける。「そこで考えたのだが、我々は楚の兵力をじわじわと分散させ、王都である郢の守備力を削がなければならない。楚には、陳や蔡、舒、黄、息、鐘吾などの従属国が数多く存在するが、これらの国々はそれぞれ弱...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・妄想物語

    友人のK君から聞いた話です。今から10年ほど前のこと。釣りが趣味のK君は、とある釣り仲間から山陰の日本海側にある“釣りスポット”を教えてもらいました。そこで早速、当時付き合っていた彼女と一緒に、車で夜釣りに出掛けたそうです。ただ、初めていく釣り場ということもあり、道に迷ってしまい、彼らがようやく目的地に着いたのは午前0時。駐車場などはなく、海岸沿いに車を停めると、あたりは真っ暗だったそうです。他に釣り人もいないし、まわりには民家などもまったくない、そんなさびしい海岸だったと、K君は言います。そんななか、早速釣りを始めたK君でしたが、全くアタリも無いまま、1時間、2時間……と、ただ時だけが過ぎていきました。1人なら何時間粘っても平気なんですが、今日は彼女と一緒に来ている。その彼女は隣でじっとしていて、おそら...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    ※迷惑は助け合いにつながる「死は痛々しいもの。その部分を隠して、家で死ぬのを美化してはいけないよ」私たちは鳥取市の「野の花診療所」院長、徳永進医師(71)の言葉に、はっとさせられた。徳永医師は訪問診療で、患者が自宅で安らかな死を迎えられるよう、力を尽くしてきた。その一方で、容体が急変したり家族の不安が増したりして、病院に再入院する患者を何人も見てきた。在宅死の穏やかな側面だけ取り上げられることには違和感を覚える。「死に美を持ち込むのは、ほどほどにしてよって思うね」死は痛々しいもの。どんなときにそう感じるのだろう。私たちの問い掛けに、徳永医師が柔らかな笑顔で答えてくれた。「例えば、自宅から入院に切り替えるとか、緩和ケア病棟に入るとか、患者はそのとき、そのときで選択を迫られる。医者とけんかすることもある。そし...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    二人はとても上品で、特に女の人は絵にかいたように美しく、名前を松子(まつこ)といったそうです。ところがこの二人、とても世間知らずな上、お金の使い方が下手でした。ですから大神宮へのお参りをすませての帰り道、お金が足りなくなってしまったのです。これを知った宿屋の主人が、二人を気の毒に思って言いました。「お客さま、宿代は心配なさいますな。来年も、お客さまの村の誰かが参宮(さんぐう)なさるのでしょう。その時に一緒に返してくだされば、結構です。ああ、それからこれは、帰りの足しに」宿屋の主人は、二人にお金まで貸してやりました。さてその次の年、あの二人の村から人が大勢きて、その宿屋に泊まりました。そこで主人は、「あの、あなた方の村の松子さんという人と、もう一人の方に、去年少しばかりおたてかえしたものがあるのでございます...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    専業主婦の会田紗香(さやか仮名・43歳)。彼女は、約半年前から、7歳年上の会社経営者と不倫関係にある。一見30代半ばかと見まがうが、実は43歳。目や口元が三浦理恵子に似ていて、間違いなく美人の部類に入るルックスだ。子供は大学生の息子が1人いるとこっそり教えてくれた。今の不倫相手は妻子がいるため、W不倫ということになる。「意外に思われるかもしれませんが、夫との関係は良好なんです。固い友情で結ばれてる感じですね。でも、男女関係はとっくの昔に終わってるんです。※夫とのセックスが嫌で、頭の中で般若心経を唱える紗香は、夫とセックスレスなわけではない。夫は、結婚して20年以上経った今も、紗香に月に1回ほどは、性欲をぶつけてくる。しかし、夫とのセックスに嫌悪感しかない紗香は、セックスの最中、意識を完全に遮断するようにし...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    「安らかに」は幻想世界で最も高齢化が進む日本で、私たちは老いや死をどう受け止めていけばよいのか。識者の言葉から、やがて訪れる「多死社会」への向き合い方を探る。戦中、戦後を通して人と死を見つめてきた作家、五木寛之さんに聞いた。高齢化が騒がれているけれども、その後に、650万人の団塊の世代が一斉にこの世から退場していくわけです。大量の要介護老人と、大量の死者が周囲にあふれかえる時代がくる。まさに未曽有の事態です。これまでの歴史で経験したことがなく、今はまだ解決法もノウハウもありませんから、手探りでやっていくしかありません。近代は、個人としての老いや死を問題にしてきましたが、これからは社会全体でどう受け止めていくかが課題になります。政治や経済の問題だけでなく、宗教のような、集団的思想がクローズアップされるんだろ...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆算すくなきは勝たず「どうしたのですか」紅花は奮揚の腕を抱え、支えた。そのひたむきさに溢れる眼に、奮揚は現実に引き戻された気がした。「ああ……すまない。少し昔のことを思い出してしまった。……その殺された暗殺犯というのは、おそらく私とともに費無忌を襲撃した子仲のことだ。純粋で素直な、いい男であったのだが……その純粋さのあまり世の時勢に抗うことができなかったのだろう。奴は、この前もそうだったのだ」紅花は奮揚の腕を放さず、その思いに共感を示した。「可哀想な人ですね」ああ、そうだ。子仲という男をひと言で言い表すなら、それ以外の言葉はない。二度も暗殺を謀った悪意に満ちた男などというものではなく、人の熱い意志に応えようとするあまり、自らの命の危険を顧みることができなかった男というべきなのだ。彼を道具とし...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・妄想物語

