24年前の今日、1997年6月30日。香港は時折りものすごい土砂降りになりながらも、刻々と残りの時を刻んでいた。英国植民地としての最後の時間だ。 さまざまな場所で、英国のユニオンジャック🇬🇧がおろされていく。世界中から集まったメディア関係者がカメラのシャッターをカシャカシャと切る。同じ場所に明日からは中国の五星紅旗🇨🇳がたなびくのだ。歴史上最後の瞬間だった。 明日からどんな時間が待っているのだろう。当時の香港市民には期待と不安が入り混じっていた。 当時、広東語が出来ず、辿々しい普通話(標準中国語)と英語で聞きかじりしていた私の感覚では、8対2程度で不安が多かった。香港は返還後、97年のアジア通…
6月17日に、中国に対して批判的な大衆紙「アップルデイリー」 の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕さ れた事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応し ているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものをシリーズで記録してい く。(冒頭の写真は、6月25日付「信報」) 今回のテーマ:「アップルデイリー」廃刊翌日の他紙から 各紙、多くの市民が最後の「アップルデイリー」を購入する様子を伝える一方、アップルデイリーの消滅が鬼退治に成功したかのような評論も随所にあった。そんな中で、私は以下3つに注目した。 ・宿敵「アップルデイリー」が消えた東方日報は ・「明報」と「…
6月17日に、中国に対して批判的な大衆紙「アップルデイリー」 の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕さ れた事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応し ているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものをシリーズで記録してい く。(冒頭の写真は、過去の1面記事を散りばめた「アップルデイリー」の見開き特集) 今回のテーマ:最後の🍎を求めて 昨日の「アップルデイリー」廃刊発表から一夜明けた、24日朝。「絶対に買わなくちゃ!」と思って普段より30分以上早い、朝7時30分 に近所のコンビニに行く。今日付け新聞は26年の歴史に幕を閉じるとあって、過去最高の100万部を…
6月17日に、中国に対して批判的な大衆紙「アップルデイリー」の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕された事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応しているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものをシリーズで記録していく。(写真は6月23日付け「アップルデイリー」内の読者に感謝する広告) 今回のテーマ:さよなら🍎 ついにその日がやってきた。大衆紙「アップルデイリー」を発行する「壱伝媒(ネクストデジタル)」は23日、24日付を最後に同紙の発行を終えると発表した。「中国に批判的な新聞」、「民主派新聞」と言われた同紙は創刊から26年で幕を下ろす。 (6月23日付、…
6月17日に、中国に対して批判的な大衆紙「アップルデイリー」の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕された事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応しているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものを記録していく。 今回のテーマ: 行政長官のアップル事件についての見解 これまで2回記者からのアップル事件への質問に無言だった林鄭月娥行政長官が6月22日、ようやく事件について触れた。 ザックリ言うと、今回の幹部逮捕や資産凍結は、国家の安全を危険にさらす疑わしい行為が問題になっているもので、「報道の自由」以前の問題、と一刀両断。「『香港国家安全維持法(国安法)』は抑…
6月17日に、中国に対して批判的な大衆紙「アップルデイリー」の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕された事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応しているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものを記録していく。(冒頭の写真は、最終回となった「アップルデイリー報道」から) 今回のテーマ: 「アップルデイリー」に迫るXデー 当局によって7つの銀行口座、約1800万香港ドル(約2億6000万円)が凍結され、まさに兵糧攻め状態の「アップルデイリー」。この資金凍結が解除されない場合、約1000人の従業員への給料が支払えない。香港は、就業規則で定めた毎月の締め日から7…
6月17日に大衆紙「アップルデイリー」の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕された事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応しているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものを記録していく。(冒頭の写真は「アップルデイリー」の社説) 今回は、事件翌日、6月18日の主要各紙の社説。 同業他社は今回の事件をどう見るのか? 気になったので「アップルデイリー」など6紙にザッと目を通した。 気づいたことは2つ。 ●「アップルデイリー」を擁護する内容は1紙もなかったこと。 ●「明報」の社説は、全く別のテーマだったこと。 実は私が一番読みたかったのは、「明報」の社説だった…
