思考の跳躍っぷりが半端ない。 第一声「春一番」で始まった歌が、わずか8小節足らずのうちに「6月」になり、16小節に達する頃には遥か「夏休み」にまで到達する。 この間、文字にしてわずか36文字。 「♪春一番が 小さな過去へと遠くなる六月 心はウワの空 指折り数える バラ色の夏休み」 なんというめまぐるしさだろう。 暦が一気に、2月上旬から7月下旬まで駆けぬけるのだ。 >>全文を読む
20世紀の日本の歌曲から、独断と偏見で100曲を紹介。 昭和・平成のポップス・ロック・歌謡曲を中心に、 歌詞解釈からサウンド、キーワードから脱線したバカ話などを展開します。 100曲通り過ぎて、現在500名曲の紹介を驀進中。
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思考の跳躍っぷりが半端ない。 第一声「春一番」で始まった歌が、わずか8小節足らずのうちに「6月」になり、16小節に達する頃には遥か「夏休み」にまで到達する。 この間、文字にしてわずか36文字。 「♪春一番が 小さな過去へと遠くなる六月 心はウワの空 指折り数える バラ色の夏休み」 なんというめまぐるしさだろう。 暦が一気に、2月上旬から7月下旬まで駆けぬけるのだ。 >>全文を読む
あえて小難しい言葉を用いて表題曲を評価するならば、 「ラップ」なる音楽的指向において本邦の市井における嚆矢であることは是非に及ばず といえるだろう。 ・・・このように無理に背伸びして難解な(しかもどこか間違っている)言葉にすることは、全然伝わらないうえに、ただ大げさにしているだけで意味がなく、単なる自己満足である。 ので、解るように砕けた言い方をしてみる。 若者だけじゃなく、そこいらのオッちゃんらやオバちゃんらも含めた多くの日本人に、「ラップ」というジャンル名と、その雰囲気をはじめて世に広く知れ渡らせた曲だと思って間違いない。 >>全文を読む
具体的にそれと示すキーワードは歌詞中にひとつも登場しないのだけども、明らかに「同窓会」をモチーフにしたシチュエーションソング。 しかも、友達以上恋人未満だった相手と、久しぶりに再開した同窓会でいい感じになる、という漫画のようなベタな展開*1だったりする。 ところがこれが、ありきたりかと思いきや、こういうイベント系を題材にした曲というのは探してみると案外見つからない。 学校行事や、季節行事、各種懇親会、そういったイベントを題材にした歌がヒットチャートに乗るのは思ったより稀なようなのだ。連載物の漫画などではむしろ格好のネタにされている感があるのに。 なかでも同窓会を採り上げた曲となると、ほかに比較…
表題曲の前年にも、『ロックンロール県庁所在地』(1992年/setaudioimage('https://music.apple.com/jp/album/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%9C%8C%E5%BA%81%E6%89%80%E5%9C%A8%E5%9C%B0-%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AF-%E3%83%AB-%E3%82%A6-%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B7-%E3%83%A7%E3%83%B3/531608790?i=531608…
同名の映画の主題歌である表題曲は、当たり前のように主演女優である原田知世が歌う。 この当時の映画やドラマの主題歌は、近年主流であるタイアップではなく、映像作品制作プロジェクトの一環として楽曲制作のプロフェッショナルが招集され、作品オリジナルの主題歌が作られていた。 そしてアイドル的に売り出し中の俳優が主演を務める場合、歌手が本業であろうがなかろうが主演俳優本人が主題歌を歌うのが半ば慣例化していた。 そうやって制作された表題曲だが、プロの仕事とはこのことで、アレンジと伴奏が完璧でまったく隙がない。全ての楽器があるべきところに収まっていて、過不足ないとはまさにこのことだろう。 それに反して、大きく…
女を酒に酔わせて、どうこうしようという妄想を抱くお話である。 以上、歌の解説、おしまい! いや、、、これで終わっては身も蓋もない。 もう少し具体的に内容を詰めていこう。 彼氏持ちの女友達。 密かに想いを寄せるそんな相手に対し、この主人公、事前にリサーチしておいた雰囲気のいい店に誘い込んだまでは良いが、ただいけない妄想にふけるばかりで、小心者ゆえに何もできない。 解説、おしまい!! ・・・さて、キャンドルを照明にした雰囲気のあるバーカウンターに腰を下ろし、飲みかわす二人。 「♪このバーボンと カシスソーダが無くなるまでは 君は 君は僕のものだよね?」 遊び慣れた男なら、相手が彼氏持ちだろうが何だ…
