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  • 思わず声援を送りたくなる『リカバリー・カバヒコ』(青山 美智子)

    でも順位なんてさ、いつだって、狭い世界でのことだよ。(本文より) 入試頻出作家の9月に発売された新作だ。 都市伝説に心を動かされる人々を描くが SFチックな話ではまったくないんだな。 素材にする際の妨げになる要素はないし 第一話と第四話なんて特に使いやすそう。 第一話は名門校に入り自信を失った子が 級友との交流で自分を見つめ直す話だよ。 第四話は駅伝から逃れたい小4男子の話。 これも級友が重要な役割を果たすんだな。 どちらも少年の成長ぶりがいい感じだわ。 素材文適性は第一話◎、第四話〇な感じ。 まぁ、めちゃ面白い上に読みやすいから 出題とか関係なしに猛烈に推したい本だ。 俺のレビューの一部はこ…

  • たましいの叫びを聞け『ルール!』(工藤 純子)

    大人になる前にあきらめることを覚えるなんて、正しいはずがない。(本文より) 入試頻出作家の本日発売された新作だわ。 トラブル当事者になってしまった少女が 理不尽なルールの存在を初めて意識して 校則の見直しに向け動き始めるんだな~。 中学生達が校則をめぐってああでもない こうでもないと意見を出し合ったりする。 で、先生に考えをぶつけてみたりもする。 さらに知恵をしぼって驚きの行動にでる。 こんなの問題文に使われないわけがない。 著者の本の中では素材文適性がMAXだ。 作問の際は生徒を抑えつけようと必死な 生活指導の先生がちょっと邪魔だけどな。 しっかし、こんな学びの多い作品は稀だ。 9章に至って…

  • 出題されるかもしれない新刊本(2023年11月前後)

    国語出典予想はもう2025年入試版の 作成を始めていて暫定1位はこの作品だ。 11月にも面白そうなのが続々と来るな。 追加で判明したらこの記事に加筆するよ。 10/26発売 『ルール!』(工藤 純子) 理不尽な校則に立ち向かう中学2年生達。 10/30発売 『アオナギの巣立つ森では』(にしがき ようこ) 森の中で凄いものを見つけた二人の秘密。 11/1発売 『椿ノ恋文』(小川 糸) ツバキ文具店の代書屋鳩子が帰ってきた。 11/1発売 ポプラ小説新人賞 『エヴァーグリーン・ゲーム』(石井 仁蔵) 小学生を含む若者達がチェスで激闘する。 11/9発売 ☆先行レビュー予定☆ 『ケモノたちがはしる道…

  • あの先生のお株を奪うような『かたばみ』(木内 昇)

    楽な道を選べば、いっとき救われるんや。けどな、努め続けておったらたどり着けたはずの場所から、永遠に切り離される。(本文より) 読友さん達がやたら激賞するもんだから 思わず手にしてみたが確かに大当たりだ。 何が正しいか徹底して考えさせられるよ。 全ての先生に読んで欲しい稀有な一冊だ。 入試では見ない作家だが素材文適性アリ。 なにしろ新聞連載作だから切り取り易い。 とくに少年視点の3章は、重松清先生の お株を奪うような心情表現の嵐だったよ。 3章の素材によさげなシーン5選 ・従兄に野球で手加減したことがバレる ・小学校入学以来、一二を争う最悪な日 ・街頭TVの野球中継でついた優しい嘘 ・従姉の人知…

  • 心に勇気を灯してくれる『ひとりかもしれない』(岩瀬 成子)

    わりと入試に出る作家の6月発売の作品。 難易度は3~4年でも十分いけそうだよ。 この先生ってば、いつも思うんだけどよ、 中学年の子に心情の揺れを伝えるのって 言葉選びからして半端でなく難しいけど 今作でも見事にやってくれてるんだわ~。 特に子ども同士のトラブルシーンが抜群。 主人公が勇気を出す場面もスンバラスィ。 子どもの心の成長にも役立ちそうな本だ。 俺のレビューの前半部分は以下のとおり。 3~4年生の子に優良図書を薦めるなら迷わずコレですね。主人公は母の再婚に揺れる小学4年生。素直な気持ちを人に伝えられない彼女が、まったく違うタイプの少女や、優しく気遣ってくれる父との日々の中で、力を得て、…

  • アクシデントが最高すぎる『カーテンコールはきみと』(神戸 遥真)

