しあわせのかけら 第四話『自分だけのカラダじゃないから』

『自分だけのカラダじゃないから』◇◇◇葵バスグッズに抱き枕、花……いろいろあるねぇ。休日のある日。僕と父さんは、パソコンの画面を見つめて話し合う。マウスを操作するのは主に父さんで、僕は膝の上に日向をのっけておもりをしている。巧妊娠祝いって、

しあわせのかけら 第三話『自分だけのカラダじゃないから』

葵バスグッズに抱き枕、花……いろいろあるねぇ。休日のある日。僕と父さんは、パソコンの画面を見つめて話し合う。マウスを操作するのは主に父さんで、僕は膝の上に日向をのっけておもりをしている。巧妊娠祝いって、何がいいかなぁ。調べているのは、久々に

しあわせのかけら 第三話『何を・どれだけ食べる？』

『何を・どれだけ食べる？』◇◇◇日向が3歳になった。ちびっ子の成長とはめまぐるしいもので、日向は日に日にできることが増えていく。食べこぼしも減ってきたし、三輪車に乗ってペダルをこぐこともできるようになってきた。体重は生まれたときの4倍くらい

しあわせのかけら 第三話『何を・どれだけ食べる？』

『何を・どれだけ食べる？』◇◇◇日向が3歳になった。ちびっ子の成長とはめまぐるしいもので、日向は日に日にできることが増えていく。食べこぼしも減ってきたし、三輪車に乗ってペダルをこぐこともできるようになってきた。体重は生まれたときの4倍くらい

しあわせのかけら 第二話『だれと食べる？』

『だれと食べる？』◇◇◇店をあとにした僕は、多幸感に包まれていた。注文したのはメガ盛りのカツ丼。ザクッとした衣に包まれた肉は噛み応えがあって、それでいて出汁がしみ込んでいて、ほかほかの炊き立てごはんは米本来の甘みがした。夢中になってどんぶり

しあわせのかけら 第一話『何のために食べる？』

『何のために食べる？』◇◇◇変わらない食卓、変わらない日々。そんな当たり前の風景が崩れるのは、何てことない日の、何てことない場面で。円花出張に行くことになったの。半年ほど。夕飯のときだった。母さんがごはんをよそいながら、何てことない口ぶりで

しあわせのかけら 第一話『何のために食べる？』

『何のために食べる？』◇◇◇変わらない食卓、変わらない日々。そんな当たり前の風景が崩れるのは、何てことない日の、何てことない場面で。円花出張に行くことになったの。半年ほど。夕飯のときだった。母さんがごはんをよそいながら、何てことない口ぶりで