「ラブカは静かに弓を持つ」安壇美緒著2023年本屋大賞第2位、第25回大藪春彦賞受賞。子供の頃の事件がトラウマとなって不眠と悪夢に苦しんでいた青年、橘は、勤めている著作権管理会社から企業スパイとして音楽教室に送り込まれる。目的は、著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。縁を断っていたチェロの指導を再び受けることになり、最初は嫌々であったが、チェロを奏でることにどんどん夢中になっていく。熱心に教えてくれる講師や教室の仲間たちと交流を持ってしまい、自分の裏切り行為に苦しむことになります。裏切りをテーマにした小説はままあるが、こう来るかと思いました。人生に絶望していた青年が、もがきながら苦しみながら再生していくさまが清々しい。「嘶きのラブカ」をネットで検索して聴きましたとも。「椿ノ恋文」小川糸著「ツバキ...「ラブカは静かに弓を持つ」「椿ノ恋文」