「いやぁ、しかし、天ちゃんは嬉しいよ〜」テーブル。ホットプレートでお昼ご飯のお好み焼きを焼きながら天狗がご機嫌だ。俺と光はいつもの席で、それが焼き上がるのを待…
かーくんが鴉に体当たりして、うわ、かーくんそれはダメだよっていうのは思った時点でもちろん手遅れ。テーブルの上におりたかーくんが鴉の大きい手にがしってつかまった…
「………カラス」両想いって何だ?ってのに気を取られてて、いつもなら避けられただろうカラスの体当たりをもろに食らった。しかも顔に。ばさばさってテーブルにおりたカ…
与えられた選択肢の、模範解答は①。でも、僕の気持ちは、正直に言っちゃえば③。でも、それは色々問題があると思うから、一番現実的なのが②。②を選んで、時々ここに来…
「鴉のそれはどういう気持ち?」めちゃくちゃ悲しい顔のまま、それでも俺を真っ直ぐに見て、光は聞いた。どういう気持ち。聞かれても。何て答えていいか分からない。光に…
え。それは一瞬。すうって、変な表現だけど、ドラマとかで見るぐらいすごくキレイに一筋、悲しい顔をしてる鴉のほっぺたを涙が伝って落ちた。「鴉」それがあんまりにもキ…
「ちょっと〜ふたりして固まんないでよ〜」天狗の声が遠くに聞こえる。すごいな、これ。こんな気持ち。感情の波に飲まれながら、それでもどこか他人事のように思う自分も…
「ぴかるん目ぇ覚めた?」カフェオレを飲んでたら、前に座ってる天ちゃんに聞かれた。いつもと違う並びで改まって感がすごい。目なんて覚めるに決まってる。「うん、覚め…
天狗に話した。気狐に連れて行かれた光の夢の中で見たもの。見て思ったこと。かなり気持ち悪いねぇって天狗は言った。そんな夢なんだって、光を見て。「何の意味があるん…
えっと。状況が、よく飲み込めない。これは一体。寝てた。天ちゃんと共謀して、鴉を真ん中にして。最初寝れなかったんだけど、寝ちゃったら結果結構がっつり。光って鴉に…
カクヨムにキミガスキ1 - キミガスキ(みやぎ) - カクヨム恋のライバルは保育園児の弟⁉︎kakuyomu.jp移行スタート✨移行完了後こちらのキミガスキは…
気づいたら、起き上がって耳を塞いでた。つんつんって肩あたりを突かれて、閉じてた目を開けた。居間。そして布団の上。俺をつついたのは、おそらく気狐の鼻先。気狐が光…
口はまたひとつずつ増えてった。ふたつ、みっつって増えてった。それを僕はじっと見てた。何を言ってるんだろう。動いてる口は声がなくて、それぞれに何か言ってる。これ…
そこは、何もない、黒一面のところだった。俺、さっき起きなかったか?天狗と光に挟まれて寝てるって、思わなかったか?辺りを見渡しても、黒以外何もなかった。でも、自…
鴉を真ん中にして天ちゃんと僕。僕の横にいっちゃん、かーくん、きーちゃん。まだまだ明るい午前中なのに、今から本格的に今日が始まるのに、おっやすみーって元気すぎる…
「………っ⁉︎」ごつって。頭にごつって何かあたって、目が覚めた。目が、覚めた?天井が居間。仰向け。背中に布団。一瞬の混乱。ごつっの正体は天狗の頭だった。隣で寝…
鴉が眠そう。っていうか寝てる。今日はどうしようか何をしようか、じゃない。寝よう。その一択じゃない?鴉は座っててかっくんかっくんなってて、ついにはごろんって床に…
「え、みんなで寝る?」何となくそのまま廊下でだらだら状態だった俺たちを見て、一通り家事を終えたらしい天狗が言った。寝落ち寸前の俺。寝不足気味の光。多分力を使い…
ちょっと身体がずんってなって、やばいかなって思って、どうにかこれ以上変なことを考えないようにって、僕は小学校の校歌を無理矢理思い出して歌った。メロディーはわり…
「あ、まーちゃんだ」家事は天狗がやってくれてる。だから今日は光と廊下でぼーっとしてた。のんびりと。今日も天気がいい。空が眩しい。キレイな青。そして緑。それを眺…
「トイレだけは絶対にイヤ‼︎あっちで待ってて‼︎」「………」鴉が。鴉が小さい子みたいになっちゃった。『完全に後追いだね』『後追い?』『赤ちゃんがお母さんにする…
自分でもどうかと思う。自分の行動に自分でびっくりもしてる。でも、そうしたいと思うから。そうしていたいと、思うから。困ってる光には悪いとも、思うけど。俺はとにか…
