なるほどね、うまくはいかないものだよ。 バルムンクの生み出す闇の中で、ジョルジュ・ベルリオーズは呟いた。朝
私のオリジナル小説「セイレネス・ロンド」本文および関連情報・設定などを徹底的に網羅すべく作ったサイトです。常時成長中。まだまだ増築構想があります。是非覗いてみてください。
小説の作り込みとかそういうのを作者自らがとっことんマニアックに語っています。作品で語り尽くせなかったわけではなく、作品を読んだ上で更に楽しんでいただけるようにということから手元の設定を「読み物」に変換しました。
↑previous それから一時間ばかり経った頃、カティとエレナは格技訓練室にて隣り合って仰向けに寝転がっていた。二人とも正規の耐ショックスーツとヘッドギアを身に着けていたのだが、顔は腫れ上がっていたし、全身あらゆる箇 […]
↑previous 突如鳴り響いたそのアラームに、カティとエレナは顔を見合わせる。そして一も二もなく携帯端末(モバイル)を取り出して、情報を確認する。戦闘開始や終了時に通知が来るのだが、このアラームが鳴る時は、ヤーグベ […]
2021/11/25 p.16まで追加(C1-1完結) 小説対応部分はこちら C1-1へ移動する
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■前回はこちら エディット カティ、大変! カティ どうしたの、姉さん? エディット 漫画が始まってしまったらしいわ…… カティ 漫画? ええと、静心の? エディット さすがそのとおりずばりそのとおりさすがだわ! カティ […]
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↑previous 翌朝、カティは顔に当たる柔らかい感触に驚いて目を覚ました。 「……?」 エレナの胸に抱かれる体勢になっていることは数秒で理解した。だが、なぜエレナが下着姿なのかはついに理解出来なかった。つまりカテ […]
↑previous カティとエレナは、並んで湯船に浸かっている。程よい湯気が二人の体温を少しずつ上げていく。 「生き返るわぁ」 まんまとカティの背中を流すことに成功したエレナは、満足げに天井を仰いだ。カティはふっと息 […]
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↑previous 二人はピザ屋の駐車場で参謀部の車に拾われて帰っていった。一人になってしまったカティは少し思案した末に、一人でドライブをしてみようと思い至る。市街地から抜ける頃になって、細かい雪が振り始めてきた。気温 […]
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2021/11/13 p.6まで追加 小説対応部分はこちら
↑previous 藍色(インディゴ)の大衆車がカティが初めて手に入れた乗用車だった。無論、中古車であるが、当然のように自動運転(オートマ)機能がある。玄関でヴェーラとレベッカを乗せ、目的地を確認するために携帯端末(モ […]
↑previous シミュレータの筐体から出た時には、カティは汗だく状態になっていた。空戦の緊張感による影響……はそれほどではない。最後の最後、戦艦たちがオーロラを放って一気に戦闘を終結させた時に、カティは得体の知れな […]
↑previous 多弾頭ミサイルの群れが、敵機に襲いかかる。だが、敵は五倍。敵機からも当然、五倍のミサイルが放たれてくる。カティたちは更に散開し、各個に退避行動に移る。隊長機であるカティには全部で二十もの弾頭が迫って […]
↑previous フェーンはそんなカティの様子をしばらく眺め、何かに納得したのか無表情のままで小さく頷いた。 「歌姫計画(セイレネス・シーケンス)の名前は誰もが知っているところだと思うが、その実態は限られた者しか知ら […]
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なるほどね、うまくはいかないものだよ。 バルムンクの生み出す闇の中で、ジョルジュ・ベルリオーズは呟いた。朝
カティは純白の空間に立っていた。一面の白だ。それはセイレネスの生み出す論理空間の中だった。 「やぁ、カティ」
くそッ! カティは思わず計器類を拳で叩いた。頑丈なハードウェアたちは鈍い音で抗議し、カティの拳に鈍い痛み
敵艦隊を殲滅し、母艦リビュエに着艦するや否や、カティは 艦橋《ブリッジ》へと急いだ。 「状況は! 状況はどう