    兵庫県の中東部、丹波市と隣の篠山市からなる丹波地域の人口は、約11万6千人。3つの基幹病院があり、7人の小児科医が働いていた。3病院で小児科輪番制をしき、夜間救急外来を分担していた。医師不足と経費削減のあおりを受け、1つの病院の小児科がつぶれた。もう1つの病院も、小児科医が1人になった。輪番制は機能しなくなった。丹波市にある県立柏原(かいばら)病院でも、小児科医が3人から2人に減っていた。さらに、県の人事で、うち1人が院長に就任することになった。小児科医が実質、自分1人になると聞いたとき、和久祥三は、もう限界だと絶望したという。当時すでに、月に7日以上も宿直や地域の輪番があり、睡眠不足が続いていた。心身ともに疲れ切っていた。このうえ、現場で働く人間がまた減ったら、丹波地域の小児1万8千人の命を、自分と別の...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    メンタルコーチのアニキは、夢を叶えるため会社を辞めましたが、収入は月4万円。それが16ヶ月間も続きました。そんなある日、彼はドアをノックしたことがきっかけで人生が変わり始めます。勇気を出して一歩を踏み出してみる。それだけで見える世界は変わってくるのです。(2013年)は伊勢神宮と出雲大社のダブル遷宮の年。そして、「朝日の伊勢」「夕日の出雲」と言われていることもあり、「早朝に伊勢神宮に参拝して朝日を拝み、その日の夕方に出雲大社に参拝し、夕日を拝もう」というイベントがあった。かつて誰も経験したことのない強行な観光旅行だ。企画した㈲クロフネカンパニーの中村文昭さんは、移動中の約8時間、バスの中が退屈しないように講演会を考えた。旅行には、全国から260人が集まったそして8人の講師がそれぞれバス6台に分かれて乗り込...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・一考編