    まったくちがう役をやれば自分を変えられると思っていた。でも実際はそんな簡単じゃない。(本文より) 出題はまれだけど注目してる作家による 今週のなかばに書店で並び始める新作だ。 意外な組み合わせの二人が困難を越えて 崖っぷち演劇部に新しい風を送るって話。 波乱に満ちたストーリー展開がアツいよ。 頑張るだけでなく頑張り方を考えないと みたいなくだりもあって子どもによさげ。 これ読んだら劇部いいかもってなりそう。 素材文適性はこの先生の中では高めだよ。 とくに躍動感あふれる7章に注目したい。 主人公が仲間の新しい一面に気づいたり 自分自身の殻を破ったりする章だからよ。 俺のレビューのラストはこんなノ…

  • 【2024年入試版】国語出典予想ランキング(2022年9月~2023年8月発売)

    過疎自慢のサイトからひっそりお知らせ。 作品の優劣ではなく出題者が選びそうか。 この点のみで順位付けしたリストが以下。 全てここでレビューを書いた作品たちだ。 表の説明はちょっと真面目に書いてみる。 暫定版1~50位(11月下旬にベスト100が最終確定)※スミマセン、如月かずさ先生の名前はのちほど正しく表記させます。 私の勘で選んだ出題者に好まれそうな今期の作品群です。昨年作った前期版では1~25位の中学入試への採用率が約8割、26~50位で2割弱でした。 今回も、ランキング上位には国語科のベテラン教諭が好みそうな「教科書っぽい要素を含んだ作品」をズラリと並べました。 一方、下位には若い読者層…

  • 画期的な中学受験小説『小さな挑戦者たち』(騎月 孝弘)

    4人の中学受験生に寄り添うストーリー。 この子たちが、みんないい子なんですわ。 読めば応援せずにいられなくなるほどに。 主人公もがんばり屋さんで共感できるし。 中学受験の心構えを伝えることを主眼に 描かれた小説って点では素晴らしいな~。 使えそうなアイデアや膝を打つシーンが これほど詰まった作品は類を見ないから。 一方で、少しだけど勿体ない部分もある。 完成度が高いからこそ気になった点だな。 以下、俺のレビューと補足コメント全文。 主人公は25歳の家庭教師。 東大卒業後に大きな壁にぶつかった彼女が、新天地で自分の生きがいを見つけ、教え子やその家族とともに、がむしゃらに歩んでいきます。 初めて6…

  • ラストがそそる、技アリ素材『後ろの席の菊池さん』(名取 佐和子)

    有力作家によるちょうどいい長さの話が いくつも詰まっている季刊『飛ぶ教室』。 ここからの出題が割とあるのは有名だな。 今回は71号から74号が検討対象だよ。 発売時期は昨年の10月から今年の7月。 特に素材文適性が高そうだったのがコレ。 短編の中身をあんまし詳しく書いてくと ネタバレが過ぎるんでサラッと紹介する。 飛ぶ教室73号より 『後ろの席の菊池さん』(名取 佐和子) 中学三年生の少女が、思わぬ場所で不登校のクラスメイトに出会います。主人公は、その子のことを知らないふうを装うのですが・・・。ラストの一文が受験生への殺し文句になりそうな注目作。 『飛ぶ教室 第73号』感想・レビュー コレ、神…

  • どえらいコラボ効果『川滝少年のスケッチブック』(小手鞠 るい)

    九十代のおじいちゃんはぼくの隣に座っているのに、スケッチブックのなかでは、十二歳の少年が受験に挑んでいる。(本文より) 著者の祖父が描いたスケッチを元にして、 戦時中の生活をリアルに伝える異色作だ。 絵だけでも小説だけでもできないことが コラボする効果でこんなにやれるんだな。 戦争のむなしさがよ~く伝わってくるよ。 余談だが、昔の中学受験の話もあったわ。 親の付き添いなしが当たり前だったとか、 新聞に合格発表が載るんでお隣さんから 合格を知らされたなんて逸話もあったよ。 素材文に使えそうな箇所は多くないけど これはぜひ手にして欲しい本だと感じた。 俺のレビューの書き出しは少しケンカ腰。 それが…

  • 今週発売の中学受験小説の話題など

    今週『小さな挑戦者たち』が発売される。 4日か6日のどちらかに出るっぽいけど アマゾンが6日としてるんで、書店には 前日の5日には並ぶんじゃねーのかな? ま、手に入ったら早めにレビュー予定だ。 予定といえば、今月は中旬に出典予想の 2024年版をリリースする予定ですわ。 実際のところ表自体はもう完成してるが 載せる文章のほうがまだ書けてないんで。 なお、2023年版の出題実績はこれだ。 紹介作品からの出題(2023年度中学入試の国語出典) 俺が調べられた入試問題なんて一部だし、 もっと出題されているのは間違いないよ。 この表は本の優劣のランキングではない という点には特に注意して欲しいと思う。…

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