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2020/09/14

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  • 玉ねぎの皮をむきながら語る作家として成功するまでの軌跡

    読み終わったばかりの本です。ノーベル賞受賞作家でもあるギュンター・グラスの自伝『玉ねぎの皮をむきながら』。 まさに玉ねぎの皮を一枚一枚むくようにして、グラス自身の記憶の層を少しずつめくりめくり子供時代から作家としてデビューするまでを語ります。自伝という位置づけにはなっていますが、本の中で自分のことを「彼」とか「この彫刻家は」(グラスは作家でもあり彫刻家でもあります)とか三人称で呼び、自分自身の人生を他者として観察しているかのように描写しています。 ですのでいわゆる自伝、私はこんな少年だった、少女だった、私はこう思ってこう決断した、なんていう単調なものではなく、物語を読んでいるかのような面白い読…

  • 人望とは何か 『人望の研究』に学ぶ

    「人望」があるかどうか――これが仕事や生活に大きな影響をもたらします。職場で人望がなければ、周囲の協力を得られずに業務が思うように運ばない、管理者になっても部下が指示通りに動いてくれず問題を抱えるなど、仕事をする上での障壁が生まれてしまいます。日常生活においても友人や隣人からの人望がなければ、場合によっては自分が属しているコミュニティーからのけ者にされてしまうこともあります。特に日本社会で重視されているのが人望です。 ですが、人望とはいったい何なのか。それが重要なことは確かに感じますが、人望とは何かを説明しようとすると、うまくいきません。その人望が何であるかを研究した本が、山本七平著『人望の研…

  • 感想:スティーヴ・トルツ著『ぼくを創る要素のほんの一部』

    『ぼくを創るすべての要素のほんの一部』は、オーストラリアの作家、スティーヴ・トルツによる長編小説です。ブラックユーモアをまじえて語られる、常軌を逸した(変人)父子の壮大な物語です。 こうして小説は始まります。 悲惨な事故で嗅覚を失ったスポーツ選手の話は聞いたためしがないが、それは理由あってのことだ。今後の人生に生かしようのない苦々しい教訓を宇宙が僕たちに授けるためには、スポーツ選手は脚を、哲学者は頭脳を、画家は目を、音楽家は耳を、料理長は舌を失わなくてはならない。おまえはどうかって? ぼくは自由を失って、この妙ちきりんな牢獄にいる。 こう語り始めるのは物語の中心人物の一人、ジャスパー・ディーン…

  • うまく働く方法――『私の生活技術』より

    本棚の中に埋もれていたアンドレ・モーロワ著『私の生活技術』という本を見つけました。いつ読んだのかも覚えていないしどこで購入したのかも覚えていませんが、「またいつか読み直そう」と感じたことはかすかに覚えています。私の生活技術 (土曜文庫)作者:アンドレ・モーロワ発売日: 2016/12/31メディア: 文庫 本のタイトルからも何となく分かる通り、人生に関する指南書のようなものです。構成は大きく以下のように分かれています。 考える技術 愛する技術 働く技術 人を指揮する技術 年をとる技術 巷には 「人とのうまい付き合い方」や「出世する人しない人」のような、生活や仕事をする上でのコツを紹介する本があ…

  • 『アサッテの人』――過去の文学賞受賞作品を振り返る、この一冊

    過去に呼んで面白かった文学賞受賞作品を振り返ってみたいと思います。諏訪哲史氏による『アサッテの人』。2007年に群像新人文学賞と芥川龍之介賞を受賞しています。アサッテの人 (講談社文庫)作者:諏訪 哲史発売日: 2010/07/15メディア: 文庫 あちらこちらに未だ田畑を残す町並を、バスはのろのろと寝ぼけたように進んでいった。と、書いたところで不意にポンパと来た。 これが『アサッテの人』の書き出しです。ポンパとは?――「ポンパ」の意味はこの時点では説明してくれず、話はそのまま続いていきます。 次の文は書き出しから2文目。非常に長いです。あまりこんなに長い一文にはお目にかかれません。 ――虚を…