いつものように──Macugaマクーガ ・Arekeyアーキー (誰?) ※意味はありません まったく意味の無い雰囲気だけの上記の一文はともかくとして、表題曲でまっさきに思い浮かぶのは、コロッケのモノマネ顔だったりして大変いけない。 ちあきなおみが比較的若く引退したからだな。きっと。 ちあきなおみが歌う映像を見る機会よりも、コロッケのぶっとんだ『喝采』を見る機会の方がどうしても多いんだもの。せっかくの名曲に水を差すようで残念ではあるものの、多くの人に認知されるきっかけにはなっていると思う。 それもこれもともかくとして、歌謡曲史上、最も衝撃的と名高い歌い出しがこれ。 「♪いつものように幕が開き …
「♪ラ~メちゃんたら ギッチョンチョンで パイのパイのパイ パ~リコっとパナナで フライフライフライ」 嬉しくなっちゃうくらい意味の無い歌詞に、もろ手を挙げてバンザイだ。 ここまで強烈な無意味っぷりをカマされた日にゃ、この歌詞に意味を求める行為こそ、無粋ぶすいってモンだろう。 表題曲よりも前時代、明治の世に流行した『オッペケペー節』(1880年代後半/setaudioimage('https://music.apple.com/jp/album/%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%9A%E3%82%B1%E3%83%9A%E3%83%BC%E7%AF%80/1597857924?…
中山競馬場のGⅠファンファーレ(setaudioimage('https://music.apple.com/jp/album/%E6%9D%B1%E4%BA%AC-%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E5%A0%B4/1763349496?i=1763349497&uo=4&at=1001l4PV', 'https://audio-ssl.itunes.apple.com/itunes-assets/AudioPreview221/v4/42/7c/80/427c8046-aea3-5cd3-fe62-7de85679a9f5/mzaf_14278207…
よくもまあ名付けたもので、『夏の日の1993』。 これで1993年の夏の曲でなければ、もはや嘘を通り越して、ある意味ペテンである。 ピンク・レディー『カルメン'77』(1977年/setaudioimage('https://music.apple.com/jp/album/%E9%A2%A8%E3%81%AB%E5%90%B9%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%A6/263316056?i=263316583&uo=4&at=1001l4PV', 'https://audio-ssl.itunes.apple.com/itunes-assets/Music/v4/d5/35/7…
『♪ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ そ~れ、それそれ お祭りだァ!』 この実に印象的なフレーズときたら、時代をとわず使ってみたくなるモノらしく、 1990年代の『お祭り忍者』(忍者/1990年/setaudioimage('https://music.apple.com/jp/album/%E3%81%8A%E7%A5%AD%E3%82%8A%E5%BF%8D%E8%80%85/1647487431?i=1647487457&uo=4&at=1001l4PV', 'https://audio-ssl.itunes.apple.com/itunes-assets/AudioPre…
カラオケでこの曲を選曲した人がいたならば、ぜひとも勝手にハモりパートを歌って迷惑がられたい。 長年にわたりそう思ってやまないのだが、ついぞその機会に巡り合ったことがない。 というより、今の今までただの一度も、この曲やこのグループの話題が、身の回りの日常会話に登場したことも、街角で偶然巡り当たったこともない。 うすうす感じてはいる。 この曲、本来「百名曲」に選ぶような対象ではないのだろう。 まさに知る人ぞ知る名曲、とか、隠れた名曲、そういうカテゴリにピッタリの曲だ。 だけど選ばずにいられなかった。 だってこんなにいい曲なのだから。 声を大にして再度言う。だってこんなにいい曲なのだから。 >>全文…
ねぇよ! 反射的に突っ込みたくなるくらい強烈な、そんな問いかけから歌はスタートする。 「♪みちに倒れて 誰かの名を 呼び続けたことは ありますか?」 すごいね、これ。 名作と呼ばれる小説の多くは、その書き出しが最も印象的だったりするが それらに勝るとも劣らぬ書き出しだと思う。 >>全文を読む
日本の流行歌史上に、燦然とそびえ立つこの名曲(決して言い過ぎではないと思う)は、歌詞に出てくる「君」を何と解釈するかによって、歌詞の意味が大きく変わってくる。 普通にラブソングとして考えれば、「君」は手の届かない女性と捉えることができる。 しかし、タイトルをはじめとして、抽象的で暗喩のようなキーワードばかりが並ぶために、具体的に何を言っているのかさっぱりわからない歌詞なのだから、単純にラブソングとしてとらえていては本質を見誤る可能性がある。 そもそも草野マサムネによるスピッツの歌詞の世界は、ファンタジーというか、メルヘンの世界にどっぷりつかっているフシがあるので、「君」といっても、必ずしも人と…
