ことばの数だけこころがあり、 ことばの数だけ人生がある。 ここからも、そこからも、ことばの窓から世界が観える。 ― エルの窓から…
「あなたたちは何者?こんなところで何を探しているの?」蟻の巣の一画で沙胤と功露武は通路の前後を十数人の人影に囲まれた。闇に薄ぼんやりと浮かぶ白い肌が飛び込ん…
高校二年生の比古村亮(ひこむらまこと)はあの大雨が降った日のことをよく覚えてる。とはいえ正確に覚えているというわけではない。六年ほど昔のことだったし、まだ小…
この年は日本各地に線状降水帯という耳慣れぬ言葉が定着した年で、西日本、東日本に限らずその地域に集中的に大雨を降らせた。梅雨を空の消防車の放水と呼ぶ地方もあるが…
津々海市は太平洋に面した美しい港町である。町のほぼ中央を御名代川が流れ、上流では大きく三つの支流が注ぎ込んでいる。この川を境にして右と左に分かれる。右の北側…
少女の黒い瞳の中でジャカラは全身を針で覆われた竜になっていた。これが私の本当の姿なのか?ジャカラは自分を振り返り、翼と足を、隆々とした胸と長く伸びた尾を見た…
三日月仰いで散歩に出る。風は甘くスィートで、夜にはミントのバブルが浮かんでいる。スーッと一台の車。見るとレトロなアメ車である。中には粋な山高帽の紳士が一人。な…
社会の中では人は生まれながらに商品なのか?と疑問に思う時がある。人は商品として生まれ落ちるのか?商品として育つのか?商品として競争し、闘い、老いによって廃品と…
…凍土に封印されていたそのウイルスは最も弱く、最も変異に富んだレトロウイルスだった。環境の変化と気候変動がパンドラを開き彼らを目覚めさせることになった。ウイ…
タシャカスデイが聖なる香りを追いかけていたとき、ジャカラグラバンディは川を流れる腐乱した死体を見ていた。死体は男女四体あった。哀れな死体は穢れとなって誰から…
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