なるほどね、うまくはいかないものだよ。 バルムンクの生み出す闇の中で、ジョルジュ・ベルリオーズは呟いた。朝
私のオリジナル小説「セイレネス・ロンド」本文および関連情報・設定などを徹底的に網羅すべく作ったサイトです。常時成長中。まだまだ増築構想があります。是非覗いてみてください。
小説の作り込みとかそういうのを作者自らがとっことんマニアックに語っています。作品で語り尽くせなかったわけではなく、作品を読んだ上で更に楽しんでいただけるようにということから手元の設定を「読み物」に変換しました。
↑previous 暦が二〇八三年に変わる。カティは壁に投影されているカレンダーをぼんやりと眺めながら、年末年始休暇の後半戦をどのようにして凌(しの)いだら良いものかと思案していた。寮に住むほとんどの候補生は帰郷してし […]
↑previous あれ? エレナは首を振る。ひどく肩が張っていて、少し頭痛もした。そしていつからか知らないが、ハルベルトが目の前に立っている。 「だいじょうぶ?」「いつからいたのよ、あんた」 強がってみせるも、な […]
version 7.x(というか7.1) 第十二弾(最終) ■2021/10/24 やっと出ました、「静心」主人公マリオンのパートナー(恋人にして後の婦々)、レオノール・ヴェガ。サラッと描けたと思ったら修正が山程あって死 […]
version 7.x 第十一弾。 ■2021/10/23 Ver.7.0のうちにマリア・カワセ大佐を描いておきたくてアレです。ちょっと年齢下がりすぎたカンがあるので、これもVer.8.xでリベンジかなぁ。とはいえ、造形 […]
↑previous カティとヨーンが昼食を終えた、その頃である。 エレナは一人、士官学校中庭に備え付けられている小さなガラス張りの建物――通称ガーデンスペースのベンチにて、読書をしながらサンドイッチを食べていた。室温 […]
version 7.x 第十弾。 ■2021/10/22 過去に二回、同じような構図で描いているものを再々リファイン。ちゃんとレベルが上っている気がする……上がっているよな? うん、たぶん。(自己完結) ツイッターでは修 […]
↑previous 空軍士官候補生たちにとって、目指すべき目的地は一つだ。即ち、四風飛行隊への配属である。その中でも花形である戦闘機パイロットとなると更に狭き門である。そもそも、空軍士官候補生の中でも戦闘機乗り(パイロ […]
「キービジュアル」として描いた絵を集めています。それぞれ準備ページから閲覧可能。 左上から順に「キービジュアル 01~」で対応しています。 順次追加していく予定。
version 7.x 第九弾。 ■2021/10/20 リアル造形を目指して顔面アップで勝負してみた作品。顔面アップが多いのは仕様、というか、練習なので仕方ないね。顔面アップはバランス取れないし、バランスごまかせないし […]
version 7.x 第八弾。 ■2021/10/20 第四弾、第七弾に続き、「空の女帝(エアリアル・エンプレス)」カティ・メラルティン大佐。第四、第七はどっちかと言うと威圧感で攻めた絵にしたんだけども、この第八弾はよ […]
↑previous クロフォードは自室に戻るなり、応接用のソファに深々と座り込む。視線の先には壁に設置された電子地図がある。ヤーグベルテとアーシュオンの間の海域の数カ所が、小さく赤く点滅している。クロフォードが組み上げ […]
version 7.x 第七弾。 ■2021/10/18 カティさんをモデルに割と挑戦的な構図にチャレンジ。見上げアングルということで、かなり胸を大きく誇張してみた。ていうかカティさん胸大きいからね。しかしこのアングルは […]
version 7.x 第六弾。 今回はいつもの人たちじゃない人。 ■2021/10/18 静心、あるいは、セイレネス・ロンドをチェックした方ならわかるお人。エディタ・レスコ中佐。歌姫養成科第一期卒業生、つまり、マリオン […]
version 7.x 第五弾。 今回はA4縦じゃなくて、正方形スタイル。 ■2021/10/17 ちょっとレニーが大人になりすぎ、アルマが子供になりすぎた感はあるが、その宿題はVer.8.xに持っていこう。全体の構成と […]