ごめんなさいって言ったら、ありがとうって鴉が。何でありがとう?不思議に思ったけど、何が?も何で?も発することができないまま僕は。光って、鴉に抱き締められた。め…
「今日はぴかるんが起きるまで一緒に寝てよ」天狗がそう言って、ほらほらって引っ張って行かれた。「カラスと気狐ちゃん、ちょっと退いて〜?で、ぴかるんもうちょいこっ…
自分の外側も内側も、鉛が乗ってるみたいだった。重くて重くて、何も持ち上がらない。手も足も。瞼さえ重くて、持ち上がらない。気持ちも、持ち上がらない。僕なんか。ど…
泣き疲れたのか、それとも別の理由があるのか、こんなに近くで天狗と話してても光は起きなくて、まだしばらく起きなさそうだったから、ちょっと一旦落ち着こうって、天狗…
真っ暗闇。それは最初、いつもの夢だった。真っ暗闇にひとつ、母さんの口が浮かんで、僕はすぐにまた同じ夢かって思った。けど。違った。『おい』母さんの口が男の声でそ…
「何で鴉が泣くの」とりあえず泣き止んだけど、まだ鼻をぐずぐず言わせてる光が、俺にくっついたまま言った。くっついたままというか。ぐったりしてた。「………光が、悲…
逃げたって言っても、逃げるって言っても、逃げ先は特にない。結局台所の、鴉の前から隣の居間に移動しただけ。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。穴が欲しい。入る穴。隠れる…
目が、覚めた。来るって、思って。来る。それは、隣で寝る光の、うなされる時間。何となく空気で分かるようになった。切り替わる瞬間みたいなのが。その瞬間が、ピリッて…
鴉が蝋燭と水を入れたバケツを用意してくれて、ほらやれって。やろうじゃなくてやれ?「鴉はやらないの?」天ちゃんがくれた花火は小さいセットでそんなに入ってない。ふ…
びっくりした。びっくりしすぎて情けないことに腰が抜けた。俺が光に言ったことを、俺に返してくれた。そのことに。心臓がちょっと、どくどくしてた。顔が熱いかも。何だ…
「後で鴉とどう?」ごめんなさいってジャケットの襟から手を離したら、天ちゃんが脇に挟んでたものをかさかさって渡してくれた。それは、花火、だった。昔、僕がまだ小学…
水を入れたバケツを持ってきてから、皿に乗せた蝋燭にマッチで火をつけて、ほらやれって光に花火を渡した。鴉はやらないの?って聞かれて、数が少ないから光ひとりでやれ…
鴉に頭を撫でられながらしばらく泣いてから、布団しまってくるって僕は布団を持って使わせてもらってる部屋に逃げた。どうしていいのか分かんない。鴉とこれからどんな顔…
「あれ?ぴかるんは?」少し長い金髪をセットして、チャラチャラと金のアクセサリーをつけて、どこで買ってくるのか謎のスーツを着て、出勤前のチャラ天狗が居間をキョロ…
めちゃくちゃ頑張って寝たふりを続行。その間に天ちゃんが部屋に戻って行ったから、よかったってガチガチに強張ってた身体をちょっとゆるめた。これならきっと僕が起きて…
「光、そろそろ起きろ」天狗が仕事に行く準備しなきゃ〜って部屋に戻って行った。持って帰って来た俺に直せない小さい鳥居は、明日やってみるねって。鴉の勉強もとりあえ…
これ。この会話。僕が寝てるソファーの前と後ろ。鴉と天ちゃんのそれを、僕が聞いてるって知られたらヤバい。絶対ヤバい。超絶ヤバい。心臓がばくばくして、顔や身体が熱…
恋。恋しちゃった?って。天狗に聞かれて心臓が異常な動きをした。飛び跳ねて、そのままどくどく。体温も上がって、汗が滲んだ。言葉は知ってる。どういうものかも一応知…
上着の袖が鴉の血で変色していく。血が垂れないようにってだと思う。咄嗟に鴉が上を向こうとしてたのを見て、身体が勝手に動いちゃったんだよ。袖で鼻を覆うようにして鼻…
「暑かった?」居間のソファーに座ってティッシュで鼻を押さえてる俺の横に、ボックスティッシュとゴミ袋を持ってちょこんって座ってるのは光。すぐ止まると思うから大丈…
鴉は基本喋らない。僕もそこまで喋る方じゃない。天狗山に来てからは、すごい喋ってると思うけど、それって天ちゃんが『ああ』だからなだけ。………だと思う。だから基本…
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