安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑳

「そう言えば監督、戸楽博士にお久しぶりですって言ってましたけど、前にも会ったことあるんですか？」 「ああ。実は去年の秋頃、スカウトの野宮さんに戸楽博士のことを紹介してもらってな。...

評価一(小説現代ショートショートコンテスト掲載作)

俺は作家になるため、地元の大学を中退し上京した。父親からは、お前なんかが作家になれる訳がないと猛反対され、母親からも、せめて大学を卒業してからにしてほしいと言われたが、自分の夢...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑲

「なるほど。そういうことだったんですか。比嘉、お前もしかしてそこまで計算して投げていたのか？」 「いや、回転数がどうとか今初めて知りましたよ」 「でも不思議だな。何で速いストレー...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:会話劇)採用作【忘れん坊のサンタクロース】

野沢雅子さん「メリークリスマス。プレゼントだよ」 太田光さん「パパありがとう」 野沢さん「あれ、何でパパだってばれてるんだ？ あっ、いっけね。髭付けるの忘れてた」 野沢さん「よう...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑱

「つまり、実際に投げてみないと通用するか分からないって訳か。監督、これはすぐにでも実戦で俺を試しておくべきじゃないっすか？」 「わしも賛成じゃ。川合君がどの程度通用するのか、研究...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:会話劇)採用作【終わらないトイレ】

鳥山明先生「もしかして、爆笑問題の太田さんですか？」 太田光さん「はい、そうですけど」 鳥山先生「初めまして。鳥山明です」 太田さん「あのドラゴンボールの鳥山先生ですか！ 初めま...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑰

「わしはここにきたピッチャーを、S・A・B・C・D・Eの6段階で評価しておるんじゃ。Eは初心者レベル。Ⅾは高校の弱小校レベル。Cは弱小～中堅校レベル。Bは中堅～強豪校レベル。Aは...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:会話劇)没作【無口な夫】

野沢雅子さん「飯」 太田光さん「はいはい」 野沢雅子さん「風呂」 太田光さん「はいはい」 野沢雅子さん「ガーガ−」 太田光さん「もう、寝るくらい言ってよね」 ...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑯

(今まで数千人のデータを見てきたが、こんな奴は初めてじゃ) 「結果を話す前に、まずは良いストレートの条件について説明しておくかの。君達、良いストレートに必要な条件とは何か分かるか...

1行ショートショート381～390

381モグラに一言 地中で暮らすお前らに、サングラスは必要ない。 382モテ過ぎの代償 顎のあたりにできた大量のニキビが原因で、私は急にモテなくなってしまった。 383生まれ変...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑮

「比嘉、準備はできたか？」 「はい、バッチリっす」 「じゃああの3種類のストレートを、それぞれ交互に10球ずつ投げてくれ」 6人の中で最後にマウンドに上がった比嘉が、投球を始め...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:会話劇)没作【短気大学】

野沢雅子さん「なあ、おめえって学歴はどうなんだっけ？」 太田光さん「東京芸大卒。お前は？」 野沢雅子さん「短大卒」 太田光さん「へー」 野沢さん「おい！ 今おめえ短大だからってバ...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑭

「マジっすか」 「もしかして俺達」 「すごい才能があったりして」 「その逆じゃ。ストレートに変化球、3人とも図ったように特出した能力のない平々凡々な結果となっておる。これは逆に珍...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【四角関係】

「Bちゃん、僕と付き合ってください」 「A君ごめんなさい。私、他に好きな人がいるの」 「じゃあ今からその好きな人に告白して、もしその人と付き合えなかったら、代わりに僕と付き合って...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑬

東京の郊外に建っている怪しげなビル。鈴井監督はそのビルの駐車場に車を停めた。 「このビルの13階が、今回の目的地だ。俺はエレベーターで行くが、お前らは階段で行け。これも、トレー...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【うんこウーマン】

