世界遺産にも登録された石見銀山の名前は知っていましたが、戦国時代から江戸時代にかけて、世界を動かすほどの産出を誇った鉱山であったとは知りませんでした。一時は世界の銀の産出量の三分の一を、この石見銀山が賄っていたといいます。最盛期のそこを舞台とした、女性ウメの視点で語られる物語。戦国末期、貧しさから夜逃げした両親とはぐれ、山の中で天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメ。はしっこい彼女は銀山の知識を授けられ、女だてらに坑道で働き出したが、男たちの欲望、差別、侮蔑の目が容赦なく向けられる。一途に慕う喜兵衛からは相手にされず、堀子として働くことは許されず、ついには他の男から凌辱され、身籠ってしまう…粉塵と瘴気の中で仕事をする掘子たちは成功すれば金を得るが、肺を病み、事故もあり、寿命は非常に短かったのだそうです。それで...「しろがねの葉」