version 7.x 第四弾。 ■2021/10/16 いかに「ポスター風に描けるか」というのを考えてみた。顔の造形をもっとリアルに持っていければあるいはという感じなので、いずれリベンジしたい。文字の配置はかなり気に入 […]
↑previous カティが接敵を宣言するのとほぼ同時に、シミュレータルームにクロフォード中佐が入ってきた。エレナたちは揃って敬礼するが、クロフォードは彼女らに一瞥をくれることもなく、パウエル少佐に向かって話しかける。 […]
↑previous まだまだ自由自在とまでは言えないがッ! カティは目の前の敵機を追う。周辺の空域にも神経を張り巡らせ、HUDに表示される情報を意識の奥で読み込みながら、目前の機体に焦点を合わせる。その敵機を支援しよ […]
version 7.x 第三弾。 「静心」というよりは「セイレネス・ロンド」の表紙絵に近いかな~ということで、そういう感じに。 ■2021/10/15 というわけで、ヴェーラ・グリエールさんメイン。さりげに後ろにイザベラ […]
↑previous ハルベルト・クライバーか。なんの変哲もない名前をつけたものだ――ジョルジュ・ベルリオーズはなんとも表現し難い微笑を見せる。なにもない、ただひたすらの闇。そんな空間の中に、ベルリオーズは立っていた。 […]
version 7.x 第二弾。 どうやって「絵」にするかで考えたが、現時点の実力でgdgdやっていてもしょうがないということでかなりストレートな感じで。 ■2021/10/13 主人公マリオンさんに身体を張ってもらいま […]
version 7.x 第二弾。 どうやって「絵」にするかで考えたが、現時点の実力でgdgdやっていてもしょうがないということでかなりストレートな感じで。 ■20211/10/13 主人公マリオンさんに身体を張ってもらい […]
version 7.xシリーズということで、表紙絵シリーズ。あくまで「表紙」とか「ポスター」的なものを作るという自分課題なので、題字も入れてみるテストですが、文字入れって難しいですね。 第一弾はこちら。 ■2021/10 […]
↑previous ふわりと空間が闇に落ちる。カティたちが去ったロビーの時間が止まる。黒ずくめに金髪、そして美貌――ハルベルト・クライバーがそこに佇んでいた。その金の揺らぎが風もないのに揺れている。 「あんな子たちを小 […]
↑previous ……あれ? 今、何考えてたっけ? 階段を降りながら、カティは首を振る。ヴェーラから電話があったことは覚えているし、会話の内容もちゃんと思い出せる。だが、それからどうして階段の所まで辿り着けたのか […]
↑previous 航空力学の試験。問題が配信されたその直後に、多くの士官候補生が脱落した。講義室にずらりと座っていた候補生の半数以上が、開始十分で白旗を上げて、試験終了ボタンを押す決断をした。というのも、試験問題が全 […]
↑previous その日以来、深夜の浴場はカティの貸し切りとは言えなくなった。エレナもカティの入浴時間を見計らって入ってくるからである。二日に一度以上の遭遇率となった二人は、自然と会話も増えていった。CQC(近接格闘 […]
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なるほどね、うまくはいかないものだよ。 バルムンクの生み出す闇の中で、ジョルジュ・ベルリオーズは呟いた。朝
カティは純白の空間に立っていた。一面の白だ。それはセイレネスの生み出す論理空間の中だった。 「やぁ、カティ」
くそッ! カティは思わず計器類を拳で叩いた。頑丈なハードウェアたちは鈍い音で抗議し、カティの拳に鈍い痛み
敵艦隊を殲滅し、母艦リビュエに着艦するや否や、カティは 艦橋《ブリッジ》へと急いだ。 「状況は! 状況はどう
エディタたち五名の V級歌姫《ヴォーカリスト》と C級歌姫《クワイア》たちは、クララとテレサを先頭に押し立て
薄紙を破るかのように、 C級歌姫《クワイア》たちの小型艦艇が粉砕されていく。マリオンとアルマの PTC《完全
二〇九九年一月一日未明――。 イザベラ率いる反乱軍と、マリオンとアルマに率いられた討伐艦隊は、ほんの三十五
