「で?司とは最近どーなの?」大学内にあるベンチでいつものように講義の合間の休憩を取っていると、横のベンチで昼寝をしていると思っていた類が急にそんなことを言い出した。「コホッ!な、なに、急にっ。」「んー、司の機嫌があんまり良くないから、牧野と
NYから戻ってきた滋さんは、ある決断をした。それは、会社を年内いっぱいで退職すると。実家の大河原を継ぐ事に決めたらしい。元々、道明寺ホールディングスに就職したのも、お父様から社会経験を積んでこいと言われたからで、ゆくゆくは家を継ぐことは決ま
道明寺と2人で店を出た後、手を繋ぎながら夜の街を歩く。「ようやく帰ってきたって実感してる。」「うん、あたしも今同じこと考えてた。」会えば喧嘩ばかりのあたしたちだけど、やっぱりこの人の隣が1番落ち着く。「4年、めちゃくちゃ長かった。」「そう?
牧野たちと合流したのは21時を過ぎた頃だった。どうやら、一人かなり出来上がってる奴がいる。「お帰り〜、猛獣さん。」俺を見るなり、にっこりと腕を組んでくる女。「相変わらず、イカれてんなおまえ。」「ちょっと、イカれてるとは何よっ!久しぶりの再会
道明寺がF3と久しぶりの再会を果たしている時、あたしもさほど遠く無い場所でいつもの仲間と会っていた。「先輩、こんな所でご飯食べてていいんですか?」「ん?」「だって、道明寺さんNYから帰ってきたんですよね?」パスタを口に頬張りながら、あたしは
このお話の時期は、司がNYでの修行を終えて4年ぶりに日本に帰国した3日後です。:::「カンパーイ!」久々に揃ったF4での宴の始まり。「とうとう武者修行を終えて凱旋したってわけかよ。」「長かったようで、あっという間だったな。」感慨深げにそう話
がんばるっ!なんて、宣言したくせに、いざ道明寺の長い指があたしの中へ入ってくると、痛みと恥ずかしさで、思わず頭をブンブンと横に振る。「痛いか?」「…ん、う…」声にならない声。拒否したい気持ちと、受け入れたい気持ちが半々で、目に涙が溜まる。そ
リアムのバーを出たのは23時過ぎだった。店の前で滋たちと別れ、俺と牧野はホテルまでの道を手を握り歩く。「…なんか、変な感じ。」「あ?」「だって、あたしたち、日本でもこうして手を繋いで歩いた事なんて無いのに、まさかNYに来てしてるなんて。」「
時間を遡ること二日前。NY行きの準備をしている俺のところにリアムから電話があった。「司、面白い情報が入ったよ。」「面白い情報?」「ああ。君が探している女性だけど、昨日からNYの街を3人で行動してる。」3人…すぐに思い当たる節がない。すると、
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「で?司とは最近どーなの?」大学内にあるベンチでいつものように講義の合間の休憩を取っていると、横のベンチで昼寝をしていると思っていた類が急にそんなことを言い出した。「コホッ!な、なに、急にっ。」「んー、司の機嫌があんまり良くないから、牧野と
翌日、いつもより30分早くエントランスへ下りて行くと、運転手の焦った声が聞こえてくる。「お待ちくださいっ、もう少しで司様もいらっしゃいますので!」それに、「大丈夫です。ちょっと寄るところがあるので今日はバスで行きますので。」と、牧野の声。思
ドンッ!ボンッ!バシッ!!「痛ってぇ!おまえさ、少しは手加減しろよっ。」「はぁ?突然おかしなことしてきて、何よあんたっ!」バシッ!!もう一度俺の胸を思いっきり叩く牧野の耳が照れているのか真っ赤なのに気付き、俺の顔が緩む。「な、なに笑ってんの
新潟から東京に戻り、邸に着いたのは夜になっていた。エントランスに近付くと、そこには見慣れた車がとまっている。類のポルシェだ。「あっ、花沢類の車?」と、牧野もその車に気付き嬉しそうに呟く。気に食わねぇ。類の車を見ただけで、こんなに素直に喜ぶの
昨夜は寝付けなかった。朝方までウトウトを繰り返し、ようやくうっすらと明るくなりかけてきた頃、深い睡眠が訪れた。そのせいで、目覚めたのは9時半すぎ。ダイニングに炭酸水を取りに行き、そのついでに……とわざわざ1回に下りエントランスに近い牧野の部
昨夜は寝付けなかった。朝方までウトウトを繰り返し、ようやくうっすらと明るくなりかけてきた頃、深い睡眠が訪れた。そのせいで、目覚めたのは9時半すぎ。ダイニングに炭酸水を取りに行き、そのついでに……とわざわざ1回に下りエントランスに近い牧野の部
部屋に戻りタバコの悪臭が染み付いた服を脱ぎ捨てると、ようやく少しだけ頭痛が和らいできた。今日は長い1日だった。このまま目を閉じて、明日の朝になれば全てを忘れてしまっていたい。そう逃避してしまいそうになる思考を、トントンとノックする音が再び現