暗転した舞台。 三味線と鼓による『天城越え』(1986年/setaudioimage('https://music.apple.com/jp/album/%E5%A4%A9%E5%9F%8E%E8%B6%8A%E3%81%88-%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB-%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3/586854923?i=586855195&uo=4&at=1001l4PV', 'https://audio-ssl.itunes.apple.com/itunes-assets/Mus…
どこまでも、どこまでも音階の上がっていく歌唱。 どこまでも、どこまでもヒートアップしていく演奏。 歌いだしからクライマックスまで、この歌唱と演奏の二つが、螺旋のようにたがいに絡み合い、頂点まで上り詰めていく。 それはまさに圧巻のひと言。 ん~、あふれる思いが強すぎるのか、うまく文章で表現することができない。 自分の中では、日本の楽曲のなかでも5本の指に入るくらい、「超」の付く屈指の名曲だと思っているんだけれど。 岩崎宏美の、20代前半とはとても思えないような見事な歌いっぷりに感服しきりだ。 「♪さぁ 眠りなさい~」と始まるくせに、前述のようにどんどんヒートアップてしまって これではとてもじゃな…
まったくの個人的嗜好から言わせてもらうと、バンド・サウンドのベストはイエモンだと思う。 おそらく意識的に超高音と重低音を排除し、中低音の音域にどっかと腰を据えた骨太のサウンドに、話し言葉のような日本語を載せている。 そのせいだろう、歌詞カードがなくても何をしゃべっているのか割合はっきりと聞き取れる。 そう、歌っているというよりは喋っているような感覚。 そして、これは意識しているわけではないと思うが、アクセントがおかしくなるくらいであれば、平然とリズムや旋律を変えてしまうようなことを、あっさりやってのける。 その結果として言葉を大事にしている印象を受けるから、イエモンは歌詞がいい、なんて評判を受…
1977年の『案山子』(さだまさし/setaudioimage('https://itunes.apple.com/jp/album/%E6%A1%88%E5%B1%B1%E5%AD%90/282131872?i=282132059&uo=4&at=1001l4PV', 'https://audio-ssl.itunes.apple.com/apple-assets-us-std-000001/Music/v4/f6/0c/6b/f60c6bbe-ee11-f4e1-10ae-9a057e82884d/mzaf_1615159188262341867.plus.aac.p.m4a'); )にし…
個人的願望としては、ここに歌われている「君」には、どうあっても生きていてもらいたい。 亡くした人に対して、言えなかったこと、後悔していること、一緒にやりたかったこと。 そんな遂げられなかった思いを、夢のような奇跡によって叶えるなんて物語は、もはやあらゆるジャンルで手を変え品を変え語りつくされており、感傷的な感動物語は正直食傷気味でさえある。 それドコロか元来そのような設定がないはずの物語にさえも、読み手側の裁量でソッチの話に解釈され、あらたなストーリーが展開してしまうことすらある。 『となりのトトロ』のサツキとメイが物語の中盤で実はすでに死んでいる、なんていうような妄想裏設定を、これ以上増やし…
歌詞の内容はともかくとして、イチイチかっこいい曲である。 跳ねるようなストリングスのリフ、 静寂の中、時計の秒針が時を刻むような、乾いたドラムの音、 青江三奈のタメのきいたハスキーボイス、 そしてブレイク。 「ドゥドゥヴィドゥヴィドゥビ・・・」のスキャット、 その後に絶妙なタイミングで入る三連の演奏。 ただカッコいいだけのサウンドであれば、ここまでヒットはしなかっただろうが、 そこに 「アッ・・・ ンッ・・・」 吐息、というより、喘ぎ声と言っていいようなボイスを加えたところ、絶妙な背徳感をもたらし、見事に大ヒットとなった。 >>全文を読む
主人公は、今で言う「中二病」をこじらせているように思う。 説明するまでも無いかもしれないが、中二病なる俗語の意味するところを要約すると、 自分やその周辺に何らかの「妄想的設定」*1を設け、その設定を達成するために自らにキャラ付け*2をしたり、強がり的な背伸び*3をするなどして、言動や服装を「それっぽく演出」するイタい行動の数々を、ひとつの症候群と称したものである。 罹患年齢は必ずしも中学2年生である必要はなく、むしろもっと歳がいっているにもかかわらず、 相変わらず中学生のような妄動を繰り返すような人間のことを指すように思う。 表題曲は、全体にかなり難解な歌詞であるが、その前提で眺めてみると状況…