  • 読書を継続させる本選びのコツ

    本の中に登場する本 同じ作家やテーマにこだわる 世界の文学賞 読書をするとき、皆さんはどのようにして読みたい本を探しているでしょうか。初めのうちは書店に出向いて最初の数ページを読んだり解説を読んだりして、どの本が自分の興味・関心にあっているかを確認して購入する本を探しているかもしれません。 ただ読書量が増えていくと、そうして一から読みたい本を探していてはなかなか次に読む本を確保し切れなくなってしまうものです。次に読む本をうまく探せないと、せっかく習慣づいた読書もどこかで途切れてしまうこともあります。 私はだいたい三通りのやり方で次に読む本を購入しています。 本の中に登場する本 一つは、読んでい…

  • ポール・オースターの小説が面白い理由 破滅志向の奥深さ

    常識にとらわれない 破滅的な物語 物語の中に物語 翻訳版の面白さ 常識にとらわれない wikipediaより ポール・オースターは現代アメリカ文学を代表する小説家、詩人です。アメリカ文学好きな私にとっても大好きな作家の一人です。1947年生まれですから、2020年現在ではもう70代になっています。 アメリカの名門コロンビア大学を卒業後、作家として成功するまでポール・オースターはさまざまな活動をしています。といっても、華々しい活動ではなく、いずれも泥臭く「名門を卒業した人がなぜ?」と思うようなことばかりです。例えば大学院終了後にタンカーの乗組員として船乗りになっています。そしてフランスにわたって…

  • 古本探し通販サイト「Amazon」「楽天ブックス」「ネットオフ」で比較

    本探しに適した通販サイト 在庫数はAmazon、値段はケースバイケース 話題本は複数の通販サイトをチェック 私と同じような人は少なくないかと思いますが、2020年4月から仕事が基本的に在宅勤務になりました。ちなみに新型コロナウイルスの感染拡大が終息するまでの対処ではなく、会社の恒久的な制度としてテレワークが基本になりました。基本は自宅で仕事をしてもらい、自宅では仕事ができないという人はオフィスに行って仕事をしていいですよ、というスタイルです。 通勤していた頃は通勤途中の電車や仕事終わりのカフェの時間などを利用して読書をしていました。休日もほとんどを読書に使っていました。在宅勤務になれば通勤がな…

  • 本好きのオーディオブックの使い方

    本好きにとってのオーディオブック 歩きながらの読書はオーディオブックだけ 読書が苦手な人でもラジオ感覚で読書 物理的に所有する必要がない オーディオブックに適したジャンル 聴き放題がうれしい「audiobook.jp」 本好きにとってのオーディオブック 電子書籍での読書も一般化してきた今、紙の本を持ち歩いて電車での移動中や何かの待ち時間に読む、という人は減少してきているかもしれません。私はといえば紙の本が好きで、自宅には1000冊ほどの本があります。ただ紙の本しか読まないというわけでもありません。どうしても電子媒体の画面でテキストを読み進める電子書籍には慣れることができないのですが、耳で聴くの…

  • 一度は読みたい谷崎潤一郎のお薦め小説「4選」

    谷崎潤一郎のお薦め小説4選 日本文学を語る上で谷崎潤一郎の存在を忘れてはいけません。明治から昭和にかけて数多くの作品を残した日本の文壇を代表する作家です。耽美的、流麗な語り口などが谷崎の特徴であると言えますが、書かれた時代によって作風が大きく異なることも谷崎作品を楽しむポイントです。代表的な4つの作品を挙げてみました。 谷崎潤一郎のお薦め小説4選 春琴抄 刺青 蓼食う虫 卍(まんじ) 春琴抄 春琴抄(しゅんきんしょう)は盲目の三味線奏者、春琴と佐助の物語です。 読み始めてまず気づくのはその独特の文体です。流麗な文と整えられた語調によって谷崎作品らしさがありつつも、他の作品とは明確に異なる文体の…

  • お薦めのディストピア小説『すばらしい新世界』オルダス・ハクスリー

    ディストピア小説の定番 著者:オルダス・ハクスリー ジャンル:SF/ディストピア小説 楽天のレビュー(すばらしい新世界) オルダス・ハクスリーの代表作『すばらしい新世界』(Brave New World)」です。SF(Sience Fiction:科学小説)好きの読者であれば、知っている方も少なくないでしょう。ジョージ・オーウェル(George Orwell)の有名なディストピア小説(ユートピア=理想郷の反対、暗黒の世界を描く小説)『一九八四年』ほど知られているとは言いませんが、ディストピア小説として真っ先に上がるタイトルの一つです。一九八四年 (ハヤカワepi文庫)作者:ジョージ・オーウェル…

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