9月中旬、類とふたりで出掛ける約束をした。脅迫文や嫌がらせ、就活などでバタバタとした日々を過ごしていたから、こうしてのんびりと過ごすのは久しぶりだ。大きな公園で草むらに並んで座り、時間を気にすることなくダラダラするのがこんなに幸せに感じると
警察で聴取を受け、その後病院で検査をし、全てが終わったのは次の日の正午近かった。その間、牧野のそばにはずっと姉ちゃんが付き添っていて、こういう時は男の俺は何も役に立たない。ただひたすら、ヤキモキした気持ちを抱えながら車の中で終わるのを待つだ
牧野の肩の怪我が治りかけてきた頃、事件が起きた。金曜の夜、部屋で寛いでいるとタマが血相を変えて俺の部屋に飛び込んできた。「坊ちゃん!」「っ!なんだよ、ノックもしねーで。」「これ、見てくださいな。」タマがそう言って俺に差し出したのは、2センチ
それから数日たったある日。いつものように大学の図書館で自習している途中、トイレに席を立った。数分後、席に戻りそこに広げていた教科書を見てあたしは唖然とする。そこには赤ペンで大きく、「泥棒猫!!」と殴り書きがされていたのだ。意味がわからない。
その夜、22時をすぎた頃あたしの部屋の扉が小さくノックされた。タマさんか?そう思ったけれど、いつもならこの時間は寝ているはず。「はい?」「俺だ。」扉の向こうから道明寺の声。道明寺があたしの部屋まで来るなんて初めてのこと。静かに扉を開けると、
夏休みも残すところ1週間。就活やバイトに追われ、結局夏休み中に花沢類と会ったのもほんの数日、しかもキャンパス内でだけだった為、「少しは俺に時間を割いてよ。」と言われ、今日は2人でドライブに行ってきた。少し遠出をして、街をプラプラ散策し、美味
花沢類に連れられて、美音さんが入院している病院にまで来てしまった。美音さんと特別親しい訳でもない。あたしなんかが.........と思ったけれど、断れずに付いて来てしまった理由はただ1つ。道明寺に会いたかったから。別に変な意味では無い。ただ
新潟の実家から道明寺邸に戻り3日が過ぎた。その間、一度も道明寺の姿を見ていない。あの日、新潟から急遽東京に戻った道明寺に「無事に着いた?」とメールを送ったけれど、未だに返事は無い。美音さんに何があったのだろうか。道明寺に会ったら聞いてみよう
総二郎の電話で呼び出され、東京の大学病院に着いたのは22時を回っていた。病室の前に行くと、あきらと総二郎が硬い表情で立っていて、俺を見つけると、「おう、待ってたぞ。」と、肩に手を置く。「美音は?」「安静に…って言われて眠ってる。中に美音の両
次の日、目を覚ますとあたしの両隣の布団は空だった。慌てて下におりると、リビングでパパとママ、進、そして道明寺が仲良く朝ごはん中。「つくし、遅いわよ〜。」ママにそう言われ時計を見ると、まだ8時前。「えっ、みんなが早くない?」困惑しながら急いで
新潟行きの新幹線の中。あたしの隣には長い足を窮屈そうに組み、座る道明寺がいる。新幹線に乗るまでは何かの冗談だと思っていたのに、まさか本当に新潟までくるとは思いもしなかった。だから、もう何度も聞いたセリフをもう一度この人に言う。「本当に付いて
パーティーの日以来、道明寺の機嫌が悪い。会えば突っかかってくるし話せば口論になる。「喧嘩でもした?」椿さんにも心配されるけど、思い当たる節は全くない。今日も朝から登校中の車の中で、「おまえさ、」と、喧嘩腰にあたしを睨むこの男。「何よっ。」「
パーティーが終わり邸は静けさを取り戻したというのに、俺の部屋ではまだこいつらがうだうだと長居をして騒いでいる。「早く帰れよお前らも。」「司ー、いーだろ久しぶりにおまえの部屋に来たんだから。」「どうせ、俺のコレクションを呑みてぇだけだろ。」長
定時に仕事を終わらせて専務に連れて来られたのは、以前何かの雑誌で見た事がある高級BARだった。「専務?ここですか?」「ああ。」「あのぉー、ここに何が?」「会わせたい奴らがいる。」そう言ってあたしの腕をとりバーの奥へと入っていく。店内の一番奥
次の日、牧野の顔が見たくて秘書課のオフィスがあるフロアーを無駄に何度も往復する俺。こんなこと知られたら西田に激怒されるだろう。午前中は空振りに終わった。午後からは1つ会議が入っていて夕方まで缶詰め状態。ようやく終わって、再び西田の目を盗み秘
会食が終わり、ホテル前のリムジンに乗り込むと、いつもは別の車で移動する西田が俺の隣に乗り込んできやがった。早速、お説教かよ。わざと西田に聞こえるようにため息をつくと、西田もメガネをかけ直し、俺を真正面からガン見してくる。「なんだよっ。」「専
翌日、ベッドで目を覚ました瞬間、昨夜の事を思い出し頭から思いっきりブランケットをかぶる。はぁーーー、何やってんだよ俺は。マジでカッコわりぃ。『そういうの困りますっ。』牧野にそう言われて、何かがプツンと切れた。「本心か?それは」「…はい。」「