6月17日に大衆紙「アップルデイリー」の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕された事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応しているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものを記録していく。 ーー事件翌日の朝の新聞販売店はーー 6月18日朝、新聞販売店は行列ができていた。その前に山積みになった「アップルデイリー」がドカンと置かれ、次々と買い求められていく。中には、3部、5部とまとめ買いしていく人も。去年の8月に、「アップルデイリー」の創業者、ジミー・ライ氏が逮捕された翌日と同じような光景だ。前回は55万部を発行した。今回は50万部だ。編集幹部が逮捕され、パソ…
6月17日に大衆紙「アップルデイリー」の幹部5人が「香港国家安全維持法(国安法)」違反容疑で逮捕された事件。報道の自由を揺るがす大事件に市民や社会はどう反応しているのか? 日々のニュースや、実際に見聞きしたものを記録していく。(写真は、RTHKニュースから) ★事件を受けて、当日(6月17日)、香港記者協会など8つのメディア組織が連名で出した声明文★ 「同社幹部の逮捕や捜査は衝撃的でメディアや市民に不安を与えるものだ。『国安法』は言論の自由を脅かす武器と化した」と訴えた。 そのほか、要約するとこんな感じ。 ーーーーーー 今回の警察の行動は、昨年8月に(アップルデイリーを発行する)ネクスト・メデ…
6月16日に香港株式市場に上場した中国企業「時代天使(angelalign)」(コード番号6699)が、公募価格の173香港ドル(以下ドル)に対して、なんと約2.3倍の401ドルという超高値をつけて引けた。初値は400ドル、高値は490ドル、安値は375ドルだった。(写真は、時代天使社のサイトから引用) 今日(6月16日)の香港各紙の経済面に「時代天使」の名前が踊っていて、すごい名前の企業が出てきたものだと思ったら、株価も超値上がりしてすごかった。どんな会社なのかとサイトを見たら、透明の歯形がアップで出てきた。 (時代天使社のサイトから) 同社は、透明のマウスピース型矯正システムを提供する会社…
天安門事件から32回目を迎えた6月4日の香港。この歴史的一日に私が見聞きしたものを忘れないようにメモしておく。 午後。事件の翌年から毎年、犠牲者を追悼と中国の民主化を願って行われた「6・4集会」の場所だったビクトリア公園は、封鎖された。昨年も今年同様、コロナ対策を理由に集会は許可されなかったが、市民は自由にここに集まって追悼できた。しかし、「国安法」施行後、初の6月4日となったこの日は、市民が立ち入ることさえ許されなかった。 郊外の葵芳駅前でも、夕方を前に複数の警官の姿が(上の写真)。ここは昨年は無料でキャンドルが配られ、大勢の市民が列を作っていた場所だ。警官は厳しく見守るというよりも、違法集…
香港で6月4日といえば、多くの市民が思い浮かべるのは、1989年の天安門事件を追悼する「64集会」。今年は「国安法」が施行されて初めての6月4日。しかも新型コロナの感染予防のために集会の開催は許可されなかった。6月2日から6月4日までの関連の出来事を伝える香港の主要各紙を、3回に分けて追ってみる。 ーーーーーー 6月5日 この日は警察7000人が違法集会の警戒にあたると報道されていたが、日中からビクトリア公園以外だけでなく、郊外でも警察や警察車を見かけて緊張感が。ただ警察は2019年の反政府デモの時に比べたらリラックスしていた。仕事が終わって街中を散歩してみたが、市民も警察も久しぶりに大勢が街…
香港で6月4日といえば、多くの市民が思い浮かべるのは、1989年の天安門事件を追悼する「64集会」。今年は「国安法」が施行されて初めての6月4日。しかも新型コロナの感染予防のために集会の開催は許可されなかった。6月2日から6月4日までの関連の出来事を伝える香港の主要各紙を、3回に分けて、追ってみる。 ーーーーーー 6月4日:この日は毎年午後8時から、ビクトリア公園で大規模な追悼集会が行われていた。今年は行ったら違法集会とみなされ逮捕される可能性が大きい。そうした日を迎えた、当日の香港の主要各紙。スタンスは様々。 ----------------- 「アップルデイリー」:1面と最終面を過去31年…
香港で6月4日といえば、多くの市民が思い浮かべるのは、1989年の天安門事件を追悼する「64集会」。今年は「国安法」が施行されて初めての6月4日。しかも新型コロナの感染予防のために集会の開催は許可されなかった。6月2日から6月4日までの関連の出来事を伝えている香港の主要各紙を3回に分けて追ってみる。 ーーーー 6月2日:民主派団体「香港市民支援愛国民主運動連合会」(支連会)が運営する、天安門事件の記念館「六四記念館」が、当局の指導で閉館に追い込まれた。以下は、翌日6月3日の主要各紙の一面など。親中派新聞では扱いが小さい上に「記念館」とのみ表記。六四の文字は見られず、将来この記事を見た人はこの記…
「ブログリーダー」を活用して、点心さんをフォローしませんか?
指定した記事をブログ村の中で非表示にしたり、削除したりできます。非表示の場合は、再度表示に戻せます。
画像が取得されていないときは、ブログ側にOGP(メタタグ)の設置が必要になる場合があります。