2019年より国内の水道事業にもコンセッション方式が適用できるようになりました。水道に詳しく無い人にも、その利点と課題をわかりやすく伝えるためにHPを作りました。
20年に渡り、海外の貧しい国々の水道開発に携わってきました。 早くから運営方式の重要性に気付き、修士課程、博士課程で水道民営化、コンセッション、アフェルマージュ等の水道事業契約を研究しました。
ここでは2016年に開始された、 愛知の道路コンセッション の概要をとりまとめます。 この事業は、需要リスクがうまく緩和され、また民間企業の知見で需要創出が実施されており、成功事例とされています。 主な特徴は以下のとおりです。 (1)バンドリングによる案件形成(規模の経済) (2...
ここでは、私が2009年に研究でほうもんした、ボリビア国の最大都市ラパス市の水道コンセッション事例を説明します。1997年から30年間のコンセッションが始まりましたが、契約終了を待たずに再公営化されました。再公営化された主な理由は政策転換です。 水道コンセッションの対象地域は標高...
ここでは1997年に開始した マニラの上下水道コンセッション の事例を説明します。この事例は、以下の点で学ぶことが多いです。 (1)敢えて東西に事業を分割した (2)マニラッド社(西部)が1度破綻した (3)いわゆるLow Balling(低価格入札と再交渉)が生じた コンセッシ...
「ボリビアの水紛争」 について聞いたことはありますか? 水紛争(Guerra del Agua)とは、南米ボリビアで2000年に発生した、水道民営化に反対する市民運動です。水道民営化を反対する書籍で良く取り上げられている事件なので、知っている方も多いのではないでしょうか。 ボリビ...
水道民営化は、1990年頃から世界銀行やIMFの提言に従って進められてきた経緯があります。 ここでは過去の世界銀行の政策転換について記載してみます。 ・コンセッション契約の黎明期(1990~) 私が大学を卒業して働き始めた1990年後半は、世界銀行やIMFが世界中でコンセッション...
都市水道事業の官民連携(2012、世界銀行が民営化の失敗を認めたレポート)
世界銀行やIMGは1990年代頃から、各国にコンセッション契約を薦めてきました。しかしながら、その後失敗事例が続出したため、2012年に以下の書籍を公表しました。 世界の主要な36か所の水道コンセッション・アフェルマージュ事業の結果分析の結果、 民間の役割の大きいコンセッションが...
コンセッション契約書には、発注している公的機関と、受注している民間企業が対立した場合の解決方法が記載されています。調停などの手続きと、公的機関またはコンセッショネアによる早期契約終了の条件について記載します。 これらの規定は、予測しない事態が生じたときに非常に重要となります。個別...
ここではコンセッション事業における規制の重要性について説明します まず、民間企業がコンセッション契約で事業運営する場合に生じやすい課題点を示します。その後、それを規制・管理するための方法を、他国の事例に基づいて説明します。 (1)コンセッション契約の問題点 以下はコンセッション契...
PPP(官民連携)に関し、「民間企業が公共サービスに参入すると費用が削減します・・・」と簡単に説明されることが多いですが、実は逆に増加する費用もあります。 ここではコンセッションを行うことで追加的に発生する、以下の費用について説明します。 (1)コンサルタント費用(計画、入札、選...
宮城県が募集していた、上水・工水・下水事業のコンセッション候補者が、3グループの競争を経て、メタウォーターグループに決定されたそうです。 Yahooニュース 宮城県の広報ページ ざっと資料を読みましたが、概要は以下です。 ・契約期間は20年(25年まで延長の可能性あり) ・料金改...
ここでは水道コンセッション事業の入札方式について記載します。 入札手続きですが、まず公的機関が入札実施を公示します。次に興味を示した会社に対しPre Qualification(事前審査)が実施され、経験のない会社は排除されます。その後、応札が認められた企業グループ数社で、競争入...
図 中期計画作成・料金改定の審査プロセス ここではおよそ5年ごとに、料金改定と併せて実施される、 中期計画策定と再交渉の手続き を示します。 コンセッション契約当初、民間企業は契約期間である25年~30年におよぶ事業計画(技術、財務)を提出し、それに基づいて企業の収益や、水道料金...
ここではコンセッション契約の料金決定の仕組みを説明します。 以前、以下の記事で国内の水道料金の決め方について記載しました。 (4)水道事業の収入 コンセッション契約が結ばれた場合ですが、普通は既にある料金設定はそのまま残ります。(日本では総合入札方式が採られる可能性が高いと思いま...
図 コンセッション契約の業務とお金の流れ コンセッション契約の 作業とお金のフロー を、上の図に整理してみました。 契約期間: コンセッション契約は、既往の水道事業実施者と民間企業の間で、 25 年から 30 年の期間を対象として締結されます。長期となる理由は、施設の投資活動もコ...
ここでは、 水道事業とはどういったものか、どこにどれだけお金がかかっているのか 、といった基本的な点を整理しました。 (1)水道事業の特徴、他の公共サービスとの違い (2)水道事業の施設構成 (3)水道事業の費用構成 (4)水道事業の収入 (5)水道事業の成果 (6)水道事業のP...
ここでは水道事業の費用について、建設費に着目して説明します。例として東京都水道局の費用を見てみましょう。 ・ 水道の財政(東京都水道局) ・ 損益計算書(東京都水道局) ・ 貸借対照表(東京都水道局) 令和元年の営業費用(損益計算書から) ・営業費用 3041億円 ・そのうち減...
コンセッション契約により民間企業が水道事業運営をする場合の、メリットとデメリットを以下にまとめました。ここでは一般的な項目を挙げました。 (1)水道事業の効率化 (2)事業の透明性向上 (1)利益優先によるサービス悪化 (2)住民の反対増加 〇メリット1:水道事業の効率化 市町村...
ここでは、 水道事業に適用される主なPPPスキームの概要と各スキームの役割分担 を説明します。PPPスキームの呼び方・定義・条件等は、国によって異なることも多いですが、世界銀行の定義に従いました。また、比較的実施例の多い、新規水源開発(バルクウォーターサプライ)などの一部新設事業...
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