それから更に2週間。専務の忙しさは変わることなく続いている。秘書課でも「専務、大丈夫ですかね。ここ1ヶ月は全く休みなし、帰りも22時過ぎですよ。」と心配の声があがるほどだ。でも、どんなに専務が忙しくても、あたし達社員はサラリーマンの身。秘書
朝から秘書課はいつになくザワザワと騒がしい。それもそのはず、同僚たちの手の中には、今日発売されたばかりの週刊誌が。「ビッグカップル誕生か!」そんな見出しと共に、専務とアリーナの夜の密会写真が掲載された。「牧野ちゃん、これ見た?」と、先輩がわ
アリーナとの電話を切ったあと、すぐに秘書課へコールする。「はい、秘書課です。」「牧野はいるか?」「あっ、専務。牧野さんは……、えーと、今席を外しておりまして」「どこにいるっ?」苛立ちを抑えずにそう聞くと、「資料庫に行きましたっ。」と、慌て答
アリーナと牧野と3人で食事をし、天ぷら屋をでたのは21時を少し過ぎていた。迎えの車を呼ぼうか…そう思った時、アリーナが携帯を見せながら言った。「ここが素敵なの!私、行ってみたいのよ。」SNS映えしているそれは、都内にあるホテルの最上階バー。
アリーナの日本での生活が始まり、私も何かとサポートする機会が増えた。仕事だから…と言えばそうだけど、彼女といる時間が純粋に楽しくて苦ではない。先日の会食時に、アリーナの専務への好意を知ってしまった。驚いたけれど、今思えば確かにそんな兆候はあ
土曜日。今日はアリーナとの会食の日。専務も一緒に…という彼女の希望で、場所は楓ホテルの最上階にあるフレンチレストランを西田さんが予約した。約束の時間の30分前に到着したあたしは、夜景が見える席の配置や、お酒が飲めないアリーナにも喜んで貰える
牧野との買い物を終えて邸に着いたのは19時を過ぎていた。ラファエルとの仕事が一段落してからは、残業することもなくこの時間に帰ってこれる日も多い。車から降り、エントランスに入ろうとした時、邸の車寄せに1台の青のベンツがゆっくりと近付いてきた。
それから数日後、同僚と社食でランチを取っていると、専務の秘書である西田さんに声をかけられた。「牧野さん、少し打ち合わせいいですか?」「あっ、はい!」社食の隣にあるカフェスペースに2人で移動すると、コーヒーを注文し並んで座る。「土曜日のアリー
その夜、マンションの部屋で寛ぎながら、昼間専務から渡された資料に目を通していた。そこにあるのはアリーナの顔写真。本当に美人で惚れ惚れしてしまう。私よりも年下なのに大人っぽい雰囲気と、抜群のスタイル。透き通るような白い肌にピンクのリップがとて
朝礼が終わり、それぞれが席に着いてからも秘書課は専務の言葉でザワついていた。「ねぇ、専務が日本に残るってこと?」「NYには戻らないって事よね?」「またあのかっこいい姿を間近で見れるの?」女子社員たちが喜ぶ中、私1人だけが複雑な気持ちで頭を抱
あの日、三年ぶりに取った休みを牧野の家で過ごした。着いて早々に俺が『つくしさんと結婚したい。』と告げると、心底驚いた顔で固まった牧野の両親。俺の素性について詳しく牧野から説明すると、ますます頭を抱えた二人だったが、あれから半年、すっかり俺と
まさかババァが牧野に婚約指輪を渡すとは思っても見なかった。でも、その指輪は俺が想像していたのよりはるかに安価なものに見える。「牧野、指輪は俺が買う。だから、これじゃなく、おまえの好きなものを選べ。」そんな俺の言葉に、「道明寺、待って。……あ
週のはじめの月曜日。いつもの時間に目覚めると、喉に激痛が走り、身体が火照っていた。体温計ではかるまでもなく熱があるのが分かる。原因はもちろん2日前の金曜の夜。専務とホテルに行き、朝方まで裸で過ごしていたからだ。ダルい身体を起こし、リビングに
俺のため……?「俺に会うためにこのエレベーターに乗ってるのか?」「最初はそうじゃなかったけどっ……、でも今は…………、」たぶん、牧野がこのエレベーターを使うようになったはじめの理由は俺の想像通りだろう。だけど、今は違うらしい。いつも俺が追い
ババァの出現と突然のフライングプロポーズで、俺もゆっくりしていられなくなった。早く牧野に合う指輪を用意して、自分の口から結婚を切り出したい。そんな俺は、夜景の綺麗なレストランを予約して、最高のワインで乾杯をし、一生に残るプロポーズをするため
「牧野、俺が身体洗ってやる。」そう言って後ろから抱きしめると、急激に自分の下半身が反応してくる。「せ、専務っ、」焦るこいつの言葉は無視。身体を俺の方に向けさせ、泡々になっているスポンジを肩から乗せていくと、「あたし、もう洗いました。」と、顔