    寺には和尚(おしょう)さんと小僧(こぞう)さんのほかに、年老いた一匹のネコしかいません。お参りに来る人もめったにいないため、和尚さんと小僧さんはひまさえあればネコをかわいがっていました。ある時、信州(しんしゅう(長野県)の知り合いから法事(ほうじ)の手伝いに来てくれと頼まれたので、和尚さんは小僧さんを連れて出かけることにしました。「ネコよ、しっかり留守番(るすばん)を頼んだぞ」和尚さんはネコが食べ物に困らないよう、たくさんのエサを用意してやりました。信州に出かけた二人が峠(とうげ)の茶屋でひと休みしていると、下の方からスルスルと火車(かしゃ→死んだ人をじごくへ運ぶ乗り物)が登ってくるのが見えました。和尚さんと小僧さんがビックリして中をのぞくと、火車にはやせたおじいさんが乗っています。(あの年寄りが何をした...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    寺には和尚(おしょう)さんと小僧(こぞう)さんのほかに、年老いた一匹のネコしかいません。お参りに来る人もめったにいないため、和尚さんと小僧さんはひまさえあればネコをかわいがっていました。ある時、信州(しんしゅう(長野県)の知り合いから法事(ほうじ)の手伝いに来てくれと頼まれたので、和尚さんは小僧さんを連れて出かけることにしました。「ネコよ、しっかり留守番(るすばん)を頼んだぞ」和尚さんはネコが食べ物に困らないよう、たくさんのエサを用意してやりました。信州に出かけた二人が峠(とうげ)の茶屋でひと休みしていると、下の方からスルスルと火車(かしゃ→死んだ人をじごくへ運ぶ乗り物)が登ってくるのが見えました。和尚さんと小僧さんがビックリして中をのぞくと、火車にはやせたおじいさんが乗っています。(あの年寄りが何をした...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    専業主婦の会田紗香(さやか仮名・43歳)。彼女は、約半年前から、7歳年上の会社経営者と不倫関係にある。一見30代半ばかと見まがうが、実は43歳。目や口元が三浦理恵子に似ていて、間違いなく美人の部類に入るルックスだ。子供は大学生の息子が1人いるとこっそり教えてくれた。今の不倫相手は妻子がいるため、W不倫ということになる。「意外に思われるかもしれませんが、夫との関係は良好なんです。固い友情で結ばれてる感じですね。でも、男女関係はとっくの昔に終わってるんです。旦那はもう、男じゃない」紗香は、時折、視線を下に漂わせながらも、はっきりとした口調で語り出した。結婚した時より緊張する不倫相手との逢瀬紗香が現在の不倫相手と出会ったのは、地元の石川県金沢市にある喫茶店だった。そこにパート勤めしていた紗香は、特に常連に人気の...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・歌物語

    毎週水曜日夜9時からTBS系列で放送された1時間ドラマ『寺内貫太郎一家―第2部』の挿入歌。昭和50年(1975)8月に、徳久広司の歌でレコードが発売されました。のちに小林旭がカバーしています。ドラマはは、第1部が昭和49年(1974)1月16日から同10月9日まで放映され、その好評を受けて、第2部が翌50年(1975)4月16日から同11月9日まで放映されました。東京・下谷で石材店を営む一家の日常や近隣の人びととの交流をテーマとしたホームコメディで、平均視聴率31.3パーセントという人気ドラマでした。頑固一徹のあるじ・寺内貫太郎を作曲家の小林亜星、その妻・里子を加藤治子、長男・周平を西城秀樹(第2部では次男)、貫太郎の母親・きんを悠木千帆(現・樹木希林)、お手伝いのミヨコを浅田美代子が演じ、伴淳三郎、左と...貧者の一灯・歌物語