エディタたち五名の V級歌姫《ヴォーカリスト》と C級歌姫《クワイア》たちは、クララとテレサを先頭に押し立て
薄紙を破るかのように、 C級歌姫《クワイア》たちの小型艦艇が粉砕されていく。マリオンとアルマの PTC《完全
二〇九九年一月一日未明――。 イザベラ率いる反乱軍と、マリオンとアルマに率いられた討伐艦隊は、ほんの三十五
混乱している、と言っても良いだろう。イザベラは半ば呆然と、モニタの中のマサリク大統領を見つめていた。 マサ
二〇九八年十二月二十二日――第二艦隊撤退より一週間後。 マリオンとアルマは航空機によって統合首都へと帰還さ
闇《バルムンク》の中にて、その戦いの一部始終を見下ろしている姿がある。銀髪に赤く輝く左目の持ち主、ジョルジ
闇《バルムンク》の中にて、その戦いの一部始終を見下ろしている姿がある。銀髪に赤く輝く左目の持ち主、ジョルジ
レオノールはエディタとの約束通り、 V級《ヴォーカリスト》および全ての C級《クワイア》を統率していた。エデ
イザベラの号令一下、第一艦隊の火砲が 猛《たけ》る。轟音と共に放たれた弾丸は正確にアルマとマリオンの 制海掃
二〇九八年十二月十五日――。 あと三十分というところか。 イザベラは督戦席から立ち上がり、艦長に右手を上
レオノールが隣接の士官学校にあるシミュレータルームに着いた時、エディタを初めとする残存 V級歌姫《ヴォーカリ
その日の夜、レオノールはエディタたちを引き連れて、マリオンとアルマの部屋を訪ねた。二人と、そしてレニーは、士
エディタは小さく咳払いをする。純白の論理空間の中に、ロラ、ハンナ、パトリシア、そしてレオノールが、それぞれに
エディタの呼びかけにより、残った V級歌姫《ヴォーカリスト》の全員がシミュレータルームに集っていた。エディタ
レベッカ姉様……! マリアの声にならない叫びが、闇の中に消えていく。マリアは、セイレネス・シミュレータを経
セイレーン EM《イーエム》- AZ《エイズィ》とウラニアが、持てる火砲のそのすべてを撃ち放つ。極至近距離で
レベッカは統合首都にて、静かに《《その時》》を待っていた。ガラスの向こうのシミュレータルームには黒い棺のよう
《《生首の歌姫》》が口を開いた。響いたのは絶叫だ。 イザベラはそのあまりの音圧に圧倒される。至近距離で、し
レネ・グリーグが操る戦艦ヒュペルノルと合流した第一艦隊は、アーシュオンの三個艦隊と正対していた。イザベラはセ
第七艦隊旗艦、航空母艦ヘスティアの提督席にて、クロフォードは小さく唸る。ヘスティアの展開する隠蔽システムの傘
二〇九八年十一月末――。 アーシュオンは驚くべき作戦を展開した。アーシュオン本土を縦断するように、巨大なト
それから三日後。 エディタは暗いセイレネスシミュレータの筐体に乗り込むと、大きく息を吐いた。エディタが部屋
そこまでして、命を捨ててまでして、いったい何が得られるというのですか――エディタが掠れた低い声で尋ねる。イザ
二〇九八年、十一月も間もなく終わる頃――。ヤーグベルテ統合首都の秋は足早に過ぎ去り、間もなく初雪が観測される
床も、壁も、天井も、ない。色もない――黒や白の感覚もない。上下左右の概念すら消失してしまっているこの場所は、
バルムンクの創り出した闇の中から、アトラク=ナクアは「あらあら」と戸惑うカティを眺めていた。アトラク=ナクア
無事に着艦を済ませ、艦上に降り立った時の疲労感は、今まで感じたことのないほどのものだった。水の中にでもいるの
この、一方的な力が、セイレネス!? カティの一撃で空域が焼け焦げた。それを目にした瞬間に、カティは寒気を覚
翌日正午過ぎ、カティはさっそくエキドナに搭乗していた。移送と慣熟飛行を兼ねた無茶なプランだったが、カティには
イザベラが人間弾頭を処理した戦いから三日後、十一月も中旬に差し掛かり冬の前触れのような寒風がヤーグベルテ統合
目まぐるしく動く状況の推移を確認しながらも、イザベラは艦首 PPC《粒子ビーム砲》の発射シーケンスを進めてい
二〇九八年十一月上旬、訓練航海を終えたイザベラの艦隊は補給を済ませるなりアーシュオンとの中間海域へと取って返
二〇九八年十一月上旬、訓練航海を終えたイザベラの艦隊は補給を済ませるなりアーシュオンとの中間海域へと取って返
まったく、きみってやつはさぁ――イザベラも手近な椅子に腰を下ろして足を組み、頬杖をついた。 「ベッキー、きみ
レベッカがよろめきながら入った室内には、マリオンが一人、座っていた。その顔は、目の下に濃い影を作っていた。出
第二艦隊旗艦ウラニアの 艦橋《ブリッジ》の窓際にて、レベッカは物思いに 耽《ふけ》っていた。照明すらほとんど