混乱している、と言っても良いだろう。イザベラは半ば呆然と、モニタの中のマサリク大統領を見つめていた。 マサ
二〇九八年十二月二十二日――第二艦隊撤退より一週間後。 マリオンとアルマは航空機によって統合首都へと帰還さ
闇《バルムンク》の中にて、その戦いの一部始終を見下ろしている姿がある。銀髪に赤く輝く左目の持ち主、ジョルジ
闇《バルムンク》の中にて、その戦いの一部始終を見下ろしている姿がある。銀髪に赤く輝く左目の持ち主、ジョルジ
レオノールはエディタとの約束通り、 V級《ヴォーカリスト》および全ての C級《クワイア》を統率していた。エデ
イザベラの号令一下、第一艦隊の火砲が 猛《たけ》る。轟音と共に放たれた弾丸は正確にアルマとマリオンの 制海掃
二〇九八年十二月十五日――。 あと三十分というところか。 イザベラは督戦席から立ち上がり、艦長に右手を上
レオノールが隣接の士官学校にあるシミュレータルームに着いた時、エディタを初めとする残存 V級歌姫《ヴォーカリ
その日の夜、レオノールはエディタたちを引き連れて、マリオンとアルマの部屋を訪ねた。二人と、そしてレニーは、士
エディタは小さく咳払いをする。純白の論理空間の中に、ロラ、ハンナ、パトリシア、そしてレオノールが、それぞれに
エディタの呼びかけにより、残った V級歌姫《ヴォーカリスト》の全員がシミュレータルームに集っていた。エディタ
レベッカ姉様……! マリアの声にならない叫びが、闇の中に消えていく。マリアは、セイレネス・シミュレータを経
セイレーン EM《イーエム》- AZ《エイズィ》とウラニアが、持てる火砲のそのすべてを撃ち放つ。極至近距離で
レベッカは統合首都にて、静かに《《その時》》を待っていた。ガラスの向こうのシミュレータルームには黒い棺のよう
《《生首の歌姫》》が口を開いた。響いたのは絶叫だ。 イザベラはそのあまりの音圧に圧倒される。至近距離で、し
レネ・グリーグが操る戦艦ヒュペルノルと合流した第一艦隊は、アーシュオンの三個艦隊と正対していた。イザベラはセ
第七艦隊旗艦、航空母艦ヘスティアの提督席にて、クロフォードは小さく唸る。ヘスティアの展開する隠蔽システムの傘
二〇九八年十一月末――。 アーシュオンは驚くべき作戦を展開した。アーシュオン本土を縦断するように、巨大なト
それから三日後。 エディタは暗いセイレネスシミュレータの筐体に乗り込むと、大きく息を吐いた。エディタが部屋
そこまでして、命を捨ててまでして、いったい何が得られるというのですか――エディタが掠れた低い声で尋ねる。イザ
二〇九八年、十一月も間もなく終わる頃――。ヤーグベルテ統合首都の秋は足早に過ぎ去り、間もなく初雪が観測される
床も、壁も、天井も、ない。色もない――黒や白の感覚もない。上下左右の概念すら消失してしまっているこの場所は、
バルムンクの創り出した闇の中から、アトラク=ナクアは「あらあら」と戸惑うカティを眺めていた。アトラク=ナクア
無事に着艦を済ませ、艦上に降り立った時の疲労感は、今まで感じたことのないほどのものだった。水の中にでもいるの
この、一方的な力が、セイレネス!? カティの一撃で空域が焼け焦げた。それを目にした瞬間に、カティは寒気を覚
翌日正午過ぎ、カティはさっそくエキドナに搭乗していた。移送と慣熟飛行を兼ねた無茶なプランだったが、カティには
イザベラが人間弾頭を処理した戦いから三日後、十一月も中旬に差し掛かり冬の前触れのような寒風がヤーグベルテ統合
目まぐるしく動く状況の推移を確認しながらも、イザベラは艦首 PPC《粒子ビーム砲》の発射シーケンスを進めてい
二〇九八年十一月上旬、訓練航海を終えたイザベラの艦隊は補給を済ませるなりアーシュオンとの中間海域へと取って返
二〇九八年十一月上旬、訓練航海を終えたイザベラの艦隊は補給を済ませるなりアーシュオンとの中間海域へと取って返
まったく、きみってやつはさぁ――イザベラも手近な椅子に腰を下ろして足を組み、頬杖をついた。 「ベッキー、きみ
レベッカがよろめきながら入った室内には、マリオンが一人、座っていた。その顔は、目の下に濃い影を作っていた。出
第二艦隊旗艦ウラニアの 艦橋《ブリッジ》の窓際にて、レベッカは物思いに 耽《ふけ》っていた。照明すらほとんど