  • 貧者の一灯・特別編

    2006年のアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』は、エンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」がオリコンチャートの上位を席巻するなど、まさに社会旋風を巻き起こすほどの大ヒットになった。朝比奈みくる役の後藤邑子さんもその一人だった。アニメが5本、ラジオが6本、ゲームも録りながら、週末はイベント。合間にレコーディング、撮影…当時の『涼宮ハルヒの憂鬱』界隈の盛り上がり方はすごかったですね。「あ、売れてるんだ」と実感したことはありましたか?後藤武道館にポップアップ(舞台の下から飛び上がる)で登場してましたからね(笑)。夢にも思わなかった景色です。なぜ自分がここにいるのか分からないまま、ただすごく楽しかったです。これほどのタレント活動は、事務所としても前例のないことだったので「イベントがすごく多い!マネージャーは誰が行けます?」と...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆算すくなきは勝たず「やり過ぎだ。いくらなんでも愛する人の首を斬るなど……あまりにひどい。君は、人としての感覚をどこかに捨て去ってしまったのか」伍子胥は、孫武を問いつめた。その口調には、落胆が窺える。「君の口からそのようなことを聞かされるとは思っていなかったぞ。君こそ、復讐の鬼だろう。いまはおとなしくしているらしいが、その実は潜伏しているだけだと聞いている」「いくら私でも、わけもなく人を殺したりはしない」孫武は、その伍子胥の言葉に笑った。「私だってわけもなく殺したのではない。呉王にわからせるためだ。よいか、王さまなんてものは、人の犠牲の上に立ちながら、そのことを意識もせずに生きていられる唯一の存在なのだ。人心を得る王は早いうちにそのことに気付くが、気付かない王はいつまでたっても人心を得ない。...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・番外編

    そのおばあさんは、家族も親戚もおらず孤独でした。自分の悩みをある人に、こう打ち明けました。「自分はもう年老いていて病気で、入院しているので、人にお世話になりぱなし。若い頃と違って、もう人の役に立つことはできない。もう早く死んだ方がいい」それは聞いた人はこう言いました。「いいえ、おばあさん。おばあさんにも、人の役に立つこと、できることがありますよ」おばあさんは驚いて、その人の話に耳を傾けました。「たとえば、おばあさんに親切にしてくれる人、世話をしてくれる人に心から感謝するんです。そして『ありがとうございます』と言うんです。それだけでも、おばあさんは人から喜ばれる人なんですよ」それを聞いておばあさんは、なんだそんなことかとがっかりしました。しかし、おばあさんは、これまでのことを振り返ってみて、ふと気づきました...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・一考編

    多くの場合、丁寧な言葉で淡々と被告人に話しかける裁判官。しかし、この日の男性裁判官は前のめりになりながら、叱責と切願が入り混じった言葉を証言台に投げかけた。その背景には何度も有罪判決を受けた高齢者が窃盗を繰り返してしまう実態があった。勝手知ったる法廷内5m先からの声に直立不動で耳を傾けるのは裁判官より30歳年上の男性(79)。3月、都内のコンビニで新聞1部(150円)を盗んだとして「常習累犯窃盗」の罪で起訴された。常習累犯窃盗とは、何度も窃盗を繰り返す罪のことで、具体的には10年以内に窃盗や窃盗未遂で懲役6カ月以上の判決を3回言い渡された場合に適用される。有罪となれば3年以上20年以下の懲役という重い刑罰が科される。5月下旬の東京地裁、初公判に黒のジャージ姿で出廷した男性は裁判官に指示される前に証言台に進...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    むかしむかし、玄象(げんしょう)という名前のついた、すばらしいびわがありました。このびわは宮中(きゅうちゅう)の宝物として代々の天皇に伝えられた物で、たくさんの宝物の中でも特別に大事にされてきたのです。ところがある日の事、この大切なびわがなくなってしまいました。みんなで探しましたが、どうしても見つかりません。「だれが盗んだのだろう?」「いいや。あれほど厳重(げんじゅう)にしまってあったものを、盗む事は出来ぬぞ」「しかし、げんにないではないか。きっとだれかが盗んで、隠し持っているに違いない」「いやいや、あのような名器を簡単に隠せるものではない。ちょっとでも音が出れば、すぐにわかってしまうのだから」みんなは色々とうわさをし、なくなった事を知った天皇も、「このようなとうとい宝物を自分の代になくしてしまうとは、ま...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    ここは都内某所のガスト。入口近くの「1-5卓」は窓もなく、壁が目隠しとなった“死角”に位置する。この4人掛けの席で閉店後、性行為にふけっていたのが、店舗の責任者であるマネージャーA氏(39)とパートとして勤務する主婦のBさん(37)である。そのファミリーレストランは1階が駐車場となっており、閉店後に2階の店内の様子を窺い知ることは難しい。だが、耳をそばだてれば“秘密の残業”に励む男女の声が…。ガスト関係者が明かす。「二人が不倫関係に陥ったのは、緊急事態宣言の最中の昨年8月下旬頃。店の衛生管理に細心の注意を払っている時期に、客に食事を提供する場でそんな行為をしていたのは許せない」多い時には週に3、4回も客席で…コロナ禍で営業時間が短縮されたのをいいことに、二人の行為はエスカレート。「多い時には週に3、4回も...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・特別編