授業中にうんこを漏らしてしまって以来、私はクラスの男子達から、うんこウーマンとからかわれるようになってしまった。今日も私が教室に入ると、早速男子達が近づいてきた。 「よっ、う...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑫

「今日からうちの野球部に入部することになった新入部員達だ。さあ、簡単に自己紹介してくれ」 3人の自己紹介が終わると、鈴井監督は話を続ける。 「今日は前から話していた通り、午前中...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【水素君の恋】

思春期の水素君は、幼馴染の女の子、酸素ちゃんのことが気になっていた。 ある日、水素君が借りていた漫画を返しに酸素ちゃんの家を訪れると、鍵が開いていたので水素君はインターホン...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑪

2017年。4月8日。船町北高校入学式の翌日。 この日、船町北高校野球部の練習にやってきた入部希望者は、特待生の比嘉を除いてたったの3人しかいなかった。 「佐藤一郎です。ピッ...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【貧乳コンプレックス】

昔から貧乳がコンプレックスで、恋に奥手だった私は、アラサ—になった今でも恋愛経験がなかった。そんな私は、今日も行きつけの居酒屋のカウンターで、一人寂しく飲んでいた。厨房では、新...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑩

4月1日。比嘉の船町北高校野球部入部初日の練習が終わった。 (走りはもちろんだけど、守備もまあまあレベルが高いな。中学と比べたらだけど。そしてバッティング。安達先輩はもちろんだ...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【大阪からの転校生】

「ねえねえリサちゃん。大阪から転校してきてもうすぐ一ヶ月だけどさ、クラスで好きな人とかできた？」 「なんやねん急に。そういう自分は好きな人とかおるんか？」 「私はね、ずっとバレー...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑨

安達、伊藤に続いて、2年生部員達が次々にベースランニングをしていく。 「太田、14．60」 「芳根、14．34」 「滝沢、14．18。よし、これで2年は全員終了だな」 伊藤以...

悩む時間は無駄(東京新聞300文字小説没作)

「実は俺、最近悩んでることがあって……」 俺が住むマンションに遊びにきた友人が、突然そんなことを切り出してきたので、すかさず俺はこう言ってやった。 「悩んでるなんて、むやみやた...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑧

「みんな、ストレッチは終わったな。ではいつも通り、ベースランニングのタイム測定をする。比嘉、うちは足を生かした機動力野球を目指して走力アップの練習に力を入れている。ピッチャーと言...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【ドM女】

「突然すみません。私、あなたに一目惚れしました。もし良かったら、これからホテルに行きませんか？」 「え！ いきなりホテル？」 「ダメですか？」 「いやいや全然いいよ。行こうかホテ...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑦

(初球からずっと浮き上がってくる妙な球を、それも低めにばかり投げてくるな。もしかして、俺の弱点バレてる？ もしそうなら、もう俺にできることといったらフォワボールになってくれるのを...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)採用作【うんこマン】

「ブリブリブリブリ」 授業が終わるまであと一分というところで、私はついに力尽きた。スカートの隙間から、どろどろの茶色い液体が滴り落ちる。 「何か臭くね」 「ちょっと見て。...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑥

(ワンバンか) 比嘉の1球目を見て、安達も西郷と同じようにそう判断した。 「ストライク！」 しかし、比嘉のストレートは結局最後まで地面につかないまま低めいっぱいのストライクゾ...

爆笑問題カーボーイショートショートショート(テーマ:片思い)没作【再会】

大学生の頃、僕はAV女優のユミちゃんに片思いをしていた。ユミちゃんが出演するAVは全て購入し、ユミちゃんのサイン会や握手会があると、全国各地どこまででもついていった。しかし、僕...

安達弾～打率2割の1番バッター～ 第20章 特待生 比嘉流星の入部⑤

「カキーン！！！！」 外角の真ん中にきた比嘉のストレートを、安達は思いっきり引っ張った。猛烈な打球音が鳴り響き、凄まじい速度で打球が飛んでいくも、角度がつかずライト前当たりで地...