    2006年のアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』は、エンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」がオリコンチャートの上位を席巻するなど、まさに社会旋風を巻き起こすほどの大ヒットになった。キャラクターを演じた一人一人がスターダムを駆け上がっていく。朝比奈みくる役の後藤邑子さんもその一人だった。順風満帆に見えた彼女だったが、病気は確実に進行していた。アニメが5本、ラジオが6本、ゲームも録りながら、週末はイベント。合間にレコーディング、撮影…代アニを卒業してからは、どういうルートで声優になったのですか?後藤声優事務所の附属養成所に入りました。ただ、しばらくして、3歳下の妹が急に亡くなったんです。19歳でした。妹は持病はなく、地方の大学の寮に入っていたんですけど、夜寝ているあいだに心不全を起こしたそうです。健康な人でも起こす可能性...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・妄想物語

    私の祖母の生まれ故郷は、本州から少し離れた離島で、そこで畜産や農業を営んでいたと言います。主に牛や鶏といった家畜を飼っており、市場で売却して生計をたてていました。私は祖母との会話が好きで、よく話をしていました。その中でも印象的だったのが、なぜ祖母が鶏肉を嫌いになったのか、という理由でした。家畜は自分の家で食べる事もあったらしく、下処理は自分達でやるのだそうです。祖母が直接処理していた訳ではありませんが、その過程を目にしてしまう事がしばしばありました。ある日、小学生だった祖母が学校から帰ると家に誰もいません。納屋で作業でもしているのかな、と思い覗いてみると、祖母の父親が鶏の血抜き作業をしていたそうです。ぐったりしている鶏の首を切り落とし、逆さまに吊るして干す。見慣れない祖母にとっては、生涯忘れられない光景だ...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    ●「人間は弱い者である。たとえ幾多の才があっても、大きな意欲があっても、『ダメな奴』と言われればたちまちしぼんでしまう。逆に、才がなくても気力がなくても、相手の一言によって生きる力を与えられる」:『忘れえぬ言葉』●「何十億の人に、かけがえのない存在だと言ってもらわなくてもいいのだ。それはたった一人からでいい。『あなたは、わたしにとって、なくてはならない存在なのだ』と言われたら、もうそれだけで喜んで生きていけるのではないだろうか」:『三浦綾子』三浦綾子さんは、日本が戦争に負けたことがきっかけで、これまで教師として子どもたちに教えてきたことにむなしさを感じます。そして、人も自分も信じられなくなり、自殺までしようとします。しかし幼なじみの前川正さんのおかげで、ようやく、信じられる存在に出会えます。ところが、まも...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    ある夜の事、あこや姫が琴を弾いていると、♪ピーヒャララと、どこかからか素晴らしい笛の音が聞こえてきました。あこや姫がその笛の音色に聞き惚れて、思わず琴の手を止めると、その笛の主である若者が姿を現して、こう言いました。「私は、名取の左衛門太郎という者です。あなたの琴の音に惹かれて、ここまでやって来ました。さあ、あなたの琴をお聞かせ下さい」「はい。それでは、ご一緒に」それからというもの、あこや姫が琴を弾き始めると、若者は笛を吹きながら現れるようになったのです。そんなある日の事、今日も笛を吹きながらやって来た若者が、沈んだ表情であこや姫に言いました。「実は私は、千歳山の老松なのです。明日、私は、流された名取川の橋材として切り倒される事になったのです。ですから、もうここには来られなくなりました」若者はそう言って悲...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・特別編

    “小森のおばちゃま”との出会い高校時代に演劇に出会ったそうですね。後藤邑子さん(以下、後藤)はじめは同級生に連れられて演劇部に行きました。先輩から「後藤ちゃんうまい」「おもしろい」と褒められて、「もうちょっとやってみようかな」と続けていくうちに、のめりこんでいました。自分じゃない何者かになるという体験が、すごく快感だったんです。たぶん私は、文字通り「自分じゃない何か」になりたかったんだと思います。倦怠感は常にあって、生活の制限も多い、そんな自分本体を好きじゃなかった。そういう自分を全部忘れて別人になれる時間が快感でした。演じたあとは誰よりもバテてるんですけど(笑)。そのころから役者の道を志していたのでしょうか?後藤やりたい気持ちはありました。でも体育の授業も見学しなきゃいけない体で、プロの舞台をこなすのは...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆兵法家五宮中の百八十名の美女たちが庭へ連れてこられた。孫武はこれを仮想の兵士に見立て、二つの隊にわけた。そして特に闔閭の寵愛の深い二人をそれぞれの隊長に任じたうえで、全員に鉾ほこを持たせた。孫武は彼女たちに問いかける。「お前たちは皆、自分の胸と左右の手、そして背中を知っているな?」女たちは口々に答えた。「存じています!」かしましい女たちの声。物見台の上からその様子をうかがっていた闔閭は面白そうに笑みを浮かべた。だが孫武は真剣な表情を崩さない。「私が前と言ったら、お前たちは自分たちの胸を見ろ。そして左と言ったら左手を、右と言ったら右手を見るのだ。後ろと言ったら、後ろを向け。わかったか?」「わかりました!」女たちの黄色い声が庭全体に広がった。その陽気に溢れた空気の中、ひとり孫武は斧やまさかりな...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・妄想物語

    私が小学生だった時、母方のおじいちゃんが緊急入院してしまいました。私と弟と父母の家族総出で病院へ駆けつけると、おじいちゃんはベッドで酸素呼吸器を付け、話かけても全く反応がありません。それは小学生の私ですら、もうおじいちゃんは助からないのではないかと思ってしまう状態でした。しばらくすると母が、私と弟を連れて一旦家へ帰る事になりました。父だけ病室に残り、もしも何あれば直ぐに連絡すると言って別れました。普段であればもうとっくに寝ている深夜でしたから、帰宅すると私達はいつの間にか寝てしまいました。翌朝、日が昇り始めた頃に私は自然と目が覚めました。目覚まし時計でもなかなか起きない私が、普段より短い睡眠なのにスッキリと起きてしまったのです。まだ寝たいのになと思って寝返りをうち、隣に寝ている弟の方を見て、私は思わず悲鳴...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    「舞妓は“子ども”なので『わからしまへん』と返すしかない」「未成年への飲酒の強要や、セクハラに対して声を上げることで花街を変えたい。その気持ちは舞妓時代からありました。でも花街の誰かに相談しても『大変やな。でもこういうもんやから、あんたが我慢しよし』と言われて終わってしまう……。だからいつか外に出て、花街の実態を伝えようと思っていました。今、こうしてたくさんの反響をいただいて、この問題が議論されていることで、当時のつらかった自分も報われる思いです。一方で、改めて花街の“体質”を思い知らされたことも事実なんです」そう語るのは、衝撃的な告発をツイッターに投稿した元舞妓、桐貴清羽さん(きりたかきよは・23)だ。《当時16歳で浴びるほどのお酒を飲ませられ、お客さんとお風呂入りという名の混浴を強いられた。これが本当...貧者の一灯・一考編

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